カメラ
響子、二度目の入賞
2008年02月10日(日) 21:03:20
写真部に入って写真活動を始めたムスメの響子が、年末に応募した「第5回 Old&New 港区観光フォトコンテスト」のニューエイジ賞に入賞した。昨日港区から通知が来た。
ニューエイジ賞というは20歳以下対象の賞のようで、金賞銀賞銅賞佳作以外の特別賞。
受賞者も多いかもしれないし、まぁ海外で言ったら「ショートリスト」という程度かもしれないが、でも賞に残らないより残った方がよい。前回の「川カシャ!」努力賞はビギナーズ・ラックと思っていたが、二度目の応募でも残ったのはなかなか。しかもこれは学生限定のコンテストではない。響子もとても喜んでいる。
獲ったのは「色彩」という作品(写真はこちら)。芝の増上寺で撮ったものだ。
正直、彼女が応募した10点の中には他にもいいのがあったと思うし、この作品は「どうかなぁ」と思って出したのだが、こういうのが通るんだなぁ。こういう勘所も応募を重ねればわかってくるのだろう。
とりあえずお祝いとして前から欲しがっていた「Wii Fit」をご褒美に。
というか、いま我が家ではエクササイズと減量が流行っているのでちょうどいい。とりあえず夜はWii大会で盛り上がった。
そうそう、昼間は満劇の公演にまた行ってきた(笑)
響子と映画「EARTH」を観に行こうと画策していたのだが、満劇メンバーが昨日のさなメモを読んで「おでんのヤツとかずいぶん変わったので観に来てください」とメールしてきたので、響子とふたりで観に行った。なるほど金曜の夜は業界人が多くて客席がクール(冷たくて客観的)だったことが判明。日曜の公演は客席の空気が暖まるのも早く、みんなよく笑っていた。相変わらず気持ちがシアワセになるお芝居。響子は「眼鏡」と「献血記念日」をえらく気に入っていた。名作だよね。
学園祭
2007年10月21日(日) 18:11:46
娘の中学高校の学園祭に行ってきた。
まぁ親心としては楽しみで仕方なかったのだけど、ふと中学生のころの自分をリアルに思い出してみると「親がニコニコ来るって意外とうざい?」とかいう気もして、少し遠慮気味に。背を丸めて小さくなって。
でも、廊下で娘と偶然すれ違ったときに「写真部来てね〜」とか言われたので、そうでもないのかな…。でも写真部で娘が受付している姿を撮ろうとしたらマジ顔でうざがられたな…。たぶん、うれしいとうざいを複雑に行き来する感じなんだろう。ま、わかる気もする。
写真部では個人展示(自分の今年の作品をレイアウトして数枚展示)以外に、努力賞をもらった川の写真も隅っこに貼ってあった。これをサイトの読者の方が目ざとく見つけてくれて「見ましたよ」と「はじめましてメール」をくださったのにはビックリした。もちろん娘がどこに通っているかは知らない方。なんだかうれしいな。どうもありがとうございます。
ボクは中学高校と男子校だったので、女子校の学園祭はいろいろ物珍しい。
ざっと見回った後は、ワルぶってるわりにはちょっと頬を火照らせて見回っている男子中高生ウォッチング。女子校の学園祭に行くという、あの妙に胸が高ぶるドキドキ感が昨日のことのように思いだされ、こっちまでドキドキしてくる。こういうのを若返りの妙薬という。クセになりそ。
川の写真
2007年09月09日(日) 8:06:41
中一の娘が写真部に入った話はしたが、夏休みの部活は「川の写真を撮ってきてコンクールに出すこと」だった。要するにどっかの写真コンクールのお題が「川」なわけですね。そこに出す写真を夏休み中に撮ってこい、と。
そういうこともあって、暑い盛りに親子で京都に行った。
鴨川や白川、ついでに神戸の夙川も撮った。
で、彼女がいっぱい撮った中から3枚セレクトしてみた。いかがでしょ?
