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斎藤明美

LV1「高峰秀子の捨てられない荷物」

斎藤明美著/文藝春秋/1714円

高峰秀子の捨てられない荷物
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冒頭の文章が素晴らしい。あのまま行ったら傑作であった。
いや途中まではかなりイケルと思っていた。が、途中から著者の対象(高峰秀子)に対する過剰な愛と、自己憐憫的自虐表現が鼻につきだす。いったいこの著者は読者に「高峰秀子」を伝えたいのか「著者の対象に対する赤裸々な愛」を伝えたいのかわからなくなる。評伝なのであれば困った展開だし、著者の自己満足であるならちょっと中途半端。著者が勝手に盛り上がってしまって読者が置いて行かれる状況が続く。この本を買った読者は著者の自虐が読みたいわけではない。高峰秀子の人生が読みたいのだ。そこらへんを著者はごっちゃにしているのではないだろうか。

高峰秀子自身の傑作「わたしの渡世日記」の続編たるべきエピソードに溢れてはいるので、彼女のファンにはそれなりに楽しめる。上手に対象をあぶり出しているなぁと感じられる所も多い。
筆力も構成力もあるのに、惜しい。つうか、もうちょっと対象と距離が離れてから書いた方が良かったかもしれない。近ずぎる対象を書くのは手練れでも至難のワザであろう。

2001年06月01日(金) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:自伝・評伝

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