トップ > おもしろ本 > 著者別一覧 > い > 石原慎太郎 >
石原慎太郎
「東京の窓から日本を」

amazonTOKYO MX TVの人気対談番組「東京の窓から」の単行本化。
石原慎太郎をホストにした対談を活字にしてあり、脚注なども充実しており、とっても明快な「東京論」そして「日本論」になっている。単に「東京の窓から」という表題にせず、もう一歩踏み込んで「日本を」というひと言をつけた意味がよくわかる内容だ(続編は「変える」というひと言が入るのかにゃ?)
対談相手は、唐津一、佐々淳行、グレゴリー・クラーク、孫正義、米長邦雄、金美齢、志方俊之、はかま満緒、ビル・トッテン、竹村健一、徳間康快、ベマ・ギャルポ、中曽根康弘の13人。それぞれに頭脳明快な対談相手であるが、なにより全員「自分の分野から見た自分独自の意見」をしっかり持った対談相手だけに、ホストである石原慎太郎(独自の意見という意味では負けない)と意見が絡み合い出すとちょっと鳥肌ものの明快さに発展するところがあり、面白い。石原は各専門家たちに対してわからないところは率直に伺う姿勢を見せており、伺った意見を自分の中で整理する過程も透けて見えたりしてそれも興味深かった。
読んでいて「日本ってやっぱりヤバイよな」と危機感にさらされる本でもある。問題意識を持たないとヤバイことが次々に出てくる。どの対談も刺激的だったが、個人的に、唐津、徳間、竹村、クラーク、米長、孫あたりの対談が面白かった。
2001年12月01日(土) 12:00:00・リンク用URL
「国家なる幻影~わが政治への反回想」

amazon雑誌「諸君!」に1996~1998まで連載し、1999年1月に文藝春秋から単行本になった本の文庫化。
1968年に参院選に出馬して以降1995年に辞職するまでの政界での活動や政治への思いを回想した本。芥川賞を取った作家でもある著者が書く政治の裏側は実にわかりやすく、そして面白い。読み始めたら止まらなくなった。特に要所要所で出てくる人物評価には笑わされたり暗澹たる気持ちになったり…。もちろん政治には裏も表もあり、ここに書かれているのは著者から見た政治の一側面ということもわかっているが、いまの日本の政治を知るには格好の一冊であろう。これを読んだあと新聞などを熟読するといままで見えなかったものが見えてくる(気がする)。
これを読んでよくわかったが、著者はナショナリストというよりもゲームメイカーなのだ。ナショナリストっぽい言動も、ヨットという高等ゲームで学んだ駆け引きという側面から捉えれば実に納得がいく。NOというのも駆け引き上当然のこと。彼にとってあらゆる政治的言動はゲームのカードなのである。だから臆面なく脅しや暴力まで使用する。そして国際政治の場ではそれが全く常識なのである。そういう国際的駆け引きが出来る政治家が日本にどれだけいるだろう。
この本は文筆家の作品であるが政治家の作品でもある。
だからこの本自体が「政治的ゲーム」の1カードである。著者が1カードとして出した本を鵜呑みにするのは危険だが、こういうカードが出せる著者のゲームメイクにそのまま乗ってみたい気もしてくる。そんな本である。
2001年11月01日(木) 12:00:00・リンク用URL




