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D・E・ウェストレイク

LV5「斧」

D・E・ウェストレイク著/木村二郎訳/文春文庫/667円

斧
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原題である「THE AX」を訳すと「斧」となるが、転じて「クビにする」という意味にもなるという。
この本は、不況で会社を解雇されたある技術者が、再就職するために、再就職面接のライバルとなりそうな同じような状況の(つまり解雇された)技術者たちを次々に殺していき、再就職をものにしようとする、というユニークなミステリーである。

こう書いちゃうとなんだかコミカル・サスペンスっぽいし、荒唐無稽だし、テーマがしょぼい感じがするだろうが、さにあらず。一人称で語られるその物語はリアリティばりばりであり、主人公がリストラで追いつめられた心情も、そこから殺人に至る心理も、殺しの場面のドキドキ感も、すべて迫真に満ちている。独特の語り口も魅力的で、非常に出来の良いミステリーに仕上がっているのだ。「2001年度このミステリーがすごい!」の第4位になったのも納得なのである。

このミステリーの質の高さを支えているのはもうひとつある。主人公の独白の要所要所に出てくる人生に対する分析が実に魅力的なのだ。ちょっとした箴言が活きているのだ。

全体に佳作っぽい作品なのだが、ボクはとっても好きである。トンプソンと比べられることが多いらしいが、確かにトンプソンっぽい。名作「ポップ1280」をどことなく彷彿とさせる。

2002年01月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ミステリー

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