1 2 3
京都の白川で、川に落ちていた携帯電話があったのでそれを撮ったもの2枚。川の流れをアップで撮ったもの1枚。それぞれリコーのCaplio R6にて。そう、銀塩の一眼レフとかでなくても何でもイイ、ということだったので、とりあえずデジカメで応募してみます。まだ一眼レフは使いこなせないし。
東京写真美術館「モノクロ写真体験教室」
2007年07月29日(日) 9:50:37
東京写真美術館の「親子とはじめての方のための『モノクロ写真体験教室』」に家族3人で参加した。
ある方がメールで教えてくれたワークショップで、なんといっても暗室体験できるのがよい。時間も2時間半、参加費1000円と手頃である。娘も写真部に入って写真への興味がずんずん上がっている最中なので、家族みんなで基本を習っちゃおう、というわけである。
最初に説明があり、その後カメラを借りてモノクロ写真を近くに自由に撮りに行き(30分くらいで1ロール撮る)、簡単な器具を使って手回しで現像、ネガを乾かしてる間にピンホール・カメラの原理などを習い、乾いたらビューアーでネガを見てプリントする写真を2枚選んで、暗室でそれをプリント、そうして出来上がった写真を貼りだして終了、って段取り。「写真の撮り方」ではなくて「写真が出来るまでの一連」を効率的に習った感じ。
貸出カメラはほとんど「写るんです」レベルの安物なのだが、モノクロで撮って丁寧に手焼きすると、これがまたいい味が出て芸術写真みたいになるから面白い。
思ったよりずっと楽しいワークショップだったなぁ。
妻など、帰ってきてからも「面白かったねぇ」と何度も言い、翌朝もおはようを言う前に「昨日は面白かったねぇ」と遠い目で言う。「どこがそんなにキミの琴線に触れたのだ?」と聞くと、「なによりも暗室でのプリント作業であんなに写真が変わることが楽しかった。写真って撮ったらオシマイではなくて、撮った後も表現が可能なのがなんだかとても面白かった」とおっしゃる。
確かにそれは強く感じた。デジタルでも加工できるのだが、それとはずいぶん違う手作り感がプリント過程にあって、暗室の暗闇で「で、オマエはこの写真で何を伝えたいのだ?」と迫られる部分がある。プリントしながらもう一度写真を撮っている感じ。それはなかなかゾクゾク体験だった。
まぁ実際はプロの方々の手でほとんどやってもらっちゃうのだが(ボクにはたまたま日本プリント協会の会長さんがついてくれて「うん、これはフィルターなしで5秒。フィルター入れて6秒」とか指示してくれた)、感光を2秒にするか4秒にするか6秒にするか8秒にするかであんなに出来上がりが変わるのは(頭ではわかっていたものの)、やっぱ驚いた。もうちょっと濃く焼いてみたいなと思ったら秒数を変えてもう一枚焼く。写真の右上だけ濃く焼きたかったら、手で他を覆ったりして「追い焼き(覆い焼き?)」をしたりする。なるほどこりゃオモロイ。
娘は色が濃い部分のテクスチャーがなかなか印画されず、十枚くらい焼き直していた。プロのおじさんやおねえさんに優しく教えてもらって楽しそう。写真が肌感覚で好きになったみたい。将来どんな写真を撮るようになるのかな。このワークショップの影響は当面大きく受けそうである。このワークショップを教えてくださったFさんに大感謝。
帰ってから3人でお互いの写真を講評するのも楽しい。
まぁド素人の児戯に等しい写真なんだけど、初暗室プリント記念に貼っておきます。娘の。妻の。ボクの。まぁ一目瞭然に娘のが一番良い(笑)
うめめ
2007年07月18日(水) 5:48:27
娘さん、写真部なのに普通のデジカメでいいんですか? とご質問いただいたけど、いいんです。というか、Caplio R6は「普通」ではないし。多機能高級コンパクト・デジカメ。超接写1cm・広角28mm・光学ズーム7倍と、今ここまでボクの欲求を満たしているデジカメは他にない。CASIOのEX-P600とメイン・デジカメの座を争う予定(娘に買ったのに自分も使う気でいるらしい)。
いや、たぶん「写真部なら、デジカメではなくて、もっと凝った銀塩カメラの方がいいのでは?」という趣旨の質問だと思うけれど、それもいいんです。というのも、アラーキーに始まり、HIROMIXと来て、なんつうか、安いコンパクト・カメラでも「いい写真が撮れる」のがよくわかったから。つまりデジカメでもなんでもいい。要は撮る人の視点なんだな、って。
