1999年8月「ビールでヒール」


ビールでヒール・・・。
ビールがおいしい店を2店ご紹介。
8月は夏の甲子園特集で2週分飛んだのでした。



「ローレライ」  ドイツビアバー:大阪・堂島

大阪市北区堂島2-2-2 近鉄堂島ビルB1F/06-6341-0043/日祝休/17.30〜22
北新地の西側の四つ橋筋のアバンザ堂島(旧毎日新聞)の斜め前に近鉄堂島ビルがある。その地下。

よおく冷やして、ギュッと癒して

 どこかで読んだが、味を感じる感覚器の味蕾(みらい)は、舌の上にあるだけではないらしい。その4分の1はのどにも分布しているらしいのだ。ただ、のどの味蕾は主に水分や炭酸を感じるらしい。ほー、なるほどね。だからビールのシュワーーがのどにおいしく感じられるわけなのだな、ふむふむ。

 あのシュワーーな快感は数多くの人間をいやし、救ってきた。疲れ切ったとき、何かに苦しんでいるとき、冷えたビールをぷはーと飲み干して生き返る……不幸はそうして回避されてきたのである。そう、ビールに必要なのはシュワーーなのだ。それ以外は二の次。シュワーーがあればいいのである!

 と、長年思ってきたボクなのではあるが、ヨーロッパで様々なビールを経験するようになって考えが変わった。シュワーーを楽しむだけではないタイプがいっぱいあるではないか。そしてまた、うまいではないか。ウイスキーのようにちびちびなめたり、ワインのように複雑な香りを味わったり、いろんな楽しみ方がビールにはあったのである。うーん、こりゃ深いかも!

 「ローレライ」はドイツビールの懐の深さを実感させてくれる小さなバーだ。数々のビールはもちろん、ドイツ料理がまたいける。細かく切ったジャガイモ、トマトなどをフライしたドイツ風フライドポテトを始め、ソーセージの盛り合わせ、キッシュなど、どれもドイツ人のマスターが作ってくれる本格的なもの。ウエートレスの美人さも本格的。それがまたうれしいのです。



「市岡ビール工房 地底旅行」  ビアレストラン:大阪・弁天町

大阪市港区南市岡3-6-26/06-6581-3898/水休/平日17〜22/日祝16.30〜21
JR弁天町駅から歩くと15分くらいかかる。南市岡目指してタクシーに乗るのが賢い、かな。

 疲れきった時に思わずこうつぶやくことってないですか?「あー、温泉でも行ってゆっくりしたいなぁ」…。

温泉&ビール

 一方で、むしゃくしゃしたときにこうつぶやくことないですか?「あー、ビールでもプハーっと飲んでうさ晴らししたいなぁ」…。

 そう、われわれ日本人にとって、「温泉」と「ビール」は癒しの二大巨頭なのである。どちらも欠かせない。つまり手っ取り早いのは温泉に行ってビールを飲む、ということなのだが、こう暑いと温泉もかったるそうだよね。そのうえ土日はこんでるし、平日は会社を休めない。うーん、まぁ温泉はあきらめてビアホールでも行くか…。

 そんなとき、おもろい情報を得た。なんと「温泉で作ったビールがある」というのである。わき出た温泉水を使ってビールを製造しているというのだ。おお、なんだか疲れたカラダに効きそうではないか! しかもそこは「鉄工所」らしい。

 なんとこの鉄工所、折からの不況でたち行かなくなり、当たるも八卦で温泉を掘ってみた…ら、出た。しかし近くにある銭湯とのかねあいで浴場にはできない。で、その鉱泉で地ビールを製造することを思いつき、ビアレストランを経営しているというのである。

 その「市岡ビール工房 地底旅行」は大阪の弁天町にある。行ってみたらこの店、鉄工所そのものの中にあった。ものすごく背の高い屋根の下、鉄パイプやら旋盤やらがライティングに浮かび上がる。工員さんが働いた後の熱気が残る空間を眺めながら、温泉水で作った地ビールを飲む快感! 疲れたカラダが内側から癒されるのだ。プハーー! 温泉&ビール効果で、暑い夏をなんとか乗りきろうではないか。



文章:さとなお(satonao@satonao.com) イラスト:中村三奈(minasann@syd.odn.ne.jp)


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