1999年12月「スイーツ・プリーズ」


何年前かにイッセイ・ミヤケが「プリーツ・プリーズ」というシリーズを出したよね。
えーと、それとかけてみました。(←説明すな!)
つまりはスウィート。甘いもの。まぁデザートというかケーキ系。
12月は年末特集が2週入るので、全部で3週分です。



ドイツ菓子 ミッシェルバッハ」  クッキー:西宮・夙川

兵庫県西宮市久出ケ谷町2-28/0798-74-3789/9〜20/月休
阪急夙川駅の南口に降りて、駅下を北へ向かう道(改札口の西側)を北へ。塾を越えて絨毯店を越えたあたりの左側。駅から5分くらいかな。

 手土産というのは難しい。訪ねる相手が独身や夫婦ふたりならワインとかでもいいけど、小さな子供がいるとなるとやっぱりケーキ系がいいかなと悩む。でもひょっとして甘いものを子供に食べさせない主義の家庭だと困るよなー。ごちそうになる食事にケーキが合わないこともあるし。となると無難なのはクッキー系。生ケーキに比べて腐りにくいし使い回しもきくし…。

Sweets Please

 そんなこんなでクッキーを手土産にすることが多い我が家であるが、その場合ココと決めている店がある。以前住んでいたマンションのすぐ横にある「ミッシェルバッハ」という小さなドイツ菓子店だ。便利がいい。なにしろ家の横だもの。しかもここのクッキーは意外なほどうまい。どこに持っていっても喜ばれる。あー、この店がすぐ横にあってラッキーラッキー!

 ボクはそのクッキーの手土産に自信を持ってはいた。でもある日タレントのロミ山田さんがこの地味な店のそのクッキーを「日本一おいしいクッキー」と本で書いてるのを読んでからもっと自信を深めてしまった。「いやー、日本一のクッキーと呼ぶ人もいるんですよ」などとほとんど大いばりな手土産である。ロミ山田さんと面識はないが、実にセンスがいい。よくぞこの小さな店のクッキーを知っているものである。そのクッキーの名前は「夙川のローゼ」。オーストリアではクリスマスに食べるものだとか。これからの季節、大いばりで手土産にしよう!

 喜ばれることまず間違いなし。



「菓子sパトリー」  ケーキ:神戸・三宮

神戸市中央区中山手通1-8-16Basic北野坂1F/078-393-0222/11〜22(日祝は〜21)/第1・3日曜休
阪急三宮駅を降りて北側に出るとロータリーがある。それを西へ渡ったらすぐに東海銀行がある。その角を北に入ってすぐの左側。

ケーキの同好

 阪神間(大阪−神戸間)は日本でもトップクラスのケーキ激戦区である。西宮・夙川あたりから始まって、芦屋・東灘・六甲・三宮と、なんでこれだけ集まってどの店もやっていけるのだろうかレベルの密集度。

 だってほとんどが住宅街の住民相手の店なのだぞ。静かな通りにポツンとあったり、地元の人しか見つけられない立地にあったり。しかも料理自慢の女性が1週間に1日だけ売っている隠れ家的ショップなどもあったりする。なのになのに、どの店もなぜか繁盛している。阪神間の住人のケーキ摂取量はいったいどうなっているのだ!

 これだけケーキ店が集まっていると住んでいる奥様方も当然舌が肥える。いまボクの娘は阪神間の幼稚園に通ってるが、そこの奥様方もなかなかシビアだ。「あそこはいま旬よ」「あー、あの店は味が落ちたわね」「○○は人気だけど、ちょっと甘すぎるわよねー」…。めちゃめちゃ厳しいネットワークなのである。

 さて。ボクも物好きである。奥様方の話題に上る店をいちいち食べてみることにしたのだ。激戦区阪神間でいったいどこがうまいのか。ボクの趣味に合うケーキ屋はどこなのか。食べ続けること1カ月。ついにボク好みの店を見つけた。それは三宮の「菓子sパトリー」。ホテル・ピエナの菓子部門が独立した店である。

 そのケーキ類は一言で言えば「大人の味」。フランス料理店出身のパティシエ(菓子職人)が作る味は、甘くファンシーなケーキ店が多い阪神間では圧倒的にアダルトな味なのだ。大きさも小ぶりでこれもボクの趣味に近い。大人っぽい味なのに、幼稚園の娘も喜んで食べる。要するに「うまい!」のだ。奥様ネットワークも納得のうまさである。



「ダニエル芦屋店」  プチフール:兵庫・芦屋

兵庫県芦屋市松ノ内町3-14/0797-21-3308/10〜19.30/月休
JR芦屋駅だったら降りて西へ。阪急芦屋川駅だったら降りて川沿いにちょっと南へ。芦屋川東岸沿いにチェリーヴューという大きなマンションがあるが(JRの線路より北で阪急の線路より南)、そこの1F。

ぷちふる夜の願い事

 「プチフール」って聞いたことあります? フランス語だ。プチはプチトマトのプチ。小さなという意味。そういやパスカル・プチっていう可愛い女優が昔いたがそんなことはどうでもいい。要するにプチフールとは「小さな洋菓子」のことなのだ。クリくらいの大きさの可愛いお菓子たちである。

 用途的には抹茶につける小さな和菓子に似ている。つまりコーヒーとか紅茶とかと一緒に食べる付け合わせの小さな洋菓子。フランス料理店ならメーン料理を食べてデザートも終わった最後の最後、コーヒーとかと一緒に4つ5つ出す店が多い。でも、デザートでたくさん甘いものを食べた後だからボクはよく箱に詰めてもらって食べずにお持ち帰りするんだけどね。娘へのお土産にちょうどいいのだ。

 レストランで出るプチフールはデザートの後だけあってちょっと…なボクだが、街のケーキ屋さんで売ってるのなら話は別だ。ちょっとだけ、ほんの少しだけ甘いものが食べたいなんて時ない? ケーキでは大きすぎる。少ーしでいいのだ。少しだけ甘いものを口に入れたい……そんな時にプチフールはちょうどいい。ねぇ、どこかにおいしいプチフール、売ってない?

 で、探していたら、かの有名な「ダニエル」の芦屋店で売っているというではないか。御影の本店でも注文は受け付けるらしいが、普通に販売しているのは芦屋店だけ。常時8種類くらい置いている。これがまためちゃうまいのだ。うまいし小さいしきれい。モンブランなんか全くのミニチュア版で、見た目だけでも感動するぞ。

 あぁ、おいしい紅茶とともにおいしいプチフールをひとつだけハグッと食べる喜び…。アンチ甘党でも納得の、プチ・ゼイタク、なのである。



文章:さとなお(satonao@satonao.com) イラスト:中村三奈(minasann@syd.odn.ne.jp)


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