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過去ログ一覧

彼女の3回の結婚相手

2010年09月06日(月) 8:32:44

先週、田町のイタリアン「リストランテ・ラ・チャウ」へ行った。

この辺(田町の海側)はおいしい店があまりないあたりで、以前この辺にあり今は赤坂に移った某社の社員とかも、当時はみんなブツブツ文句を言っていたものである。でもこの店は当たり。ピエモンテ州の料理を出すのだけど、おいしいわ安いわ気楽だわ。ちょっと素っ気ない店内だけどカジュアルで良いし、近くにあったら日常遣いにもちょうどイイ。某社が移転する前にはなかったのかなぁ。

前菜の「牛肉のタルタル ピエモンテーゼ」も良かったし、藁に包まれた名物パスタ「イタリア産チーズを詰めた小さなラヴィオリ 藁の香り(アニョロッティ・デル・プリン)」はとても印象的だった。「自家製サルシッチャとポレンタを詰めたウズラ一羽のロースト」も素晴らしい。インパクトの強さとシェフの優しさが同居している。郷土料理の伝統もしっかり守っている。そしてなんといっても安い。採算とれているのかな?レベル。

で、この店のBGMがなぜか「白鳥の湖」だったんですね(笑)。しかも2回リピート。
なぜなんだろう?と思いつつ、このバレエ曲は全編暗記しているくらい大好きなので、まぁ楽しんで聴いていた。で、そのうち「この聴き慣れた指揮はアンドレ・プレヴィンに違いない」と知ったかぶりをし、同行者と彼の人生の話になり、そこから、彼と結婚したミア・ファローの話題へ。

このヒト、本当に好き。
「座右のシネマ」のコーナーでも「フォロー・ミー」「ハンナとその姉妹」を取り上げているが、女優としても好きだけど、女性としても好きなんだよなぁ。昔、毎月10冊は書いていた「おもしろ本」コーナーでも取り上げた「ミア・ファロー自伝 去りゆくものたち」(ミア・ファロー著/渡辺葉訳/集英社)も実に面白かった(感想はこちら

というか、彼女のプライベートがすごい。
彼女、3回結婚しているんだけど、一人目がフランク・シナトラ、それからそのアンドレ・プレヴィン、そしてウッディ・アレンなのである。まぁウッディ・アレンとは長年に渡る同棲生活だったけど、とはいえすごすぎる…。シナトラとプレヴィンと、ウッディ・アレン! そして若いときのインド旅行はビートルズとのあの有名な旅。この煌びやかさ。見た目地味な感じなのに、きっと本人、実にステキなんだろうと思う。

ということで、久しぶりに映画「フォロー・ミー」を観たくなったが、これ、DVDとか出てないんだよなぁ(少なくとも数年前に探したときは)。名作&大名曲なのに…。 twitter社とか、再発売に協力してくれないだろうか(笑)

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若葉台花火2010

2010年08月29日(日) 14:50:32

数日前に告知させていただいたが、花火師として、稲城市の若葉台公園での「若葉台花火大会」で花火を揚げてきた。

「若葉台夏祭り」という(たぶん)自治会が毎年やっているイベントのラストを締めくくるもので、近所の住民たちがたくさん集まって見てくれた。戸越小学校のときと違って3号玉はなく、最大で2.5号玉という小さな花火大会ながら、玉数が多く、それなりに楽しめたと思う。いわゆる「箱物」と呼ばれる、一箱から数十から数百の花火が打ち揚げられるものが20箱、2号玉が50発、2.5号玉が15発。まぁ次々打っていくと十分ほどで終わっちゃう量とはいえ、それなりに豪華な感じだったと思う。

この若葉台公園、ちょっとユニークな打ち揚げ環境だ。
打ち揚げ場所(花火師が筒で打ち揚げる場所)がすり鉢状になった地形の底にあり、観客席は上部にあるのである。なんつうか、たとえば武道館のアリーナでボクたちが打ち揚げるとして、観客席は3階席にある、みたいな感じ。だから、すり鉢状の最低部から打ち揚げると観客の目線よりちょっと上あたりで花が開くのである。これって珍しいよなぁ。しかも打ち揚げ場所も近い。観客席から見たらかなりの迫力だったのではないだろうか。

20時すぎからの打ち揚げで、花火師たちは17時前くらいに集合した。
ボクが所属する「のれそれ花火会」は、女花火師が多い団体で、昨日も集まった13人中で女花火師が9人。主婦も多く、なんともアトホームでいい雰囲気で準備が進んだ(写真は打ち揚げの筒をセッティングしたところ)。会社とも仕事とも地域ともまっっったく関係ないこういう人脈が実に楽しいな。年に数回集まり散じるだけの関係。みんな「花火師」だけにノリがいいし明るいし。

夕方からは会場も涼しく、暗くなってからは盆踊りも始まって否が応でも花火気分が盛り上がる。打ち揚げる玉の確認や現場の確認、筒の固定など、準備作業も滞りなく終わり、あとは待機。子供達がすり鉢の上の方から「花火早くやれー!」とか叫ぶ中、のんびり雑談しながら待ち、8時半ころ、カウントダウンとともに開始!

昨晩は、ボクは今回は2号玉を次々打ち揚げる役目。
3号玉に比べると爆発音も小さく、恐怖心はあまりないが、それでも耳がしばらく聞こえなくなるほど鼓膜は震える。ドキドキわくわくと胸も震える。あの、打ち揚げ時の楽しさはいったいどこから来るのだろう。暑いし遠いし半日がかりだし、と、意外と大変なイベントなのだが、いざ打ち揚げが始まると「来て良かったなぁ」と心から思う。

ちなみに前回(3号玉動画)に引き続き、今回のもYouTubeにアップしておきました。
箱物の連発、そして2号玉の炸裂が混じる短い動画です。興味ある方はご覧下さい。

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この夏最後の花火、打ち揚げます!

2010年08月24日(火) 7:44:16

まだまだ異様に暑いけど、朝晩は多少涼しくなってきたですね。残暑お見舞い申しあげます。

ところで、今週の土曜日、また花火を打ち揚げます(前回の打ち揚げ記事はこちら)。花火師免許を持っているので、ちゃんとした玉を筒で打ち揚げます。

ただ、今回のは3号玉がなく、2.5号玉中心なのでそんなにド迫力ではありません(花火の玉サイズ比較表)。高さ80m、直径60mくらいは開きますが、とはいえ全体に小さめの花火なので、わざわざ遠くから来ていただくほどのものではありません。お近くの方で暇をもてあましている方は是非おいでください。玉数はわりとあるので楽しいかと思います。

前回は戸越でしたが、今回は稲城市。京王相模原線若葉台駅より徒歩5分。花火の現場はテニスコートと野球場の間の円形広場下の段々広場です。

日時:8月28日(土)20時〜
会場:稲城市の若葉台公園

例によって花火師の法被を着てふらふらしてますので、気づかれた方はお声かけください。

って、告知だけで終わったら素っ気ないので、ツイッターでRTして異様な数のRTをもらった動画をこちらでもご紹介。

JUJU - Hello, Again~昔からある場所~ (Ballad Ver.)

あっと言う間に100万PV越えしてますね。My Little Lover の往年の名曲をJUJUがカバーしたもの。確実に泣けます。人によっては号泣もの。

しかしMy Little Loverの名盤「evergreen」、よく聴いたなぁ。当時(1995年ころ)のヘビロテCDでした。懐かしい…。

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今夏もすごかった、矢野顕子@ブルーノート

2010年08月23日(月) 6:59:43

昨日書いたように、「佐藤雅彦ディレクション “これも自分と認めざるをえない”展」のあと、「材木町 奈可久」で鮨を食べ、その後、矢野顕子@ブルーノートに行ってきた。20時45分の回。今回のツアー「AKIKO YANO TRIO featuring WILL LEE & CHRIS PARKER」のラスト・パフォーマンスである。

去年も同じパーソネルでのライブに行っている(この日)。
ウィル・リーの格好よさ、クリス・パーカーの多彩な才人ぶり、そして矢野顕子の超人天才ぶりがいかんなく発揮された最高のライブだったが、今年もそれに負けず劣らず素晴らしかった。

特に今年はウィル・リーがすごかった。
去年も書いたように「ウィル・リーが組んでいるというだけで矢野顕子の世界的な立ち位置もわかる」みたいな人。つまり「ウィル・リーが組むんだから矢野顕子ってすごいよね」ってあっこちゃんを知らない外国人が思うような人である。今年は去年以上にノリノリで、素晴らしいベース・プレイやボーカルを聴かせてくれた。

正確で前に出すぎないクリス・パーカーのドラムスと、ウィル・リーの派手なベースに支えられ、あっこちゃんの自由自在さにも磨きがかかる。この3人が競うようにアドリブかますときの自由自在さと言ったらない。音楽ジャンルが消滅する。

特に、琉球民謡のスタンダード「てぃんさぐぬ花」をやった時はぶっ飛んだ。
あっこちゃんがあの声で、琉球メロディを歌うのだよ? 「レ」と「ラ」を抜く独特の琉球音階はどう演奏しても琉球色になってしまうものなのだが、このトリオにかかるとそんな色なんてなくなる。まさに音楽ジャンル消滅。ただただ「良い曲、良い唄」というのみ。感嘆&呆然。鳥がたくさんいるトロピカルな森の描写から始まり、自然に琉球民謡になるのだけど、途中から完全に「あっこちゃんの曲」になり、最高潮では都会のジャズになる。そしてそれらが渾然一体となったラストまで、緊張と弛緩の連続。ハンパない。

3人で思い切りドライブした「YOU REALLY GOT ME」の格好良さも特筆もの。もうそのまま屋外フェスでやってくれ!踊り狂うから!みたいなイキオイ。単調な繰り返しがボレロのように効いてくる。あっこちゃんは前の晩に指の爪を痛めたとツイッターで教えてくれた方がいたが、この曲をやっていた時ではなかったのかな、と思わせるような激しいピアノ。

他にも、オープニングの「京都慕情」、ウィル・リーがボーカルをとった「JUST THE TWO OF US」(好きな曲なので泣いた)、ファイバリットな「中央線」(!)、そして「変わるし」、お洒落な「ISETAN-TAN」や「DAVID」。どれもハズレがない。どれもこれもイイ。

そして超絶プレイの連続、「ROSE GARDEN」。
ピアノがうまい人は世の中にいくらでもいるが、あっこちゃんの場合、ピアノの音と喉から出る音の境目がなくなる瞬間があり、その瞬間、ピアノがピアノじゃなくなる唯一無二の人。今回は「ROSE GARDEN」でその瞬間があったなぁ。

5月に行った「音楽堂」のライブも最高だったが、やっぱあっこちゃんって複数人でインタープレイしてる時の方が輝く気がする。音楽という言葉のやりとりをしているうちに違う場所に行ってしまう過程がすごい。なんとも魅力的。

こんなの聴いちゃうと、たとえば「ジャズ」とか「クラシック」とか、ジャンルに縛られた音楽が退屈になっちゃうなぁ。

……困ったもんだ、矢野顕子。

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佐藤雅彦“これも自分と認めざるをえない”展

2010年08月22日(日) 19:28:24

昨日は紬山荘を昼過ぎに出て(出発前に1階の囲炉裏端でゴロゴロゴロゴロしつつダラダラダラダラ話しをしたのが極楽極上の時間だった)、小淵沢からスーパーあずさに乗って新宿へ。

