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1996年04月

LV5「横尾忠則自伝」

横尾忠則著/文藝春秋/1995円

横尾忠則自伝―「私」という物語1960‐1984
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副題は「「私」という物語1960‐1984」。

画家横尾忠則のまったくもって面白い半生記。
読み始めたら止まらない。この人のすごいのはこんなに成功してもまだコンプレックスのかたまりで、ふつうの感覚を失わないこと。ものすごい交友関係・アート履歴・精神世界を、そこらの兄ちゃんみたいなさりげなさで書いている。でも逆にこれって大変な筆力がいるんだよね。さすがです。個人の青春記でもあり日本のアート青春記でもある傑作。

1996年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:自伝・評伝 , アート・舞台

LV5「ニコチン・ウォーズ」

C・バックリー著/青木純子訳/東京創元社/2400円

ニコチン・ウォーズ
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タバコ業界のスポークスマンが嫌煙派に殺されかけるお話。実に面白い。読みはじめたら止まらない。

一応ユーモア・サスペンスなのだが、サスペンスの面白さよりも全体主義的ヒステリック社会への痛烈なる批判とパロディとしての面白さの方が際だっている。ラストの方、収束の仕方が前半に比べるとあまりに雑なのが気になるが、そのストーリーテリングの力はただものではない。ボク自身はどちらかというと嫌煙派であるが、なんだか喫煙派に対してとても優しくなれそうな一作。いやぁ面白かった。

1996年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(海外)

LV5「新入社員諸君」

山口瞳著/角川書店/1150円

新入社員諸君!
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昭和48年に出た本の新装版(96年2月発売)。
だから厳密には新刊とはいえないが、読んでみてあまりに「タメ」になったので取り上げたい。

時代が違うから語っていることもかなりずれてはいるが、その中にもふんだんに真実がある。新入社員なんかに読ませるには高等すぎる。10年選手以上にこそ読んで欲しい名著。初心を思い出して襟を正すこと請け合い。新鮮な気持ちで会社に行ける。

1996年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 経済・ビジネス

LV4「ビリー・ワイルダー自作自伝」

ヘルムート・カラゼク著/瀬川裕司訳/文藝春秋/3500円

ビリー・ワイルダー自作自伝
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ボクのフェイバリットな映画監督ビリー・ワイルダーの伝記。
「ビリー・ワイルダー・イン・ハリウッド」(モーリス・ゾロトウ著)という伝記が出ているが、それの数倍は面白い。なぜならワイルダーの言葉を著者が紡ぎあわせて構成しているからだ。

ワイルダーは言わずと知れた語りの名手。その言葉の集積だもの面白くないはずがない。でも、これは訳者および出版社の怠慢だと思うのだが、訳注がなさすぎる。日本人の我々には前後関係がわかりにくい事件がたくさん出てくるのだがそれらにひとつも訳注がない。物語の流れも興味もその度に止まってしまう。これは本当に惜しい。というか残念。せっかくいい本なのに。

1996年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:自伝・評伝 , 映画・映像

LV4「神戸震災日記」

田中康夫著/新潮社/1300円

神戸震災日記
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ボクは田中康夫があまり好きではない。だけどこれは読んで欲しい本だ。「自分のできる範囲」で「自分のできること」を「継続して」やった彼のボランティア日記なのである。
ボクが夙川に住んで被災したというのもカタルシスとして大きかったのも事実だが、とにかく忘れるのが早い日本国民にちょうど一年後の1月17日に出たこの本を読んで欲しい。後半がちょっと散漫なのだが、とりあえずボクは彼を見直しました。これは売名本ではない。彼にどこかでもし会えることがあったら、まずいの一番にこの行動についてお礼を言いたいと思う。

1996年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション , 時事・政治・国際

LV3「ムーン・リヴァーの向こう側」

小林信彦著/新潮社/1950円

ムーン・リヴァーの向こう側
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著者による東京三部作のラスト。

東京がなくしてしまった地域性にこだわった舞台設定で、不思議な物語を静かに読ませる。とても気に入った。読んでいる間はそうでもないのだけど、読み終わってから何故か心にしみ出てくる。
女主人公の描写がおぼろげでキャラクターが立ち上がってこないのが難だが、「東京」の象徴としてわざとしているのかもしれないと思わせる。気楽にらくちんにちょっといい気持ちになりたい人(できれば東京人)におすすめする。

1996年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

LV2「リンボウ先生偏屈読書録」

林望著/丸善ライブラリー/700円

リンボウ先生偏屈読書録
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著者の平明な物の見方がよくわかる書評集。
しっかりアマチュアイズムを貫いていて気持ちがいい。取り上げる本もバラエティに富んでいる。すごく印象に残る、という本ではないが、ちゃんと楽しめてちゃんと本を選ぶ指標となった。もともとクセがある著者なので、書評はあまり向いていないと思ったが、意外とよいと思った。

1996年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:評論

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