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椎名誠

LV5「かえっていく場所」

椎名誠著/集英社/1400円

かえっていく場所
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帯に「シーナ版私小説の集大成」とある。いつものシーナ文体ではない、ちょっと静かな家族私小説だ。
ひどく小学生的な感想を言うと、この本を読んで初めて「椎名誠もいろいろ大変な思いをしているのだな」と意識した。というか、人生を楽しみきっている人なのだろうなとなんとなく感じていたので、ここまで真情を吐露されると少しびっくりしてしまう。冷静に考えれば当たり前のことなのだが、それぞれみんな大変なのだな。あは。マジで小学生みたいな感想だな。ちなみに野田知佑の乱れを書いたところなど少々衝撃的だったかな。いったい幸せに生きるってなんなんだろう。

静かな文体がとてもいい。妻娘息子に投じる視線も自然体で気持ちいい。読みやすく美しく、なんともホッと出来る本であった。ただ、椎名誠の人生もいろいろ大変なのだというこのイメージは、これからの「シーナ」にとってどうなのだろうとは思う。明るいエッセイを読んでも裏の苦労が見えてきてしまう。それは作家にとってどうなのだ? わざわざ私小説を書かなくても良かったのではないか? そんな心配が少し。

2003年09月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本) , エッセイ

LV2「南島ぶちくん騒動」

椎名誠著/幻冬舎文庫/457円

南島ぶちくん騒動
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石垣島で買い、石垣島で読んだ。
著者の監督により、石垣の白保海岸で撮った映画「うみ・そら・さんごのいいつたえ」のロケ日記的趣きの本である。120ページ程度の薄さにモノクロ写真ふんだん、という体裁なので、あっっっという間に読める。でも椎名節は八重山ののんびり空気に合っていて、薄くてもあっという間でも不満はあまりないのであった。

文中、「南の島の魅力はなにか?ひとつだけあげよ」という命題で、著者は「沖縄の子供たち!」としている。卓見、そして共感。あの目の輝き、あの身体中から発散される楽しいぞオーラは尋常ではない。たぶん著者も自分の子供時代に重ね合わせて見ているのだろう。つか、重ね合わせて見られる子供が東京にはもういない、ということか。著者撮影の写真はそんな子供たちをよく捉えている。目線が近いせいだろうか。

2001年08月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ , , 写真集・イラスト集

LV2「カープ島サカナ作戦」

椎名誠著/文春文庫/448円

カープ島サカナ作戦
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週刊文春に連載しているエッセイ「新宿赤マント」をまとめたシリーズの最新刊。

わりと文春は読んでいるからここに収録されたものもほとんど読んでいたが、海外出張の友としては軽く読めるので助かるのだ。
そう、椎名は海外出張にとてもいい。読み捨てられる上にテンションが上がるのだ。話題も縦横無尽に広がるし、文体も気分も安定しているし、なによりも面白いから。マンネリという声もこのごろある。が、著者はマンネリを一番畏れているみたい。文体の節々にそれを感じる。で、椎名誠はそれに成功しているとボクは思うぞ。こんなに多作なのに、たいしたものなのだ。

1999年09月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ ,

LV3「活字博物誌」

椎名誠著/岩波新書/640円

活字博物誌
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著者が読んだ本を起点にいろいろ派生した妄想・出来事・感想をエッセイしているもの。
「活字のサーカス」(岩波新書)の続編に当たる。なぜ新書なのか?という疑問は最後までぬぐえないくらい、いわゆるいつものシーナ節。文庫の趣が強く、岩波新書ぽさはまるでない。読書感想文に絞ったということがまぁ新書ぽいのか。

いつものように自然科学系の本に対する言及が多く、またまたいつものように読み飛ばせる快調な筆致。
こんなに書き散らしていて筆が荒れないか心配になるが、出張の新幹線の3時間で読むには適切なる娯楽である。

1998年12月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ

LV4「本の雑誌血風録」

椎名誠著/朝日新聞社/1600円

本の雑誌血風録
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「哀愁の町に霧が降るのだ」「新橋烏森口青春篇」「銀座のカラス」と続いてきた著者の自伝的青春大河小説の最新版である。

「本の雑誌」の創刊前後、作家としてのデビュー前後のエピソードてんこ盛りで非常に面白い。いつのまにか椎名ワールドに組み込まれてしまった椎名マニアにとっていろんな「既知の事件」の確認にもなり重層的に楽しめる。
が、普通の小説として読むと構成が場当たり的で(それが魅力でもあるのだが)雑な印象が否めない。このシリーズだけはもっと大事に書いて欲しかったのだが。
でもまぁとても面白いです、はい。

1997年07月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:自伝・評伝 , 小説(日本)

LV4「自走式漂流記 1944~1996」

椎名誠著/新潮文庫/1000円

自走式漂流記―1944~1996
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小説新潮・臨時増刊「椎名誠の増刊号」を焼き直した文庫オリジナル企画。

編集者としての彼、作家としての彼、監督としての彼、友人としての彼……いろんな角度からシーナを解剖していて、ファンには楽しい一冊だ。
興味深いのは19歳のときに創刊した「幕張ジャーナル」がそのまま載っていたり、高校3年のときに書いた小説(処女作?)が載っていたりすること。特に後者。「赤い斑点のまむしの話」という題名のそれは、並々ならぬ文章力をうかがわせる力作。「完全年譜」や「全自作を語る」など資料的にも良く出来ている。

1996年12月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:自伝・評伝

LV1「麦酒主義の構造とその応用力学」

椎名誠著/集英社/1200円

麦酒主義の構造とその応用力学
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シーナによる短編12編。
相変わらずの椎名節だが、そもそも本としての求心力がないので散漫でバラバラ。読んでいてつらい部分があった。

小説を書きつつだんだんエッセイ化していくみたいな構成(またはその逆)が多い。そういう流れは独特だし面白いのだけど、やっぱりまとまりという点で欠ける。ちょっとどうかなぁというレベルの作品も中にまじっているし。筆力も魅力も群を抜いていると思うからこそ、ある程度レベルを揃えて出して欲しいと個人的には思う。

1996年12月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:エッセイ

LV1「人生途中対談」

東海林さだお・椎名誠著/文藝春秋/1100円

人生途中対談
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著者それぞれはすごく面白いのだが、こうして対談をまとめてみると個性を消しあっている部分があって惜しい感じ。
たぶん対談のその場でライブで聞いていたら抱腹絶倒なのだろうが、その味が紙に定着していない。本の雑誌社での発作的座談会における沢野氏みたいな潤滑油が欲しいのである。椎名氏はたぶん東海林氏に対して尊敬的なる緊張をしていてちょっと言動がぎこちない。やはり沢野氏みたいに上から押さえつけたくなる人(親分的態度をとれる相手)の存在がないと彼の持ち味は生きてこない気がする。そしてそれを東海林氏も受けきっていない。お互いに少しずつ遠慮している。残念。

1996年12月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:対談

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