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遊田玉彦

LV3「ソウルボート」

遊田玉彦著/平凡社/1600円

ソウルボート―魂の舟
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沖縄の風水を取材に行ったライターがそれをきっかけに宮古島のユタと関わり、祖先との因縁を追う魂の旅に出る……精神的シーク&ファインド小説であるが、著者の実体験を素材にしているのか、かなり濃く印象的な物語である。

フィクションなのかノンフィクションなのか判別がつかないままストーリーは進む(一人称ではないのでフィクションっぽいが、内容的にノンフィクションっぽい)。前半は妙に自意識過剰な感じがし、終盤はなんだか肩すかし感があったが、中盤は力ある展開に非常に惹きつけられた。
ただ、ノンフィクションならユタの存在や言葉にもっと突っ込んでほしいし、フィクションなら終盤で読者を置いてきぼりにしないで欲しいし、どちらとも取れないその構成が全体を中途半端にしてしまった感はある。どちらとも取れない構成だからこそ非現実的な話にもついていけるという部分は確かにあるが、読者的カタルシスがもう少し欲しいかも。
最後まで、出来事をすべて信じていいのか、それとも創作なのか、読者的スタンスを決められなかったのが残念なところ。スタンスが決められないから、魂を探す主人公の盛り上がりにいまひとつついて行きにくい。

とはいえ、個人的には非常に興味がある題材である。現実感のない毎日にふと立ち止まるには格好の内容だ。著者デビュー作らしいが、今後の作品も読んでみたい。ちなみに「ゆうでんたまひこ」と読むらしい。

2002年06月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

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