電車の中で友人(山荘のオーナー)が「ツイッターを教えてくれ」というので、友人の iPhone からアクセスを試みるも、なんと iTunes の登録し直しから、というスタートライン。クレジットカードを登録してなんとかアプリをダウンロードしたはいいものの、以前友人に設定してあげたツイッター・アカウントのパスワードを友人が思い出せないという情けなさ。「誕生日は? ネコの名前は? 電話番号は?」とか入力してみるもまったくダメ。考えつく限り数十回のパスワード試行をしているうちに終点の新宿到着。ダメじゃん。

そして電車を降りた時点でその友人が切符をなくしたことが判明。
ポケットを探してもカバンを探しても出てこないので「席かも」と電車に戻ろうとしたら、降りた電車は回送で彼が乗った瞬間にドアが締まって車庫へ向かおうとした。焦った彼は降りようとしてドアに挟まれ必死に脱出しようとするも、車掌は回送車に人が乗り込もうとするなんて思わないから遠慮せず思いっきりドア締めているので彼も挟まれたまま脱出できない。ボクたち同行者3人はといえば、友人の災難に焦りながらもホームで笑い転げるしかない。ギャハハハッ。

まぁ結果的に無事に脱出したわけなのだが、山荘のオーナーである彼はそういう面をあまり見せないタイプ。だからこそ面白い。友人も含めて4人とも笑いが止まらない。あー笑った笑った。泣くほど笑った。

というお笑いの結末がありつつも、本当に楽しい一泊旅行だった。こういう時間が圧倒的に足りないな、と日常生活を思い起こす。何かが根本的に間違っている。まだやり直しがきく。やり直そう。


夜はブルーノートで矢野顕子のライブを見る予定だったので(去年見て異様に良かったものの今年版)、それまで時間をつぶそうと六本木にひとりで向かい、「21-21 DESIGN SIGHT」「佐藤雅彦ディレクション “これも自分と認めざるをえない”展」を見た。

受付で「土日は混雑しておりまして、作品によっては1時間ほどお待ちいただくことがあります」と言われたが、まぁとりあえず見よう、と入った。インタラクティブな映像作品やインスタレーション作品、最新テクノロジーを使った作品、と、バラエティに富んでいて面白い。展示物は多くないのだが、ひとつひとつを体験しているとあっと言う間に時間が経つ。

11月頭まで続く展示なのでネタバレはできないが、「本展覧会の特徴」として上げられている3つの特徴「1.注文の多い展覧会である。2.見終わった数日後、たくさんの疑問が醸成されている。3.人間の未来の可能性と危険性の両面を示している」の中の2番目をいま感じている。見た(体験した)瞬間は「はぁ…」で終わる。「こんなもんかな」という部分もある。でも1日経ってふと無意識に反芻し、感じ直している自分がいる。

ネタバレしないように慎重に書くなら、見た時点では「はぁ」だった「金魚が先か、自分が先か」の反芻回数が多い。この作品の中に入った瞬間に自分の心がどういう順番で動いたか。そのことを、見終わってから、家に帰ってから、寝て起きてから、と、何度か反芻し、自分とは何かを考えなおす。この過程すべてが「作品」だ。おもしろい。

他にも「自分とは何か」を反芻しなおす作品が多く、芸術の「異化する」側面が好きなボクとしてはまぁ満足。
ただ、スペース的に仕方ないのだが、作品同士が間隔なく並んでいるので、ひとつの体験を消化し昇華する時間と距離がない。せっかくの体験を振り返る物理的な距離があったらもっといっぱい考えたかも。でも「考えさせる空間」としては秀逸だった。佐藤雅彦が持っている視点ってボクにとってはすでに畏怖の対象だ。ちょっと怖いや。

2時間ほど中にいただろうか。
ぶつぶつ考えながら建物を出て、矢野顕子ライブを見る仲間と待ち合わせている「材木町 奈可久」へ。

そこでおいしい鮨を食べ、20時45分からの回、今回のツアー「AKIKO YANO TRIO featuring WILL LEE & CHRIS PARKER」のラスト・パフォーマンスを見るためにブルーノートへ。

あっこちゃんのことは明日書きます。

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映画「インセプション」を観た

2010年08月08日(日) 16:37:46

有楽町で次の打ち合わせまで3時間強、ポッカリ空き時間ができ、マリオンの映画館に入ることにしてちょうど時間が合うのは何かを調べたら「インセプション」だった。インセプションって……たしか「ダークナイト」のクリストファー・ノーラン監督の新作だったよなぁ、ディカプリオだったっけ? でもどんなストーリー? んーまいっか、と劇場に駆け込んだ。

そんな状態だったので、予備知識がまったくないまま劇場が暗くなった。ここまで先入観なく映画を観るのもめったにない。なんつっても大画面に渡辺謙が出てきて「うわっ出てるんだ!」と驚いたくらいなもんで(笑) ←つまりポスターすらろくに見ていない状態。

「人の夢の中に潜入してアイデアを盗む」という奇抜な設定すら知らずに観始めたこともあってとにかく細部の設定が理解できず、まいったなぁ、と途中まではお手上げ状態。そのうえストーリーは、過去と現在、リアルと夢、個人の体験とビジネスの目的などが複雑に絡み合う。このままよくわからないままに終わるのかっ !?

でも、ふと気がついたらのめりこんでいた。この映画は「なんでそうなるんだ?」と立ち止まってはいけない。とにかくついていこうと思った時点で面白くなった。
すごいなぁ。理解も腹落ちもしないのに、ストーリーを楽しんでるよオレ。表面上しかわからないのにカタルシス感じて泣きそうになってるよオレ。これってつまり脚本と演出がうまいんだ。こういうのを力技という。ほんの少しテンポが遅いと「なんでそうなるんだ?」と観客が立ち止まってしまう。そのギリギリのスピードで突っ走る。

観ている間、細部はホントにわからなかった。人の夢の中にどうやって入るのかという根本的なところがまずわからない。時間経過と潜在意識と「キック」がストーリー理解のキーポイントなのだが、その辺もまるですっきり腹落ちしない。でもいいの。面白いから。ノーラン監督は最初から観客に「わかること」を求めていない。わからないままにどれだけ引っ張って面白がらせるか、に勝負を挑んでいる。そんな印象。

だから見終わったときには「もう一度観たいかも」と思ったもんなぁ。
謎解きもそうだけど、なんというか、だら〜っとこの世界を観ていたいと思った。観ている間中、観客はみな、自分がいまいる世界が「リアル」なのか「夢」なのかがわからなくなる。リアルが夢か、夢がリアルか。その状態をだら〜っと楽しみたい感じ。そういう意味で「マトリックス」の1作目を観たあとに近い感じなのだけど、より重層的に描かれているこの映画の方が自分の中での混乱は深い。

劇場を出て、次の打ち合わせに向かうまで「なぜ渡辺謙だけが年寄りになっていたのか」を考えていた。打ち合わせの場所に着く直前、それが氷解した。そしてそこから一気に映画の内容がドミノ倒しのように理解されていった。ちょっと爽快♪

ノーラン監督ならではの凄まじい映像については、「あぁヒトってもう何も驚かないんだなぁ」と思ったな。凄まじい映像美と想像力なのだが、もう映画で何をやられても驚かない。それがデフォルトになってしまった。これからの映像はそこが当然となってしまうところが大変だ。

ということで、自分のいるこの世界を「より重層的に不思議に思いたい方」にオススメ。
アクション・サスペンス映画にカテゴライズされるのだろうけど、それだけではない深みがある。ちょっと良いよ。

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「エトワール・ガラ2010」、今日はAプロ

2010年08月01日(日) 19:00:29

etoilesgala2.gif金曜日(さなメモに書いたのは昨日)にBプログラムを観てきた「エトワール・ガラ2010」。日曜の今日はAブログラムを観てきた。昼の2時から。@Bunkamura オーチャードホール

世界初演の「三銃士」がAプロの目玉。
ラコットが振り付け、ミッシェル・ルグランが音楽を担当(アリモノだけど)、そして出演がこの名だたるスターたち、というのだから贅沢だ。全員主役を張れる人ばかり。それが入り乱れて踊っていく。あぁ眼福だったことよ。

ただ、個人的にはBプロの方が好きだったかも。
Aプロの前半の「天井桟敷の人々」の瑞々しさ(オファルトが好演!)、「フェリーツェへの手紙」におけるイリ・ブベニチェクの圧倒的存在感、「人魚姫」の切ない美しさ(アッツォーニがいい!)、「アルルの女」でのペッシュの狂気など、見せ場はたくさんあり、あっと言う間に時間は経ったのだが、Bプロの濃さに比べると多少薄味な感は否めない。

そして「三銃士」も、ストーリーを描くのに忙しく、全体に中途半端っぽい出来になってしまっていた。音楽も途中でばっさり切る感じになっていて締まりが悪い。前半に出なかったエイマンとジロが満を持して出てきたが、もうひとつ盛り上がりに欠ける振付でちょっと残念だった(オブラスツォーワがよかった)。

とはいえ、ダンサーたちのセルフプロデュース公演ということもあるのか、なんだか楽しそうではあったけどね。特に三銃士+ダルタニアンのダンスの楽しそうだったこと。あんなにニコヤカなイリを観るのも初めてだ。

振付的にはプティの「アルルの女」とノイマイヤーの「人魚姫」が良かったなぁ。一番気に入ったのはドロテとオファルトの「天井桟敷の人々」。無音から始まるメリハリある舞台で実に印象的だった。

それにしてもリアブコは「シルヴィア」「人魚姫」「三銃士」とフル回転。どれもこれもとても良かった。今回でお馴染みになった。ハンブルグ・バレエ団が来たらぜひ見に行きたい。

例によって備忘録的にキャストを書いておこう。

  • 「シルヴィア」第1幕より
  • 振付:J.ノイマイヤー 音楽:L.ドリーブ
    出演:シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

  • 「カルメン」よりパ・ド・ドゥ

  • 振付:R.プティ 音楽:G.ビゼー
    出演:エレオノラ・アバニャート、マチュー・ガニオ

  • 「天井桟敷の人々」よりスカルラッティ・パ・ド・ドゥ

  • 振付:J.マルティネス 音楽:D.スカルラッティ
    出演:ドロテ・ジルベール、ジョシュア・オファルト

  • 「フェリーツェへの手紙」(世界初演)

  • 振付:J.ブベニチェク 音楽:H.I.F.フォン・ビーバー
    演奏:寺神戸亮(バロック・ヴァイオリン)
    出演:イリ・ブベニチェク

  • 「人魚姫」第1幕より

  • 振付:J.ノイマイヤー 音楽:L.アウアーバッハ
    出演:シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ

  • 「アルルの女」よりパ・ド・ドゥ

  • 振付:R.プティ 音楽:G.ビゼー
    出演:エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ

  • 「三銃士」全1幕(世界初演)

  • 振付・衣装・舞台装置:P.ラコット 音楽:M.ルグラン
    出演
    ミレディ:マリ=アニエス・ジロ
    リシュリュー:バンジャマン・ペッシュ
    コンスタンス:エフゲーニヤ・オブラスツォーワ
    ダルタニアン:マチアス・エイマン
    アンヌ王妃:ドロテ・ジルベール
    ルイ13世(国王):マチュー・ガニオ
    三銃士:イリ・ブベニチェク、アレクサンドル・リアブコ、ジョシュア・オファルト

今日が最終日。もう帰っちゃうんだなぁ。
ぜひ4回目も実現させてほしいと思う。本当にいい舞台だったし。一応、第一回から皆勤賞だが、あのころの中途半端にクラシカルな感じが消えて、ダンサーたちがみんなとっても楽しそうに踊っていよかった。とても楽しい二日間だった。主催者の方々、どうもありがとう!

