「ね、おねがい、キーボードおしえて!」 もう一ヶ月以上前になろうか。 8月に入って、娘の響子(小一)が唐突に言い出した。 毎朝毎晩、両親二人してキーボードをバシャバシャ打っているのを見て育った彼女。 で、どうやらキーボードをバシャバシャやると画面に字が出るらしい、メールというお手紙が書けるらしい、友達とかとキーボードでお話しできるらしい、と、彼女のうすらぼんやりした頭の中でなにやらカチッと結びついたようなのだ。 「うーん・・・いいけど、なんで?」 「ポストペットやりたいから!」 「なるほど、ポスペねぇ」 「ポスペじゃなくて、ポストペット!!」 はいはい。でもなぁ・・・ キーボードを覚えるのは構わない。 実際、父も母もデジタルの恩恵にめちゃめちゃあずかっているわけで、そういう両親のもとに生まれてきたメリットを最大限に活かして最新のデジタル技術には常に触れさせてやろうとは思っている。そのためにキーボードは基本だ。必須だ。そろばん以上だ。 さいわい、読みも書きも響子は他人より早く成長している。 小学校中学年程度の本はすらすら読むし、鉛筆で文章を書くのも好きである。基本的な読み書きは修得しつつあるので、そろそろキーボード入力を覚えさせてもいいかなとは思っていたのだ。時代が時代だしね。 でもなぁ・・・ キーボード入力っつうと、やっぱり「ローマ字入力」がいいわけで、そうすると、まずローマ字を覚えさせないといけない。 彼女はまだ小学校一年生である。 3月生まれだから、まだ6歳になって6ヶ月である。 いいのだろうか? →ローマ字 ひらがなをローマ字に分解して覚えさせるのは小一でもなんとかなるが、、、弊害として、、、英語読みが出来なくなるのはないだろうか? この時期にローマ字を覚えてしまうと、「a 」は明朗かつ短絡的に「あ」であり、微妙に英語的な「ぇあ」とは読めなくなるのではないだろうか??? 一度ローマ字体系が頭の中に出来上がってしまうと、「aoki」を「えぃおーきー」と読むとか、「satonao」を「せぃとーねぇいおー」と読むとか、できなくなっちゃうのではないかと怖いのである。 「to」は「トゥ」ではなく、「と」としか読めなくなるのではないか? 「you」は「ユー」ではなく、「よう」と呼びかけてしまうのではないか? 「the」は「ダ」ではなく、「てへっ」と可愛く媚びてしまうのではないか? 「nice to meet you」は、 「にせとめえとよう」になり、 「偽トメート(トマト)よー」と八百屋にからんでいる風になるのではないか! 「you are the sunshine」なんか、 「よう、あれ? てへっ すん死ね!」となって、 「呼びかけて疑問を持って照れたあげくにわけわからず殺す」という複雑な殺し文句になるのではないか! い、い、いいのか? 「おねがい! おねがい! おねがい! おねがい!」 ・・・娘がぴょんぴょん飛び跳ねながらするオネガイに、父は弱い(いや、一般的に女性に飛び跳ねながらオネガイされたら男は弱い)。 しかたなく、ローマ字とひらがなの対応表など手書きでつくってやった。そしたら、娘はそれを座右の書として持ち歩き、片っ端から覚えだした。 まず、日本語の文章をローマ字に直せないと話にならない。母音と子音を教え、ローマ字の構成を教える。難関は「にゃ」とか「ぎゃ」とか「ちゅ」とかいう系統。nya、gya、tyu、と覚えるまで2日くらいかかった。 で、次はキーボードのホームポジションを教える。 その次はどの指でどのキーを押すかを教える。 彼女はピアノをやっているので、左手の小指で A や Z を押すという難関クリアが比較的早かった。 あとは、「必要こそ上達の母」であろう。 新しいポストペットを買ってきて、ボクのマックに響子用、ボク用を入れ、ゆうこの VAIO にゆうこ用を入れ、同じ回線でメールのやりとりをして、彼女に慣れさせることにした。 記念すべき彼女からの最初のメールはコレである。 こんにちは。 おげんきですか? おお、ハテナも打てておる。よしよし。 次はコレ。 こんにちは。 おげんきですか? おとなりのココアです。 おとうさんは、 いそがしいね。 ココアというのは、彼女のハムスターのキャラである。 新しいポスペはハムスターとかもいるんだね。 次はコレ。 こんにちは! おてがみちょうだいよー。 またあそぼうね。 このころには、家族内で一日20通ものメールがやりとりされる状態。 彼女は、5分おきにメールをチェックしにいく。こちらも5分おきにメールを書きに行かないといけない。うー。 ボクは会社のマックにもポスペを入れて、会社←→家のやりとりまで始めてしまった。 