響子(6才)が考えるに、友達の名前はかわいいのばかりだそうである。 確かに、マンガやゲームの主人公になりそうな名前ばかりが蔓延っている。読み方がわからない名前も多い。というか、どうやればそう読めるのだ?という名前も増えている。ボクの知り合いの子供は「空」と書いて「るん」という。読めんがな! 先日発表になった明治生命保険による「今年生まれた子供の名前調査」によると、女の子の名前は 1位:さくら 2位:未来 3位:七海 4位:美月 5位:結衣 6位:美咲 7位:玲奈 8位:優花 9位:萌 10位:琴音、彩花 だそうだ。 ※ちなみに男の子は 1位:大輝 2位:翔 3位:海斗 4位:陸 5位:蓮 6位:翼 7位:健太 8位:拓海 9位:優太 10位:翔太 だそうである。 なんだか"陸海空"みたいじゃな。時代的に逞しさを子供に託すのか。 このように世の中可愛い名前で溢れているのに、どうして自分は「きょうこ」という素っ気ない名前なのか、響子は疑問&不満を持っているようなのである。 ある日、おずおずと近寄ってきて、聞く。 ねぇねぇ、どうしてワタシの名前はきょうこなの? ん? どうしてって・・・きょうこって名前、きらい? んーん、きらいじゃないんだけどさー、あのさー、なんでかな?って思って。 一応名付け親を傷つけないように気遣ってはいるようだが、友達が付けられているようなファンシーだったり凝っていたり子がつかなかったりする名前が、うらやましいのだ。 んーとね、きょうちゃんの名前を付けるときは、他の名前もいっぱい考えたんだよ。 他の名前? うん。いーっぱい。 でねー、最後にその中から3つの名前に絞って、その3つで迷ったんだ。 3つ? なになに? 教えて教えて! 響子の目が輝く。 もしかしたら自分に付いていたかもしれない名前! もしかしたら違っていたかもしれない人生! 知りたい? 知りたい知りたい知りたい知りたい! んーとねぇーーーーー、それはねーーーーー(10秒粘る。固唾をのむ響子) きょうこと・・・・・・ うんこと、おしっこ。 ゲッ! 響子絶句。 そんなわけないという気持ちと、この親ならやりかねんという気持ちが、小さな胸の中で闘っているらしい。 目がまん丸である。鼻もまん丸である。 でね、まぁ、うんこはまずやめたんだ。 いい名前なんだけどね。ボクさ、名前に「ん」が入るの、嫌いなんだよね。 う、うんこっていい名前なの?? うん。 名前にイメージの悪い言葉をつけると逆に運が良くなるって言われていたの、その頃。 で、きょうこと付けるか、おしっこと付けるかでさんざん迷った。そうだよな、優子。 そうね、あの頃、おしっこって付けるの流行ったわね。 ゲゲッ!! 真面目な顔の両親に真面目な声で言われて、もうよくわからなくなっちゃっている小学校一年生の響子である。 流行っていたなら周りにおしっ子ちゃんとかいるはずであるが、そんなことまで頭が回らない。もしかしたらワタシ「おしっこ」っていう名前だったわけ!! そう。で、さんざん迷った挙げ句、きょうこって名前にしたの。 どう、いい名前でしょ、きょうこって。それともおしっこの方が良かった?? 響子、ブンブン首を振る。 きょうこでいい! でいい? んんん、じゃなくて、きょうこがいい!! 焦りと叫び。 この親、普段の行動からしてなに考えているかわからん、冗談と真面目の境目がないタイプの親だ、こりゃマジで「おしっ子」にされていたかもしれない・・・いや、きょうこという名前に文句を言ったら「おしっ子」に名前かえられちゃうかもしれない・・・と冷や汗かいたらしい。 むふふふ。 世の中、かわいい名前で溢れているのは確かである。いちいちうらやましがられてたらかなわん。 もちろん響子という名前にした理由はちゃんとある。でもその理由を理解したり、この名前のそこはかとない良さがわかるにはまだ響子は幼すぎる。 とりあえず「この名前はマシな方である」と思わせるに限るのである。 ・・・つうか、あと何年、こういう「子供だまし」が利くのであろうか(つうか、いつまでだまされたふりしてつきあってくれるのだろうか)。 みっつの名前といえば、ボクにもみっつの名前がある。 そしてそれらを使い分けている。物理的にではなく、精神的に。 佐藤尚之。 さとなお。 お父さん。 「佐藤尚之」は、無口で、常に眉間に二本筋が入り、なんでも真面目に考える内省系正直キャラ。 「さとなお」は、饒舌で、ツッコミ系の笑いを得意とし、好奇心旺盛なイイ人系超前向きキャラ。 「お父さん」は、天然で、ボケ系の笑いしか出来ず、すぐ寝てしまう家族第一主義系愛情キャラ。 もちろん、誰にでも多面性はある。 ただボクの場合、名前によって、その多面性がわかりやすく現れているようである。 