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いやぁ良かった「エトワール・ガラ2010」

2010年07月31日(土) 15:28:37

etoilesgala2010.gifなんだかめちゃくちゃなハード・スケジュールの中ではあるが、仕事を振りきって(ごめん)「エトワール・ガラ2010」に行ってきた。@Bunkamura オーチャードホール

ダンサー自身によるセルフ・プロデュース公演で、今年で3回目。2005年の1回目、2008年の2回目の両方ともボクは観ているので一応皆勤賞。今回はAプロ、Bプロ、両方観る。昨晩はBプロ。この公演やエトワールの説明などはここにあるのでご参考までに。

1回目はちょっと散漫な印象だったが、2回目はメリハリのあるいい流れ。そして3回目の今回は(少なくとも昨晩のBプロは)素晴らしい構成で2時間45分があっと言う間。え?もう終わり?という感じ。いや、ほんとに楽しかった。終演後も余韻が長く続いた。構成の良さと完成度の高さがハンパない。

それにしてもすごいメンバーだな。いわゆるオールスターなのだがチームワークの良さを強く感じる。だからとてもいい空気が流れる舞台になっていて、気持ちがいいのでずっと観ていたくなる。スター達それぞれが謙虚で駒に徹している感じ。バンジャマン・ペッシュがリーダー役のようだけど、彼のお人柄だろうか。

もう、どれもこれも素晴らしかったが、特に、と言われたら、イリ・ブベニチェク振付・出演の「ブラジル・ヴェッセル」、リアブコが印象的な「幻想〜“白鳥の湖”のように」、マチュー・ガニオ大熱演の「プルースト〜失われた時を求めて よりモレルとサンルー」、ジロとイリの作り出す空気に慄然とした「アパルトマン」、そしてラストに全部持っていってしまった感のある、ドロテ・ジルベールとエイマンの「スターズ・アンド・ストライプス」。…あぁ至福の時だったな。

備忘録的に演目を書いておく(Bプログラム)

  • 「コッペリア」第2幕より(日本初演)
  • 振付:J.キヨーム・バール 音楽:L.ドリーブ
    出演:ドロテ・ジルベール、ジョシュア・オファルト
  • 「ロミオとジュリエット」よりバルコニーのシーン
  • 振付:K.マクミラン 音楽:プロコフィエフ
    出演:エフゲーニャ・オブラスツォーワ、マチュー・ガニオ
  • 「ブラジル・ヴェッセル」(日本初演)
  • 振付:イリ・ブベニチェク 音楽:ラフマニノフ
    出演:シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ、イリ・ブベニチェク
  • 「プルースト〜失われた時を求めて」より囚われの女
  • 振付:R.プティ 音楽:サン=サーンス
    出演:エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ
  • 「ディーヴァ」
  • 振付:C.カールソン 音楽:U.ジョルダーノ
    出演:マリ=アニエス・ジロ
  • 「薔薇の精」
  • 振付:M.フォーキン 音楽:ウェーバー 編曲:ベルリオーズ
    出演:エフゲーニャ・オブラスツォーワ、マチアス・エイマン
  • 「瀕死の白鳥」(日本初演)
  • 振付:D.ウォルシュ 音楽:サン=サーンス
    出演:マリ=アニエス・ジロ
  • 「牧神の午後」よりプレリュード(世界初演)
  • 振付:D.ボンバナ 音楽:ドビュッシー
    出演:エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ
  • 「幻想〜“白鳥の湖”のように」第1幕より
  • 振付:J.ノイマイヤー 音楽:チャイコフスキー
    出演:シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
  • 「プルースト〜失われた時を求めて」よりモレルとサンルー
  • 振付:R.プティ 音楽:フォーレ
    出演:マチュー・ガニオ、ジョシュア・オファルト
  • 「アパルトマン」よりグラン・パ・ド・ドゥ
  • 振付:M.エック 音楽:フレッシュ・カルテット
    出演:マリ=アニエス・ジロ、イリ・ブベニチェク
  • 「スターズ・アンド・ストライプス」
  • 振付:G.バランシン 音楽:J.P.スーザ 編曲:H.ケイ
    出演:ドロテ・ジルベール、マチアス・エイマン


先日のパリ・オペラ座公演「シンデレラ」で舌を巻いたドロテ・ジルベールや、広い背中と肩、そして存在感が抜群なマリ=アニエス・ジロなんかも実に良かったのだが、このエトワール・ガラというプログラムはなんだか男性陣が素晴らしすぎて、女性陣が少し可哀想な感じだった。イリ、マチュー、マチアスの3人の輝き。リアブコ、ペッシュの安定感。男性のボクですら、男性陣から目が離せず彼らばかり見ていた感じ。

特にマチアス・エイマン。
いやぁ、この12名の中では最年少らしいが(今年23歳とか)、ジャンプも回転も群を抜いている。上品で愛嬌たっぷりでスピード感溢れる。ラストの「スターズ・アンド・ストライプス」なんか、まぁ演目が派手なこともあるけど、まさにはまり役。「薔薇の精」はもっと濃厚に変態チックにやってほしかったが、その滞空時間の長さで観客の溜息を誘っていた。2010年代の大スターになるのは間違いない。

先日「徹子の部屋」に出たらしい王子様マチュー・ガニオのプルーストも良かった。ちょっとウルルと来る熱演。少し伸び悩んでる感じだけど、上品ないいダンス。そしてそして、切れ味抜群、職人肌のイリ・ブベニチェク。先日のドレスデン国立歌劇場バレエ団の公演を見逃したのが悔やまれる出来。いいなぁイリ。振付もいいしダンスもいい。これからは見逃さない!

終演後、今公演の企画に携わったプロデューサー度会輪子さんに案内されて楽屋へ。
ドロテ・ジルベールと握手して、マチアス・エイマンと写真を撮って、マチュー・ガニオと写真を撮って、と、めずらしくミーハー行動に出てしまった(普段は写真は撮らないのだが、まぁ少人数だったので甘えた)。でも、単に楽屋で見かけるだけでなく、写真とか握手とかをすると、彼らがボクの中で「自分ごと」に変わっていいのである。一応バレエの素人連載も雑誌「リバティーンズ」で持っているし、こうして「自分ごと」になるダンサーを増やしておくのは必要なこと(と、言い訳)。

でも、撮ってもらった写真を見て愕然とした。というか想像はついていたんだけど、エイマンとガニオの顔の大きさ、ボクの半分だよ……。背は勝ったかもだけど、なんだこの頭のでかさの違いは! 同じ人類とはとても思えない……。

でもエイマンもガニオも、ちょっと呆然としてしまうくらいいい性格だった。さて、次は日曜にAプログラム。楽しみ楽しみ。

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国際女性ビジネス会議に参加してきた

2010年07月25日(日) 18:13:47

「第15回 国際女性ビジネス会議」に参加してきた。@ホテル グランパシフィック LE DAIBA

分科会のパネリストとしての参加だったが、せっかくなので朝の全体講演から夜のネットワーキング・パーティまでフル参加させていただいた。朝10時から夜8時までの10時間。長丁場だなぁと少し怖じ気づいていたが実際はあっという間。とても刺激的で楽しい時間だった。

女性ビジネス会議、というと、女性の職業権利関係の話?とかウーマンリブ系?(古っ)とか思われる方もいらっしゃるだろうが、確かに働く女性を応援している側面はあるものの、内容的にはほとんど性別は関係なく、とても濃く勉強になるカンファレンスであった。全部で800人くらいの参加があったろうか。会場は女性が9割9分。男性も参加できるが、やはり圧倒的に女性参加が多い。そういう意味では、昨日書いたように「超マイノリティ」を体験できた貴重な時間でもあったな。

プログラムは主催者の佐々木かをりさんの「開会の挨拶」から始まって、林文子さん(横浜市長)、鎌田由美子さん(JR東日本)、田坂広志さん(教授)、吉田和正さん(インテル社長)、秋池玲子さん(ボストン・コンサルティング)と、知る人ぞ知る素晴らしい講師陣が次々登壇した。

初めての参加だったので、さてどんな感じのカンファレンスだろうと興味本位で(正直そんなに期待せず)聴き始めたのだが、ド頭の林さんのスピーチで姿勢を正されることになる。身になる食べ物はひと口食べれば直感的にわかるもの。このカンファレンスは身になるぞ。周りの女性たち同様、ペンを取り出してメモ魔態勢。聞き逃せない内容ばかりのすばらしい講演が続く(プログラム一覧をみるとよくわかる)

どなたのスピーチも素晴らしかったが、林さんと鎌田さん、田坂さん(自作の詩を英語朗読。内容がすばらしい)、そして吉田さんと秋池さんのスピーチが実に良かった。…って全員か(笑)。特に挙げれば田坂さんと秋池さんのが印象に残っている。

これが午前の部。濃いなぁ。メモ用紙が真っ黒だ(あまりメモ魔ではないボクにして)。

ランチはフレンチ。ホテルの大宴会場の丸テーブルに800人近く座ってのカンファレンスなので、そこにローカロリーな女性向きのフレンチがサーブされた。
そして、コーヒー飲みながらのランチョントークとして、伊勢崎賢治さん(元アフガニスタン武装解除政府特別代表)とマエキタミヤコさん(サステナ代表)のプレゼンがあった。伊勢崎さんカルテットのJAZZ演奏も楽しかったが、なによりも平和活動を紹介した内容がすばらしい。ちょっと圧倒される経験談。温室の知識ではなく野生の知恵がそこにある。そしてそれを受けてのマエキタさんの「HIKESHI」活動も実に刺激的(→興味ある方はサイトへ)

ここからが午後の部。午後の部は分科会が10本あり、最初の5本が16時まで。次の5本が18時まで。その後、ネットワーキングパーティへと続いていく段取り。

で、午後の最初の5本のうちのひとつ「ツイッターで動く消費と社会」のパネリストとしてボクも登壇させていただいた。
ファシリテーターに佐々木かをりさん(当日のブログ)。パネリストに石倉洋子さん(一橋大学教授:当日のブログ)、神原弥奈子さん(ニューズ・ツー・ユー代表:当日のブログ)、そしてボク。石倉さんはカナダからツイッター参加だったので壇上は3人。3人ともノートパソコン開いて、石倉さんのカナダからのツイートも紹介しつつ、パネルをしながらツイートしていく(#joseikaigi)という忙しいスタイル。ボクは壇上からほんの数ツイートしかしなかった(できなかった)けど、神原さんと佐々木さんはパネリストでしゃべりながら実況(いわゆる“tsudaる”)をしていた。すごいなぁ。ま、その分ボクはしゃべりを充実させようとそれなりに頑張ってみた。石倉さんもご準備が大変だったようで、上でリンクしたご自身のブログに裏話がアップされている。

話した内容などは少しずつこの「さなメモ」に書いていこうと思う。パーティで感想などをお聞きできた感じだと、まぁまぁ好評だったみたいでホッとしている。

というか、パネリストなんかで登壇しているのがもったいないくらい、他の分科会のパネリストや内容がすばらしい。プログラム一覧で確認してみるとよくわかる。たとえば藤巻幸夫さんとか福島みずほさんとか松田公太さんとかが分科会の1パネリストだもんなぁ…。「参加者の平均満足度が、1996年の第1回目から前回まで、毎回98%を超えるという類を見ない会議」とサイトに紹介されているが、さもありなん。

