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中村修二

LV3「怒りのブレイクスルー」

中村修二著/ホーム社/1600円

怒りのブレイクスルー―常識に背を向けたとき「青い光」が見えてきた
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不可能と言われた青色発光ダイオードの画期的発明で、いまノーベル賞に最も近い技術者として著名な著者が書いた半生記と日本告発の書。

彼はいま日本を捨ててカリフォルニアに住んでいる。胸が圧迫されるような閉鎖感に満ち満ちた日本で、その状況を疑いもせずサラリーマンとして働き続けた半生、徳島の片田舎の小さな会社でたった一人で成し遂げた数々の研究開発のブレイクスルー(現状打破的飛躍)、会社とのケンカ、報酬の少なさ、そして、日本への絶望と海外雄飛……ノーベル賞に最も近い男と言われるにはちょっと記述が幼く、構成もスッキリしてなく、イイタイコトも分散してしまってはいるが(編集者の責任だと思う)、彼の心の奥からの怒りは真っ直ぐに伝わってくる。

彼ははっきり書いている。「外から眺めてわかったこと。それは、日本がむしろちっぽけで、くだらない国だという事実でした。社会の価値観も画一的。しかもそれを無理矢理に押しつけてきます。人を見かけで判断し、肩書きが幅をきかせています。民主主義が機能せず、真の意味の自由はありません……」 そしていま著者は会社を相手に20億円の賠償訴訟を起こしているらしい。
確かに例えばイチローの技術に対する対価に比べて世界的発明の対価はお話にならないくらい低すぎる(特許料2万円のみ!)。企業は技術者を優遇すると言いながら搾取しかしていない現状。著者はむしろ温厚な家畜的サラリーマンであった。その著者をここまで怒らせてしまった日本というシステム。

著者も、そして例えばイチローも、日本というシステムを憎んでいる。もう日本には帰ってこないだろう。同じ時期に読んだ「コリア驚いた! 韓国から見たニッポン」と共に、かなり落ち込まされた。が、著者の本意は「もっと怒れ!もっとキレろ!」である。諦めてしまうことこそ、一番愚かな結論なのだろう。

2002年01月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:自伝・評伝 , 科学 , 評論

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