自分でも「あ、いま、さとなお入った」とか「あーあ、お父さんになっちゃったよ」とか「佐藤尚之、今日はなかなか来ないなぁ」とかいう感じで人格が変わるのを待っている部分がある。 多面性というより、RPGゲームの「転職」にイメージは近いかも。 そう、まるで別人、とよく言われるのだ。 「お父さん」は家族にしか見せないキャラなので別としても、他人に見える部分、つまり、「佐藤尚之」キャラと「さとなお」キャラにはずいぶんギャップがあるらしい。 ボクにリアルで会って「さとなおさん、イメージが違う〜。もっとしゃべるヒトかと思ってました〜」という方は、サイトでの「さとなお」キャラを期待されているのに、なんの巡り合わせか「佐藤尚之」に会っちゃっているのだ。そういう時のボクはアドリブも利かず、ノリも悪く、非常に無口・・・。 いや、ホントごめんなさい。お会いするとき、「さとなお」にならなくちゃ!とは思っているんだけど、この「さとなお」ってキャラ、わりとテンションが必要で、なかなか出てこないのだよ・・・ とにかく「佐藤尚之」キャラは、かなり誤解を受けやすいくらいヤなやつに見えるらしい。 特に初対面。 本人、別に怒ってもいないし不機嫌でもないのに「なにか怒ってます?」とかしょっちゅう言われる。 「さとなおさぁー、いまだから言うけどさー、オレ最初、さとなおのことムカついててさぁー・・・どうしてオマエ、そんなに初対面の印象悪いの?」とか。 この前なんか、ある営業部長とケンカになった。 ほとんど初会議なのに、いきなり怒鳴られたのである。 「佐藤! オマエの態度、前から気にくわないんだよ!!!」 うへーーーーーーーー。 前からって・・・・・はじめての会議じゃん!! この前はじめて会ったばかりじゃん!!!!! 「だいたい仕事が受け身すぎるんだよ!!! 自分で動けよ!!!」 うひーーーーーーーー。 受け身ったって、はじめての会議でどう自主的に動けっていうのよ!! 営業部長がどういう仕事の仕方するかわからないじゃん!! だいたいちゃんと自主的に案をいろいろ持ってきてるじゃん!!!!!! 一方的に誤解されるのはイヤだからコチラも言い返す。 売り言葉に買い言葉で、必然的に怒鳴り合いになる。 つうか、「サラリーマン金太郎」みたいな世界である。いまどき大人数の会議室で怒鳴り合うか? でもまぁ、心の中ではわかっていたのだ。 そう。だ〜〜〜〜れのせいでもない。 「佐藤尚之」キャラのせいなのである。 初対面には最悪のキャラなのだ。 だから、怒鳴り返しながら、心の中では「あ〜あ、まただよ・・・」であった。既視感バリバリなのである。 さすがにしばらくは気分が悪かった。 一応会社的には上役である営業部長と怒鳴り合いのケンカをしてしまったのである。 次の会議も気が重かった。 とぼとぼ会議室に向かう。 その部長がプロジェクト・リーダーである。この仕事を続ける限りちゃんとつきあわないといけない・・・ あぁ、部長と顔合わせたくねぇ・・・ 「お、来たか来たか。ま、そこに座れよ、さ・と・な・お。 じゃ、会議はじめよーか?」 さ、さとなお・・・!? その瞬間、見事に虚を突かれたボクは、「佐藤尚之」から「さとなお」に思わず転職してしまった。 はいはい。遅くなってスイマセン。さぁヤリましょう! 今日中にカタつけちゃいましょう!(超前向き笑顔) 明るく前向き、そのうえ饒舌なキャラである。会議には持ってこいである。 つうか・・・ やられたぁ・・・うまいこと、使われたぁ・・・。だてに営業部長やってねぇ〜・・・。 この話を家に帰ってしたら、それ以来、優子や響子まで、要所要所で突っ込んでくるようになりやがった。 コイツら、上手に虚を突いてきやがる。 休日で寝溜めモードの「お父さん」や、仕事帰りで機嫌が悪い「佐藤尚之」を、タイミングを見て攻めてくる。 ねぇ、仕事でお疲れなのはわかるけどぉー、窓拭き、手伝って〜〜〜〜、さとなお父さん(はあと) ねぇねぇ、なわとび、出来るようになったんだよ〜〜、すごいでしょ〜? だからディズニー・シー連れてって〜〜〜〜〜、さとなお父さん(はあと) 「さとなお父さん」つうダブルパンチはやめれ〜!(泣願 つか、勝手に新キャラ作るなぁ〜〜!! 超前向き家族思いキャラという上級職「さとなお父さん」は強力である。 これに転職したボクは、会社もサイト更新も顧みない。 自分のことは二の次の次。家族のことしか考えない壮大なる自己犠牲キャラなのである。 くそ〜〜〜〜〜。 明日から2002年。 来年はなにか新しいキャラを創造して、他人に仕切られず自分勝手に生きてみたいぞ。いや生きてやる! そう誓う大晦日のボクなのであった。 つか・・・キャラ作りすぎ?? |
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