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2006年12月

LV5「small planet」

本城直季著/リトルモア/2625円

small planet
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ボクから娘へのクリスマスプレゼントにした本。
実際の風景をミニチュア模型ライクに見せる大好きな写真集である。

何も知らずに手に取ると「ミニチュア模型で作った風景をいかにもリアルな風景っぽく撮っているんだ」と誰でも思う。でもじっくり見ていくと「あ、リアルをミニチュアのように見せているんだ!」と気づく。これが飽きない。箱庭好きにはたまらない。うわーうわーと感嘆しながら見てしまう。なんでも大判カメラのあおり(カメラでレンズと感光面をずらして撮影する技術)を使って撮るとこうなるらしい。ふーん。Photoshopでも作れそうだけど、後処理しないからこそのシズルがよく出ているなぁ。

そう、現実は見方をちょっと変えるだけで非現実的になる。いつも「リアル」だと思って見ているもの、感じていることは、本当に「リアル」なのか。つか、リアルとは何なのか。いま生きている日常は本当にリアルなのか。そんな視点を与えてくれる一冊だ。よくできた文学や映画のように、日常を異化してくれる希少な芸術作品なのですね。

小6には少々ハイブローかもだけど、こういう視点を持つと人生に「強く」なれるので、あえてあげた。とりあえず娘はこの面白さをわかってくれたようで、「おもしろーい!」を連発しながら見てくれた。よかった。

2006年12月25日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:写真集・イラスト集

LV5「仏像のひみつ」

山本勉著/朝日出版社/1470円

仏像のひみつ
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あ〜全部わかっちゃったよ、仏像のこと。すっきりしたなぁ。

全部ってオーバーか。もともと東京国立博物館に勤務していた著者が「親と子のギャラリー 仏像のひみつ」展を企画しその内容を本にしたもので、つまりは子供にもわかるように書かれていて、枝葉末節は省略してある本なのだ。だから1時間もあれば読めてしまうし、もちろん「全部」はわからない。とはいえイイタイコトが極限まで絞ってあり実にクレバーに整理してあるので、スコンッと頭に入っちゃうのである。

いままでこの手の本をいくつか読んだことがあったが、学術的すぎたり詳しすぎたりで、どこかボンヤリした部分が残ったものだ。わかったつもりになったというか。理解してもすぐ忘れちゃったというか。
でもこの本はもう最低限のことしか書いていない。最低限なんだけどココがちゃんとわかるとすべて理解できるという部分を短くわかりやすく書いてある。ここまで絞って整理してくれるとイヤでもわかっちゃうなぁ。もう忘れない気がするなぁ。下手に詳しいよりこういう方が結局役立つんだよなぁ。この著者、受験参考書とか書かせてもきっと名人だぞ。

もともと般若心経を覚えてしまうくらいは古寺仏閣少年だったボク。
仏像も大好きで、たとえば奈良法華寺の十一面観音なんかはアイドル視していてわざわざ何度も会いに行ったくらいなのだが(というか部屋に小さなポスター貼っていた:笑)、まぁなんと長いこと仏像のことを理解せずにいたことか。近場の鎌倉でも行って、もう一度いちからいろいろ見てみたい気分。この本と「仏像は当時のロックスターだ」という珠玉の切り口の「見仏記」あたりを娘に読ませて、一緒に古寺仏閣めぐりをしてみたいものだ。めっちゃ老人くさいけど。

2006年12月27日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:アート・舞台 , 哲学・精神世界 , 雑学・その他

LV4「死にたくないが、生きたくもない。」

小浜逸郎著/幻冬舎新書/720円

死にたくないが、生きたくもない。
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これからの老人は引退しても大変だ。やれ経済活動に貢献せよ、やれ生涯現役でいよ、やれ長生きせよ、とか喧しい。世に健康法溢れ、いじましい「若さ礼賛」が横行している。というか、老人自身が自分を老人と認めない。あたかも「老いることは悪」であるがの如く。

そんな日本の風潮に一石投じる本である。題名がいい。まだ40代中盤のボクではあるが、なんだかわかるなぁ、と思ってしまう。長い老いへの過程のさまざまな問題点をリアルにかつ哲学的に論じながら、著者は「そうまでして生きたい?」と問いかける。長生きは素晴らしいって偽善だろ、アンチエイジングってみっともないぜ、悠々自適って本当に素晴らしいのか、など、いろんな問題提起もしてくれる。その上で「老いることの利点」にも言及していく。

まぁある意味哲学書なので「結論を言い切った本」ではない。問題提起され、一緒に考えていく本である。その点少し物足りない人もいるかもしれないが、新しい視点はしっかり与えてくれる。また、中年世代的には「老いをリアルに想像してみる」いい訓練になる本かもしれない。

2006年12月25日(月) 12:18:41・リンク用URL

ジャンル:哲学・精神世界

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