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野田知佑
「南へ」

amazon1992年から1995年まで「本の雑誌」に連載した文章の文庫版。
「新・放浪記2」と副題にある。最初の「放浪記」は単行本で読んだ記憶があるが、「新」は読んでなかったと思うので、「新・放浪記1」は読み損なっている気がする。まぁいいや。特に筋がある本ではないし。
野田知佑はやっぱり半年に一回は読まないといけない作家のひとりであるなぁ、というのが読後感。
こういう暮らしの記録を継続的に読まないと、東京というシステムがいかに異常なものか、都会というものがいかに狂乱なものか、生きていく目的とはなんなのか、自分のためだけに気持ちいいことをなにかしているか、などという根本的なものを忘れてしまう情けなさなのだ。
あ、日本の河川問題についても。河川問題についてはボクはなにもしていないに等しい。読んで理解しているだけならバカでもできる。激しく共感しているのだからなにかすればいいのだ。現地に出かけて活動するのはとても無理だから、なにかボクの立場で協力できることを探していきたい。
・・・などと、ちょっと精神が思わぬ方向に開かれる。そんな効き目が彼の本にはあるのである。
2000年08月01日(火) 12:00:00・リンク用URL
「ユーコン漂流」

amazonアラスカのユーコン川をカヌーで下った著者のエッセイ。
on my own、つまり自分の幸福も不幸もすべて自分のせい、という著者の姿勢がすべての行間に滲み出ており、読者は彼とともに長い孤独の川を行くことになる。
安心できるのは、著者自身、孤独についてストイックではないこと。淋しくなったら淋しいと言い、長く何週間もアラスカの村にとどまる。孤独に縛られる修行のようなカヌー行でないところがいいではないか。自然である。そこらへんが著者の真骨頂であろう。
彼の本を読むと「人間の実力とはなにか」というような想いにいつも駆られる。サバイバルという意味の実力ではない。性別、国籍、実績、肩書きなどをすべて取り払ったときに残る裸の人間としての実力…。そして自分を見返して見たとき呆然唖然…。これを思い知るために、またボクは野田知佑を読み返すのだ。
1998年07月01日(水) 12:00:00・リンク用URL





