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奥田英朗

LV5「最悪」

奥田英朗著/講談社文庫/876円

最悪
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サスペンス小説になるのかな。おもしろい。こんなにおもしろいのに文庫になるまでなぜ知らなかったのだろう、奥田英朗をなんで全く知らなかったのだろう、と我ながら疑問。

個人経営の鉄工所の社長、普通の銀行OL、無職の自堕落な青年。この三人の人生がどんどん最悪状態まで転がっていき、しまいには交差していくのだが、その最悪状態に転がっていく様が実に良く書けている。登場人物たちと一緒に読者も「どうしてこうも悪い方へ転んでいくんだぁー!」と頭を抱え、胃が痛くなることだろう。かなりのリアリティで身につまされる。ボクらの人生も紙一重だなと思う。

特に鉄工所の社長の人生がよく描けている。中小企業・零細工場などの経営者をこの本を読んだあとでは尊敬のまなざしで見てしまう。よくやってるなぁ…。いやマジで。
前半・中盤に比べて、ラストあたりの急展開がいまひとつな感じではあるのだが、それを差し引いても素晴らしい。読後、人生なんとでもなるな、という勇気すらもらった。

2002年12月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:ミステリー

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