最後のパーティもかなり盛り上がっていた。名刺交換も100人くらいと。いろんな方とお話しできて楽しかった。

過去にカンファレンスを手伝ったりしてわかったが、女性は知らない同士でもすぐ仲良くなるので、女性が多いカンファレンスは盛り上がる。男性が多いカンファレンスはそれぞれ知らない同士牽制し合って盛り上がりに欠けてしまう。出席者の9割以上が女性というこのカンファレンスは、それはもう「あんたたち古い友人かい!」というような輪があちこちで出来るし、積極的にどんどん名刺交換なんかがされていて活気があった。女性は強し。そして勉強熱心。日本はこのパワーをもっともっと活用しないとモッタイナイ。

あと、講師控え室でお会いした講師たちがみんな「爽やか」だったのが印象的。
佐々木かをりさんの人脈がほとんどだと思うけど、みなさん「自分に爽やかに自信を持っている感」が共通していて面白かった。自分にしっかり向き合っている姿勢がそういう爽やかさを生んでいる印象。いい意味でさらけ出し、開き直っている。虚飾がない。そんな感じ。控え室で様々な方と話をさせてもらっただけでいろいろ人生を軌道修正させられた。

こういう「視点・視野を広げてくれて、その結果としてモチベーションと展望が生まれるカンファレンス」はとってもいいなぁ。講師の特典として来年もゲスト参加できるようなので、来年も聴きに行こう(実際、参加者の半数がリピーターらしい)。佐々木さん、ありがとう。

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夏バテか

2010年07月19日(月) 20:10:37

梅雨明けと同時にものすごい暑さになった東京。
この「急な暑さ」にちょっと参っていて、能率が上がらないどころか、眠くてだるくて死んでます。いわゆる夏バテか…。

この三連休、いろいろやるべきこと山積だったのだけど、無理矢理がんばって何とか4割仕上げるのが精一杯。あぁ3日もあったのになぁ。まぁ1日目は岩田さんの講演と花火大会でほぼつぶれてしまったとはいえ、あと2日もあったのに。

という後悔にさいなまれる連休最後の夜。なんかストレスがたまるのでゲームでもしたい気分。なんとなく Wiiのゼルダか、ファイナルファンタジーXII がしたい。ということで、迷った挙げ句 FF12。なんとなくこの戦闘システムが好きなので。久しぶりにやるなぁFF12。

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花火師はやめられない

2010年07月18日(日) 18:22:34

昨日は久々の花火師!(写真はボクの花火師姿。「のれそれ花火企画」の特注法被(はっぴ)を着てます)

数日前に書いたように、花火師免許(煙火打揚従事者手帳)を持っているので、年に数回、花火大会に出動する。ここ数年、タイミングが合わず行けなかったのだが、今年は行けた。品川区の戸越小学校サマーフェスタで揚げてきた。

ボクが所属している「のれそれ花火企画」は、小学校の先生をリーダーに、女性7割 男性3割くらいな構成の、全部で十数人の小団体。主婦花火師がコアメンバーという珍しい団体だが、アトホームでとても楽しい会である。花火師になったキッカケや、この団体に入った経緯などは拙著「人生ピロピロ」の中に一章さいて書いたが、そのうちサイトにも転載しようと思う。ちょいお待ちを。

で、戸越小学校。
校庭でいろんな催しが行われたのだが、その〆としての花火大会のオファーがあり、出動した。まぁボランティアである。

19時半から打ち揚げだったが、花火師たちは17時すぎには集合して、筒(打ち揚げ筒)を校庭に固定したり、ナイアガラの用意をしたり、観客席を区切ったり、いろいろすることがある(その前に消防署などに許可取ったり、玉を買いに行ったりももちろんある)。ボクは用事があって1時間ほど遅れたが、まぁ実際にはベテラン花火師であるリーダー(岡先生)がだいたい全部やってくれてしまう。残りのメンバーは彼の指示でお手伝い、という感じ。

昨日は男3人女4人の総勢7名体制。
3号玉を9つ揚げて、大盆花(連続花火)をひとつ揚げて、あとはナイアガラ、という小さな大会なので、人数はこれで十分である。

ちなみに3号玉は玉の直径が3寸(約9センチ)。打ち揚げると120メートル上空で直径60メートルの大きさで開く(参照)。間近で見ると大迫力。隅田川花火大会でも最大で5号玉。3号玉も多く使われる。そういう意味ではわりと本格的だ。

観客は200名以上いたかな。戸越小学校に入って来れなかった人たちも含めると250名超の人が見てくれた模様(なんか一応PTAのフェスタなので関係者以外立入禁止という前提があったみたいだけど、「地元です」とか「花火師の関係者です」とか言えば入れた模様。実際、鎌倉から来られた読者の方と中でお会いした。とはいえ入り口で止められて入れなかった方々も多くいた模様。すいませんでした。でも近くの戸越公園や塀の上から見れたみたいで良かったです)

ボクは数年ぶりの点火だったので、わりとビビった。
毎年の免許更新講習で「腕がなくなった」「頭が吹っ飛んだ」とか怖い話を聞かされるので、慎重に慎重に。 でも、点火した瞬間のあの快感はやっぱり何ものにも替えがたいなぁ…。

防護物を間に挟むとはいえ、筒の真横数十センチでの点火である。速火線(1秒で10メートル進む導火線)に火を入れた瞬間に「シュドバゴゴーーーン!」と筒で大爆発が起こる。耳をつんざく大音響(数十センチの場所だからね)。で、一瞬世界に静寂が訪れる。「死んだか? 死んだのか?」と思うくらいな爆発と静寂の落差。あれ?と思った頃に、遙か上空でババーーーーン!と花火が開くのである。それを文字通り「真下」で見る快感。これは何ものにも替えがたく…。その間ほんの数秒なのだが、揚げてる本人にすると数分にも感じられるような体験。

動画も載せておきます。
仲間が揚げてるのを撮ったもの。花火師以外立入禁止の区域から撮影。臨場感が感じられると思う。iPhoneで撮ったのでえらく縦長だけど、できれば拡大ボタン(YouTubeの動画右下)で大きくしてどうぞ。

そしてその快感にプラスして、小学生達の大歓声!
これがまた鳥肌もの。まずは岡先生のMCのもと、みんなでカウントダウン。これがカワイイ。で、打ち揚がるとこれまたワーーとかピーーとかギャーーとかすごい騒ぎに。まさか校庭でこんな本格的な花火が見られるとは思ってなかったんだろうなぁ…。

一番歓声が多かったのは、ラストにやったナイアガラ。
終わり頃になるとみんなナイアガラが流れているその真下に行きたがって、周りで引き留めるのが大変だった。これも動画を。ラスト前で小学生達が突進してきたので撮影中止して制止にまわった。だから、本当はラストで大音響で爆発するのだが、それは撮れてない。

あー楽しかった!
「のれそれ花火企画」は、この夏もう一回、8月28日夜に稲城市の若葉台公園で打ち揚げる予定(ボクも参加できるよう調整中)。まぁまた直前にお知らせします。

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久しぶりに花火を打ち揚げます

2010年07月16日(金) 8:40:32

お知らせです。
久々に「花火師出動」します(写真は2006年に打ち揚げた花火。花火をデジカメで撮るのは難しい!)。

ボクは花火師免許(正確に言うと煙火打揚従事者)を持っていて、花火の打揚に関われる。ここ数年、東京都の規制が厳しくなり、素人集団(「のれそれ花火企画」という団体に所属)に出動の機会がなかったのだけど、明日の夜、久しぶりに花火を打ち揚げます。

日時:7月17日 19時30分〜
場所:戸越小学校(東京都品川区豊町2-1-20)

「戸越小学校サマーフェスタ」というイベントですね。
まぁ3号玉を9発と大盆花、ナイアガラ2連、と、小さな小さな花火大会なのでわざわざ遠くから出かけていただけるほどではないですが、自分の頭上でバーーーーンと花が開くのを見られるのが規模の小さな花火大会のイイトコロ(3号玉で直径約60メートルの花になります)。気が向いたら是非。ちなみにボクは打揚場所にいるので客席からは暗くてわからないと思いますが、花火の法被(はっぴ)を着たヒゲ&赤メガネ男がいたら、たぶんそれ。 あと、素人集団と書きましたが、消防署や警察署への厳しい許可を受けたちゃんとした花火大会ですので安全も十分に考慮されています。


さて、昨日は二回目の「バレエの神髄」観劇だった(一回目の感想はこちら)。
岩田くん、昨日は相当気合いが入っていたようで、とてもいい踊り。終わってから楽屋に行っても「佐藤さん、ボク、今日、がんばりましたー!」と(笑)。この辺の素直なところが岩田さんの超美徳だなぁ。

ルジマトフに岩田さんが振り付けた「阿修羅」は、ボクがド頭の照明がよくないと指摘したことを受けて少し照明を変えてくれたっぽい。よかったよかった。あと、「カーテンコールとか、ルジマトフみたいに堂々と粘ると良いよ」と伝えていたんだけど(岩田さんはシャイで謙虚なのですぐ引っ込んでしまう)、昨日はわりと粘ってくれた。まぁルジマトフ的な「(いい意味での)自分大好き系カーテンコール」まではしなくていいけど、昨日くらい粘るのはとてもいいと思う。

終演後楽屋に行ったら、ちらっと「タオル一枚のルジマトフ」が見えた。ちょっとレア(笑)

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ジェイムズ・P・ホーガンが亡くなった

2010年07月15日(木) 8:55:04

星を継ぐもの (創元SF文庫)SF作家ジェイムズ・P・ホーガンが亡くなった。SF作家としては一番好きなひとりなのでショックだ。69歳。

好きなのはなんといっても「星を継ぐもの」の一連。いわゆるガニメアン・シリーズと呼ばれるもの(巨人たちの星シリーズとも呼ばれる)。「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」(そして10年おいて出された続編「内なる宇宙」)。

このシリーズにどれだけ夢中になったことか。何度読み返したか知れない。
これはボクの愛機を「ゾラック」と呼んでいることでもわかる(シリーズ中に出てくる人間的なコンピューターの名)。小野不由美さんもそう呼んでいると知ったときは震えた(その話はこちらで)。いまでもボクはメインマシンを心の中でゾラックと呼んでいる。これは死ぬまで変わらない。

他には「創世記機械」 が出色だ。この小説の考え方を基点にどれだけ夢想を膨らませたか。
「未来の二つの顔」「未来からのホットライン」「断絶への航海」「造物主の掟」「プロテウス・オペレーション」……。名作傑作がたくさんある。まぁハードSF作家なのでテクノロジー用語も多く、入り込むまで苦労するのだが、一度入り込んでしまったら巻を措く能わず。入り込みにくいという意味ではダン・シモンズと双璧だったけど、どちらも読み返したくなる本を書く。

最近SFを読まなくなったが(ダン・シモンズは再読しているが)、久しぶりにまたガニメアン・シリーズに帰って行こうと思う。ということで、しばらくヴィクター・ハントやダンチェッカー、そしてゾラックたちと一緒に暮らします。あぁ楽しみ。そしてこんな楽しみを与えてくれたJ・P・ホーガン、本当にありがとう。

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青年団「東京ノート」

2010年07月14日(水) 12:54:57

第17回BeSeTo演劇祭特別企画で、青年団の「東京ノート」を観てきた。@新国立劇場特設会場。
BeSeToとは「Beijing、Seoul、Tokyo」の頭文字を取ったもの。演劇人による国際文化交流の場である。

