大学生くらいまで。 ボクは「人間ドック」のことを「人間ドッグ」と思い込んでいた。 ボクの頭の中での人間ドッグは 「犬小屋みたいなところに寝かされて身動きできないようにされ、カラダ中検査されまくる」というものであった。 ちょうどCTスキャンで脳ミソみるように、仰向けになったカラダの上に犬小屋みたいのがかぶさり、そこからいろんな光線みたいなものが出て検査される・・・ ひょっとしたらワンワンスタイルかもしれない。 それならもっと屈辱的だ。 そのうえ、バリウム。 高校の化学の時間に出てきたバリウムはたしか元素記号Baの金属であった。 熱を加えると燃えるものであった。 犬小屋に入って、ヘタすると燃えてしまう金属元素を飲んだりするのか・・・ 地獄のような光景である。 絶対受けたくない。 しかもたいていが「一泊二日コース」である。 いやじゃ!いやじゃ! 泊まりがけでそんな地獄を味わうなんて! そんなボクが「人間ドック」に初めて入ったのは、いまの部に来てからだから、3年ほど前か。 なにしろ会社の中でも忙しいことで有名な部だから、年2回ある健康診断も出張中だったりして受けられなかったりする。そうすると会社から「人間ドックに入りなさい。入らなければクビ!」とお達しが来るのだ。 でも、とにかく過労だったから(いまでも同じ部だから状況は変わらない)、「人間ドックというところでしっかり見てもらおう」と自分からその気になったというのが本当のところ。 こんなに働いていて、カラダのひとつも壊していないわけがない!という一種の思い込みである。 あれは200時間残業をした月だから、さきおととしの夏だったか。 毎日のような東京と大阪の往復、徹夜作業、早朝打ち合わせ、土日なし、しかも酷暑。 家に帰ったのは月のうち2日だけ。 絵にかいたようなオーバーワークである。 こういうときって面白いもんで「カラダが壊れていないと恥ずかしい」ってな気分になるもので。 カラダを壊すまで働いた男、みたいな勲章がほしくなるんだよね。 どうせここまで働いたんだから、カラダのひとつも壊れてないと困る、みたいな心境。 健康のために人間ドックに入るのに、 不健康をねがってしまう・・・・ なんという逆説。 でも少なくとも 「この社員は忙しすぎてカラダを壊しています。もう少し楽な部署への異動が望ましい」 みたいな診断が欲しかったんだよね。 いや、ホント、何のために生きているのかなぁって毎日悩みながら仕事していた夏だったから。 で、初めての人間ドックが終わってからの診断。 年寄りの先生がニコニコと 「どっこも悪い所はありません。 肺も胃もきれいなもんです。 血液検査も異状なし。エイズでもない、と。 ちょっとγ-GTPの数値が悪いけど、まぁ平均レベル。 目も耳も正常。糖も出ていない。 自己申告で [過労] って書かれてますけど、 いたってご健康のようですよ。よかったですね!」 検査結果を聞いて胃が痛くなった。 オレって何? ゾウがのっても壊れない筆箱か?100人のってもダイジョーブな物置か? それにしても部長に報告したくないなぁ・・・ 「すごい調子悪いんですよ!過労ですよ! もう少し部員の健康を考えてください!!!」 なぁんて大見得きっちゃったしなぁ・・・ 仕方がないから部長には 「部長! 医者が言うには [コップに水がいっぱいに溜まった状態] だそうです。 まだこぼれてはいませんが、もう少しでこぼれる寸前。 とにかく摂生して養生しなさい、と注意されました」 と報告した。 まだこぼれていないんだから、ウソではないよね。(そうか?) そしたら部長さん、 「あらら、 それは気をつけてね、 くれぐれも、仕事はこぼさないように」 さて、今年も例によって春・秋の健康診断を受けることができなかった。 出張だったんだろう。よく覚えていないけど。 年度中(3月中)に行かないとブラックリストに載る、と会社から怒られた。 だから今日、行ってくる。人間ドック1日コース。 きのう会社に申し込んで「もっと早く申し込んでくれないと困る」と総務の担当者に怒られた。 でもさ、仕事の予定が立たなかったんだもん。 毎回同じような検査ばかりだと飽きるから、今回は新しい検査(オプション)に挑戦してみよっと。 「前立腺検査および肛門診、直腸診」ってやつ。 なんでも「ベッドに横向きに寝て、医師が肛門から指を差し入れて異常の有無を調べます」とのこと。 ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。ちょっとだけ楽しみ。(ホントか?ホントなんだな?) |
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