ふと気がつくと、昨日と同じような一日を送っている。
昨日と同じように会社に通い、昨日と同じようにテレビを見、昨日と同じようにビールをグビる。
生活のためとはいえ、そんな毎日を送って老いぼれてくのはゴメン、だよね?

同じ顔した毎日に、ほんの小さな無理ない刺激。

機械的な毎日に人生を牛耳られないために。「オサニチ」。新連載。

 


第1回「自転車で通勤してみる」(2002年2月)


通勤が快楽な人はレアである。

あの理不尽で非人間的な満員電車。なにも疑問も感じず毎日アレに揺られて会社に通っているが、いったいあと何年あの苦痛を耐えないといけないのだろう。あー疲弊、あーひへー。

そんなボクに転機が現れたのは去年の夏(40歳の夏)。
ある小さなキッカケ(※1)があって、大森の自宅から築地の会社まで13キロ半(※2)、自転車で行ってみたのである。

結果的にこれがアータ、実に楽しかったのだ。 んでもってそれ以来約半年、雨の日と飲む日を除いて、自転車通勤を喜々として続けている。そんなわけで「オサニチ」連載第1回目は自転車通勤を取り上げてみたい。

え? 自転車通勤なんて疲れそうじゃんって? 
いや、実はたいして疲れない。心地よい疲れとはこのことか、と満足して眠れる程度なのだ。しかも健康診断の数値もめちゃ正常化する。

え? 時間かかりそうじゃんって? 
いやいや、実は電車通勤より早いことも多い。目安としては「片道15キロ=自転車1時間」という感じ。それって東京駅から阿佐ヶ谷駅や赤羽駅くらいまで行けてしまう。歩く時間とか乗り換え時間とかを考えると自転車の方が早いことも多いのである。

え? 酒飲むときはどうするのって? 
うん。乗ったら飲まない。飲む予定の日は自転車で来ない。で、乗って出社した日は夜に「ちょっとどう?」みたいなダラダラ酒をしなくなる。これが財布にも肝臓にもとても良いのだ。んでもって家に帰るから家庭にもめちゃ効く。いいことずくめである。

他にもいろいろある。まとめてみよう。

 ●通勤電車での苦痛がなくなる。マジで楽しくなる。
 ●意外と疲れない。運動不足が解消される →やせる →体力もつく
 ●通う道でいろいろ発見 →季節とか、いい店とか。
 ●ぐっすり眠れる。
 ●どうでもいい酒がなくなる。つきあい酒も断れる。→家庭円満。財布も円満。

そして、何より良かったのは「会社と家が地続きだとわかること」。これって大きいのだ。いままでは家と会社は別世界。でも会社と家が地続きにあると実感としてわかると、会社が急に「生活の手段のひとつ」みたいに気軽な存在に変わる。買い物に行く店と同じ地平に下りてくるのだ。

そして…。会社が生活に下りてくると同時に、生活自体も広がり出す。
道を通る小学生に笑顔を向ける余裕が出来る。商店街に存在するいろんな生活に想いを馳せるようになる。人がいろんなところで生活していることに気づくようになる。

問題があるとしたら、服装とシャワーだけである。
ボクは行きは汗をあまりかかないように気楽にゆっくり走り、帰りはマジ走りして大汗かいて家のシャワーに飛び込むようにしている。会社でシャワーを浴びるのは例え設備があっても面倒だからね。服は汗になった日は会社で着替える。

週に一回でいい。涼しく気持ちのいい日だけでもいい。一度騙されたと思って自転車で通勤をしてみない? おさまりがちな日常の、なにかがちょっと変わりだす。いや、マジで。

 


※1)筆者(さとなお)の小さなキッカケ
   http://www.satonao.com/diary/01/0812.html
※2)自宅から会社までの距離を測る →MapFan「るーとMap」
   http://www2.mapfan.com/Documents/Usermenu/route_explain1.html
※※ 筆者のもう少し詳しい自転車通勤談
   http://www.satonao.com/diary/01/0829.html




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