そして、最近「うめめ」という秀逸な写真集に出会い、その思いを強くした。
2006年度木村伊兵衛写真賞を受賞した梅佳代という人が出したファースト写真集。
この写真集がイイ。とてもイイ。本屋でちょっと立ち読みして即買い。どの写真にも右下に日付が焼き付けてあるので、たぶんコンパクト・カメラで撮ったのだと思うけど、写真は結局技術じゃなくて視点だなぁ、ってあからさまに教えてくれる。まぁ、「うめめ」=梅目、という題名からして視点の話なのだけど。でもそれにしても一見素人写真との境がわからないところがすごい。
もちろんさりげない撮り方でもそこに技術の裏付けがあるのだろうけど、でも、よく、玄人はだしのオジサンとかが撮る凝った花の写真とかあるじゃん? そういうのにあまり魅力を感じないように、技術が勝った写真って心に響いてこない気がするな。やっぱそこになにか「その人が発見した世界の新しい見方」がないと。
ま、芸術はどれもそうだし、商品や広告やサービス、そして普通の会話ですら、それがないと魅力的ではないのだけど。
会話の延長でいえば、例えばお笑いが面白いのは芸人が世界の新しい見方を提供してくれるからだし。我々は思っても見なかったモノの見方に笑うわけで。そういう意味では長年テレビのトップで活躍している一部の芸人・タレント・司会者などは、常に新しい見方を提供しつづけてくれているからスゴイのだと思う。尊敬に値する。でもそれを提供しなくなった途端に飽きられてしまうだろうから、厳しい世界だなぁ。って、話が大幅にズレちゃったけど。
企画書 & 大ショック
2007年07月16日(月) 7:42:19
昨日は早朝から仕事の企画書をひとりしこしこ。
ある商品の、半年以上に渡るキャンペーン企画構成を、メディア・ニュートラルですべて矛盾なく一企画書に入れようとしているのだが、普通に書いていくとなかなか複雑に見えてしまいプレゼンとしてよろしくない。プレゼンの相手が苦痛にならないようにシンプルにシンプルに直していくだけですぐ数時間。ページ数は現時点で150ページ超だが、もっとシンプルにして130ページくらいまで減らしたい。とはいえ、いまから制作物のカンプを入れ込んでいくので、どうなることか。間に合うのか?
と、疲れに目を腫らしながら作業していたが、ふと気づくと外が静かだ。
東京は台風の影響はほとんど受けなかった模様。「でかいの来るぞー!」と煽るだけ煽られて実際は静か、っていうパターン、東京は多いからなぁ。ま、来ないに越したことないのだが。
夕方まで様子を見て、外出できそうな天候とわかった時点で、娘がショッピング・モールに行きたいと言い出す。頭は企画書のことでいっぱいだったが、気分転換にいいかも、と、家族で出かける。写真部用のデジカメを買ってあげると約束していたし。
でも、家を出た途端、疲れでフラフラなのを自覚。根詰めすぎた…。
電車に乗ってなんとかモールにたどり着き、まずは家電量販店。「接写ができ(1〜3cm)、28mm広角があって、光学ズームが5倍以上で、撮り味が良いもの。画素数は3〜500万あれば充分」という条件でデジカメを探すが、選びようもなく1機種に。リコーのCaplio R6。まぁネットで調べてもこれかと思ったけどやっぱりこれか。
店員に聞くと、他社の候補もいくつか上げつつ「リコーは色がナチュラル。薄いと言う人がいるくらい。C社は色が派手目。メリハリあり。O社は明るい」などと。メリハリはパソコンですぐつけられたりするので、結局リコーに。ボディ色も赤があったし。ちょっと高いけど、まぁ酷使してくれ。銀塩コンパクトカメラはボクのMINOLTA TC-1(名機!)を譲るつもり。一眼レフはCanonがある。
モール内の店で娘の服を少し見て早々に退散。
ボクがあまりに疲れた感じなのでみんなに気を遣わせてしまった。よくないな。でも家に帰ってデジカメ動かしてみたら、フラッシュが光らない。ぐあ!不良品 !? どういじっても光らない。こりゃダメだ。明日取り替えにまたあそこまで行かないと…。がっくし!
