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米原万里
「旅行者の朝食」

amazon名エッセイスト米原万里。「彼女のエッセイにハズレなし」はすでに定説で、ボクは過剰な期待をもって読み始める。この本もその例に漏れず。期待が過剰すぎてちょっとガクッと来たが、エッセイとしての出来はほぼ完璧。いつもはあるはずの哄笑する部分が今回はない、というところだけが不満なのである。気楽に読み流すエッセイとしてはとてもいい時間をボクたちに与えてくれるだろう。
いつもの如くロシアの話題が中心であるが(だって著者はロシア語通訳だから)、今回は「食べ物」に焦点を絞っている。不勉強にもジャガイモの普及の話は知らなかったのでその章が特に印象に残っているな。話題を食に絞ってしまったせいか、いつものキレがない部分もあるが、楽しいエッセイ集ではある。
2002年07月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
「ロシアは今日も荒れ模様」

amazon前に読んだ「不実な美女か貞淑な醜女か」も相当面白かったけど、デビュー作のそれにくらべてこれは慣れてきたのかもっとこなれていて、なんか安心して楽しめた感じ。
相変わらずどのエピソードも選り抜きで、ロシア人とロシアという国の素顔をよく伝えてくれていると思う。著者自身の感性に「ロシア的小話」が深く入り込んでいるようで、小話的「我を笑う」視点がそこここに出ているのが特によい。そういう感性もなく、文章も下手な人がこういう題材を書いたら(ありがちだよね)、自慢めいてめちゃめちゃつまらないものに仕上がっただろう。ボクたちは「ロシアという文化の翻訳者」に米原万里を得て、実に幸せなのである。
それにしてもこのなかにたくさん描かれているロシア人の酒量についてのエピソードには愕然とした。
その中のひとつ、実話らしいが、ソ連宇宙総局の幹部3人(というとわりとお年寄りだろう)が六本木のあるバーの飲み物を最後の一滴まで飲み干したというエピソードには特に。だって「ウィスキー15本、ウォトカ5本、ブランデー5本、ワインとビール数知れず」だって言うんだから……。3人で、だぜ。うーむ、ボクは若い頃「ウィスキーのボトル1本なら軽いです」って自慢してたけど、井の中の蛙とはまさにこのことだなぁ。
2001年03月01日(木) 12:00:00・リンク用URL
「不実な美女か貞淑な醜女か」

amazon同時通訳って職業をいままであんまり意識したことがなかったけど、この本を読んでからはかなり意識して通訳を聞いてしまうと思う。ロシア語通訳としては第一人者でありニュースショーなどでコメンテーターもこなす著者の初エッセイで95年刊。ボクは今回初めて彼女を読んだ。
前半は初エッセイということもあるのかかなり肩にチカラが入っておりちょっと読みにくいが、ほかの同時通訳者のエピソードなどをちりばめた中盤以降かなり快調に読み進める。
同時通訳という職業の難しさなどを実例に即して読んでいるうちに言葉というものの摩訶不思議さまで突っ込んで理解されてくるあたりがなかなか上手。語り口も軽くなく重くなく素晴らしい。こういう新しい世界を覗かせてくれる本は好きです。
1998年05月01日(金) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:エッセイ




