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山口瞳
「君等の人生に乾盃だ!」

amazon95年に亡くなった山口瞳の「新刊」である。
というか、編集者よ、頼むからこんなもの出すな。サントリーの広告に書いたものを含めていろんなところに掲出した文章から警句・名言と言われそうなものだけ短く引っ張ってきただけのもの。帯に「スピーチ、贈る言葉に最適」とある。笑止千万。
というか、いくら山口瞳ファンだからって、こんなの買うなよオレ。山口瞳全集まで持っているのに。なんというか、本屋で山口瞳という背文字を見ただけで舞い上がって買ってしまったんだけど、こうして部分部分だけ抜き出したものを読むと、これはボクの好きな山口瞳ではない、という苦い後味が残るだけ。著者も草葉の陰で泣いておろう。
1999年04月01日(木) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:エッセイ
「この人生に乾杯!」

amazon山口瞳好きの人には大オススメ。
奥さんをはじめ山口瞳ゆかりのそうそうたるメンバーがしっとり、そしてしっかり書き込んだ追悼文集である。
人間は死んだあとの「語られ方」でその人の本質みたいなものがはかれる。山口瞳を語るとき、筆者たちはみなとても静かにそして含羞と品をもって彼を語っている。下品な文章などひとつもない。追悼文に名を借りた自慢話などどこにもない。山口瞳とはそういう人なのだ。
なお、高原西蔵のペンネームで書いていた初期の文章やサントリー広告コピー集なども巻末についている。
1996年10月01日(火) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:自伝・評伝
「新入社員諸君」

amazon昭和48年に出た本の新装版(96年2月発売)。
だから厳密には新刊とはいえないが、読んでみてあまりに「タメ」になったので取り上げたい。
時代が違うから語っていることもかなりずれてはいるが、その中にもふんだんに真実がある。新入社員なんかに読ませるには高等すぎる。10年選手以上にこそ読んで欲しい名著。初心を思い出して襟を正すこと請け合い。新鮮な気持ちで会社に行ける。
1996年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
「山口瞳大全」全11巻

amazonフェイバリットな作家、山口瞳の全集。全十一巻。伊丹十三が題字を書いている。
日本初の市民小説(サラリーマン小説)を書いたと言われている作家である。
名もなき市民を江分利満(エブリマン)氏と名付け、主人公においたシリーズで売れた。その後「居酒屋兆治」「血族」「行きつけの店」や週刊新潮に長く連載した「男性自身」など、地味ながらも一部で熱狂的なファンを持っている。まぁボクもそのひとりではある。
作家の全集を自分のお金でちゃんと買ったのって初めてかもしれない。もちろん全部を通しで読むなんてことは(仕事の忙しさもあって)難しいのであるが、ぽつりぽつりと読むだけでもなかなか楽しい。
ということで、今月は山口瞳ばっかり読んでいたので他におすすめ本がない。この全集は小説はもちろん、広告文案家(昔はこう呼んだ)だったころの彼の作品や、エッセイもしっかり入っているので、著者を偲びながら拾い読みするのに最適だ。
それにしても、堅いようで柔らかく、柔らかいようで堅い、希有なバランスを持った作家だと思う。読んでいて気持ちいい。
1995年11月01日(水) 12:00:00・リンク用URL
「江分利満氏の優雅なサヨナラ」

amazon週刊新潮に32年間もの長きに渡り連載し続けたエッセイ「男性自身」シリーズの最終巻。
絶筆は死の三週間前とか。みずからの死を悟った彼の文章は、しかし少しも乱れず、冷徹で温かくわがままな山口瞳そのものの品を見せている。ボクは彼のことをある種日本の良心と見ているのだが、理由はその「含羞」、その「上品」、その「謙虚」、その「狎れない態度」が今の日本ではまことに得難いからと思うからだ。
この本は、もし今まで山口瞳を読んだことがなかった人がいたら、とりあえず読むのにとても適していると思う。彼のそんな部分が浮き上がって見えるような妙な迫力が文にあるのだ。是非一度読んでみてください。
なんだか山口瞳の死によって昭和がとても遠くなった気がする。(ちょっと年寄り臭い言い方だけど)
1995年11月01日(水) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:エッセイ