しかも!
さっき何気なくアマゾンとか価格コムとかで調べたら、その量販店より15000円〜20000円くらい安く売っている店が大半。マジ? いつも使う量販なので「まぁそんなに価格も違わないだろう」と信用したボクがバカだった。20000円って…半額くらいじゃん! 信じられない。調べずに買ったボクもバカだけど、ここまで価格が違うと思わないよなぁ…。ショック! というかバカ。バカバカバカ!
ショックから立ち直れず、死んだ魚の目になりながらまた企画書。深夜まで。
あっちを直すとこっちに矛盾が出てきてこっちを書き直す。でもそうするとそっちが不要に思われて、削除するとあとでその必要性がわかりまた書き足す。そんなことの繰り返し。「明日も1日かかっちゃうなぁ」と溜息つきながら就寝。
写真部
2007年06月29日(金) 5:58:54
娘は「写真部」に決めたようだ。
通っている中学高校は部活が必修。体験入部とかの段取りを経て、結局初志貫徹したようである。
インターネットの出現で、これまで受け身な受信者だった普通の生活者が能動的な発信者になれるようになった。しかも国境を越えて瞬時に発信できる。まぁいまのところまだブログやサイト、YouTube程度の発信ではあるが、今後の可能性も含めて、これは人類にとって根本的&恒久的な変化だと思う。
そんな時代、写真をはじめ、映像やイラストなど、世界にそのまま通用する(つまり言葉の壁がない)コミュニケーション手段を持っているのはとても強い。
例えばボクの文章は世界には通用しない。どんなに想いを込めて書いても、アメリカ人にもポルトガル人にも伝わらない。日本語だからだ。でも写真は見せれば通じる。想いもメッセージも共有できる。実際、ポルトガルで知り合ったイタリア人は、ボク達がポルトガルで撮った様々な写真をまるごと欲しがった。CD-ROMに焼いて送ったが、そういうことが写真の場合は起きる。言葉の壁を越えて何かが伝わるのだ。
ま、そんな理屈は置いといても、写真は単にアート分野として楽しい。
部活といえば体育会系、というイメージしかないボクではあるが、写真部というのはちょっとうらやましい。ちゃんと活動して、人に想いを伝えられる写真が撮れるようになるといいな。
ちなみに佐藤家でもこれを機会に「写真部」が結成される(父と娘のふたり部員)。きもいか。きもいな。まぁいいや。でも撮影旅行とか、娘に迷惑がられない程度に行うつもり。だってボクもこの機会にちゃんと勉強してみたいんだもの。暗室もやってみたいな。物置を改造するか。
ポルトガル旅行2日目 〜リスボン、オビドスに惚れる
2007年03月25日(日) 6:08:17
快晴。温暖。最高気温18℃最低気温9℃。
夜中に電話すると家族が起きるから、朝を待ってまたいくつか電話し、大トラブルが小トラブルになったことを確認。ホッとしつつ二度寝(?)も諦めて、起きてきた家族とともに朝7時からバイシャ地区を散歩。ふたりともよく寝れたらしく時差ボケは多少マシみたい。西へのフライトはわりとマシだったことを思い出す。ボクはといえば、今日ずっと起きてるとなると48時間ほとんど寝てないことになる。持つかな。いや、運転もあるし、持たせないと。
さて。出だしの1時間早朝リスボン散歩で、家族はいっぺんにリスボンが好きになってしまった。
こんなに「自然体で歴史的な街」って初めてかも。
いや「自然体で歴史的な国」かな。ポルトガル全体に共通していそうだ。とにかく素朴に謙虚に、歴史が日常に密着しており、厚かましくもわざとらしくもない。イタリアもフランスもドイツももっと観光的だし自慢的だし実際すごいのだけど、ポルトガルは自慢臭や奢りをほとんど感じない上に、観光なんか意識すらしてない感じ(実際観光客も多くないし)。かと言って卑屈ではなくプライドは奥底にちゃんとある、みたいな。このさりげない自然体さが心底気持ち良い。ロシオ広場、サント・ドミンゴ教会、コメルシオ広場。歩く分だけポルトガルを好きになっていく。
