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2006年11月

LV5「ココロミくん」

べつやくれい著/アスペクト/1000円

ココロミくん
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人気サイトデイリーポータルZには人気ライターが何人もいるのだが、その中でもボクの一番のお気に入りである「べつやく れい」による連載を単行本にしたもの。

題名通り、いろんなココロミをするものである。
「逆さまになって食べても胃に入るのかココロミる」「頭にバックミラーをつけたら便利かココロミる」「ルーズソックスで人文字になることをココロミる」「キューキューいうサンダルの工作をココロミる」「ガンコなラーメン屋に叱られることをココロミる」……って、こう書くとつまらないな。でも実際はとても面白い。彼女の目の付け所とセンスが素晴らしい。デイリーポータルZ自体が脱力系「大人の実験室」なので、基本は実験&工作であるのだが、そこに彼女の絵と独特のセンスが入り込むといきなり数倍面白くなるのである。

マンガには実写が縦横無尽に組み合わされ、読んでいて飽きない構成になっている。まぁサッと読めてはしまうのだが、べつやくファンにはたまらない一冊。ちなみに著者はあの別役実氏の娘さんらしい。

2006年11月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:漫画 , 雑学・その他 , ノンフィクション

LV5「Gファイル ー長嶋茂雄と黒衣の参謀」

武田 頼政著/文藝春秋/2000円

Gファイル―長嶋茂雄と黒衣の参謀
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TVで移籍会見する日ハムの小笠原道大選手に向かって「よりによって巨人に行くな〜!」と叫んでしまうのは、今年になって妙に北海道と縁が深くなったからだけではない。このところの巨人に嫌気がさしているからでもない。どうせなら阪神に来て〜というファン心理でもない。この本を読んだからである。
まぁどのチームに行っても実はそんなに変わらないのかもしれないが、読売ジャイアンツという巨大泥船にわざわざ選んで乗り込むことはない。このチームはどうやっても変わらない。変われない。いったん浮かび上がるかもしれないが、また必ず沈んでゆく。この本に書かれていることが本当ならば。

この本は、アメリカ仕込みの最新スポーツ理論をもとに(ちょっと「マネー・ボール」を思い出した)、長嶋巨人のメークミラクルを長嶋茂雄の陰の参謀として完璧に演出した、河田弘道という人間のノンフィクションである。彼が「誰にも知られていない長嶋茂雄の陰の参謀」として在職した期間(94〜97年)に実際に長嶋監督(当時)に指示・提供した5000ページにも及ぶ膨大な「G FILE」を元に書き起こした労作だ。

長嶋茂雄の快活・苦悩・成功の裏側・実像、 選手・他チーム監督達の素顔、 優勝の裏側・確執・ドタバタ、 選手トレードの暗闇、 読売ジャイアンツという伏魔殿の裏の裏、 今後も変われないであろう組織の疲弊と老害、などを粘っこい筆致で活写している。というか、読み終わってまず感じたのは、日本の組織のどうしようもない閉塞感みたいなもの。結局改革に挫折していく河田弘道の絶望感がもう少し濃く描かれていれば、もっと普遍的なテーマになっていたかもしれない。

長嶋ファンは一読ちょっと呆然とするだろう。
でもボクは彼が「常勝軍団として勝ちにこだわる監督」から「日本中で愛される長嶋茂雄」を演ずる方に方向転換&妥協したことを責められない。家族よりも自分を取ったことも責められない。天性の性格、しがみつき、義理など、いろんな要素があるとは思うが、あえてその役目を負った部分もあると思うのだ。それはそれで立派なことである。日本は彼の笑顔でずいぶん救われても来たし。

勝つための冷徹なサイエンティストとしての河田と、娯楽&人気商売&自分を優先したエンターティナーとしての長嶋。彼らふたりが完璧な二人三脚で歩いていたこと自体が奇跡であり、その後の決別は必然だったのだろうと思う。ま、そこに渡邉恒雄氏が絡んでくるので大変複雑な様相を呈すのだが。

個人的にはPNFという最新スポーツ医科学(手技)が興味深かった。PNFを受けた日の松井秀喜は実に7割の打率を残したという。いまもアメリカで受けているかなぁ…。

2006年11月23日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション , スポーツ

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