「東京ノート」は、劇作家・平田オリザさんの代表作と言われるもの。
1994年初演で、第39回岸田國士戯曲賞受賞。10ヶ国語に翻訳され、15ヶ国での公演している。オリザさんとは「国民と政治の距離を近づけるための民間ワーキンググループ」で一緒に活動して以来親しくさせてもらっているが、この作品を観るのは初めてだ。

会場は新国立劇場のホワイエというかエントランス・ロビーかな。
ゆるやかな階段をバックにした、天上の高い贅沢な空間に簡素なセットを置き、100席ほどの客席を作ってある。この作品の舞台設定が「フェルメールの展覧会をやっている美術館のホワイエ」なので、雰囲気も設定もピッタリ。奥行きも臨場感も完璧だった。特にボクはマチネで観たので、その特設ステージに外光が入り、本当に美術館のホワイエのようだった。作品の時間設定は夕刻なのでソワレでも雰囲気がいいと思うし、照明ワークも観たかったが、まぁマチネで満足。

題名からわかるとおり、小津映画「東京物語」をモチーフとしている作品。
今回の特別企画では日中韓3カ国として中国・韓国からも役者を招いて共演している(訳はうしろのモニターに映る)。ボクが観たのは純日本人版だが、中韓の役者が入るとまた違った趣きになったんだろうなぁ。なにしろ日中韓が戦乱のヨーロッパに共同の平和監視団を送っているという設定だし。

ちょっと無理して観に行ったのだが、観て良かった。
なんというか、人間って、日々触れ合っているようで、実は本当にはまったく触れ合っていない。自分の人生や社会にすら「当事者」になれずにいる。それを美術館のロビーという「場」を使って、見事に浮き彫りにした作品、というのが見終わっての印象。

誰も真剣に他人のことなど見ていない。家族ですらお互いを見ていない。見えていない。知っていたつもりでも知っていない。それは美術館のロビーでたまたま交錯する人生とそんなに変わらない。それを本質的なものとみるか現代における関係性崩壊の過程と見るかは人に寄ると思うけど、ボクは本質を描いたものと思った。望遠鏡のエピソードや「私をちゃんと見て絵を描いて」と訴える次男の妻の言葉にそれらが重なり、なんとも胸が苦しくなった。

台詞やエピソードがいくつも同時進行し、役者は観客に向き合わずボソボソ話す。そこに特設会場の雰囲気も加わって、観客はリアルに「美術館で垣間見られる他人の生をのぞき見る」という体験をする。まったくの「客観のぞき見」が行われるのだけど、ラストではいつしか登場人物と心の襞を共有している。無理矢理ストーリーの中に入らされるのではなく、1時間45分かけてゆっくりそこに入っていく感じがとても良かった。

劇中で「我々は絵を見ているのか、絵を描いている画家を見ているのか」という命題が出てきたが、自分は自分のフィルターを通して相手を見ているわけで、それは本当に「相手」なのか、それとも実は「自分」を見ているのかがちょっとわからなくなる不思議な感覚に襲われた。それだけでも収穫だったと思う。

あ、それと、なんてことない役なんだけど、女性弁護士が妙に心に残った。なんでだろう、薄い人間関係と、それを戸惑いつつ受け入れている人々の中で、逆に一番それに逆らって生きようとしているように見えたのかな。そんな素振りも台詞もないのだけど。

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ルジマトフ、岩田守弘、吉田都 「バレエの神髄」

2010年07月12日(月) 7:51:13

ルジマトフ、岩田守弘、吉田都らによるガラ公演「バレエの神髄」に行ってきた。@文京シビックホール

ガラ公演とは、バレエの有名な見せ場や有名ダンサーのダンスだけを集めて行われる公演のこと。
ボクはもともとガラ公演があまり好きではない。ストーリーがある全幕物の方が好き。バレエはダンスを含む「演技」で評価されるべきものだと思うので、ダンスの魅力のみを取りだして見せるガラ公演にはどこか違和感を感じる。とはいえ有名な場面をスターたちが踊るので楽しいんだけど。

今回は出演者がなかなか豪華。
「韓流スターですか?」という勢いで女性たちに人気があるルジマトフ。親友・岩田守弘。英国ロイヤル・バレエ引退後初の公演になる吉田都。キエフ・バレエのスター、フィリピエワ。キエフの若手注目株のドムラチョワ。演目もバラエティに富んでいて面白い。

第1部の最初の「眠りの森の美女」は、ちょい文化祭っぽい始まり。というかガラ公演のド頭っていつもそんな印象。場が温まってないのにいきなりサビから始まっちゃうので、どうしても唐突感と違和感がある。でもドムラチョワのダンスがとても良かったのが収穫。“決め”がきっちり止まって美しい。

岩田くんがソロで踊った「侍」は、実に安定感のあるもの。
今回のダンスを見て、なんというか「ギエムみたいなゆっくりさだなぁ」と思った。以前はキレとスピード感が特徴だったが、今回はすごくゆっくり見えた。ジャンプも回転も素晴らしいんだけど、ゆっくり見える。ギエムってどこか「踊ってるんだけど踊ってない」みたいなところがあるが、それに近い境地か。隅々まで余裕が見えている感じ。まぁ本人曰く「必死ですよ」らしいけど(笑)

「海賊」のパ・ド・トロワは、フィリピエワとシドルスキーとイシュクのキエフ3人組がとても良い出来。フィリピエワかっこいい。すげーカッコイイ。一気にファンになった。終演後、楽屋で握手してもらったくらい(笑)

そして、岩田くん振付の「阿修羅」をルジマトフが踊った。
これ、ボクは2回目だけど、前回とは大幅に印象が違った。すばらしい出来。終演後「振付かえた?」と岩田くんに聞いたら「全然かえてない。でも今回はルジマトフの集中力が異様だった」と言っていた。よかったなぁ。今回一番印象深かった演目。ルジマトフって手が長いんだけど、その手が変幻自在に動き、幽玄な雰囲気を醸し出している。彼のためにあるような演目だ。あえて言えばド頭の照明がトップからのダウンライトでない方がいいかなと思った。ルジマトフが変に太って見えて美しくないから。これは岩田さんに伝えた。

「ディアナとアクティオン」は、ドムラチョワと岩田くんの共演。
「ドムラチョワの運動神経がすごくて、ボクは何もやらなくて済むんです」と岩田くん。いやいや熱演だと思う。リフトが丁寧で良かったと伝えたら「リフトのやり方を教わったんです」とニコヤカに話してくれた。彼ほどのベテランでもまだ成長しようとしている。さすが。

吉田都が踊った「ライモンダ」。
もう、なんというか、正確で上品で可愛らしい吉田都ワールドをきっちり見せてくれた感じ。ただ、「ロシアバレエではない」なぁ。これは英国ロイヤルとの方向性の差かもしれない。でも満足。

第1部は以上だったけど、緩急ついたイイ構成だったと思う。飽きさせない。
で、第2部は「シェヘラザード」。フィリピエワとルジマトフとキエフの面々による全幕45分もの。これはちゃんと舞台美術があってガラっぽくない意外性があった。フィリピエワ、実にいい。彼女はまた見たいな。来日したら見に行こう。ルジマトフはカリスマ性が尋常ではない。一挙手一投足がセクシーで美しい。カーテンコールでは花束を異様な数もらっていた。

全体に楽しい公演だったが、あえて苦言を言えば、音響が悪かったのが残念。ガラは生演奏でなくテープが使われることが多いが、音が割れててちょっとひどい。

ちなみにこの公演、今日が大阪公演、14日に福岡公演をしたあと、15日に東京でフィナーレを迎える。席は多少余裕があるようだったので、興味ある方は是非。


終演後、岩田守弘くんとご飯。
バレエの裏話をいつもより濃く聞いた。ルジマトフと岩田くんのダンスの違いなどについても濃く。貴重な時間。サンキュー。

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また明日

2010年07月11日(日) 23:42:16

今日は朝早くに参議院議員選挙投票に行ったあと、昼過ぎからルジマトフ、岩田守弘、吉田都らによるガラ公演「バレエの神髄」を観劇に行き、その後、楽屋に岩田さんを訪ねていったら一緒にご飯に行くことになり、そのままずっといままで飲んでいた。まぁ iPhone とかで選挙開票状況は見てはいたんだけど。

ということで、今帰って来たばっかりだし、酔ってもいるので今日の更新はここまで。
選挙もワールドカップ決勝も現在進行形だけど、まぁ今日は寝るかなぁ。岩田さんとはルジマトフやバレエや政治の話を濃くした。ある「レアなゲスト」も参加して一緒に飲み、将来の展望なんかも話して面白かった。これらのことについてはそのうち書くかもしれないし、書かないかもしれない。内輪話すぎてちょっと公開できないかもw

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余韻が長い佳品 映画「パーマネント野ばら」

2010年07月08日(木) 7:47:37

とてもいい映画を観た。「パーマネント野ばら」
観ようかどうしようか迷っていたけど、友人の松井孝治さんに強く推されて出かけた。観て良かった。

美しい映画で、小さな町での小さな物語が淡々と描かれる。そこには生活のリアリティがあり、美しい風景の中の寂寞を見事に描き出している。この時点で監督の力量に唸る。

だが、終盤、この映画はガラリと姿を変える。
歌野晶午の「葉桜の季節に君を想うということ」を思い出した。あの本みたいにラストで大きく視点の転換が行われる。

いままで見ていた世界は実は全然違うものだったのだという気づき。
そしてそれは自分の人生や日常にも影響を及ぼし、「いま自分に見えている世界は本当に真の世界か」という疑問にまで発展する。

そんな余韻が長く残る佳品。
ラストは、主人公の娘の実在すら疑われてくる。どこまでが正しくてどこまでが間違いなのだろう。でも、それって、ある意味(自分が見ているようにしか見えないという意味において)人生そのもののことなんだよな、と思う。

西原理恵子の原作はまだ読んでいないが、終盤からラストに向けて一気に収束するストーリーは、たぶん映画という「タイムラインで進むパッケージ」の方が向いている。もしくは脚本・演出の勝利。

役者たちも実にいい。菅野美穂の受けの演技が本当に素晴らしい。絶品だ。夏木マリのリアリティもすごい。小池栄子と池脇千鶴の存在感も素晴らしい(小池栄子ってここまで出来るんだ、と驚く)。四草こと加藤虎ノ介もなかなか良い。ちょっと「川の底からこんにちは」を思わせる脇役おばちゃん軍団もいいスパイス。

家に帰ってベッドでひとりになってから、ひと場面ひと場面を愛おしく反芻した。
そして「自分に見えている世界」を検証しなおした。そうせざるを得ない気持ちだった。そんな映画めったにない。もう一度観に行こうかな…。

あ、それと、なんだか無性に「パリ、テキサス」を観たいと思った。

砂漠のどこかに、「パリ」は、きっとある。 そう、思う。

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最近の人気RTより

2010年07月07日(水) 8:21:47

ここ2週間くらい、ツイッターでRT(リツイート:引用してツイート)したものの中で人気だったものをご紹介しておこう。ちょうど1ヶ月前くらいにも「最近のおもしろ動画・美し動画」としてご紹介したけど同じ趣旨です。ちなみに以下のリンクは今後リンク切れが起きることもあるのでご承知置きを。

まずは一番の人気RTだったものから。
これは数日に渡って広がり続けた名作。デイリーポータルZの「アマゾンのフォト検索に挑戦する」。さすがデイリーポータルZ。笑えるなぁ。

同じくデイリーポータルZから「カメムシはパクチーの代わりになるか」
題名でだいたい内容わかると思うけど(笑)、これもなかなかの秀作。カメムシに嫌な思い出満載なのに思わず「食べてみたい!」と思ってしまった自分の好奇心がイヤ(笑)。ちなみにボクはゲテモノも大丈夫で、蜂の子やアリご飯なんかは食べられます。でもカメムシはなぁ…。ちなみにアリご飯(黒い丼飯と思ってください)はセミの味がしますw

ワールドカップ・ネタではまずは駒野。「コピペ:駒野なんて大したことはない」。いや、ほんと、がんばれ駒野!

