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唯川恵

LV5「肩ごしの恋人」

唯川恵著/マガジンハウス/1400円

肩ごしの恋人
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2001年下半期の直木賞受賞作。
読み始めは「うーん、ありがちな現代女性元気もの? こりゃ退屈かも」と思ったが、進むに従ってその描写力、キャラの立ち方、わざとらしくなく類型的でない女性の本音の出し方(←男性として読んでいても自然な本音と思える)、そして人生の主導権を社会にも男にも渡さない感じ……すべてによく書けていることに気がつく。直木賞もだてではない。

あ、でも、最初は「わざとらしい」と思ったんだった。類型的とも思ったんだった。それなのに読み終わる頃には逆の印象を持っている。そう、読み始めは主人公に違和感を与えつつすごいスピード感で導入しておいて、読み進むに従ってじわじわと外堀から主人公たちに共感を覚えさせていく感じがうまい。第一印象が悪い人ほどいい友達になる、という言葉が当てはまるような本かも。

性格の違うふたりの女性の幸せ探し物語と言ってしまうとそれまでなのだが、全体に妙にリアリティがある。設定も展開もリアリティがないのに、これだけリアリティを感じさせるのはやっぱりキャラの立ち方かなぁ。肩ごしの恋人に男を選ぶ必要もない感じとか、結論としての結婚を選ばない感じとか、妙に自然でリアリティがあるのだ。それは著者の筆力のなせる技なのかも。普通っぽく見えて侮りがたい筆力だ。

2002年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

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