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1996年03月

LV5「トリエステの坂道」

須賀敦子著/みすず書房/1890円

トリエステの坂道
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ひとを静かな気持ちにさせる須賀敦子の待望の新作。

「ミラノ霧の風景」「コルシア書店の仲間たち」「ヴェネツィアの宿」と、名作続きだし、ボクもとても好きな作家なのだが、今回も裏切らなかった。夜、家族が寝静まったあと、ゆっくりゆっくり紐解きたい本。電車の中で読むなんてもったいなさすぎる。

一見喧噪に満ちて見えるイタリアが、彼女にかかると静謐に満ちた神の地に思えてくる。得難い極上エッセイ。次作をすぐにでも読みたい。

1996年03月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ

LV5「歴史新聞」

歴史新聞編纂委員会編/日本文芸社/1300円

世紀の号外!歴史新聞
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副題が「世紀の号外!」。これはある意味傑作かも。
世界史上の重要事件を新聞の号外という形に書き換え、わかりやすく(新聞の基本的な指命!)、そして楽しく伝えている。

1ページの中に見出しと記事の強弱つけた新聞記事という形で歴史上の重要事件(ピラミッド建設から明治維新まで)をあらためて提示されると、「そうか、歴史ってニュースが積み重なったものなんだ」という当たり前のことがとてもよく理解できる。
紙質も新聞だし、コラムや4コマ漫画もあって読んでて飽きない。中学高校時代にこういうのあったら、歴史がタテに理解できて良かったのになぁ。

1996年03月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:雑学・その他

LV5「シャボン玉ホリデー」

五歩一勇著/日本テレビ放送網/1631円

シャボン玉ホリデー―スターダストを、もう一度
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副題「スターダストを、もう一度」。
テレビと日本がまだ青春していた頃の、貴重でバカ面白い記録である。テレビ創生期の名番組「シャボン玉ホリデー」。クレージーキャッツ、ザ・ピーナッツなどを中心とした、歌と踊りとギャグとコントを織り交ぜた、真のバラエティだったその番組の概要をわかりやすくまとめてある。写真も多いので資料としても一級。これを読むとテレビと日本は今や本当に年をとってしまったなぁ、と実感する。それもいい年のとり方じゃない。どちらかというと退歩しているなぁと実感させられる感じ。
昭和の証言であり、今のテレビへの警鐘であり、日本人への励ましであり、そして何より極上の青春記でもある。オススメ。ちなみに著者は「ごぶいちいさむ」と読む。

1996年03月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:映画・映像 , ノンフィクション

LV4「永い眠りにつく前に」

エリザベス・バーグ著/島田絵海訳/ベネッセ/1427円

永い眠りにつく前に
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「ケイティの夏」に続く第二作目。
女性を主観的にここまで上手に書いた本を他に知らない。死を目前にした親友と女性達の静かな物語なのだが、暗くならず明るい筆致で描いているし、ユーモアの感覚もいい。ラストの収め方もとてもいい。でも惜しい。経験にもとづく話のせいか、ストーリーがちょっと甘く感じた。でもこれは男性の眼で読んでいるからかもしれない。

島田絵海の訳は相変わらず快調で好き。ちなみにこの本は「本の雑誌」の1995年第2位に選ばれている。

1996年03月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(海外)

LV4「マルチプレックス・マン」

ジェイムス.P.ホーガン著/小隅黎訳/創元SF文庫/上609円、下546円

マルチプレックス・マン
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ホーガンの新作。といっても去年の今ごろ刊。ボクはホーガン・マニアなので、今ごろ読んだというのは恥ずかしいけど、出てるの知らなかったのだ。

相変わらずストーリーテラーとしての面目は保っていてググッと最後まで引っ張りまくるが、今回はハードSFというよりサスペンスものといった方が良さそうな内容。ホーガン独特の超性善説な世界観・人生観は今回も健在でうれしかった。
主人公は普通の中学教師。で、ある朝目覚めると、記憶はないは、友達も誰も彼のことを知らないは、5ヶ月前に死んだことになっているわ…、という導入からグッと引きつけて楽しい。でも切れ味はちょっとだけにぶいかな…。

1996年03月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:SF

LV4「僕はこんな本を読んできた」

立花隆著/文藝春秋/1529円

ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論
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副題は「立花式読書論、読書術、書斎論」。
本との出会いから、読書論、書斎・書庫論、本の整理の仕方、書評論、読書日記などなど、とにかく盛りだくさん。著者独自の「知の世界」構築のノウ・ハウが散りばめられている。しかも同時にこの希代の知識人かつ強烈な読書人の「半生記」にもなっている。
小説のつまらなさ、ノンフィクションの面白さを実感で語っていて共感させられる。確かに小説家の想像力なんて事実のあまりの異常さの前にはないに等しい。しかし、それにしてもこの人の書斎遍歴は面白い。それだけでも読む価値あり。

1996年03月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:自伝・評伝 , 評論

LV1「人はなぜバーテンダーになるか」

海老沢泰久著/TBSブリタニカ/1325円

人はなぜバーテンダーになるか
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現代随一の達文家、海老沢泰久の新作だが、ちょっと期待外れだったかも。取材ノートの域を出ていない印象。
13人のバーテンダーたちに取材して、彼らの人生や生き方、酒への接し方を描いたものなのだが、表題から想像されるほどの深みは特になく、さらりと表面を撫でている印象を持った。 「サントリー・クオータリー」に連載したものを集めたらしいが、単行本化するときはもう少し突っ込んで書き直して欲しいと残念に思う。
バーテンダーの話としては勝見洋一の「怖ろしい味」の中の短編「カクテル・ピアノ」が最近では好き。

1996年03月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:食・酒

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