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LV5「ココロミくん」

べつやくれい著/アスペクト/1000円

ココロミくん
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人気サイトデイリーポータルZには人気ライターが何人もいるのだが、その中でもボクの一番のお気に入りである「べつやく れい」による連載を単行本にしたもの。

題名通り、いろんなココロミをするものである。
「逆さまになって食べても胃に入るのかココロミる」「頭にバックミラーをつけたら便利かココロミる」「ルーズソックスで人文字になることをココロミる」「キューキューいうサンダルの工作をココロミる」「ガンコなラーメン屋に叱られることをココロミる」……って、こう書くとつまらないな。でも実際はとても面白い。彼女の目の付け所とセンスが素晴らしい。デイリーポータルZ自体が脱力系「大人の実験室」なので、基本は実験&工作であるのだが、そこに彼女の絵と独特のセンスが入り込むといきなり数倍面白くなるのである。

マンガには実写が縦横無尽に組み合わされ、読んでいて飽きない構成になっている。まぁサッと読めてはしまうのだが、べつやくファンにはたまらない一冊。ちなみに著者はあの別役実氏の娘さんらしい。

2006年11月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:漫画 , 雑学・その他 , ノンフィクション

LV5「永遠の不服従のために」

辺見庸著/毎日新聞社/1429円

永遠の不服従のために
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第二次世界大戦前の日本人が特別に愚かだったのだと思っている人はかなりおめでたい。
自分だったらあんな好戦的な風潮に乗らず冷静に時代をながめて戦争に反対しただろう、などと考えている人はおめでたいのを通り越してバカかもしれない。戦争は一夜にして起こるものではない。じわじわと起こるのだ。気が付いたときには戦争しないといけない環境になっていて、反対しようにも出来ない状況になっているのだ。戦争は宣戦布告で始まるのではない。その何年も前からじわじわ始まっているのである。

サンデー毎日に連載している「反時代のパンセ」をまとめたこの本は、その「じわじわ始まっている戦争」への反戦活動である、と言ったら乱暴か。戦争状態へとじわじわ突入していくことを関心あるふりしてにこやかに許しているボクやアナタたちへの少々いらついた叱責でもある。でも著者は叱責だけして自分は安全な「評論家」のスタンスを良しとしない。自分の身をきっちり危険に晒して叱責言論・反戦活動を行っている。そのことが文章に底知れぬ迫力を与えている。

彼は「坑道のカナリア」になろうとしているのではない。カナリアよりもっと強い存在になろうとしている。この本を読んで感心しているに留まっているくらいなら、読まない方がマシかもしれない。さてアナタはどういう態度にでるのだ?とナイフをつきつけられるような本である。

2003年01月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:時事・政治・国際

LV1「さんずいづくし」

別役実著/白水社/1600円

さんずいづくし
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本屋で立ち読みしたときは「これは面白そう!」と思ったのだが、購入していざじっくり向き合うとちょいとううむ…。

さんずいがついた漢字を48文字取り上げて、それについてひとつ数頁ずつ考察(エッセイ)する構成だが、そこは別役実、たんなる漢字ウンチクにとどめない。なんというか「フィクション」が入るのだ。つまりウソが入る。デタラメも入る。真実も入る。その辺の微妙なバランスを著者は「どうよ?」とばかり楽しんでいるのだが、読者であるボクは「別に?」という感じでいまいち面白くなかったのでした。

なんだか頭のいい人が自分の頭の良さ具合をひけらかしているような印象が残ったのが特に残念。そんな人でもないと思うのだけど・・・。あまりあざとくしない「さんずいエッセイ」を勝手に期待したボクも悪い。うん。

2001年05月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 雑学・その他

LV4「朗読者」

ベルンハルト・シュリンク著/松永美穂訳/新潮クレストブックス/1800円

朗読者
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各媒体、各批評家、ベタ誉め。20以上の言語に訳されアメリカでは200万部突破のヒット作らしい。
満を持して読んだ。なんか題名も良いし、装丁も良い。「悪童日記」っぽい衝撃がありそうな予感…。だが。

神は細部に宿る。そういう意味では傑作である。この行間のみずみずしさは尋常ではない。こういう風に書きたい、と読んでいて嫉妬すら覚えた(嫉妬を覚える資格もないが)。久しぶりにブンガクの強いオーラをまとった文章を読んだ感じ。
だけど、小説の構築、という意味では少々物足りないのも確か。切ない恋の結末と強制収容所の過去、そして歳をとったふたり・・・。淡々と語られるそのストーリーは十分衝撃的だしこれ以上事件を増やす必要もない。主人公にも共感する。なのになんでこう物足りないのだろう。

それはたぶん、文章のリリシズムとストーリーの問題の深さが馴染んでないからではないか。もっとハードボイルドにした方がストーリーは立つ気がする。でも、著者はこれでもかと詩的な部分を放り込んでしまった。このリリシズムなら、例えば後半部がなくて裁判のちょっと後で終わった方がもっと締まったのかもしれない。後半部に前半部みたいな心の動きが頻繁に描かれていないのも逆効果。回想で始まっている物語なのに、そして前半はかなり多弁かつリリカルに回想するのに、後半では主人公は妙に読者によそよそしい。そこら辺も馴染んでない印象を際だたせる。

それにしても、リアルでこういろいろ事件が起きると、強制収容所ですらあまり残酷に感じなくなってくるね。そういう点からして「事件慣れした現代の日本人(つうかボク)には物足りない」だけなのかもしれない。

2000年09月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(海外)

LV2「チャリング・クロス街84番地」

ヘレーン・ハンフ編著/江藤淳訳/中公文庫/533円

チャリング・クロス街84番地―書物を愛する人のための本
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副題が「書物を愛する人のための本」。
1970年に刊行された世界的ベストセラーである。

NYの本好きの女性とロンドンの古書店の往復書簡をそのまま編んであるもの。先輩から譲られなければ読まなかったかもしれない本だが、しっかりした事実が裏にあるだけになかなか感動的であった。
ボクたちは、こういう「ちょっといい話」が世界的ベストセラーになった時代からずいぶん遠いところに来てしまったなぁという感慨をボクは持つ。素直ではないのか? いや、とっても素直な感慨だと思う。ある意味、甘い時代の物語なのだ。

1999年01月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション

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