ボリショイ&マリインスキー合同ガラ公演 Aプロも観たぞ

2010年10月27日(水) 7:39:06

日曜に引き続き今度はAプログラム。Bプロがとても良かったので期待半分不安半分。結果的に言うと、うーん、日曜のBプロの方が良かったかなぁ…。

昨晩のAプロは、ガラ公演の悪いところが出てしまった感じ(ガラ公演とは有名なバレエのオムニバス版。ダンスの見せ場ばかりを集めた公演)。つまり散漫。日曜は二大バレエ団が競い合って盛り上がっていったが、昨日はちょっとバラバラ感があった。もちろんひとつひとつは素晴らしかったんだけど、全体として一体感がなかったということ。

印象に残っている演目を挙げると…。

まずド頭の「パ・ド・カトル」。ある方がこう言っていた。「この4人が群舞するなんて、伝説のキャストになるんじゃないかしら」。ボクもそう思う。ロパートキナとステパネンコとオブラスツォーワとニクーリナが群舞する。これって未来に「そんなステージありえない!」とヒトに驚かれるようなキャストかも。眼福眼福。

あと、昨日は(日曜にはいまいち印象に残っていない)シクリャローフが良かった。「ナルシス」と「チャイコフスキー」。押し出しの強さがなくて印象に残りにくいヒトだけど、隅々まで美しい。男性陣の印象が弱いマリインスキーでは唯一目立っていた。

他には、「眠れる森の美女」のソーモア 、「別れ」のオブラスツォーワ、「黄昏のヴェニス」のルンキナ、そして「ジュエルズ」のロパートキナが印象に残っている。ロパートキナはやっぱり別格。昨日はステパネンコがいまひとつだったので特に目立った。

そして。
やはり拍手絶大だったのはオーシポワとワシーリエフのペアである。

どんだけ息があってんだよと溜息が出るくらいタイミングがぴったりで、しかもふたりとも決めポーズがうまい。ピシッと決まる。そのうえワシーリエフの超絶ジャンプ&回転。オーシポワの軸がぶれないダンス。本当にすごい。特にワシーリエフのジャンプ。空中で蹴りをみたいのを入れて加速する。ゆっくり飛び上がったのに、空中でグィン!と加速回転するのだ。しかもそれをわざと着地ギリギリでおこなう。なのに着地は余裕たっぷりに見える所作。すごいなぁ。観客はみんな我を忘れて拍手している。彼がジャンプや回転をするだけでドカンと客席が盛り上がる。

第1部が終わっての幕間であるバレエ初心者の方に話しかけられたのだが、「海賊の男性、すごかったですねー」と言う。「あ、海賊で踊ったワシーリエフはラストでドンキホーテを踊るよ」と言ったら「きゃー!」とすごぉく喜んだ。初心者を一発で魅了するダンス。すばらしいな。まぁガラ公演ってどうしても超絶技巧がウケる方向に行くんだけどね。静かでいいダンスもあるのだけど、派手なジャンプとかで盛り上がった後に出るとどうしても物足りなく感じてしまう。その辺仕方ないかもしれない。でも超絶技巧はガラ公演の花だよなぁ。

ちなみに、パンフを見ると、オーシポワ、ワシーリエフそれぞれの紹介のページの「誰と共演したいですか?」という質問にそれぞれがそれぞれの名前を挙げている。やっぱり相性がいいのだろう。もしくは私生活でもつきあっているのかもしれない。

今晩、もう一回Bプロを観に行く予定。
日曜のあの興奮をもう一度! あれが一期一会的な超絶ステージだった、なんてことじゃないことを願う。楽しみ。

Aプログラム:

≪第1部≫

●「パ・ド・カトル」
 エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
 アンナ・ニクーリナ
 ガリーナ・ステパネンコ
 ウリヤーナ・ロパートキナ
●「眠れる森の美女」 第3幕のパ・ド・ドゥ 
 アリーナ・ソーモワ / レオニード・サラファーノフ
●「海賊」よりパ・ド・ドゥ 
 ナターリヤ・オーシポワ / イワン・ワシーリエフ
●「愛の伝説」よりモノローグとアダージョ 
 ヴィクトリア・テリョーシキナ / イーゴリ・コールプ
●「ジゼル」よりパ・ド・ドゥ
 スヴェトラーナ・ルンキナ / アレクサンドル・ヴォルチコフ

≪第2部≫

●「ナルシスへのレクイエム」
 ウラジーミル・シクリャローフ
●「ライモンダ」よりパ・ド・ドゥ
 ガリーナ・ステパネンコ / アレクサンドル・ヴォルチコフ
●「別れ」
 エフゲーニヤ・オブラスツォーワ / アレクサンドル・セルゲーエフ
●「タリスマン」よりパ・ド・ドゥ
 アンナ・ニクーリナ / ミハイル・ロブーヒン
●「タランテラ」
 ヴィクトリア・テリョーシキナ / レオニード・サラファーノフ

≪第3部≫

●「黄昏のヴェニス」
 スヴェトラーナ・ルンキナ / アンドレイ・メルクーリエフ
●「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
 アリーナ・ソーモワ / ウラジーミル・シクリャローフ
●「スパルタクス」よりデュエット 
 アンナ・ニクーリナ / ミハイル・ロブーヒン
●「シンデレラ」よりデュエット 
 エフゲーニヤ・オブラスツォーワ / アレクサンドル・セルゲーエフ
●「カルメン組曲」より
 ガリーナ・ステパネンコ / アンドレイ・メルクーリエフ
●「ジュエルズ」よりダイヤモンドのパ・ド・ドゥ
 ウリヤーナ・ロパートキナ / イーゴリ・コールプ
●「ドン・キホーテ」よりパ・ド・ドゥ 
 ナターリヤ・オーシポワ / イワン・ワシーリエフ

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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