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池田理代子

LV3「47歳の音大生日記」

池田理代子著/中公文庫/629円

47歳の音大生日記
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1999年に「ぶってよ、マゼット」という題で出された単行本の改題文庫化。
同じ内容だとしたら文庫の題名の方が数倍わかりやすく内容を言い当てている。つまりは、あの「ベルサイユのばら」「オルフェウスの窓」の池田理代子が47歳にして一念発起し、東京音大の声楽を受験し、受かり、4年間の学生生活を送る顛末が書かれている本なのだが、その間、彼女は結婚もし旅もしライブもし病気もする。かなりハードな4年間である。その4年を主観的すぎず客観的すぎず、威張りすぎず謙虚すぎず、とても上手に描写している。

読者的には「47歳から始めて人生を変えた大御所漫画家の熱意と勇気の物語」的に期待しちゃったりする人が多いかもしれない。実際はもっと気楽な本だ。
冒頭のあたりにこんな文章がある。「『自由であるっていうことはね、何も一切期待しないということよ。期待するから、人間は捉われてしまうの』 この言葉で私は、捨て身になって人事を尽くしきる勇気を与えられた」 この本の芯はここにあると思う。著者は「自分が47歳にして何かを成した」ということから自由だ。何にも捉われていない。だから教訓くさくなく、読んでいて気楽なのだ。この辺の「読者に教訓・説教と思わせない筆致」って実は高等な技だと、ボクは思う。

2002年08月01日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:音楽 , エッセイ

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