ホテルに帰って朝飯を食べたあと(パンとコーヒーだけの粗末な朝飯だった。パンはうまし)、9時30分にAVISへ。ここでレンタカーすると共に、リスボン在住の漫画家ヤマザキマリさんと待ち合わせ。
ヤマザキマリさんは、ある方を介して紹介され、今日が初対面なのだが、リスボン訪問前にメールで何度もやりとりしたりブログを見たりしているうちになんだか妙に親しい感じになり、全く初対面という感じがしなかった。
リスボンにいながら雑誌「KISS」(「のだめ」とか連載してる漫画雑誌ね)とかに連載を持っていて、「モーレツ!イタリア家族」という本も出している。その本を読んでから行ったのだが、なんつうか波乱万丈の人生なのだ。
中2でヨーロッパ一人旅したり、そこで知りあったイタリア人の元へホームステイしたり、その家族の中の激年下(マリさん言)のベッピーノ(もちろんイタリア人)と結婚したり、エジプトやシリアに住んだり、モーレツなイタリア人家族と嫁として同居したり…。で、いまはベッピーノの仕事の関係でリスボンに住んでいる。お子さんはうちと同じく12歳。
こんな風に書くと猛女(?)みたいだが、実は常識的かつ気遣いの人。話は面白いし、体験談とか異様だし、なんとも素晴らしい方である。
しかも、旅の案内人として、ボクらのツボをすぐ見抜き、ホント素晴らしい半日を過ごさせてもらった。たった半日で、我が家族を「ポルトガル大大大好き」にさせ、娘のリスボン留学を真剣に検討させ、リスボンに日本家庭料理店でも開いて喰っていくのは可能かという試算までさせた(店なんてやりたくないが、他に喰って行く手段がなさそうなので)。ううむ。
ま、とにかく素晴らしい半日だった。ホント、リスボンに住もうかと思ったよ。
朝9時30分に出会ってから、15時30分くらいに別れるまでをザッと書いてみると、まず、レンタカーを借りてから、ベッピーノが運転するLANCHAで先導してくれ、リスボンを見渡す丘の上で軽く景色を眺めたあと市場へ。ここでレンタカーを駐車場に入れ、あとはマリさんの案内で手ぶらで街にくりだした。
ちなみに「ポルトガルって車上荒らしとか大丈夫?」と聞いたら「治安はヨーロッパ1いいと言われているし、車上荒らしもまず大丈夫。田舎に行ったらもっと全然大丈夫」とのこと。
で、市場。どんな街に行っても、市場があるならまずはそこへ、が佐藤家の習慣。
驚いたのは魚も肉も野菜も果物もとても日本と似てること。食材の共通点が多い。「こりゃ住めるな」と思った。マリさん曰く、在住邦人はポルトガル全土で300人くらいしかいないのではないか、とのことだが、ラテン系のくせにわりとストイックなとこが日本人と気質が似てるし、東洋人差別もないらしいし、気候はいいし(欧州一晴天が多いとか)、古いものを大切にする心もいいし、適度に素朴でがさつだし、そのうえ食材が一緒となれば、こりゃ住める。
市場で現地のチーズとうまそうなサラミとクッキーを買って、近くの公園でちょっと齧る。
公園はカードゲームをするおじさんたちがいっぱいいて、なにやら老人ホーム状態。貧しいながらもみんなが人生を楽しんでいるのが伝わってくる。印象的なひととき。
「さとなおさん、体力大丈夫? じゃあ路面電車に乗って少しリスボンらしいところを歩きましょう」
お次は路面電車で市内見物へゴー。
