人生のミッション的なもの

2011年6月21日(火) 8:56:22

大震災関係の講演(というか座談)が2日続いた。

おととい(日曜)は週刊アスキー主催のトークショー。テーマは「震災とメディア」。お相手は石巻日々新聞の武内宏之さん(現地からネット中継)。モデレーターはアスキー総合研究所所長の遠藤諭さん。

昨日(月曜)は、コミュニティデザイン研究所主催のトークショー。テーマは「復興支援から見えてきたソーシャルマーケティングの可能性」。お相手はグーグルの川島優志さん。モデレーターはD4DRの藤元健太郎さん。

武内さんも川島さんも気づきの多いお話で、とても刺激になった。
特に川島さん。大震災当日に立ち上げたパーソン・ファインダーの話とか、その後のグーグルの取り組み、社内の動き方など、共感の嵐であった。キーワードは「Think Big, But Start Small」「Be Prepared」「Launch it, and iterate fast」「Trust People」あたりかなぁ。

ボクは、いろんなところで「今のコミュニケーション」について偉そうに講演しているが、どこかで「あぁ結局自分は旧体制的スピード感だなぁ」と思うことがよくある。無意識に「整えてから走ろう」とするし、「生活者と相対するときに慎重に構える」部分がある。

まぁ電通でマスメディア文法の世界に二十数年どっぷり浸かって生きてきたからね。それでも16年のサイト歴とここ数年の濃いソーシャルメディア経験で鍛えられ、この年齢にしてはかなりマシな方だとは思うけど、でも、若い人たちの、今の「Launch it, and iterate fast」「Trust People」なお作法に完全同調できていないのは確か。

「助けあいジャパン」にしても、旗振りと立ち上げは早かったと思うし、走りながらみんなで整えているし、「Trust People」を基本でやってきてはいるけど、でも、一緒にやっている若い人たちに比べて、自分が「少しずつ古い」「少しずつ遅い」と感じたりする(少しずつではなく「かなり」かもしれないが)。この嗅覚には敏感でありたい。

電通時代、「自分のことを少しでも古いかもと感じたら、その案件は若手に任せる」とは決めていた。
というか、古いからって役に立たないわけではなく、それどころか世界は古さに満ち満ちているので、「少し古いかもと自覚している自分」が間に立って翻訳者になって機能できることは山ほどある。両刀遣いっぽく機能できることも山ほどある。自分の嗅覚を信じて、思考を硬直化させることなく、退くべきところは退かないといけないなぁとよく思う。

昨日も、川島さんのスピード感や優秀さにはとても勝てないと思った。
でも、少し古い&少し遅いことをメリットと考えて、翻訳・加工し、もっと古い人たちとの間をツナグのはボクの方がきっとうまい。そしてもう彼とツナグ相手も見つけた(←その辺は早いw)

ギャップの間に立って双方を「ツナグ」感じが、自分の中では相当にミッションだなぁと感じる。残りの人生において。なんというか自分の人生的に、絶妙なタイミングで絶妙な場所(ギャップの只中)にいるような気がしている。


でも、昨日、フクヘンさん(まだお会いしたことがない)とのツイートのやりとりで、別のミッションも少し感じたw

fukuhen 共感すること多いなぁ。そして、さとなおさんは2つの震災からミッションを与えられていると感じます。RT @satonao310 さなメモ更新。「電通から独立した理由」→ http://t.co/nhi8Vyr


satonao310
@fukuhen 確かに阪神大震災と東日本大震災というふたつの点を経験して、点が線になってます。だから3つめの点もどこかで意識している感じです。

fukuhen
「さとなおさんとソーシャルメディア」ということではそうでしょうね。人生とか仕事とかでいうと、入社早々の時期に起きた日航機事故がとても大きいのかと。たいへんなときに力を発揮する星を背負っている…

satonao310
@fukuhen う。なるほど。確かに節目に大事故が。日航機事故(入社)、阪神大震災(子ども産まれる、サイト始める)、東日本大震災(辞職、独立)。ぬぅ。

以前、石川淳哉さんに「さとなおさんは阪神大震災と東日本大震災というふたつを経験して、点が線になっている」と指摘されたことがあって、うーんと唸り(鋭すぎて)、上ではそれを引用して書いているのだけど、そこに過去の日航機事故まで入れて、そして未来の4つめの大災害も意識して、4つの点を線にして自分の人生を考えたとき、なんだかとてもしっくり来てしまった。

つか、星すかw

そういう場所に自分の人生が機能するのかもとは思ってもみなかったので、ちょっと新鮮。でも、なんとなく「なるほどそれもミッションのひとつなのかも」と納得しかけている自分がいる。

いちいち「ミッション」とかって大仰に考えることもないのだけど、なんというか、「自分は晴れ男だと信じ込んでいると、本当に要所要所で晴れることが多くなる」みたいなことかな。ミッションなんだと意識すると、機能できることが増えてくる。そういうのって意外と大切。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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