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渡辺一枝
「ハルビン回帰行」

amazon著者が生まれた地、ハルビン。そこを訪ねる旅を静かに綴った小品。
地味な内容。盛り上がりもないし中国残留婦人に対する記述など内省的で、読んでて肩身が狭くなる。が、この本は読者を引きつけて離さないのだ。この本を読んで以来ボクの心の中にもハルビンが常にある。読者をそんな気持ちにさせる本はそうはない。
いったい著者は何者? その筆力からしてベテランだろうが他の著作など聞いたことないし…。と思っていたら新人みたいなものだった。というか、椎名誠の奥さんだった(笑)。だからって著作経験は新人なのだから関係ないが、うまい人ははじめからうまいんだなぁと唸った。オススメ。
1996年10月01日(火) 12:00:00・リンク用URL
「チベットを馬で行く」

amazon「ハルビン回帰行」があまりに良かったので、他の作品もと思って読んだ。
この本もとてもいい。チベットを馬で旅をした毎日を日記のように綴って555ページ書き切り、しかも読者を全然飽きさせない。たいした筆力なのだ。チベットの旅が事件だらけならまだ書ける。宗教だの自然だのテーマがあればまだ書ける。でも著者は単にチベットが好きというだけでその単調な旅行の日々を555ページ読ませちゃうんだから。凄いでしょ。しかも教訓だの蘊蓄だのを少しも語らない。偉い!
著者は椎名誠の奥さん。その尋常でない行動力は夫の影響もあるのだろう。でもこうなるともう「だれそれの妻」と呼ぶこと自体失礼に当たるな。下手すると夫を超えたかもしれない、とっても魅力的な紀行文だから。
1996年10月01日(火) 12:00:00・リンク用URL