一瞬、この写真もかなりRTされて世界が震撼した(笑)
「本田の肩にのってる手は誰のものですか?」。心霊写真だ! こえ〜!と大騒ぎに。 でも、しばらく後にこの写真がRTされてきて謎は解明。良かった良かった。

ワールドカップのある見方として秀逸な図表がこれ。まだ予選通過前の図ですね。これとかと見比べるとチーム名がわかる。今日現在では、オランダ(Nike)が決勝進出。ドイツ(adidas)とスペイン(adidas)が準決勝。ということで決勝は Nike vs adidas!

サッカーではモンティ・パイソンもRTされてきて久々にこれ見た。「哲学者サッカー & 1人レスリング」。モンディ・パイソンらしい名作。

これはツイッターやってる人しかわからないネタだけど。ツイッターってたまにサーバーダウンするですね。そのときクジラが出てくるんだけど、その代わりに…(笑)。大地が腐海(不快)で埋め尽くされる!

芸術系ではこの3つを。
まずは鉛筆アートをふたつ。どっちもすごい。「鉛筆の芯をベースにした彫刻アート」「鉛筆彫刻」。いやーすごい。

また、このさぬきうどんのイラストもすごい。ホントに絵かなと思わせるクオリティ。どうやら「彦江」のものらしいが(元写真と思われるものを見つけた人もいる)、制作過程の動画も公開されている。いや、それにしても思わず疑っちゃうほど高レベル。

これも芸術かな。昔の写真も定期的にRTされてくるけど、今回は江戸の写真。タイムスリップできるよね。

最後はネコで。
暑さでダラ〜。というか、いっつもダラ〜(笑)

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高田馬場、ビッグボックス裏の雀荘前にて

2010年07月06日(火) 8:46:26

昨日は早稲田大学の広告研究会で大学生を相手に講演。
広告を研究している人たちだけあって質問もたくさん出て、まぁ良かったと思う。

早稲田は母校だ。母校ではあるが、学舎(まなびや)というよりは遊び場だったなぁ。ちゃんと勉強しなかったせいでアタマの基礎体力が養われなかった。基礎体力がないから論の展開でも議論でもすぐ息切れする。もっと必死に寸暇を惜しんで勉強し、最低限の基礎体力は養っておくべきだった(後悔先に立たず)。

まぁ遊びまくったあの日々も無駄にはなっていない、という論もある。人生に無駄などひとつもない。
でも、たとえば麻雀なんかやっぱり無駄だったんじゃないかなぁ。麻雀が世界一面白いゲームであることは否定しない。教室より雀荘に籠もった時間が長かっただけのことはある。でも、あの若い貴重な時期にあれだけ膨大に時間を使う価値があったかと言われると、ノーかも。

そんなことを考えながら、講演帰りに高田馬場を歩いていたですね。
戸塚方面からビッグボックスの裏あたりを高田馬場駅に向かって歩いていたわけなんだけど、そしてその道を歩くのは大学卒業以来だからほぼ26年振りなんだけど、偶然、考えとシンクロして、当時籠もっていた悪の巣を見つけた(笑)

「ふじ」という名の雀荘である。
思わず足を止めてしまった。うあー、まだあったか! あれから26年ずっとあったか! ゲッ! 学割1時間120円! 相変わらずやっすいなぁ。確か約30年前にボクが通っていた当時、1時間90円だった記憶がある。約30年で30円しか値上がりしてない! なぜやっていける!

それにしてもここでボクはどれだけ若い時間を消費したことか。若い貴重な時間をじゃぶじゃぶと惜しげもなく使ってしまった…。うーむむむ。

……店前でしばらく甘い後悔と自己憐憫に浸った後、首を振り振り歩き始める。あーああ、あーああ、青春の日々よ(by ゆず)。そしたら続いて次々と懐かしい店名が目の前に! おお、「西武」! おお、「サン」!

そう、この2つも雀荘である。
たしか「ふじ」にまず行ってみて一杯だったら「西武」。そして「サン」と、その日によって行き分けていた気がする。「西武」はカレーが美味かった。「ふじ」では出前を異様にとって、壁に役満達成者と一緒に名前が貼り出された。ううむ、懐かしい。

他に通った雀荘は、渋谷の「96(クンロク)」とか大隈通りの「CoCo」という喫茶店の横の「フジ」(この店名が思い出せなかったのだけど、昨晩ツイッター上で教えてもらった。ありがとう)。「トキワ」とか「ナンバー1」とか「早苗」も行った気がする。なんだか懐かしいな…。

麻雀は本当によくやった。畑正憲の名著「精密麻雀」を精読し、打ち筋まですべてマネするくらい凝って打っていた。
でも、いま考えると「勝てない麻雀」だったと思う。なんかね、「汚い手で上がるのを嫌がるタイプ」だったし、「勝っていても(負けてる人に遠慮して)安い手で上がるような逃げ切りをしないタイプ」だった。見栄っ張りというか、きれいに勝とうとする。こういうヤツは絶対勝てない(トータルでは)。いまだにそういう甘さがあるな、と自分で思う。人生もトータルでは負けるだろう(笑)。まぁ汚く勝つより負ける方が好きだからいいんだけど。

ちなみに、後年、雀鬼畑正憲さんと雀卓を囲んだ。憧れの対局。もう死んでもいいと思った。勝ち負けなんか関係ない。とにかくムツゴロウさんから美しくアガることのみを考えて打っていた。

いまでも忘れない。345のタンヤオ三色。10巡目くらいに36筒(サブローピン)でテンパった。もちろんダマで待つ。捨て牌に迷彩は施せてないが、それでもピンズ待ちの匂いは薄め。場は南2局くらいで切迫してたのでムツさんもそこそこ慎重に打っていた。

ちょっと逡巡したあと、ムツさんからポロリと3ピンが出た。
落ち着け。上ずるな。と自分に言い聞かせ、低めの声で「ロン。タンピン三色です」と言う。心の中は「うはは、うはは、うはははははは」であった(笑)。ムツさんがさりげなく悔しそうな顔をした。あぁ冥土の土産が出来た!(笑)


とか、ものすごく久しぶりに麻雀の甘くて苦い思い出に浸っていたら、いつの間にかビッグボックス前に出た。

あぁここでキャラメルボックスは結団したんだなぁ、とか(この劇団とボクは無関係だけどなんとなく…)、スポーツロードはもうないのかな、とか、清龍はまだあるんだろうか、とか、ここにいると昔の仲間がぞろぞろやってきそうだ、とか、いっそのこといまから26年ぶりに新宿ゴールデン街に繰り出すか、とか、いろんな甘酸っぱい想いが錯綜する。

それにしても、大学時代、もう少し勉強しておけばよかったなぁ(結局それかよ)

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武者小路千家、そしてホフディラン

2010年07月04日(日) 17:55:00

昨日はふたつイベントがあったのだが、それがなんともギャップのあるもので。

ひとつめは武者小路千家の若宗匠である千宗屋さんによるお茶会「重窓 七夕の会」。
千宗屋さんとはご飯友達で、何度かご一緒したあと、彼の点てたお茶をいただいたこともある(そのときの模様はこちら)。ボクは不調法にして茶道のさの字も知らないのだが、彼はそんなこと全く意に介さず、静かに、そして楽しそうにおもてなししてくれたものである。

そのときにお招きいただいたのが、彼が麻布のマンションの一室に造ったお茶室「重窓」。
上記リンク先を読んでいただければわかるが、東京タワーを前にした静逸な空間である。そこにいろんなつながりのある方々を招いて午後4時から深夜まで彼が接待するという催し。

ボクは5時くらいにお邪魔したのだが、先客たちから順番にお茶室に招かれて一服いただく。
思い思いの格好のカジュアルな会ではあるが、懐紙も持たずに伺ったので多少恥ずかしい思いをした。やっぱり基本は知っておかないとなぁ。千くんに弟子入りしようかなぁ。

七夕らしく笹の葉さらさら。短冊にひと言書く趣向になっていたので、なんとなく「人生自適」と書いた。造語というか、そのときふと思いついた言葉。いま「自分にとっての自適とは何か」を日々手探りしている自分の気持ちがそのまま出たっぽいので変に考えずそのまま書いておいた。


さて、重窓を出てふたつめのイベントへ。
SHIBUYA-AX で行われるホフディランのライブである。お茶会からホフディラン。 静から動。静逸から騒楽。古典からポップ。侘び寂びからリッチ&エッジ。このギャップが逆に趣あり。

ホフディランの小宮山雄飛くんとはツイッターを通して知り合った。その経緯はここで書いた。
で、その後何回かご飯をご一緒し、たまにツイッター上で絡み合い、みたいな感じでおつきあいが続いているのだが、昨日は、彼とワタナベイビーのふたりでホフディランを結成してから14年目に当たる記念ライブ「14年の土曜日」にお招きいただいたのである。

DVD「13年の金曜日」は一通りみたのだが、ホフディラン自体はそんなにくわしくない。曲名と曲が一致するのは4曲くらい(笑)。でもね、もうね、昨日からいきなりファン自認。いいなぁホフディラン。明るくてキュートで適度にヘンテコ。とっても笑えるし。

昨日はゲストが、ゆってぃカジヒデキ(笑)
特にゆってぃが「キョーレツゥ! ちっちゃい事は気にするな! それ!ワカチコワカチコ~♪」とネタで絡んだ名曲「遠距離恋愛は続く」が良かった。サビの途中でゆってぃの「ワカチコ」が絶妙に入るコラボレーション(笑)。カジヒデキの「コジコジ銀座」絡みも楽しかった。

しかしホフディラン、ハッピーな曲が多くていいな。
「はじまりの恋」から始まったライブは、前半の早い時間に「恋はいつも幻のように」「遠距離恋愛は続く」「欲望」なんかをやって、最高潮は「サガラミドリさん」と新曲の「マナマナ」、雄飛がこけた「スーパードライ」。二回目のアンコールで「スマイル」や「ホフディランのテーマ」をやった。って、まだこのくらいしか曲を覚えてないけど(笑)、これから覚えていこう。


シンプルでいいじゃん。ハッピーでいいじゃん。
一見ギャップがありそうなふたつのイベント。でも通底しているものは一緒かも。なんか最近考えすぎな自分をいさめてくれるような流れだった気がする。

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志の輔らくご「ビギン・ザ・ビギン」

2010年07月02日(金) 17:59:21

昨日は午後3時から銀座で「志の輔らくご」を聴いた。@ル テアトル銀座

いつも正月に渋谷のパルコでやる大プラチナチケット「志の輔らくご」の銀座版である。題して「ビギン・ザ・ビギン」。銀座での独演会はほぼ初めて、ということで「ビギン」。そして銀座なので「ギン・ザ」と掛けて「ビギン・ザ・ビギン」らしい。ロビーや幕間にはいろんなアレンジのこの曲が流れていた。

たった6日間の公演である。その初日がラッキーにも手に入ったので、会社は半休することにして、友人たちといそいそ出かけた。つか、平日の午後3時って!

