トップ > おもしろ本 > 著者別一覧 > > 池田晶子 >

池田晶子

LV5「14歳からの哲学」

池田晶子著/トランスビュー/1200円

14歳からの哲学―考えるための教科書
amazon
副題が「考えるための教科書」。
池田晶子が14歳のために「考えるとは」「言葉とは」「自分とは」「死とは」「他人とは」などを対話体で一緒に考えていってくれている本。
かといって14歳を子供扱いしていない。というか充分大人向け。14歳からの、という題名のニュアンスには「14歳のころにちゃんと考えてこなかった人たちへ」という感じも含まれている気がするくらい大人向け。すべて一度はきちんと考えないといけない命題ゆえ、なんとなくここまで生きてきちゃった大人も必読だ。全体に、答えを提示するのではなく一緒に考えるカタチをとっているから思考訓練にもなる。まぁ考えること自体が哲学だから当たり前といえば当たり前だが。

第三章では「17歳からの哲学」と題してより深い問題に取り組んでいる。最後の方の「人生の意味とは」など、42歳のボクにとっても非常に刺激的な思考展開で、そこに美すら感じる。極上の音楽を聴いているような陶酔すら感じる。なんつうか、本当の意味の「説教」をされて、肌から垢がはらはらと落ちていくような爽快感。

悩み深いけど、悩みの方向性が漠然としていてわからない、みたいなわけわからないあの頃、14歳。ボクが14歳だったころ、この本があったら世界はずっとクリアだっただろうなと思う反面、こういう風に整理して説かれてしまうとあのドロドロ悩んだ自分はなかったわけでそれはそれで自分ではないのではないかという思い、そして、実際に14歳の時に読んだらわりと反発したかもという思いもある。ま、とにかく、14歳以上のすべての人間、必読。小さな思い悩みや自殺願望など、この一冊で吹き飛ぶだろう。だって生きていることそれ自体奇跡に近いことなのだから。

2003年11月01日(土) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:哲学・精神世界

LV3「REMARK」

池田晶子著/双葉社/1600円

REMARK―01OCT.1997~28JAN.2000
amazon
不思議な本である。
いや、本というよりノート、か。単行本の体裁はとっているが、ここに読者とのコミュニケーションは計られていない。徹底的に一方通行。徹底的に読者に不親切。脈絡がありそうでない、なさそうである、言葉の羅列。ノートそのまま横組みで、日付だけが著者の思考の流れの前後を示す。そう、これは著者の日々の哲学メモをそのまま本にしたものなのだ。

いや、徹底的に不親切、というのは違うかな。ちゃんと読者に思考の流れを示している。逆にわかりやすいくらいではある。図解もあったりして、おっ!と真理に触れた気がすることも多々。
でも、それでも、この哲学メモを毎晩ひもとき、著者の思考の流れに忠実に頭を働かせるのはわりと大変だった。普段から考え続けている人には説明の言葉がない分より直接心に届くのだろうが、夜中に会社から帰ってきて、さてとばかり「削ぎ落とされたイケダアキコする」のは、切り替え的に無理があった。

これは3ヶ月くらい海か山に籠もる環境があるときに持って行くべき本かもしれない。ま、上級者向けのハイブロウ本ってことですね。ボクはまだ中級者以下なので、この本の快感に触れることが出来なかった。そういうこと。会社辞めて隠居したころ、じっくり再取り組みするとしよう。

2001年05月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:哲学・精神世界

LV4「オン!」

池田晶子著/講談社/1800円

オン!―埴谷雄高との形而上対話
amazon
1995年発売。
埴谷雄高と池田晶子の対話を中心に、著者の処女作である「埴谷論」やもっとエッセイっぽい埴谷論などが混ざり、埴谷を知る者も知らない者も知っててわからない者(ボク)も、それなりのレベルで楽しめる本。

哲学書だけど、わりと楽しかった。普段舌鋒鋭いあのイケダアキコが妙に初々しかったり、あのハニヤユタカが理解者を得てウキウキ話すのも面白いし(埴谷はある種の恋を著者にしている)、読者に理解させることを前提としていないその対話はめちゃめちゃ難しい部分も多くてこれまたある種自虐的楽しさがあったりして・・・多忙すぎた春の夜を締めるにはわりと最適な本ではあったのでした(つまり知的興奮と睡眠誘導がバランスよく行われた)。

「死霊」は未読、積ん読、飾っ読。わからないなりにも「死霊」をある程度囓ってから読んだ方がこの本の凄さはより体感できるのだろうが、このたった250ページ弱のオムニバス本を読むだけで2週間かかってしまったのだ、「死霊」に至ると一生仕事であろう。でも、結局「存在」について考えることに至るなら、それでもいいということか。

「オン」とはギリシャ語で「存在」のことらしい。この勢いをかって久しぶりに著者の「メタフィジカ!」も読み直してみようかな。あ、新刊「リマーク」も未読だった。と思ったら他にも新刊が出るらしい。うーむ、池田晶子漬け。なんか読むのに時間かかるからしょっちゅう池田晶子ばかり読んでいる気になってしまうよ。主題はひとつなのにね。

