さぬきうどん6時間7軒8玉

2009年11月 1日(日) 13:48:36

昨日書いたように、1泊2日で香川に行っていた。
約10年ぶりである。もともとさぬきうどんマニアだったことなどは昨日のを読んでください(わりと「へぇ〜、そうだったんですね」みたいな反応をいただいた。最近新しい読者が増えたこともあるのかな)。

講演があった金曜日は3軒だけ。「はりや」「手打ち十段 うどんバカ一代」「こんぴらうどん」。特に「うどんバカ一代」はうまかったなぁ。ボクが回ってたころは競争がなく、狭い地域を相手に誠心誠意打っていた感じだったさぬきうどんも、ブーム以降は競争や刺激が増え、若手も参入し、いろいろと様変わりしているのを実感させられた店だった。競争と刺激は新しい魅力を運んでくる。その影で古い良さが消えていく場合も多いのだが、その良し悪しはここでは論じない。

で、昨日の土曜は早朝覚醒したのだが、ツイッターやメールでいただいた情報を元にコースを構築していたら(店によって開店している時間が違うのでパズルを組み立てるみたいに構築しないといけない)、9時から回り始めるのが効率的とわかったので、二度寝をし、9時に高松の市街地にあるホテルをスタートしたのである。最後の店で食べ終わったのが3時だから6時間食べ続けたわけですね。ちなみに足はレンタカー。

まずは市内の「上田製麺所」から。
やさしい生活うどん。麺とダシのバランスもよく、強く印象を残すタイプではないんだけど、近くに住んでたら通いたいタイプの店。地元相手の本当にさりげない店で、客も少なく、おばあさんの感じもよく、朝からホッコリできた。ここが朝イチだったことはラッキーだったな。なんか「さぬきうどんの快感を次々と味わいたいマニア」スタンスから、「地元の方々の習慣に混じわらせていただく通りすがりの旅人」スタンスに変換できた感じ。ここで「先を急ぐ感じ」が消え、気持ちもゆったりし、旅を楽しむ余裕が出来た。前の晩に地元民に教えてもらった店であるが、感謝である。

次の店は丸亀までゆっくり1時間弱ドライブして「純手打うどん よしや 」。
香川でのドライブはいろんなことが思い出されて懐かしい。お椀型の山々も美しくなんだか楽しかった。

「よしや」には10時前には着いたっけな。今年できたばかりの新しい店だけど評判がいい。メニューを見ると「ひやひや」とか「ひやあつ」とか並んでいて「宮武」系とすぐわかる。「ひやひや」をいただいたが、麺もまったく宮武系。純手打を標榜するだけあってかなりストイックな印象。かためでどっしり。まぁ昔から宮武系の重さよりもっと軽快なうどんが好きなのだけど、でもおいしい。

この辺からツイッターで実況を始めたが、次々と「丸亀なら○○へ!」とか入ってくる。でも実況に少しずつ遅れめで入ってくるので、もうその土地を離れた後であることも多かった。丸亀情報が入り始めた頃にはもう次の三豊郡に向かっていた。今回一番遠いところにある「SIRAKAWA」である。

「SIRAKAWA」は一般店。11時の開店前に着いて10分ほど待った。なので一番乗り。
メールで小石原はるかライター(笑)から「たこちくぶっかけ」と「ネギ油しょうゆうどん」の両方を食べろ!と指示が出ていたのだが、まぁとりあえず「たこちくぶっかけ」をオーダー。たこちくわ天がついている。で、確かに「小」を頼んだのだが、来てみたら量が異様に多い。んー、この店の「小」はこんななのか?と思いつつひたすら食べたが、会計時に「大」だったことが判明。つまり2玉食べてしまった(これが最後に効いてくる…)。麺自体は意外と重めで、そうだな、昔の記憶的に言うと彦江とかに近い感じか。とてもじゃないけど「ネギ油しょうゆうどん」は食べられないのでパス。

次は坂出に向かって「日の出製麺所」。
「SIRAKAWA」を出た後に「近くの『安並』に是非!」というツイッターが入ったが、もうずいぶん離れちゃったよー。こういうすれ違いが多かったけど、リアルタイムでどんどん情報や感想が入ってくるツイッターは実に面白いな。ひとりで旅してるのに大勢と一緒な感じだった。

「日の出製麺所」に着いたのはお昼すぎ。時間的なものもあって、本日初めての行列。それも10分ほどで済み、「冷たいの」をいただいた。ここはみんなが勧める人気店だけあってうまかった。白くて美しい麺。ぐぃーんと粘ってぷっっっちんと気持ちよく切れる。この感触や良し。

