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ヤマザキマリ
「モーレツ! イタリア家族」

amazonある宿命的な出会いをもって、イタリア人の旦那さんを持つことになった漫画家ヤマザキマリさんの「イタリア嫁生活体験記」漫画。
著者のスタンスは「まぁイタリアは日本で大人気のようっすけど、実態はこんな感じっすよ」である。愛しつつも冷めている。客観的に「ありえねー」と思っている。その距離感が笑える。爆笑系エピソードも多く、何度も楽しめる内容。巻末にはご丁寧にも簡単なイタリア語会話集がついている。
著者が嫁いだのはイタリアの大家族。お金持ちの家のようだが、登場する人がそれはそれは個性的で、その中にひとり飛び込んだ日本人妻の苦労が実に偲ばれる内容。が、読者はしんみりするわけではまるでない。著者による客観的な俯瞰視点が随所に活かされているので、明るく笑って軽快に読み進められる。実際この漫画は登場人物たちにも読まれちゃっているらしいが、彼らを怒らせない程度にデフォルメして描いているバランス感覚が読者にもちょうどいい。これ以上すると読者も引くかも、のギリギリラインを上手に渡っていく。うちでは中一の娘が特に気に入り、一時は始終持って歩いていた。
実はこの本を読んだ後、著者のマリさんと知り合う機会があり、ポルトガルの自宅(現在ポルトガル在住)に遊びに行った。
彼女の周りには「漫画的エピソード」が溢れている。そういう人生を送る人っているのである。存在が面白い人の漫画はそりゃ面白いのだ。続編が待たれる。
2007年03月20日(火) 17:54:47・リンク用URL
「2050年のわたしから」

amazon副題が「本当にリアルな日本の未来」。イラスト:ヤマザキマリ。
2005年における現実の統計を使って、その平均的傾向をグラフ上でずぅっと2050年まで延長してみるとどういう世界になっているか、ということをシミュレーションした本。だから少子化もこの減少率を保って45年続くので、0.11になっている。巨人戦の視聴率は0%。国民年金の納付率は20年前にゼロ。大卒就職率ゼロ。農家もゼロ。商店街もゼロ。日本は落ちぶれきり、アメリカも落ちぶれ、中国がナンバーワンの世界…。
もちろん単純計算なのでありえない数値なのだが、この本では2005年に20歳である主人公を狂言回しに2050年の社会をわりとドラマチックに報告しているので、意外とリアルで怖いのだ。
第三章では、そうならないための逆シミュレーションもしてくれる。第四章では著者の論説も展開されている。だから救いもあるし、読み終わると「あぁ脅かして安心させて自説を主張するプレゼン・パターンね」と気づくのだが、でもまぁこのうちのいくつかは本当にそうなってもおかしくない感じではある。
意外とさらっと読めてしまって物足りないが、現代日本について問題意識をわかりやすく持つためにはなかなか良い本。頭を整理し、問題点を絞るのに有益。
2007年03月17日(土) 18:02:52・リンク用URL




