トップ > おもしろ本 > 月別一覧 >

1995年10月

LV5「ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編」

村上春樹著/新潮社/2205円

ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉―鳥刺し男編
amazon
第3巻完結編。
いったいどうしたんだ?という1巻、2巻のダラダラから、一気にストーリーテラーの本領に達していくその収束力はすごい。この収束のために1巻2巻のゆるさがあったのだと納得してしまう出来。ここへきて第一級の文学の完成をみた感じである。すばらしい。
枝葉のストーリーが完結してなくてなんか欲求不満が残る部分もある。「死が生の一側面に過ぎないように(著者は今まで繰り返しこのことを語ってきた)、過去も現在の一側面に過ぎない、そして未来も」という今回の主題からして、わざとストーリーを完結させていないということもあるのかもしれない。とにもかくにも‘力作’には違いない。「国境の南--」の数倍好き。

1995年10月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

LV3「ジェルミ・エンジェルの野生誌」

ジェルミ・エンジェル著/読売新聞社/1529円

ジェルミ・エンジェルの野生誌
amazon
ムツゴロウ動物王国に7年いてその後も日本に住み続けているジェルミ・エンジェルが書いた「自然とうまく暮らす法」。

海外も日本もよく知っている彼の、環境、地域、自然などに対する問題意識がばんばん脳に飛び込んでくるので、読んでいると日本に住んでいるのが嫌になるが、批判のための批判ではなく心からの叫びが多いから、何とかせねばと思ってしまう。自分の中に眠っている問題意識を呼び起こしてくれる本でもある。
世界中のいろんな動物についてのエッセイも読ませる。

1995年10月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 教育・環境・福祉

LV3「書誌学の回廊」

林望著/日本経済新聞社/1631円

書誌学の回廊
amazon
書誌学なんて普通の人にはあまり縁がない学問なのだが、その面白さをわかりやすく説いてくれ、入口までスムーズに連れて行ってくれる。しかも別に書誌学の解説本に終わっているわけでもなく、そこからいろんな世界へ広げていってくれ、知識を得ることの楽しさまで教えてくれる。うん、たいへん面白い。

博物館に置いてあるあのデザインの悪い日本特有の出版物「古書」。あれって何なんだろ、って思ってる人に新しい世界を開いてくれる本。博物館に行くのが楽しくなること請け合い。

1995年10月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 教育・環境・福祉

LV3「田園の快楽」

玉村豊男著/世界文化社/2548円

田園の快楽―ヴィラデストの12ヵ月
amazon
副題は「ヴィラデストの12ヵ月」。著者が都会から移り住んだ長野県の田園。ヴィラデストと名前をつけてそこで生活を始めたのだが、その豊かで愉快な生活が活写されている。田園での理想の日々が描かれているのだ。テーマ上ちょっと自慢めくのは仕方ないが(特に都会人にはそう響く)、この著者、もともと自慢がうまいうえに(イヤミにならない)、昔より自慢が少なくなった。人もうらやむ生活を鼻持ちならなくなるギリギリの線で書きつつ、以前より客観的に書いている。とても上手だなぁと思った。んでもってたまらなくうらやましい…。
でも、なんとなく「長続きしないんじゃないかな」という予感もする。どうなんだろうか。

1995年10月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , 食・酒

ページの先頭に戻る

メニュー

Follow satonao310 on Twitter @satonao310

satonao [at] satonao.com
スパム対策を強化しているので、メールが戻ってきちゃう場合があります。その場合は、satonao310 [at] gmail.com へ。

ページの先頭に戻る

Google Sitemaps用XML自動生成ツール