7 8 オサニチ第41回 言い訳がましい気持ちで着ると、体の方が洋服にまけてしまうんです 4 5




ふと気がつくと、昨日と同じような一日を送っている。
昨日と同じように会社に通い、昨日と同じようにテレビを見、昨日と同じようにビールをグビる。
生活のためとはいえ、そんな毎日を送って老いぼれてくのはゴメン、だよね?

同じ顔した毎日に、ほんの小さな無理ない刺激。

機械的な毎日に人生を牛耳られないために。「オサニチ」。連載中。

 


第41回「オサニチ的胸にチクチクくる言葉(その29)」(2005年08月)

 

海外とかに行ってがっかりする瞬間のひとつに「向こうで出会う日本人オジサンのかっこわるさを目の当たりにしたとき」というのがある。

このごろ日本人の女性連は(団体ツアーの中年組一部を除き)本当にファッショナブルになった。
敢えて言えば姿勢が悪くて損してるなぁとよく思うが、それでも一昔前に比べると格段のかっこよさ。お、おしゃれな人が歩いてくる、とか思うと日本人の若い女性だったりすることも多くなった。特にヨーロッパの大都市ね。パリとかロンドンとかミラノとか。なかなか誇らしい日本人女性が増えているのである。

それに比べて中年以降の日本人男性はどうだ!

いいとこビジネススーツ。それも安いペラペラのもの。そうでなければ「ゴルフに行くんですか?もしくは近所のホームセンターへ?」と小一時間問いつめたくなるような格好で海外の街を歩いている。
そりゃね、海外旅行は楽な格好で、みたいな意識がまだこびりついてる世代ではありますよ。海外というところはオシャレをしていく場所ではなく、動きやすい格好、しかも持ち運びも楽チンな格好で行く場所だった世代。

でも!
そういう時代はもうずっと過去のもの。
今の時代、海外は「オシャレして行く場所」なのだ。あなた自身が「日本人のプレゼンテーション」なのだ。国の経済活動を支えているオジサンの質によって、国のセンスって計られてしまう時代なのである。え?背が低い?太ってる? 関係ない関係ない。そういうスタイルでもかっこいい外国人男性がいくらでもいるでしょう?

というか、日本のオジサンは国内にいるときもたいていかっこわるい。
いや、かっこいいオジサンもいるけど、概してかっこわるい。

ボクが思うに、あれって、ご自分の格よりも低い服を着るからだと思う。
ファッションとは自分より少し格上の服を着ることだと個人的には思うのだ。
最低でも自分の格(自分で考える自分の格)と同等なものを。だって「装う」ってそういうことだよね?

新明解国語辞典で見るとふたつ意味が載っていて「(1)他人に見られて恥ずかしくないように、身なりを(美しく)整える。(2)本当はそうでないのに、いかにもそのように見せかける」とある。そう、本当はそうでないのに、が重要。自分を少し格上に見せることがファッションのもともとの目的なのである。
なのに、男性はたいてい自分より格下な服を着ている。本当の自分より下に見せる服。そうではなくて、自分を少し上に見せて欲しいのである。

そのときのコツとして、こんな言葉がある。
高樹のぶ子のエッセイの中で著者がブティック店員から言われた言葉である。

 

言い訳がましい気持ちで着ると、体の方が洋服にまけてしまうんです。

 

少し格上の服って、仕立てがいいスーツにしても、ちょっとがんばったデザイナー系にしても、最初は照れくさいし、似合わないんではないかと不安だし、自分としてはこんなの着るつもりはなくてみたいな「言い訳」も出てくる。
でも、そういうのはやめて、背筋伸ばして自信たっぷりに着てみよう。ちょっと格上の服に自分自身を近づけてみよう。これも「成長」のうちなのだ。服に自分を合わせてバージョンアップしていってみようではないか。

と、今回は自分のファッション音痴を棚に上げて語ってみました(笑)。
でも、基本的にオシャレするって気持ちがいいものだと思う。ぜひぜひ日本人の男性として、海外でも国内でも「お、かっこいい」と思われるよう、がんばってみましょうよ。






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