2001年04月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:哲学・精神世界 , 対談

LV5「考える日々 III」

池田晶子著/毎日新聞社/1600円

考える日々〈3〉
amazon
本当は、池田晶子の本を読んでいること自体、恥ずかしいことなのだ。
自分でとことん考えることもせず、著者に「考えるキッカケ」をもらおうと読んでしまう根本的な矛盾(なぜって著者がイイタイコトは「考えよ!」ということだから)。どこかでそれに羞恥心を感じつつ、今回もたいへん考えさせてもらった。ありがとう。

サンデー毎日に連載しているコラムを集めた第三集。副題が英語でこっそり書いてある。「One Size Fits All」。うーん、なるほど…。テーマは多岐に渡っていてそれぞれ通り過ぎる足を止めてくれる力を持つが、今回は「心で感じる仮想と現実」「死の向こうの存在と宇宙」の項が個人的に特に印象深かった。

本当のところ、「善く生きる」ためにはこういった本から浸みだしてくるテーマに真っ向から闘いを挑まないといけないのである。他のことをしているヒマはないのである。それこそ生きている意味なのである。なのになのに・・・。ま、そういうことを忙しく走る日々の中で思い出すために、これからも定期的に池田晶子を読み続けることであろう。それって本当に恥ずかしいことなのだ。わかってはいるのだ。うぅ。

2001年02月01日(木) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:哲学・精神世界

LV5「死と生きる ~獄中哲学対話」

池田晶子・陸田真志著/新潮社/1500円

死と生きる―獄中哲学対話
amazon
ず~いぶん前から気になっていた本で、1999年の2月に出た既刊。「とてもいいよ」「ぜひ読んで」というメールをいっぱいいただいていたが、本屋で見つけることがなく、なんとなくいままでダラダラと気になっていた。そしたら20世紀最後の月に小さな本屋でばったり遭遇。喜び勇んで購入しその晩から腰をすえて読み始めた。

1行1行立ち止まって考えつつ読まなければ進めない本だ。だから結局2週間以上かかってしまった。今月読書数が少ないのはこの本のせい。でもそれだけの価値はある。
死刑囚と池田晶子の哲学往復書簡なのだが、これがまた生半可でない一騎打ち。ドキドキもの。常に「考えよ!」とボクのお尻を叩いてくれる池田晶子も相変わらずスゴイが、死刑囚陸田真志の言葉がまた平明でとても良い。彼の言葉でやっといままで池田晶子が言っていた意味がわかったこともしばしば。例示も巧みだし。

彼らの言葉をなぞりながら、自分の心と必死に対話する。考えるキッカケとしてこの本は優れている。明日事故で死ぬかもしれないボクもまた、時間は限られている。考えよ、考えよ。考えるほどに、いまの仕事や生活の矛盾点が出てきてしまいそこでヤバくなって考えるのを止めてしまうのだが、それでも考えよ。なぜヤバいと思うのか考えよ…と、無限に「考えの湿原」を歩いていきたくなる好著。続編は出ないのかなぁ。

2001年01月01日(月) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:哲学・精神世界

LV5「睥睨するヘーゲル」

池田晶子著/講談社/1500円

睥睨するヘーゲル
amazon
哲学の本というより「考える」本である。
この本を読んでボク自身つねづねいろんなことを「考えていたつもり」だったけど、それは単に「思っていたに過ぎない」ことに気付かされた。そういう意味でこれはモグラの目すら開かせる名著であるとボクは思う。

ただ、読んで気が付いて目が開くこと自体もうあなたは「考える人」の資格すらない、と著者は切り捨てている。
池田晶子のそこらへんが好きなんですよ、ボクは。エッセイ集なのでまとまりに欠けるのはしょうがないが、「メタフィジカ」「悪妻に訊け」などの著作より著者の素直な切り口が出てきていて、池田ファンは必読。まだ池田晶子を知らない人はこの本からどうぞ。

1997年04月01日(火) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:哲学・精神世界

LV4「悪妻に訊け」

池田晶子著/新潮社

悪妻に訊け―帰ってきたソクラテス
amazon
同年代の美人哲学者・池田晶子の新作。
ソクラテスとその名高い悪妻クサンチッペの対談の形を取っており「帰ってきたソクラテス」の続編となっている。オームから大震災、マディソン郡など身近な話題から見事に「哲学」していて分かりやすく楽しい。「ソフィーの世界」の数倍哲学がわかること請け合い。

著者のものは「事象そのものへ!」しか読んでいないが、哲学をきちんとエンターテイメントしている点が素晴らしい。平明なその視点は信頼に値する。

1996年09月01日(日) 12:00:00・リンク用URL

ジャンル:哲学・精神世界

ページの先頭に戻る

メニュー

Follow satonao310 on Twitter @satonao310

satonao [at] satonao.com
スパム対策を強化しているので、メールが戻ってきちゃう場合があります。その場合は、satonao310 [at] gmail.com へ。

ページの先頭に戻る

Google Sitemaps用XML自動生成ツール