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ダン・シモンズ

LV5「エンディミオンの覚醒」

ダン・シモンズ著/酒井昭伸訳/早川書房/3800円

エンディミオンの覚醒
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二段組800ページのSF大作にして、大傑作「ハイペリオン」シリーズ全4作の完結編。

この本を読むために2カ月かけて前3作を読み直したボクは、めちゃくちゃな期待と共に「エンディミオンの覚醒」に取りかかったのである。世界観を復習し、結末を予想し、残された膨大な量の謎を推理しつつ読み始めたのだが、結果はいい方に裏切られた。なるほど!こうなるのか!の連続。推理もハズレまくり。ラストにかけてそれこそゴマンとある謎がドンドコ解かれまくるのである。めちゃめちゃ快感であった。

だが、それでもまだ謎はいくつも残されたままである。
読後すぐに、4日ほどかけて駆け足で再読してみて「あ、こんなところに伏線が!」「あ、この思わせぶりな記述はこういう意味だったのか!」みたいな発見をいくつもした。「あー、この一行はこういう意味なんだ」「注意深く前作を読み返していないとわからない読者もいるだろうな」みたいな優越感にもいろいろ浸れる。が、いまだにわからない謎がいくつも残されている。タイムパラドクスも解決されているのかいないのかわからん。うーん。なんちゅう物語なのだ。

でも、著者は本当にこの結末を最初から念頭に置いて第一作の「ハイペリオン」を書き始めたのかなぁ。だとしたら驚異の構築力 & 忍耐力 & 粘り、だ。 だって、4作で二段組2500ページあるんだよ。参ったなぁ。
ただ、正直言うと少し冗長なものも感じた。この4作目に限っては、いろんな説明や描写が多すぎて途中つらかったのも事実。宗教に踏み込んだ部分も、説明しつつ筋を進める分かなりまだるっこしかった(一茶や良寛の短歌がいっぱい出てくるのは面白かったけど)。それと、どう考えても矛盾する部分がいくつもあるのも気になるな。大著にじっくりつきあった読者としてはすべてが細部まですっきり解けてほしかったのだ。

とはいえ、圧倒的筆力とは何か、が肌で感じられる名作だ。長くSFの傑作として語り継がれることでしょう。想像力とはこういうことを言うのだね。マジで脱帽します。

2000年04月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

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LV5「ハイペリオン」「ハイペリオンの没落」

ダン・シモンズ著/酒井昭伸訳/早川書房/各2900円 3000円

ハイペリオン
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96年2月以来の再読。
ええ、読み返してしまいましたよ、両方合わせて1130ページ、しかも二段組を再読してしまいました。理由はひとつ。先月の「エンディミオン」の項でも書いたけど、このシリーズ4部作最終作の「エンディミオンの覚醒」を読むための予習ですよ。なにしろこの4作目ではいままでの重要出演人物総出演のうえ、すべてのナゾが解かれるというんだから、過去の忘れている細かい筋や伏線までも読み返したくなるではないですか。

で、読み返したんだけど、再読のくせに読み終わるのが惜しい出来。
やっぱり大傑作だあぁ。
ただ、4年前に読んだ時と印象が違う章がいろいろあったりして、それはそれで面白かった。再読の2冊が今月の最高というのも情けないけど、でもこの2冊を抜く本はそうはないから、仕方ない。

2000年03月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:SF

LV5「エンディミオン」

ダン・シモンズ著/酒井昭伸訳/早川書房/3000円

エンディミオン
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はぁ。やっと読めた。
大傑作「ハイペリオン」「ハイペリオンの没落」を読んで以来ずっとずっと続編のコレが読みたかったのだけど、去年の2月に発売になってすぐ買ったにも関わらず、その分厚さ(二段組600ページ)と、「ハイペリオン」を読んでから3年経っていて筋を忘れている、という障壁に阻まれて手を着けなかったのでした。
で、正月休み。ここで読まねばいつ読むの !? と前の筋を忘れているのもものともせず読み始めたんだけど、これがまた期待に違わぬ面白さ。読み進むに従って筋や世界観、登場人物たちもどんどん思いだしてきて…つまりは堪能したのでした。やっぱりダン・シモンズ! さすがはダン・シモンズ!

「ハイペリオン」二作は要所要所にSFファン用のお遊びが隠されていたりしたが、今回はそれが少なかったな。わりと一直線的ストーリー展開。デ・ソヤとロールの交互展開は効果的で、物語に奥行きを与えている。ただ、もう少し強くデ・ソヤにカタルシスを感じさせてくれたらもっと深くなったと思う。妙に主観的な描写と妙に客観的な描写との乖離があって、デ・ソヤの部分はちょっと中途半端感があるのが残念。

次作「エンディミオンの覚醒」で4部作堂々の完結、となるのだが、「エンディミオンの覚醒」では過去の登場人物がすべて出てきて、すべての謎が解き明かされるらしい。
こうなったら「ハイペリオン」「ハイペリオンの没落」ももう一度読み返しておかねば!と、いまこの分厚い二冊を読み返しているところ。つまりはそのくらいは夢中になれる大傑作シリーズ。読んで損はないから、まだの人は「ハイペリオン」からじっくり、どうぞ。(このシリーズを初読する喜びが人生に残されている人がうらやましい)

2000年02月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

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LV5「うつろな男」

ダン・シモンズ著/内田昌之訳/扶桑社/1800円

うつろな男
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大傑作「ハイペリオン」シリーズに続くダン・シモンズの新作。

脅威の書き手ゆえ期待満々で迎え撃ったが、裏切られなかった。
まぁさすがに「ハイペリオン」の雄大な構築には全然及ばないまでも、迫真のリアリティで読者を引っ張るのは見事。このリアリティさは何かに似ているな、と考えたらあれ、H.F.セイントの「透明人間告白」に似ている。あっちが透明人間のリアリティならこっちはテレパスのリアリティ。どっちも素晴らしい想像力と表現力だ。

1人のテレパス(テレパシスト)の苦難の物語なのだが「ハイペリオン」を思わせるようなラストで救われる。ただこのラストへ持っていくための理屈が少々わかりにくいのが難といえば難。

1997年02月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

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LV5「ハイペリオン」「ハイペリオンの没落」

ダン・シモンズ著/酒井昭伸訳(早川書房)

ハイペリオン
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ものすごい想像力と構成力、そして哲学にあふれた大傑作長編SF2部作。

読み終わるのが惜しくて惜しくて、という感覚は久しぶりだ。そして「負けた~」と心底思うのも…(勝つはずもないのに)。華麗なストーリー展開に唸りや嵐のような謎解きにため息し、そのうえSFファンなら思わずニヤッとしてしまう小技も随所にちりばめられていて、いやはや参った。
タイム・パラドックスの解決がなされていなかったり、時間の墓標や聖十字架の必然性がわからなかったり、と、難はいろいろあるのだが全然許せる。続編が今年出るらしいので、そこでもろもろ解決されるのかもしれない。とにかくオススメ。この本の感想だけで数千字書けそうな勢い。ぼくにとってはJ.P.ホーガンの「星を継ぐもの」以来の感動だった。

ちなみにこの2部作は「本の雑誌」の1995年best1に選ばれている。

1996年02月01日(木) 12:00:00・リンク用URL

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