立川志の輔師匠が言うには、なんでも「銀座=午後3時というイメージがある」とのことで(笑)、そのうえ「3時から5時というのは一日のうちで一番中途半端で役に立たない時間」「その時間を有効活用していただけたらと思って」「午後1時からやると夜の部があると思われるし二度やるのも疲れる」「終わってもまだ6時前。会社を抜け出してきても素知らぬ顔して会社に戻って仕事ができる」「終わってすぐ銀座でご飯食べられるのもいいでしょ」などといろいろ言い訳しつつ、「それにしても、平日のこの時間に時間をあけられる人がこれほどいるとは…」と笑いをとった。もちろん超満席。さすがに若者・壮年は少なかったものの、それなりに全世代が散らばっていた。

独演会ではなく「志の輔らくご」(正月のパルコ公演と制作陣はまったく一緒)なので、前座もなく、最初から志の輔登場。
初日っぽいぎこちなさがありつつ、まずは「コブトリ爺さん」。これは新作落語のようで、調べたら先月にネタ下ろししたばかりのようだ(ロングバージョンを以前に演ったことはあるらしいが)。昔話のこぶとり爺さんを題材にした小品だがわりと味がある。ただ、いつもド頭からドッカンドッカン笑わせてくれる志の輔にしては大人しい感じ。

長唄と三味線を間に入れて、二席目は「新釈 猫忠」。
登場人物が多く、それぞれの心理描写が難しい噺だと思うが、見事に演じ分けて引き込まれる。笑いと泣かせが両方入った噺だけど、泣かせが少し物足りない印象。ここをグッと盛り上げて欲しかったところ。

仲入り後の三席目は「しかばねの行方」(原案:東野圭吾)。
東野圭吾著の「怪笑小説」という傑作短編小説集があるのだが、その中の短編「しかばね台分譲住宅」を膨らませて落語&講談にしたもの。これは十数年ぶりに演った演目のようだ。講談の釈台(前に置く小さなテーブル)と張り扇(ハリセン)が用意され、まずは落語と講談の違いを説明してくれ、バンバンバンッとハリセンで釈台を叩いて講談調の情景描写から始めるという珍しい展開。

まぁ元ネタが小説なだけにいろいろ説明が必要なので講談を取り入れたということだと思う。説明部分が講談なのでテンポが落ちないし、映像的な描写力も抜群におもしろい。「志の輔らくご」っぽい小道具サプライズもきちんと用意され、「あー面白かった!」とみんなが満足して帰れる〆だった。ただ、長時間の大ネタなわりに終わってからの余韻がわりと少なく、そこだけがちょっと残念な感じ。

志の輔の新作落語というと、正月に聴いた「志の輔らくご」の「踊るファックス 2010」の大爆笑や、この間の独演会の「バス・ストップ」の大爆笑、そして大笑いしたあとの「人間ってどうしようもないなぁ。でもいいなぁ。好きだなぁ」という人間の業の肯定(by 談志)の余韻の素晴らしさをどうしても期待してしまう。そういう意味においてのみ、ちょっとだけ物足りなかったかなぁという感想。いや、でも、十分笑わせてもらったのだけど。

落語終了後は、春に続いて再来日したばかりの岩田守弘くん(モリ)と待ち合わせて、18時から終電まで飲んだ。
彼はいつもモスクワから重い思いをしてお土産を持ってきてくれるのだが、今回のお土産も参った(笑)。その話はまた後日。

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立川志の輔 独演会 @よみうりホール

2010年06月21日(月) 12:29:11

昨日のさなメモ(「いい国に生まれたのだ」ということ)を書いたことで、一番励まされたのは自分かも。なんというか「日本に生まれ落ちてラッキーだよなぁ」という実感がひしひしと感じられ、昨日は一日なんともポジティブな気分。「小鳥さん」と並んで毎朝思い出して口にする習慣にしようかと思うくらい。

ということで、昨日はただでさえもニッコリニコニコな気分だったのだが、なんと志の輔の超プラチナチケットを友人から譲っていただき、テンションMAXに。いま一番おもしろい落語家である。

13時の回だ、ということで、ニッコリニコニコ、有楽町のよみうりホールへ。
ところが、行ってみたら友人が「違った! 16時の回だった!」とおっしゃる。あはは。じゃぁ3時間つぶさないとねー、とニッコリニコニコ銀座に出て、ちょうど時間が合った映画「RAILWAYS」を観た。主人公(中井貴一)の年齢設定がボクと同じ49歳で、彼が小さいころの夢を叶えるために転職して電車運転手になる、という物語。そう、この「50歳前」っていろいろ迷うんだよね。身につまされる内容だったこともあってちょっと観たかった映画だけど、これ、予想以上に良かった。奈良岡朋子がすごかったし。またそのうち感想を書くと思う。

で、見終わって、よみうりホールへ。
志の輔志の輔志の輔! もう笑う準備満タンだ。

演目は、こんな感じ。

立川志の彦「転失気」
立川志の輔「バス・ストップ」
 (仲入り)
藤木勇人「沖縄のおばあ」
立川志の輔「大名房五郎」

いやぁ、笑った笑った。やっぱり今一番笑わせてくれる落語家であるのは間違いない。まぁ会場の暖まり方も抜群で(冷房は効き過ぎだったけど客は前のめりで笑いに行っている)、前座の志の彦のたどたどしい噺にも笑いがどんどん出る。そんな空気の中、志の輔が名作「バス・ストップ」をやるのだもの、そりゃドッカンドッカン笑いがくるわけで(志の輔自身の解説がここに載っている)。いや、ホント、笑った。

藤木勇人って志の輔の弟子だったんだねぇ。彼の沖縄噺はのんびりしていてわりと好き。ここでいい感じに空気が緩んで、続いて「大名房五郎」。はじめて聴いたネタだけど、まったく「さすがなもの」という感じ。ぅうまい! 多少、よろず屋のキャラクター造型が浅いかと思った以外はとてもいい落語だったと思う。

終わって、有楽町のガード下で同行者たちと一杯。次はどの落語へ行こうかと鳩首凝議。最後までニッコリニコニコな一日だったですね。

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龍馬マニアだった高校時代

2010年06月15日(火) 21:11:13

高知での二日間の講演を終え、東京に帰ってきた。

月曜日は高知新聞の勉強会。火曜日は高知広告協会。
特に一日目の高知新聞は、約2時間の講演、その後の若手との懇談会、その後、お酒が入っての懇親会、若手との二次会、と、約8時間くらいいろんな話をさせていただいた。ボクが得た経験やスキルなんかでよろしかったらどんどん絞りとって使ってくださいw

高知は人生で10回目くらいかなぁ。
高校時代に幕末マニアだったワタクシ(中学時代は戦国マニア)。特に坂本龍馬に懲りに懲り、写真のような分厚い1000ページの本も買った(本の横は名刺の箱。大きさの比較のために置いてみた)。

これ、当時のお金で2万円の本。高校時代だから32年前くらい。当時の高校生の2万円っつうたら超巨額である。小遣いを貯めに貯めて、横浜の相鉄ジョイナスの栄松堂書店で手を震わせながら買ったのを昨日のことのように覚えている。店員のおねえさんのちょっと驚いた表情(に、にまんえんになります)も覚えている。

この本、単なる資料集なんだけど(1000ページ分、古文資料ばっかり)、こんな本を買って毎晩眺めて悦に入ってるくらいは龍馬が好きだったんですね。だから高知にも当然何度か「聖地巡礼」に行った。まだ龍馬ブームなんかになってなく、龍馬記念館なんてものもなかった時代。ボクがあんまり好き好き言うもんだから、友人とか龍馬グッズを見つけてはプレゼントしてくれてたくらいである。

まぁそういうボクにとって、今の福山龍馬ブームは多少複雑な感じ。実は毎回欠かさず大河ドラマ「龍馬伝」は観ているのだけど、なんとなく、この「ボクが大好きだった、高校時代の甘酸っぱい思い出でもある坂本龍馬について、あまりにもたくさんの人が語っている感じ」に馴れない(笑)。

高知はいまや町中が龍馬、龍馬、龍馬であった。どんな商品にも龍馬の名前が冠してある。…まぁ仕方ないよね。でも、なんとなく知らん顔して帰って来たワタクシ。なんだろう、この「一緒に踊りたくない感じ」は(笑)。 まったくもってひねくれものである。

ま、それはともかく、高知でお世話になった方々、ありがとうございました! 実に楽しかったっす。8月の本場の「よさこい祭り」も行きたいなぁ。行けるかなぁ。

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YOSAKOIソーラン祭り、審査終了

2010年06月14日(月) 11:44:17

仰せつかっていた、YOSAKOIソーラン祭りのファイナル審査(パレード部門)、無事に終了した。

今年は審査員も増え、ファイナルは20名(パレード10名、ステージ10名)。審査方法も大幅に変更があり、参加304チーム(!)の中からファイナルに残った10チーム(+去年の大賞チーム1チーム)の演舞を見て、1位2位3位を決めて提出する、という方式である。去年までは全チーム10点満点で採点していたが、今年はよりシンプルに。

採点基準は「演舞・表現にオリジナリティがあり、観る人の心に感動と元気が届けられたかどうか」。
去年まではいくつか基準項目があったのだが、これもシンプルにこれひとつ。

思えば5年前、初めてこの祭りを見て感じた違和感を、YOSAKOIソーラン祭りフォーラムのパネリストとして率直に話したのがこの祭りとの“縁”の始まりである(このとき)。他にもそういう意見が多かったのだろう。毎年いろんな改良が重ねられ、5年でここまでシンプルになった。顰蹙かいながらでも直言して良かったかも、と思う。確実にいい方向になっていると思うし。

お馴染みのメンバーの中ではウメケンくんとご飯を食べたときにご一緒した青野さんも審査員。メールで質問されたけど、この審査員、報酬ゼロである(札幌までの交通費と宿泊費は出る)。まぁ来て楽しめるだけでラッキーなので報酬なんかいらないのだけど。

今年の「YOSAKOIソーラン大賞」は「夢想漣(ゆめそうらん)えさし」という北海道枝幸町のチームだった。
このチーム、3年前に旭川での講演(これ)を聞きに来てくれ、熱心にいろいろ討議した。それ以来チーム演舞に改良を重ねられたらしく、大賞の初受賞は我がことのようにうれしい(審査にはもちろん私情はいれないが)。リーダーの石岡さん、喜んでいるだろうな。他を圧する演舞で、今回はわりと点差が開いたトップだったのではないだろうか。素晴らしかった。

他に以前より好きだった北海道大学“縁”や、市立船橋高校もファイナルに入っていた。このあたりのチームはこの祭りの原点に近い演舞だと勝手に感じている。結果を一応ここに載せておこう。寸評は控える。

大賞
 夢想漣えさし
準大賞
 新琴似天舞龍神
 平岸天神
優秀賞(チーム番号順)
 GOGO'S & クワザワグループ
 コカ・コーラ札幌国際大学
 JCB夢翔舞
 関西京都今村組
 藤・北大 & ホンダカーズ札幌
 江別まっことえぇ & 北海道情報大学
 北海道大学“縁”
 市立船橋高校吹奏楽部THEヨサコイ

ボクはパレード審査だったのだが、パレードの出来とステージの出来が極端に違うチームがわりとあり、その辺も得点の違いに出たと思う(審査員が違うから)。パレードであんなに良かったのにステージだとイマイチとか、その逆とか。でも、パレードは審査していて楽しかったな。この選りすぐられた11チームが次々と練り歩いてくるパレードは、世界でもトップクラスのクオリティと熱気である。マンハッタンのパレードなんか目ではない。特に審査員席の前での演舞には熱が入る。役得(笑)。そして眼福。