最初は仕事の合間に子供とメールしあう楽しさを余裕で味わっていたボクだが、彼女のメール攻勢が激しく(まだ父母しかメル友いないし)、だんだんと苦痛に・・・。 10分おきくらいにメールをチェックしにいくボクを見て、同僚はきっと「ネット恋愛? いや、出会い系サイト?」とか邪推したであろう。 一週間も経つと、 おとうさんへ。 なんで、いつも、よるおそいの? どうしてもわたしは、ぼうけんがやりたい♪ どうぶつえんはすっごくたのしかったよ。 いちばんびっくりしたのは、ガラスごしだったけれど トラが目の前にいたのがびっくりしたよ。 それでねーいちばんかわいかったのは、ふたつあります。 ひとつは、せかいいち小さなネズミともうひとつは プレイリードッグです。 たのしかったところがあるんだよ。それは、「夜の森」 というところ。 それだけです。 じゃあね。 いきなり長くなってきているし。 ♪やカタカナも自由自在。子供は上達が早い。 ちなみに「ぼうけん」というのはウルティマオンラインのことである。ボクがするのを横で見ていてうらやましくて仕方がないらしい。 母親のゆうこともいろいろやりとりをしているみたいだが、ボクのよりもうちょっと言葉がくだけている。 たとえばこんな感じ。 こんばんは。 わたしねーーー。 いや。 おとうさんが、かえってこなくても、 いくんだよ。 わたしぜったいにおまつりいくよ。おかあさんが、だめってゆっても、 いく。 おかあさんが、ひとりでいきなさいってゆわさないよ。 じゃね。 母親は横にいるんだから、メールで言わずに直接しゃべれよーー! よく机が隣なのにビジネスのメールを出し合うサラリーマンが笑いのネタになっているが、佐藤家は家の中でそれを実践中! しかも小一の娘と母親が、である。 うー・・・ でも、顔を見ると伝えにくいことが、メールだと言えるようである。 子供にとっては、置き手紙っぽいコミュニケーションなのだな。 つうか、そんなことより・・・お父さん、早く帰ってやれよ。マジで(涙)。 しかも、その後、あるオンラインゲームソフト(ウルティマにはあらず)を教えてやったら、そこで彼女は他人とチャットまで始めた。 後ろでさりげなく覗いていると、、、タイピングが、は、はやい! さすがにタッチタイピング(ブラインドタッチ)ではないが、でも小一とは思えない早さである。 ちゃんと他人の言葉に応えて、少し遅れるものの、相手をイライラさせない程度には追いついて行っている。 やっぱり「コミュニケーションしたい! お話ししたい!」と心から思っているせいか、上達はやいなぁ。 子供の吸収力、ということもあるけどさ。 タッチタイピングにヒィーヒィー言っている巷のオジサンたちには想像できない上達の早さである。つうか、巷のオジサンたちも、ネット恋愛みたいな「必要に迫られること」があれば、一気にうまくなるのだろうね。タイピングソフトではダメだろう。必要性を実感しないと。 彼女はさかんに独り言を言いながら、キャーキャー喜んでバシバシ打っている。 きょうちゃん、どう? おもしろい? 「超おもしろいーーーーーー!!」 いまや、数少ない我が家のPCは、家族三人で取り合いである。 特に作業環境が最高に整った(買い換えた)マックは取り合い。 このごろでは、ボクが会社から早めに帰ってくると「えー、もう帰ってきたのーー」としぶしぶマック前を譲る響子である。 おとうさん、あまり早くかえってくると、 マックができないので、こまります。 わたしがねるまで、 かえってこないでね♪ なんてメールをもらうのも、時間の問題、かもしれない(泣 ps 全国のポスペをお持ちの方で、響子にメールを送ってくれるなんていう奇特な方がいらっしゃったら、是非オネガイします。 彼女は小躍りして喜ぶでしょう。あんまり多いとお返事おそくなっちゃうかもですが。 あ、それと、ポスペのペットで送ってください。返事を出すとき相手がポスペじゃないと、響子のハムスターが吸い込まれちゃうし、普通のメールにはペットで返事してはいけないなどの見分けがイマイチ彼女ついてないので。 アドレスは「kyoko@satonao.com」です。 ps2 タッチタイピングにお苦しみの貴兄に。 ボクがタッチタイピングを一発で覚えた名著のご紹介。 「短文4つで ブラインドタッチができる本」 (株)マース著/かんき出版 これはねぇ、短い文章をたった4つ打てるようになればいい、という本で、ボクは実際、この本しかやってません。この4文がスラスラ打てるようになれば、どんな文でもスラスラ打てます。キーボードを見ずに。 7年前くらいに買った本なので、いまでも売っているかどうか・・・でも、これ、名著です。 |
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