新しいメール  --99.07.27




なんだか霧に包まれたような日々なのです。


本当に大切なものは目には見えない、って書いたのはサンテグジュペリだったっけ。

でも目に見えないところに行ってしまった友はどうなんだ?
大切だとわかっても、もう、大切にしてあげることすらできないわけで。


足を踏み出そうとしても、一歩先の地面も見えない深い霧。

わりと他人の死に対してクールなボクも、今回はちょっと参っています。



彼とは決して性格があったわけではないんだけど。
やり方も考え方も違ったんだけど。



でも。
日本のレストラン・ガイドをなんとかしたいという気持ちや、フレンチ・レストランの楽しさをもっともっとみんなに知って欲しいという気持ちは根底ですごくわかりあっていて。


ボクのホームページが立ち上がってすぐメールをくれ、まだホームページを持っていなかった彼のコーナーをこのサイト内に作ったこともあった彼。
ジバランを発進するときの創立メンバーでもあり、このプロジェクトに一番熱心に関わってくれた彼。
メールで知り合い、まだ通算で10回も会っていないくらいなのに、約4年、メールだけは毎日のようにやりとりをした彼。


ある日突然、盟友「まあぱぱ」は逝ってしまった。




彼がいなくなったからって、ボクの人生は変わらないだろう。

きっと何もなかったようなフリをして、笑って歩いていくだろう。
(さっきもテレビのしょーもないギャグに笑ったばっかりだ)

こうして時の流れは容赦なく彼の存在を過去にするだろう。



そう。
そんなことはわかっている。

もう彼との思い出は、決して増えない。



でも。

でも、ボクは明日も、受信簿に彼の新しいメールを探すだろう。


メールの着信音が鳴るたびに、発信者に彼の名前を探すだろう。





ボクは彼からのメールを待ち続ける。


霧の中、かすかな霧笛を頼りに歩くように。




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