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勝見洋一
「勝見洋一の美食講座」

amazon日本を代表する美食家である著者が正面切ってこういう題名で出してきたからにはこれは読まねばなるまい。
読めば読むほど、美食は才能である、との思いがひしひし。金持ちも才能であると同じ意味で。うはは。ほとんど嫉妬してます。まぁ正直ボクには彼と同じレベルの美食は無理だな。財布的にも環境的にも人生的にも。
ま、それは置いておくとして、内容的には「美食講座」という題名から予想されるものではなく、著者の美食遍歴の一端が上質なエッセイとして披瀝されているもの。こういう食べ方・生き方を美食と呼ぶのだよ、という静かな主張が行間ににじみ出ている。けど、文章がいいので嫌味ではない。そこらへんがこの著者の強み。
場所によって味が変わって感じられるワインの話や、ラセールでのダリの話など、印象的な話も多い。各章最後に書かれているおまけの文章もとても良い。全体にオススメな本なのだが、うーん、題名がちょっとなぁ。もっとエスプリの効いた題名にしてくれたらバイアスかからず読めたのにな、と、少し残念。
2002年12月01日(日) 12:00:00・リンク用URL
「中国料理の迷宮」

amazon薄らぼんやりしている中国料理の全体像とその複雑怪奇さなど、普通に中華を食べている分には伺いしれない部分が浮き彫りにされてくる本である。
雑然としていた中華料理という引き出しにきっちり仕切りが入り整理が出来た感じである。あー、なるほどそうなのか、ふーん、なるほどこういう歴史があるのか・・・そう、この本は中華料理を題材に中国の歴史を紐解こうという新しい試みでもあるのだが、そう欲張ってしまったのがちょっと欠点にもなってしまっている。
中国体験豊富な著者のそこここに入ってくる体験談は面白い。ただそれと資料的書き連ねとのバランスが悪いのがこの本を読みにくくしている。歴史や資料の部分をもっと読みやすくしてくれればずいぶん印象が変わったと思う。
2000年06月01日(木) 12:00:00・リンク用URL
「怖ろしい味」

amazon食だけでなく、映画やオーディオ、美術に至るまで、生半可じゃない経験と知識に裏打ちされた凄味のあるエッセイである。
食体験というものがその「時代」や「場所」を食べることに他ならないとするならば、この作者こそ数少ない本当の食通と言えると思う。食のエッセイも見ものだが(特にニューヨークの中華料理を描いたところなど、極上の短編小説の趣きすらある)、真価は「物彩」と称された後半でより発揮される。どこか益田洋介の名エッセイ「オペラ座の怪人たち」を彷彿とさせる上等なキザさがそこかしこに振ってあって、なかなか香ばしく楽しめる。お勧め。
1996年01月01日(月) 12:00:00・リンク用URL
ジャンル:食・酒




