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天童荒太

LV4「永遠の仔」

天童荒太著/幻冬舎/上1800円下1900円

永遠の仔〈上〉
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あまりの評判の高さに天の邪鬼になっていたんだけどやっと読んだ。
メールもたくさんいただいた。早く読め、と。こういうふうにせかされるのは初めてかも。それだけ多くの人を感動させたのですね、この本は。99年ダントツの名作と評価している書評も多いし。

で、感想は? と言われると……期待したほどではなかったかな、正直言って。
こんなふうに書くと「この本で感動しないお前の感性って!」とか言われてしまうのだろうか。

もちろんなかなかに感動はした。十分三ツ星だろう。丹念に描かれた心の傷と少年達の想い。読者の気持ちの根っこを主人公たちの心の中にしっかりと下ろさせるその筆力も見事だ。せつないしやるせないし美しい。ただ「魂を揺すぶる」的書評をたくさん読んだ後ではちょっと物足りなく思うのも事実。特に後半。うたいあげすぎている。ちょっと冗長の感がある。読者に伝わっているか心配になりすぎたのかなぁ。ラストなど特に。こうくるだろうなぁと思わせてやっぱりそういう結末なのだが、はっきり言葉にして説明しなくても読者には伝わると思う。ちょっと自己陶酔的になってしまったと思うのはボクだけ?

それと、しっかり二重三重のミステリーしているのだが、誰もこの本に複雑なプロットを望んでいない。中盤からは主人公達の魂の物語として読んでいるから、もう少し単純なミステリーにしてくれた方が良かったかもしれない。さらに「幼年期のトラウマ」という題材は少し飽き気味というのも個人的には、ある。

1999年08月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ミステリー

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