いかにもリスボン的な「細い坂道を家の壁ギリギリで通り過ぎる路面電車」を実地体験。木造の趣深い路面電車がいかに市民に根ざしているか、乗ってみていろいろわかる。で、途中で降りて、絵はがきポイントを少し見たあと、響子が偶然見つけた1787年からやってるロウソク屋でイースターエッグの素敵なロウソクを買い、たまたま通りがかったお洒落な雑貨系セレクトショップでも買い物をしたあと、今度は近代的な路面電車に乗って海岸沿いのBelemという町へ。
中心部から電車でほんの15分ほど出ただけなのに、やけにリゾートっぽいところ。美しい。
世界遺産のジェロニモス修道院、ピンクの壁の大統領官邸やエッグタルト発祥の店とも言われる「パステイス・デ・ベレン」を横目で見ながらマリさんが「激安激うまの魚屋」と呼んでる店へ行き、ランチ。
「Floresta de Belem」(Praca Afonso Albuerque,N1A1300-004 Lisboa/21-363-63-07)。美しい公園前にあるトラディショナルなポルトガル料理(特に魚)を食べさせるレストラン。ポルトガルに美味な料理は多々あれど、その中でも特にシンプルな魚の塩焼きみたいのが食べたかったんだよなー。
外のテラスで強めの日差しを浴びながらゆっくり食べる。
小アジのフライ、アジのグリル(辛みソース)、イカのグリル、野菜スープ、セミフリートなどのデザート&コーヒー。量も充分。付け合わせがリゾットだったりするし、お通しもパンも沢山出てくる。ボク以外の大人はワインとかも飲んで、全部で40ユーロ。6500円くらい。子供含めてひとり1600円か。確かに激安いし味的満足度も高いなぁ。なにより娘が「ポルトガル料理っておいしい!」と喜んで食べている。日本の家庭料理を素朴にして味を濃くした感じだから、子供には特においしく感じるのだろう。
ボクは、昨晩・今朝とロクなものを食べてなかったせいか、食事したら急に元気が出てきた。そうかメシが足りなかったのだな。いまからの運転もこれならクリアできそうだ。
さて、そろそろリスボンを出て今日の宿泊地オビドスへ向かわなければいけない。
ベッピーノの車で駐車場まで行き、レンタカーに乗り換え、先導してもらってリスボン市内を出る。わかりやすい道のところまで連れて行ってもらい、そこでマリさんとベッピーノと別れた。たった6時間弱なのに、なんだか1ヶ月くらい一緒にいた気分。しかも「リスボンに住みたくなった」ほど好きにさせる技。ありがとう。また29日に会えるね、と話しつつ別れる。マリさん、ホント、オブリガード。
さて、レンタカーでオビドスへ。
慣れない右車線に緊張しつつ、ポルトガルの田舎の景色を堪能する。
オビドスは古い城塞都市。中世がそのまま残っている街として愛されている。城壁で町中が囲まれているのだが、中をくまなく歩いたとしても1時間ちょいですべての路地が歩けちゃうくらいな規模の可愛らしい街である。
今回の旅は「ポウサーダ」に泊まる旅でもある。
これはスペインで行ったら「パラドール」。中世の城や修道院、貴族の館などを現代に蘇らせた国営ホテルだ。ちょっと贅沢だが今回は4つ泊まり歩く。今日泊まるのは予約が取りづらくて有名な「カステロ・ド・オビドス」。オビドスの城。リスボンから北に1時間ちょい高速で走ったところにある。
まぁなんつうか、リスボンで「ポルトガル大好き! イタリアよりフランスより好きかも!」となっていたボクたちだが(ちなみにヤマザキマリさんも「イタリアも住んだし好きだけど、ポルトガルの方がもう何倍も好き!」と強く言っていた)、オビドスでまたポルトガル好意度大アップしてしまった。ワンアップきのこがピロ〜ン♪って感じ。実にかわいらしく美しい。それでいて仏伊にあるような「どうだどうだ!」みたいな歴史文化自慢的厚かましさがまるでなく、とっても謙虚で素朴。肩の力も抜けきっている。
