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鈴木健夫

LV5「痴漢犯人生産システム」

鈴木健夫著/太田出版/1500円

痴漢犯人生産システム
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ある朝、いつもの通勤満員電車の中で突然「痴漢よ!」とえん罪を着せられた著者によるノンフィクション。
えん罪はどうやって起こるか、警察による一方的な決めつけ、失礼な取り調べ、留置場での生活、裁判の過程、会社の理不尽で冷たい対応……いやはや、背筋がゾゾゾと冷たくなる本である。怖すぎる。実に怖い。(秀逸なる)表題通り、痴漢犯人生産システムに乗ってしまったら、もう起訴有罪まで一直線である。

著者は逆転無罪を勝ち取るまで戦ったが、それは全くのラッキーでありいろんな状況証拠が有利に働いただけのこと。現実にはもっとえん罪がはびこっていると想像させられる。一部上場の会社をクビになりいまでは日雇労働者であるという著者。全くのえん罪で人生がすっかり変わってしまった例である。会社はなんにも守ってくれない。しかも国からのえん罪賠償金はすべて合わせても75万円程度。こわ~。

著者の体験記が前半、それを弁護した弁護士による述懐と対処方法が後半である。
ま、ボクはもう「満員電車に乗ったら両手をつり革、もしくは上の手すりに」と決意したが、それでも疑われた場合、「とにかく駅長室に行くな!」ということだけは守りたい。駅長も警察もすべて女性側の味方なので、駅長室に行った時点で有罪確定である。真面目な男ほど「警察に行って話せば誤解とわかるはず」と思って率先して駅長室や警察に行くらしいが、警察は絶対わかってくれないことがこの本を読むと怖いほどよくわかる。

決して痴漢を受けた側の女性の気持ちを無視するわけではない。ただえん罪だった場合、人生はそこで終わる。やりきれないではないか。男女ともに注意すべき事柄だろう。読むべし。

2001年11月01日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション , 時事・政治・国際

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