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一志治夫

LV5「魂の森を行け」

一志治夫著/新潮文庫/438円

魂の森を行け―3000万本の木を植えた男
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副題は「3000万本の木を植えた男」。森を作るために植樹を続ける超人・宮脇昭の人生と主張を丹念に描いた傑作である。必読。

どこかの雑誌で「人類は植物に寄生する動物にすぎない」という主張を読んだのがボクにとっての宮脇昭との出会いである。目ウロコだった。確かに人類は植物(もしくは森)を最大限利用して発展してきた。守られもしてきた。なのに植物や森を上から見て蔑んでいる。守ってやる、という不遜な態度すらとっている。このスタンス自体が大きく違っていたのである。寄生する立場なのだ。

その後、数々の植樹活動も知り、急いでこの本を買った。そしてその考え方と実行力に感動したのである。宮脇昭自身、単なる活動家でなく、日本を代表する植物生態学者なのだが、彼の「宮脇方式」による森の増やし方のなんと理にかなっていることか。その土地のもともとの植生に沿った森作り。だから最初の3年ほど手入れしてやればあとは永遠にメンテナンスフリーなのである。日本だけでなく中国やアマゾン、アフリカでも宮脇方式が広まっている。日本では「鎮守の森」にその土地の植生がそのまま残っている。ものすごい勢いで減りつつある鎮守の森を再び増やす活動も彼の目標のひとつである。

信念と行動と狂気の人・宮脇昭の破格な人生をなぞるだけでも刺激になる一冊だが、その発言、実行、そして成果を知るためにも是非読むべき本である。読後、「人間が森と共生することで、結果として地球環境が守られるのだ」というシンプルな構図が見えてくるだろう。木を植える。森を作る(宮脇方式だと5メートル幅あれば森が出来る)。そういったゴールがクリアに見えてくるノンフィクション。

なお、宮脇昭自身「木を植えよ!」という本を書いているが、それよりも先にこの評伝を読んだ方がわかりやすいと思う。

2007年01月30日(火) 12:42:51・リンク用URL

ジャンル:自伝・評伝 , 教育・環境・福祉 , ノンフィクション

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