センチメンタルな神戸行き

2009年12月 6日(日) 11:48:49

もう5年ほど癌と闘っている義父の容態があまりよろしくないので、日帰りで神戸にお見舞いに行ってきた。

妻も娘も東京に用事があるので一人で行ってきた。
まぁ妻はしょっちゅう手伝いに神戸に行っているのと、ボクはなかなか空いた日がなくて行けないので、予定がなかった昨日、急遽一人で行ってきたのである。ちょうどこの前亡くなった大森佳代子さん(この日のさなメモの最後の方に書いた方)にもお焼香したいので両方を兼ねて。 お見舞いとお焼香を兼ねるのは縁起が良くないという意見もあるが、こちらの気持ち次第だろう。

昼すぎに東京の家を出て、15時半すぎには芦屋の病院に着いていた。
昔、苦楽園・夙川・芦屋と14年間住んでいたので、何もかもが懐かしい。

あんなに元気だった義父が寝たきりに近くなって朦朧としている姿を見るのは辛いものがある。でも、ボクが入室したらちゃんとボクを認識して声を上げてくれた。義母といろんな話を1時間くらいしている間もたまに目を開けて何か話そうとしてくれる。ちゃんと聞こえているし意識もあるのだろうと思う。一緒に話したいのに話せないもどかしさがあるようだった。
1時間半くらいいて、「では」と帰る瞬間、義父の意識が急にハッキリし、右手を差し出してくれた。固く握手。これだけでも来て良かった。最近ではこういう反応も乏しくなっていたようで、義母もとても喜んでくれた。

病院を出て夙川に移動し、佳代子さんのお宅にお邪魔してお焼香。
仏壇横に「BEEFEATER」と「NOILLY PRAT」が置いてあり、それらで作ったマティーニがグラスに入っている。佳代子さんの好きな銘柄とカクテル。ゆっくりお祈りした。

佳代子さんのお葬式は、普通っぽくない、心のこもったオリジナルなお葬式で、とても感動的だったと聞く。なんとボクがここで書いた文章が読み上げられたらしい。BGMは「Don't Cry Out Loud」。なんだか申し訳なし。
ツイッターでたまたま(本当にたまたま)佳代子さんのご親族がボクをフォローしてくれていて、あの文章を読んでツイッターでメッセージを下さったりもした。まさか関西のかなり年上の主婦である叔母さんと東京のボクがつながっているとは想像もしなかった模様(そりゃそうだ)。「若い頃のさとなおさんを佳代子さんが励まし、今はさとなおさんの『明日の広告』で私が励まされ、不思議なご縁を感じます」と。順繰りだね。ボクも不思議なご縁を感じます。

お宅を辞して、関西勤務時代に数え切れないほど通ったバー「バーンズ」へ。
佳代子さんと出会ったのもココである。マスターと思い出話をしながら飲む。佳代子さんが遺したキープボトルを目の前に置いて飲む。年齢のせいか周りに癌の人がとても増えてきている。思うことは「死ぬまではちゃんと生きよう」ということ。佳代子さんは癌が見つかってたった2年で逝ってしまった。ボクだってあと何年生きていられることか。生きていられるシアワセをもっと享受し活用しないと。ヒトによく「生き急いでる」と言われるが、やっぱり生きてる間はちゃんと生きたい。惰眠も休憩も死んでからイヤというほど出来る。

20時半くらいの新幹線で東京へ。
東京を出る直前にメールで「夙川は雨です。天気予報は一日雨です」と教えてもらっていたので傘を持って行ったのだが、ボクが神戸に着いたときはもう雨は上がって快晴になっていた。反対にボクがいなくなった東京は西から天気が崩れて土砂降りに。 土砂降りなのかぁ、と覚悟しつつ東京に着いたのだが、着いた頃にはもう雨も上がり、雲も切れ始めていた…。

つまり一回も傘を使わなかったよ。
そう、これが晴れ男クオリティww

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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