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田口ランディ

LV3「もう消費すら快楽じゃない彼女へ」

田口ランディ著/幻冬舎文庫/571円

もう消費すら快楽じゃない彼女へ
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実は小説でない田口ランディを読むのは初めてなのだが(つか、小説も「コンセント」しか読んでない)、この本のようなエッセイだと、なんというか、読者に嫌われないためにずいぶん気を使って書いているなぁという印象を受ける。もっと高慢に書いた方がキャラ立ちするなぁとも思うし、意外と普通っぽくて好ましく思う部分もある。ただ、読者がついてこれるか心配で論の展開をくどくしてしまっているような部分がある。これはウェブで書いていたという出自がそうさせるのかもしれない。不特定多数に対しての文体。本にして売った時点で「田口ランディを買うタイプの人しか読まなくなる」ので、そこまで気遣わなくてもいいなぁとちょっと思った。

内容的には面白かった。特にノリコという友達には瞠目。彼女の「人をなぜ殺してはいけないか」に対する答えの中の「感情は思考より劣ると信じ込んでいるのはナ〜ゼ?」は名文句だ。他にはロックに対する考察、無内容に対する考察など、刺激になる部分が多々あった。

2002年06月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ

LV5「コンセント」

田口ランディ著/幻冬舎/1500円

コンセント
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田口ランディは初読。
あれだけ話題になっていたのに手に取らなかったのは、なんというか、「エロス的な異化」や「ネット的な異化」や「引きこもり的な異化」で作品に思わせぶりな奥深さを与えようとする類の作家なのかな、と勝手に思っていたという理由が大きい。
でも今回読んでみて、それは単なる先入観であったことがわかった。著者はそれらを思わせぶりに異化してはいない。それどころか全く逆である。ただそれはいい面ばかりではなく、例えばエロスという「官能」を論旨が明快な「感応」に収束してしまった点をとっても、ちょいと全体に理屈が勝ってしまったきらいがある。破綻なく隅々まで理屈のあった、よく出来たお話になりすぎた感じ。その妙に収まりがいい感じがボクにはわりと快感であったが、それがこの物語を狭くもしていると思う。感心はするが感動はしない。そんな印象。

でも、感心する描写や感心するストーリーテリングは随所にある。それだけでも処女作としてはすごすぎる。
冒頭からしばらくはちょっと自意識過剰的表現で居心地悪いのだが、中盤から素晴らしい展開を見せていく。結末に向けてのシャーマニズムのとらえ方に既視感があり(吉本ばなな的)、そこに新しいシャーマニズムが展開されていればもっと面白かったと個人的には思う。

ずっとこんな感じで頭のいい小説を書いていっちゃうのかなぁと不安にはなるが、処女作としては傑作。もうちょっと頭の良さが前面から引っ込むとグンと良くなる気がするが、いい部分も失われてしまうのかな。ドロドロした話なのに、読後感が精緻な建築物を見た感じに近いのが、長所でもあり欠点でもある、そんな印象。

2002年01月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

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