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田中康夫
「田中康夫が訊く」

amazon副題が「どう食べるか どう楽しむか」。
雑誌「BRIO」に99年5月〜01年6月まで連載したレストラン見栄講座的連載を再構成した本。連載中も意識して読んでいたが、著者のイイトコロが出たいい連載だった。
著者に「ソムリエに訊け」という田崎真也をインタビューした本があるが、構成はほぼ同じ。著者が初心者のボクたちに成り代わっていろんな質問をプロにしていくというインタビューものだ。その質問が、素人すぎず玄人すぎず、非常にバランスがいいのである。そうそうソコが知りたかったのよー的ポイントをしっかり突いてくれる。著者独特の向上心がいい方に作用した「格好いい客になるためのマニュアル集」とも言えるかも。
青柳から始まって、寿司幸、楽亭、味満ん、燕楽、ふじおか、アカーチェ、タイユバン、バーラジオ、福臨門、スタミナ苑、俵屋旅館など、取材という立場を最大限利用していい思いしやがったなぁとうらやましくなるようなラインナップに細かくインタビューしていく。
注文上手になるためにはどうすればいいか、なにからどう食べるのが正解か、粋な食べ方とは何か、何が本当においしいのか、など、読者に成り代わって丁寧に質問してくれている。初心者よりある程度知っている人の方が「目から鱗」が体験できるかもしれない。
個人的には中華ととんかつに目鱗。中華は知っているようで知らなかった分野。ほーこういうことになっているのかーと素直に感動した。こうやって楽しむべしというマニュアルに使うより、行間をちゃんと読んで、より食べ巧者になるために活用したい。そんな本である。
2002年05月01日(水) 12:00:00・リンク用URL
「それでも真っ当な料理店」

amazon前作「いまどき真っ当な料理店」の最新版。なかなか粘着質な批評で思わず「真っ当ではなくて納豆か」と思ったりしたりして(ツマラン!)。
相変わらず言いたい放題であり、その視点の中に共感できるもの、納得できるものがあるのも認める。
が、ちょっとイヤな部分も目につく。例えば、シェフなどの私生活的裏話をして、それをもってそういう姿勢でやっている店もダメ、みたいな評価の下し方。そのスタンスは頷けない。また、ある項で「僕が来たから力を込めて作ったんだと友人に言われた」みたいな記述が出てくるが、著者ならそれは当たり前である。そういうことが他の店でも十分起こりえ、また実際に起こっていることにどのくらい気がついているのであろうか。基本的に著者と一般人とでは出てくる料理は違うと思った方がいい。なのにどこをもって「真っ当」の判断をするのだろうか。わからない。
シェフの腕がいい、とかの判断は出来よう。でも「真っ当」となるとまた別ではないか。辛口批評が存在しない日本においてこの本の功績は認める。が、前作よりも、ちょっと一般人の「真っ当」と著者の「真っ当」の視点がズレ始めていると感じる。
1999年05月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:食・酒
「いまどき真っ当な料理店」

amazon「神戸震災日記」の項でも書いたが、ボクは個人的には田中康夫はそんなに好きではない。
でも、先月に続いて今月も認めざるをえない本を出してきた。帯に「日本初のミシュラン誕生」とあるのでもわかるようにこれはレストラン批評の本なのだが(厳密にいうとミシュランは覆面審査員による審査なので、面が割れている著者の審査とは立脚点が違う)、優れている点が3つある。
1.ヒモ付き褒め合い評論とは一線を画す辛口系。
2.「真っ当」度という新しい評価基準。
3.巻末の「なぜ私はこの店を評価できないか、あるいは評価するのか」というエッセイの切れ味の鋭さ。
個々のレストラン批評に対してはその立脚点も含めて反対意見はあるのだが、本としては非常によい出来だと思う。
1996年05月01日(水) 12:00:00・リンク用URL






