ふと気がつくと、昨日と同じような一日を送っている。
昨日と同じように会社に通い、昨日と同じようにテレビを見、昨日と同じようにビールをグビる。
生活のためとはいえ、そんな毎日を送って老いぼれてくのはゴメン、だよね?

同じ顔した毎日に、ほんの小さな無理ない刺激。

機械的な毎日に人生を牛耳られないために。「オサニチ」。連載中。

 


第15回「オサニチ的胸にチクチクくる言葉(その3)」(2003年5月)



ところで「勝てば官軍」って英語でなんと言うのだろう?

この前ちょっと気になって調べてみたら「Might is right.」であった。
うはは。力は正義なり。なるほどまさにいまの世界趨勢そのままの諺だなぁと妙に納得。プレジデント・ブッシュはこの言葉に忠実に、圧倒的力を行使したわけね。

ついでに「長いものには巻かれろ」も調べてみたら、これは「If you can't beat 'em,join 'em.」。
勝てなきゃ加われ。ううむ。これまたある意味真理だなぁ。特に状況が複雑きわまりない場合とりあえず強い方に加わっておくのは重要だ。そうだよね、我らがプライムミニスター・コイズミ。


とまぁ、戦争も事実上終結し、かくも「Might is right.」や「If you can't beat 'em,join 'em.」が全世界的な真理になりつつある昨今、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

ボクはといえば次の言葉を静かに口にして、流されそうな自分を勇気づけたりしている。
コムデギャルソンの川久保玲が、開戦直前の2003年秋冬のパリコレで、発表した服にプリントしたメッセージ。

 

1%万歳。

 

ふと気がつくと「力あるもの」や「多数を占めるもの」には従っとくのが結局得、みたいな空気が社会に蔓延している。
不況の影響もあるが、会社生活でも服従&保身気分が高まっている。趣味嗜好の世界でも多数派にならないとみな不安がる。いじめだって多数派による少数派排除に他ならない。少数派はやばい。世の中シビアだ。だいたい信念など少々曲げてもたいしたことないではないか。とりあえず力ある側に加わっとけ。服従しとけ。その方が結局「得」なのだ。

そんな発想になりがちなとき、この言葉がチクリと胸にトゲを刺す。

人生は損得なのか。力あるものは本当に正しいのか。多数派に安住して思考停止になっていないか。信念を曲げ続けているうちに人生自体が曲がりはしないか。もし自分が1%の超少数派ならそれを誇りに思って生きるべきではないか。1%であることこそプライドを持てることではないか。

もちろん「そうは言ってもねぇ」だらけの現実だ。
でも、だからこそ忘れたくない。
1%であるかもしれないことを恐れたくない。超少数派でも強くいたい。1%万歳!


ちなみにこの言葉、英語だと「Long live the 1 percent.」だったらしい(上記日本語訳は報道に寄る)。この言葉以外にも、彼女はこんな言葉を服に刷り込んだという。

The majority is always wrong.
Conformity is the language of compromise.

…‥さすがに強いね。


デザイナー川久保玲自身、常に1%側に属し、デザインでもあえて危険を冒す。
だから彼女の服は戦闘服のような厳しさを持つ。服を着ること自体が一種のメッセージになる。

憧れるなぁ。
でも、ボクには似合わない。何度試着しても全く似合わない。
あーあ。きっと彼女の服が似合うような「孤高さ」がボクにはまだまだ足りないのだろう。

自分を磨かねばっ。




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