生活者はマスメディアが消滅して欲しいわけではない

2010年4月 6日(火) 9:08:42

ご飯を食べながら「孫正義LIVE2011」を家族で見た。141分07秒、通しで。
ここで書いたものですね。一週間の限定閲覧ということで、たぶんギリギリ(延長するかもだけど)。この動画に関して親が何かコメントを言うと娘にとってはプレッシャー&説教になってしまい純粋に聴けないと思ったので、ただ黙って見た。まぁとりあえず娘と見られて良かったと思う。彼女の中に何かが残ればそれでいい。

というか、録画とはいえ「家族みんなでお茶の間で Ustream を見る」というのも初めてだ。
テレビ、DVD、ゲーム、YouTube、ニコ動、Ustream、と、映像系だけでもこれだけどんどん選択肢が増えてうれしい限りである。

そう、生活者にとっては「選択肢が増えた」というのがまずは一番大きいし重要。
最近またマスメディア激震とか消滅とかいう論が増えているが(そして評論家がそういう問題提起するのはいいことだと思っているが)、実はそれは生活者にはあんまり関係ない。生活者は自分が利用しやすい好きなメディアを気まぐれに適宜利用するだけ。どのメディアが強かろうが弱かろうが消滅しようがあまり関係ない。選択肢が増え、報道をいろんな角度から見ることが出来たり、コンテンツの質が高まったりするのはうれしいが、マスメディアが消滅して欲しいわけではない。

というか、一度に何百万人が見るメディアは他にないし、長年培われた番組・記事制作能力はなんだかんだ言ってもやはりズバ抜けている。マスメディア終わったと言い切るには早すぎるし、マスメディア vs ネットという二項対立も極論すぎる。アーリーアダプターはともかく、フォロワーたち(ツイッター用語ではなくマーケティング用語的なフォロワー)はまだまだマスメディアに依存している。

もちろんボクはネット礼賛者だ。
ほとんどの方より長く個人サイトを続けてきたし(1995年〜)、仕事的にも広告業界で一番に近く長くネットに関与してきた。だから内心ではかなりネットに都合のいい希望的観測をしているし、ネット(デジタル)によって世の中が変わることも信じている。Twitter や Ustream は画期的なツールだと思うし、iPhone や iPad、Android などの向こうにまた新しい地平が見えているのは確かだと思う。特にいままでマスメディアに独占されてきた報道のカタチが軌道修正されることには期待しているし、いまのマスメディアの劣化もさすがにやばいと思っている。

ただ、極端にならないように気をつけようとはしている。
ネットにどっぷり浸かっていると、もうこれだけでオッケーという気分になるが、それは錯覚だ。もしくは先を行きすぎている。

一生活者としてリアルかつフラットに考えると、マスメディアもやはり便利だし大切。多少マスメディアの力は衰えるだろうが、生活者としては上手に共存してくれたらありがたいところだろう。既得権益を守ろうとする方々が退場してより生活者に使いやすくなればそれでいいと思っている。そういう生活者目線をしっかり保っていきたいと思う。


この辺のことは書き出すと長くなるし、腰据えて書かないと誤解されるのでまたそのうち何かで。
ちなみに昨日の朝日新聞夕刊にボクのインタビュー記事が出てたみたいですね。「メディア激変」という連載記事。写真と共に。実はまだ見られてないのだけど…。今日と明日も出るみたいです。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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