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1995年12月

LV5「新・放浪記」

野田知佑著/本の雑誌社/2039円

新・放浪記
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真の「自由」を求め続けた著者の半世紀。
『何でも見てやろう』(小田実)や『深夜特急』(沢木耕太郎)を思わせる青春放浪記だが、「とらわれない」ということに関しては著者が一枚上手だ。なにしろ「100%自分のルールで生きること」こそ彼の生きがいだからだ。
そして彼の愛する川下りのように絶えず風景が変わっていく人生を生きている。自分の人生はどうだろう。遠くまで景色が見えちゃってないか。自由の何たるかも知らずに死んでいくんじゃないか…呆然と見つめ直させる力を持った一冊。

1995年12月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル: , 自伝・評伝

LV5「ジゴロ」

伊集院静著/角川書店

ジゴロ
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伊集院静、久々の傑作長編。
もともと打率の高い人だったが、この頃凡打が続いていただけにうれしい復活だ。THE GOROで「ジゴロ」としゃれた題名はちょっとどうかなぁと思わせるが、それ以外は全部好き。人生がいっぱい詰まった名作だと思われる。
麻雀の知識がないと少し辛いところもあるけど、オススメ。

1995年12月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

LV4「犬たちの隠された生活」

エリザベス・M・トーマス著/深町真理子訳/草思社

犬たちの隠された生活
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これは動物行動学的体裁を整えているが、実は犬を通して人生を語った書でもある。
なぜなら著者は犬と人を分けて考えていない。「しがらむ」ということにかけては犬も人も同等なのだ。終盤、淡々と愛犬達の死を語ったところなど、下手な小説よりずっと感動的だ。これまたおすすめの一冊。

1995年12月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:科学 , ノンフィクション

LV4「書薮巡歴」

林望著/新潮社/1500円

書薮巡歴
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著者の書物への想いが切々と伝わってくる好エッセイ。
貧乏学生時代からの書物、学問修行の藪をどうやってかき分けて前に進んだかが詳細に描かれ、ちょっと感動的ですらある。
前作「書誌学の回廊」は書誌学とは何ぞやをわかりやすく書きつつのエッセイだっただけに、筆の歯切れが悪かったところがあったが、この本にはそれがない。格調高い文体の堂々たる好著。特に恩師や先人のエピソードなどよし。
箱入りの装丁もとてもよい。

1995年12月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ

LV3「KYOKO」

村上龍著/集英社/1427円

KYOKO(キョウコ)
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このところずっと暴力とセックス描写で読者を煙に巻く感があった著者だが、今回はアタリだと思う。正面からまっすぐ書いた中編だ。
題名がボクの娘と同じ名だったので「どうせまたあの村上龍節だろう」と思いつつ買ったのだが、いやいやこれは良く出来ている。抑制された筆致、考え抜かれた構成、生き生き立ってくるキャラクター。あの、読者を引きずり回す迫力は今回はそんなにないが、新しい村上龍節誕生の予感がする。おすすめ。

1995年12月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

LV1「白球残映」

赤瀬川隼著/文藝春秋

白球残映
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直木賞受賞作。
野球に関連した5編の短編(野球に関係しない短編もひとつ入っているが)。努力、挫折、栄光、埋没…。いろんな人生の諸相が現れてくる。でも、直木賞レベルかどうかは正直疑問もある。わりと普通っぽいのだ。独自の文体がないのが痛い。だから伊集院静や海老沢泰久にちょっと負けて見える。大衆小説としては彼らの方がやはりうまいと思うし。なんだか欲求不満が残った一冊。

1995年12月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

LV1「犠牲」

柳田邦男著/文藝春秋/1450円

犠牲(サクリファイス)―わが息子・脳死の11日
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副題は「わが息子・脳死の11日」。
次男の自殺を正面から取り上げた勇気の書である。

ただ、完全に客観的に書けるわけがない題材ゆえ、第三者が読むには少々入り込みにくいところが多い。内容の迫力はものすごく、単純に評価できる本ではないが、純粋に「他人に読ませる文章」という視点からいうとかなり辛い部分はある。

1995年12月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション

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