トップ > おもしろ本 > 著者別一覧 > > 疋田智 >

疋田智

LV3「自転車生活の愉しみ」

疋田智著/東京書籍/1700円

自転車生活の愉しみ
amazon
自転車通勤を夏以来続けているボクはもちろん著者のサイトを何度か見ている。自転車通勤の世界では有名な人である。で、この著者、TBS「ブロードキャスター」のディレクターらしいが、国会私的諮問機関である「自転車活用推進研究会」(←京都議定書に対応したもの)の唯一の民間人メンバーだったりもするのである。

だからだろう、この本には個人的自転車普及視点と公人的自転車普及視点とが混在している。まだまだ低い自転車の社会的地位を向上するためにも自転車普及的な発言は必要だし有効だ。ただ「本」としての魅力だけを考えると、スタンスがちょっとお上的な分、どうしても少し魅力が落ちてしまう。ヨーロッパの自転車生活と比較して大上段に振りかぶられた途端に、ひそやかな愉しみ的に読み進んできた気持ちが妙に萎える。たぶん、自転車仲間の目をかなり意識した主張になっているのだとは思うが(オピニオン・リーダー的に)、自転車初心者に向けての啓蒙書とすると、そこに矛盾が生まれてくる。自転車生活を愛する個人の視点で貫いてくれた方が結果的に読者に届くものが多くなった気がする。

出だしが素晴らしい。自転車の絵の描き方から始まり、「この本の目的は、一言で言うと、この絵をソラで描けるようになることにある」と続く。うーむと唸って喜々として読み進んでいったのだが、結果から言うとこの目的は中途半端に終わってしまった。もちろん得たものはいっぱいある。自転車のメンテはもちろん、ヨーロッパの自転車事情についてもモグラの目を開かれた。が、至極親密に始まった著者との自転車行の楽しみは読むに従って消え、自転車をソラで描けるようになる、という素敵な目的(自転車との恋愛の始まり)は達せられなかった。惜しい。題名も普通すぎるのが惜しい。全体に惜しいなぁと何度も感じた本である。

2002年01月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , スポーツ

ページの先頭に戻る

メニュー

Follow satonao310 on Twitter @satonao310

satonao [at] satonao.com
スパム対策を強化しているので、メールが戻ってきちゃう場合があります。その場合は、satonao310 [at] gmail.com へ。

ページの先頭に戻る

Google Sitemaps用XML自動生成ツール