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小林信彦

LV5「テレビの黄金時代」

小林信彦著/文藝春秋/1857円

テレビの黄金時代
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テレビの黄金時代を主観・客観双方からきっちり眺められるのはこの人しかいないかもしれない、と思わせる著者が書いたテレビ青春記。
テレビ番組作りに濃く参加しつつ雑誌を運営し、常にテレビ界とは距離を置いていた著者だからこそ書けるテレビメディア史でもある。そしてもちろん、お笑い芸人やバラエティを見る著者の目も当代一流。そんな人が書いたテレビの本だもの、おもしろくないわけがない。

ある意味、テレビ番組発達史として貴重な文献でもあるが、ここは素直にアマチュアの集まりだったテレビ創成時代〜黄金時代を読み物として楽しみたい。特に九ちゃんを作っていく過程やバラエティに命をかけた男たちの物語が面白い。番組をどうやって作ってきたか、人間模様はどうだったのか、顧みて今のバラエティはどうなのか、など、興味は尽きない。ボクよりちょっと上の世代(リアルタイムでテレビ創成時代を見ている世代)には特にたまらない記述が続くだろう。

贅沢言うなら、写真をもう少し入れて欲しかったかな。シズル感が全然違っただろう。1857円という定価だもの、写真くらい欲しい感じ。

2003年01月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:映画・映像 , 評論

LV1「結婚恐怖」

小林信彦著/新潮社/1200円

結婚恐怖
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題名がいいし、何と言っても小林信彦だから即買って読んだ。
でも、期待が大きすぎたのか、ちょっと拍子抜けだった。
こういう内容ならこんなスキャンダラスな題はいらないかもしれないとちょっと思った。結婚という生活形態についての突っ込みも中途半端だし(もっと著者特有の視点で突っ込んでくれるのかと思った)、サスペンスとしても盛り上がりに欠ける。著者ならではの切り口、展開、余韻がない。
小林信彦に読者はもっともっとクレバーでアナーキーなものを期待する。この人らしくない長編小説だった印象。

1997年12月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

LV5「和菓子屋の息子」

小林信彦著/新潮社/1400円

和菓子屋の息子―ある自伝的試み
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副題に「ある自伝的試み」とあるように、著者自身の半生記でもあるが、戦前戦中の東京下町の姿を実家の和菓子屋の生活を通して具体的に活写した大変ユニークな下町文化記録本でもある。「記録目的エッセイ風半生記」とでもいうのかな。人称もどんどん変わっていくし、記録文と私小説の境が全くないのにとても自然で読みやすく、最後の方など大変叙情的でホロリとくる。

前半はその構成上カタルシスを感じにくく、著者の物としては珍しく取っつきにくいのだが、後半は実に良い。
ボクが東京育ちということも多分にあるのだろうが、読んでいてなんか愛する人が死んでしまうような感情を戦争で壊れていく東京(下町)に感じました。そうか、これは著者の東京に対する「片思い小説」でもあるのだな。

1997年01月01日(水) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ノンフィクション , 自伝・評伝

LV3「ムーン・リヴァーの向こう側」

小林信彦著/新潮社/1950円

ムーン・リヴァーの向こう側
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著者による東京三部作のラスト。

東京がなくしてしまった地域性にこだわった舞台設定で、不思議な物語を静かに読ませる。とても気に入った。読んでいる間はそうでもないのだけど、読み終わってから何故か心にしみ出てくる。
女主人公の描写がおぼろげでキャラクターが立ち上がってこないのが難だが、「東京」の象徴としてわざとしているのかもしれないと思わせる。気楽にらくちんにちょっといい気持ちになりたい人(できれば東京人)におすすめする。

1996年04月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:小説(日本)

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