5軒目は高松市内に戻って「麦蔵」を考えていたのだが、まぁ腹ごなしもあって地道をじわじわ走っていたところ、ツイッターに「国分寺の一福(いっぷく)今話題です。奇跡の麺を出すそうです。麺通団の団長絶賛です」というコメントが入った。で、ふと今いる交差点の信号を見たら「国分寺郵便局前」とある。うわ、ここじゃん!
ということで、すぐ iPhone で住所を調べ、カーナビ(これが出来てさぬきうどん巡りの魅力は半減したと思うが)に入力し、ゴー。そこから数分のところ。あー良かった。

で、この「一福」、うまかったなぁ。
細麺なんだけど、粘りと伸びが尋常ではない。前の晩に食べた「こんぴらうどん」の細麺の快感を100倍上回るかも。思わずお土産用の生麺も購入。店の感じも適度に広く、家族連れが多くて地元に混ざる感じがいい。生活がちゃんとある。厨房も活気があって、お兄ちゃん(店主?)も明るくて気持ちがいい。いい店だ。

で、6軒目は高松に帰って「麦蔵」。
前の日に「はりや」で食べた「かしわざるうどん」をいただいた。かしわ(鶏)天がついてくるもの。このかしわ天、うまい(「はりや」のもうまかった)。うどんは「はりや」より好きかなぁ。粘りがあって気持ちよい。でもこのタイプの麺なら前日に食べた「うどんバカ一代」の方が好きかも。

かしわ天を食べたら、突然お腹がいっぱいになった。
ここまでで6軒7玉。計画ではあと「ゴッドハンド」と「もり家」に行く予定。でも胃袋的にはどちらか1軒で限界かなぁ…。そうなると有名な「もり家」に行きたいところだが、昨日通りがかりにみつけた「ゴッドハンド」にもどうしても行ってみたい。だって店名が「地上最強のウドン ゴッドハンド」だよ! 麺を打つ手がゴッドハンドなのですよ奥さん!
まぁそういうトリッキーな店名でおいしい店は少ないのだが、地元の人に聞いたら「たしか『ゴッドハンド』は『うどんバカ一代』に関係があるはずですよ。弟子だったかなぁ」とか言うので、急に行きたくなったのだった。「うどんバカ一代」の麺はとても気に入っていたし。

で、とりあえず「ゴッドハンド」に出かけた。本日の店名大賞(写真)。
麺はね、やっぱり「うどんバカ一代」には負けるかも。かためで力強いんだけど快感が少ないタイプ。口内暴力感が少ないのである。軽快に跳ね回ってくれない。店内もなんだか暗くて少し不利かも。

さて、ここまでで7軒回ったが、1日11軒の記録を持つボクとしては、もう1軒くらい行けるのではないか、と、とりあえず「もり家」に出かけることにしたわけだけど、「ゴッドハンド」の身が詰まったうどんもかなり効いてきて、運転中どんどん満腹感が広がっていく。あぁ「SIRAKAWA」で「大」が出なければ食べられたのに…!

ということで、「もり家」近くまでは辿り着いたんだけど、もう全然胃袋に余裕がない感じ。帰りのヒコーキまでまだ時間があったので食べる時間はある。もしかして寝れば腹が減るかといったん道端に車を止めて寝ることにしたのだが、30分ほど寝て起きたらもっとお腹いっぱいになっていた(笑)

ここで終了〜。「もり家」は次の機会にとっておこう。
4時にレンタカーを返し(空港店)、5時のヒコーキで東京に帰ってきた。6時間7軒8玉。あのまま高松に泊まっていれば、夜にもう2軒くらいは行けただろうから、まぁ1日で言うと9軒10玉は行けたかなという計算。10年前に11軒11玉食べた頃からそんなに衰えてないかもしれない。48歳にしては立派なのではないか(自殺行為という噂もある)。今回は昔行った名店たちを回らず、すべて新しい店に絞ってみたが(10年のブランクを取り戻すためにも)正解だったかも。「いまのさぬきうどん」を体感できた。

って、ホント、相変わらず長いさなメモでスイマセン。
昼ご飯がまだなので、お土産用に買った「うどんバカ一代」の乾麺か「一福」の生麺かを食べることにしよう。ホント、さぬきうどんって飽きないなぁ。ということで!

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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