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山本文緒

LV5「紙婚式」

山本文緒著/角川文庫/533円

紙婚式
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うまいねどうも。こういうのを書かせたらこの作者はやっぱりハマるなぁ。
ボクは「あなたには帰る家がある」を読んで山本文緒を好きになり他のも読み始めたのだが、「恋愛中毒」などのこのごろの山本文緒の著作はイマイチ好きではない。なんか狙っている感じがイヤだし、著者の細やかさが悪い方に出ていると思うのだ(直木賞作家をつかまえて偉そうだけど)。でも、この短編はいい。98年に出た単行本の文庫化だが、あのころの山本文緒は好きなんですね。キャッチーなものを狙わずに地味な題材をじっくり書いている。

この本は結婚のいろいろなカタチを創作した短編集なのだけど、結婚生活の空洞加減を上手に浮き彫りにしていてやるせない。結婚現体験者として「そうか~?」ももちろんあるが、著者はかなり結婚を理解していると思う。こういった山本文緒をもっと読みたいと思うボクなのでした。

2001年08月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

LV2「落花流水」

山本文緒著/集英社/1400円

落花流水
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「恋愛中毒」が面白かったから、次作もさっそく手に取った。一部でまたしても激賞されているらしいが、うーん、これはいまひとつ面白くなかったな。

1967年から10年ごとに7章、つまり2027年まである女性の生涯を追った物語で、章ごとに人称が変わり視点も変わる構成は非常に新鮮で面白い。
ただ、大長編ならいざ知らず、250ページ程度の本でそれをすると主人公の人格につながりが見えてこなくなり、なんだか不可解な思いのまま最終ページに行き着くことになる。それがつらい。例えばスポイルされた少女という設定で始まる第一章の記述で少女をそれなりに理解しようとした読者は2章以下の彼女の行動・性格に違和感を感じる。その間の飛び方は実生活では当然なのだが、中編小説ではなんというか読書感情に破綻を来すような気がするのだ。あ、それと、2027年とかの描写は「実際はもうちょっと違った世界になっていると思うな」みたいなSF的視点が読者に芽生えてしまうのもつらいな。

著者は相変わらず文章がうまいが、最後までカタルシスが感じられなかったし全体に散漫な印象を持った一冊。着眼点はとてもいいと思うのだけど。惜しい感じ。

2000年01月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

LV4「恋愛中毒」

山本文緒著/角川書店/1800円

恋愛中毒
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著者の本を読むのは3作目。「あなたには帰る家がある」で大好きになり「みんないってしまう」で失望。もう一冊読んでみようこれがダメだったらサヨナラかも、って読んだこの本はとても面白かった。うん、次も読むぞ。

先月小池真理子の「恋」を読んだが、恋愛感情についての描写は「恋愛中毒」の方がずっと上手い。非常によく書き込んでありリアル。
特にP28からP29に至る表現なんて好きだなぁ。それと中盤までの主人公に対する読者のカタルシスが、結末にさしかかるにつれてなんとなくほどけていく感じも(確信犯的に表現していると信じるが)見事だ。ミステリーだと思わずに読み始めたら実はミステリーだった、というのも軽い驚きだった。

ただ、題名が内容と合致しないのが難。よく出来た題名なだけにちょっと騙された感が残る。この内容だと「中毒」というよりは「依存」なんだな。「恋愛依存」じゃ題名にならないけど。なんというか、中毒的にいくつもの恋愛が描かれていると思ったら、結果的に2つの恋愛しか書かれていないのがなんだかはぐらかされた感じがして損なのだ。

1999年11月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本) , ミステリー

LV1「みんないってしまう」

山本文緒著/角川書店/1442円

みんないってしまう
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著者には「あなたには帰る家がある」という素晴らしい小説があり、それもあってすごい期待して読んだのだが、期待が上回ってしまってちょっと残念だった短編集。
短編によっては、同じ人が書いたとは思えない印象もあった。思わせ振りなエピソードが続き、いまひとつ盛り上がりにも欠ける。筆力がある人なのだからもっとじっくり書き込んで欲しいなぁ。あまり流した仕事をしてほしくない作家のひとりである。

1997年03月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

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