ウェッブな実感  --97.9.7




いうまでもなく「ウェッブ」とはクモの巣である。

WWW(ワールド・ワイド・ウェッブ)とは世界中にくまなく広がったクモの巣のイメージだ。

でもこの広がりを僕はなかなか実感できなかった。

クモの糸で「つながっている」我々。

細い糸のこっち側は僕がにぎっているが、糸の向うに本当に誰かがいるのだろうか?


おかげさまでメールは実にたくさんいただく。
あぁ、糸の向うにこの方達はいるのだな、と理屈ではわかるのだけど、もともと顔も知らない方からいただいてもなかなか実感は出来ないよね。


そういう意味で、はじめて実感めいたものを感じたのは、昔の友達からメールをもらった時。

「インターネットしてたらたまたま見つけてさぁ。あのさとなおってさとなおだよね?!」

顔を知っている奴が糸の向うでこうしてキーボードを打ったんだなぁ、というのが絵として浮かぶ。なるほど、実際に糸の向うにいるんだな、という実感が湧いてくる。



次に感じたのは、会社の同僚が僕と全然気がつかずにメールをくれた時。

「え? あのホームページって佐藤だったの? 全然気がつかなかったよぉ」

糸の向うに確かに人がいる。
だんだんそれがわかってきた。


もっとも強く感じたのは作家の林望さんからメールをいただいた時だ。

僕のホームページの中に「おもしろ本のページ」という書評のページがあるが、そこで何冊か彼の本を取り上げている。それに対するお礼が来たのだ。

唖然とした。
一般の本好きのために書いているささやかなページである。この広大な世界に比すればつぶやき以下、単なるささやき声だったのである。

そのささやきが作家に届いてしまったのである。

「あ〜ぁ、どこかに白馬に乗った王子様がいないかしら…」と鏡に向かって小さくささやきかけたら、「呼んだ?」といきなり2DKの部屋に馬と王子が現れるようなものだ。(ずいぶん違う)



う〜ん。小さな小さなささやき声が届いたか……
これはどうやら本当につながっているらしい。


その後、林望さんからは「ジバラン礼賛」というメールもいただいた。
有名人病ではないと自己分析するが、とにかくウェッブな実感を強烈に感じたのはそれが初めて。なんか自宅のマックが世界にまさにつながっているということが肌感覚で理解できた体験だったのです。



そしたら今度は、かぜ耕士さんからメールが来た。

かぜ耕士。僕が中学高校の頃の人気DJ。

「さとなおの趣味のページ」で「かぜ耕士はどうしているのか」というコラムを書いているのですが、そのページを見てメールをくれたのでした。

これもびっくりした。
毎日聴いていた深夜放送のDJである。
当時ハガキすら読まれたことないのに、いきなり本人からのメールである。


どうやらこのクモの巣はとんでもないクモの巣らしい。


すべての糸の向うに、確かに人がいる。
そしてすべてつながっている。

なんだかインターネットって雑誌や新聞で書いてある以上に面白いぞ。
ウェッブって思った以上にクモの巣だぞ。
なんだか知らないけど、とにかくつながりまくっているみたいだぞ!!

ホームページを始めて2年。

やっとというか、ついにというか、
いまや実感だらけの、ウェッブ生活なのです。




かぜ耕士さんのその辺のエピソードについては「かぜ耕士はどうしているのか」をお読みください。
そのページのラストからかぜさんのメールにリンクしています。




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