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1995年11月

LV5「江分利満氏の優雅なサヨナラ」

山口瞳著/新潮社

江分利満氏の優雅なサヨナラ―男性自身シリーズ最終巻
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週刊新潮に32年間もの長きに渡り連載し続けたエッセイ「男性自身」シリーズの最終巻。
絶筆は死の三週間前とか。みずからの死を悟った彼の文章は、しかし少しも乱れず、冷徹で温かくわがままな山口瞳そのものの品を見せている。ボクは彼のことをある種日本の良心と見ているのだが、理由はその「含羞」、その「上品」、その「謙虚」、その「狎れない態度」が今の日本ではまことに得難いからと思うからだ。

この本は、もし今まで山口瞳を読んだことがなかった人がいたら、とりあえず読むのにとても適していると思う。彼のそんな部分が浮き上がって見えるような妙な迫力が文にあるのだ。是非一度読んでみてください。
なんだか山口瞳の死によって昭和がとても遠くなった気がする。(ちょっと年寄り臭い言い方だけど)

1995年11月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ

LV5「山口瞳大全」全11巻

山口瞳著/新潮社

山口瞳大全〈第1巻〉
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フェイバリットな作家、山口瞳の全集。全十一巻。伊丹十三が題字を書いている。

日本初の市民小説(サラリーマン小説)を書いたと言われている作家である。
名もなき市民を江分利満(エブリマン)氏と名付け、主人公においたシリーズで売れた。その後「居酒屋兆治」「血族」「行きつけの店」や週刊新潮に長く連載した「男性自身」など、地味ながらも一部で熱狂的なファンを持っている。まぁボクもそのひとりではある。

作家の全集を自分のお金でちゃんと買ったのって初めてかもしれない。もちろん全部を通しで読むなんてことは(仕事の忙しさもあって)難しいのであるが、ぽつりぽつりと読むだけでもなかなか楽しい。
ということで、今月は山口瞳ばっかり読んでいたので他におすすめ本がない。この全集は小説はもちろん、広告文案家(昔はこう呼んだ)だったころの彼の作品や、エッセイもしっかり入っているので、著者を偲びながら拾い読みするのに最適だ。

それにしても、堅いようで柔らかく、柔らかいようで堅い、希有なバランスを持った作家だと思う。読んでいて気持ちいい。

1995年11月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本) , エッセイ

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