箱庭系の街が好きな娘はもう夢見心地で、いろんなところをデジカメにおさめている。
今回、娘とふたりで盛り上がっているのは(妻はチーズでしか盛り上がらないので)、「写真」。
今度上がる中学で写真部に入ろうか、という勢いの娘は、この旅行で「自分が面白いと思ったもの、美しいと思ったものを撮る」ということに目覚め、絵はがき的な景色よりも、道端の消火栓とかゴミ箱とか小さな花とか壁の模様とかにぐっと寄って撮っている。
同じ物体でもボクと彼女ではトリミングや狙いが違うところを見せてあげると悔しがってもっと撮る。んでもって小さなデジカメの限界を初めて知り、一眼レフだとどう映るのか、とか聞いてくる。いい兆候だなぁ。気がつけばひとりずっと遠くで小花を撮っていたりして一瞬焦るが、とにかく治安は良さそうなので目の隅で確認しつつ自由に行動させることにした。
美しいオビドスの夕暮れを十二分に楽しんだあと、ホテルに帰って一休み。
このポウサーダの部屋は抜群に良かった。すごい広いというわけではないが、古くて親密で謙虚で清潔。まぁ中世の古城ですからね。雰囲気が悪いわけがない。オビドスの街とともに長く記憶に残りそうである。
というか、48時間近くほとんど寝ていないのだが、リスボン散歩、運転、オビドス散歩、と普通にこなせた自分に驚く。若い頃に数多くやった徹夜仕事で徹夜が慣れてるということもあるが、今回は調子いいぞ。
でも、ポウサーダのレストランでDaoの赤ワインと本格的ディナーを楽しんだらさすがに糸が切れ、そのまま深い眠りに。
あ、レストランはベーシックな味だったけど「Rice black Sausage Fried in Olive Oil」と「Roasted Kid with Giblets Rice country Herbes」が良かった。後者は仔ヤギ肉のローストなんだけど、香り立ち方がほんのりめで、肉のうま味が充分に出ていて、とてもうまかった。ちょっと高めだけど満足。
HIROMIX
2007年03月18日(日) 8:53:47
娘の響子と「中学に入ったら部活とか何やりたいの?」みたいな話をちょくちょくしている。
まだ全然イメージが湧かないようではあるが、このところ「写真かコーラスかなぁ」とか言っている。器楽もやりたいようだが、これは部活とは別の課外授業で教えてくれるようなので(オケも出来るらしい)、部活は写真かコーラスか、らしい。まぁ実際にいろんな部を見てみるとまた考えが変わるかもだけど。
ボクは体育会系だったのでよくわからない世界ではあるんだけど、でも、「写真部」ってのはいいなぁ。写真って、美しい時間を切り取ると同時に、世界に対する自分の見方をハッキリさせることだからなぁ。中1からそういう訓練をしておくのは素晴らしい。と、ちょっと喜んだ父としては、進路を恣意的に強制することにならないように気をつけつつ、「写真に興味あるなら、とりあえずHIROMIX見とけ」とばかりにHIROMIXの写真集を2冊贈った(近い年代の人が撮った写真は共感を呼びやすいだろうし、アラーキーはまだ早いし:笑)。「Hiromix Paris」と「Hiromix Works」。まずはわかりやすいのふたつ。その後、「光」とか「Girls Blue」も見せてやろう。
ま、実際には自分で写し始めないと何もわからないと思うけど、でもなんだかうらやましいぞ。若く濁りのない網膜に写った物や景色や人を撮り残せるわけだ。ううむ。
つか、ボクだって80歳の自分に比べたら若くて濁りない網膜だ。
娘がもし写真を始めるなら、ボクも横で一緒に始めて勉強し、いろいろ写してみようかなと思う。確実に嫌がられるとは思うけど。まぁ少しくらい横にいさせろ。