さて、楽しかったお祭りもこれでオシマイ。祭りを仕切った学生さんたちも、本当にお疲れ様でした。
今日は高知。これはいま、羽田でトランジット中に書いている。YOSAKOIソーラン祭りの札幌から、よさこい祭りの本場である高知に向かうのも何かの“縁”を感じる。高知では月曜火曜と講演。がんばろう。

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YOSAKOIソーランでもツイッターでつながった

2010年06月12日(土) 17:51:44

YOSAKOIソーラン祭りのファイナル審査員をするために札幌に来ている。

審査員をやるのも今年で4年目(去年一昨年一昨昨年)。
5年前にひょんなことから縁が出来たこのお祭り。まさか毎年こうして札幌を訪れることになろうとは夢にも思わなかった。会社の仕事ではなく、まったくプライベートでの審査員業務。祭りというイベントも、踊りとか演舞とかの知識も特にはないのに、なぜか深く関わることになった。まさに「縁」なんだろうなぁ。

ここ数年、曇天&雨がちで寒かったこのお祭り。今年はスカッと晴れて日なたは暑くて大汗かくくらいである。
とはいえ日陰にはいるとそこは札幌、湿気もなく涼しくて実に気持ちいい。昼すぎにこちらについて大通公園会場でいろんなチームの演舞を見ているが、たまに芝生に寝っ転がったりしてこの気候を楽しんでいる。あー、ストレス抜けるー。

去年の今頃はまだツイッターを本格的にはやってなかった(アカウントは持っていたが)。
今年からはツイッターをちょこちょこやりながら、演舞を観ている。これはこれで楽しい。場の共有と時間の共有が。

今日はね、まず「千歳から札幌への移動中の電車で隣に座った若者」からツイートされた。「電車内ではお隣の席どうもでした!」と(笑)。隣に座った若者が iPhone でツイッターやっているのは見えていた。そうかキミか(笑)。つか、ツイッターで書くくらいならボクに直接話しかけろよな(笑)

そして、なんと、高知県の尾崎正直知事(@masaozaki)ともつながった。
どうやら公務でこの祭りに来られていたらしく、知事とボクを両方フォローしている方(@jzzjvivi)が双方にツイートしてつないでくれて、なぜか知事とツイッター上でお話することに。 お互い見ず知らずなのに「夕刻には高知で仕事があるため、あまり時間がないのが残念。すれ違いで残念です」「ボクも一度お話したかったです。月火は高知へ行きます」みたいな会話をツイッター上で。

今回は札幌でも高知でもお会いできなさそうだけど、そのうちお会いできるかも。
って、今の今までほとんど知らなかった方なんですけどね(失礼!)。そういう方と場所と時間の共有感でパッとつながってしまうのが、良くも悪くもツイッターである。

そういえば今晩、モリ(TEAM NACSの森崎博之くん)とご飯するのだが、そこにもツイッター上でつながった方がゲストで来る。楽しみだ。

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最近のおもしろ動画・美し動画

2010年06月11日(金) 8:32:05

昨日発売の拙著「極楽おいしい二泊三日」(内容についてはこの日参照)ですが、アマゾンではいきなり品切れになってしましました。ありがとうございました。でも週末と来週頭に補充されますので、予約よろしくお願いします。楽天ブックスbk1はまだ余裕があるようです。

「出版ブルー、私もなります」と、物書き業の方々からいろいろと。
中には「私は書いているときから精神的にだけでなく身体が拒否反応。汚い話で恐縮ですが下血と軽い吐血までしてしまいました」という方も(!)。

2ヶ月前に最新刊「年収100万円減でも一生豊かに暮らす方法」を出された黒野修資さんも

さとなおさんの(以前の)出版ブルーに関するブログを読んで、本を出版するまでは「うれしい以外、どんな感想があるんだろう?」と、いぶかりましたが、見事に僕の出版ブルーも2度ともひどいものでした。現状、発売から2ヶ月になりますが、未だにあまり立ち直れていません。というか、羊抜け(「羊をめぐる冒険」のあれですね)状態となり、僕の中から黒野修資がいなくなってしまっているようです。ブログですら文章が書けなくて困っています(笑)。
とメールをいただきました。
同病相憐れむ。いろんなメールを読んで、逆に少し元気になりました(笑)。おかげさまで出版ブルーを抜けられそうです。


ついでに、今日は、もっと元気になれるおもしろ動画や美し動画をここに格納しておこう。ツイッターでRTしたりして好評だったもの。何度も見て、もっと立ち直るっ!

「付箋を使い教室でスーパーマリオを再現してしまった動画が凄い!」
これは努力賞だなぁ。センスもすばらしい。

「RYUKYUDISKO feat.BEAT CRUSADERS NICE DAY」
このPVは傑作。なんかチカラ出る。

「昭和10年頃の日本カラー映像」
美しすぎて溜息が出る。

「大物監督にコケる芸を習う」
最後の正調コマネチ動画が笑えて笑えて。というか傑作インタビュー。

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お知らせなど

2010年06月04日(金) 9:28:47

いきなりですが、今晩23時からNHK教育「芸術劇場」でアナニアシヴィリの「ロミオとジュリエット」放映します! 岩田守弘さんももちろん出ます。ぜひご覧下さい。当日のボクの感想はこちら

お知らせついでにもうひとつ。
「my Japan」というコンテストの審査員をしています。「学生が日本の良さを表現する」というコンテストで、テーマは「ガイドブックにない日本の良さ」。CM部門とインタラクティブ部門があります。ボクが審査するのはインタラクティブ部門。佐藤尚之賞もあります(笑)。インタラクティブ部門の〆切は6月26日(エントリー〆切は19日)。ふるってご応募ください。

こういう漠然とした広いテーマの場合、わりと「自分の視点」に固執してしまってひとりよがりの作品になりがちなんですよね。それではヒトに伝わらない。まず「伝えたい相手」を決め、その人の顔を具体的に想像しながら、その人だけのために作ってみると意外とうまく行くと思います。がんばって!

ついでのついでにもうひとつ。
佐々木かをりさんの「イー・ウーマン」が企画・運営している「第15回 国際女性ビジネス会議」にパネリストで参加します。7月24日(土)にある大きなカンファレンス。女性だけが話すのかと思ったら、男性も多いんですね。ただ、会場は女性だらけなのだと思われ。いまから少し緊張してます。だって聴衆が女性ばっかりって…。とりあえずまだ参加募集中みたいなのでよろしくお願いします。

ついでだからまだ言うぞ。
来週末に札幌で行われる「YOSAKOIソーラン祭り」のファイナル審査員(パレード審査担当)として札幌に行きます。
土曜日曜(12日13日)と大通公園会場をうろちょろしていると思いますので、もし見かけたらお声かけください。声をかけにくい風貌をしているらしいので、多少勇気がためされる場合もありますが(笑)。よろしくお願いします。

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素晴らしかった、サロネン/ハーン/フィルハーモニア

2010年06月03日(木) 9:29:10

鳩山首相辞任でいろいろ慌ただしい昨日だったが、夜は楽しみにしていたコンサートがあった @サントリーホール

サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団。ヴァイオリンはヒラリー・ハーン。
噂というか評判だけは聞いていた指揮者のサロネンも、ヴァイオリンのハーンも、ボクは初体験。そういう意味では先入観なくフラットに聴けたのだが、いや~、素晴らしかった。さっそくアマゾンでCDをいくつか購入。いいなぁ、サロネン。いいなぁ、ハーン。

お目当ては、映画「オーケストラ!」でも盛り上がったチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
あの感動があったばかりなので特にこの曲を楽しみにしていたのだが(サロネンって主人公のアレクセイ・グシュコブにも似ているし、ハーンもなんとなくメラリー・ロランに似てるし)、これが実に美しく優しい演奏。出だしのソロでいきなり涙が出た。

ものすごく優雅でキレイで清楚なチャイコフスキー。ロシアというよりスイスかオーストリアの湖上にいるみたいなさわやかさ。
そういう意味では、情念や疾走やドロドロが足りないとも言えるのだけど、これはこれだなぁ、と感心して聴いていた。土の匂いがしないチャイコフスキー。圧倒的な技術と表現力で力技でこちらを納得させてくれる。フィルハーモニアのバイオリン群も見事。あくまでも美しい。特に高音の響き。しばし陶然。

ちなみに演ったのは、

サロネン:ヘリックス
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
 ハーンのソロ・アンコール
  イザイ:メランコリア
  バッハ:ジーグ
シベリウス:交響曲第2番
 オケ・アンコール
  シベリウス:メリザンドの死
  シベリウス:組曲「カレリア」より行進曲風に

1曲目の「ヘリックス」はサロネンの自作自演。複雑な印象の楽曲だが、遠近感があって美しい演奏だった。
シベリウスの「交響曲第2番」は、ボクが知っている中では一番骨太というか、雄大な演奏。これは逆に遠近感やメリハリというより、面でぐんぐん迫ってくる演奏。分厚いバイオリン群。特に第一楽章の美しさと終楽章の迫力は印象的だった。クラリネットのおじさんが優しい音で中盤を締めていたのも良かったなぁ。サロネンはそれぞれの楽器の爆発をきっちり受けとめてまとめきった印象。上手だしパワフル。さすが。

でも。メインのプログラム曲よりも、実はハーンのアンコールとオケのアンコールが一番印象的だったかも。
ハーンがアンコールでやったバッハの「ジーグ」。素晴らしいのひと言。口あんぐりして見てた(笑)。フィルハーモニアがアンコールでやった「メリザンドの死」。なんという美しいピアニシモ。天上の音楽……。


鳩山首相辞任もあり、昨日は考えることが多かった1日だったので、曲を聴きながらいろんな想いに耽った。こういう時クラシックってありがたいな。ノッてわくわくするライブもいいけど、深く自分に入っていけるこういう時間も貴重。いい時間だった。

あ、そうそう、この前のユンディ・リに続いて、吉田秀和さんが近くにいらした。同じ空間で同じ曲を聴けるなんて本当に光栄。そして「今までの人生をもう一回分」ということを確認できたのも、誕生日翌日としては良かったと思う。

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ステキ盆栽

2010年05月26日(水) 7:32:27

以前、大人の遠足をしたときに、一緒に行った後輩(30代女性)が盆栽をやっていると言うので、へぇ〜と思っていろいろ訊いていたら、「盆栽教室というのがあるんですよ。ご一緒します?」と誘われた。思いも寄らぬ流れには乗ってみろ、がモットーなワタクシでもあるので、そりゃもう乗るわけです。で、複数人で月に一回通っているというその盆栽教室に昨晩参加してきた。

それは小さなグリーンショップ。陶器やら小物やらも売っている。全体にセンスがとてもよくモダンな店。「盆栽」という言葉から連想されるようなジジ臭さはまるでない。店主の作った小品盆栽もたくさん飾られている。なるほどー、盆栽っていろんな形態があるんだなぁ。こういうモダンな盆栽もあるんだ…。

昨晩は生徒が4人。店主とその娘さんが教えてくれる。
植物も土もハサミやヘラも苔もお店が用意してくれる。それだけでなく、鉢もその日の植物に合わせて作家に特別に焼かせたものだと言う。昨日のは久田貴久さんという作家さんが焼いた黒い鉢。とてもよい感じ。

教材はクレナイという山アジサイだった。長くこのメモを読んでくださっている方はよくご存じだと思うが、アジサイはボクが一番好きな花。それが盆栽初体験の教材になるなんてそれだけでもラッキーだし、何か縁を感じるなぁ。

ちゃんとプリントが用意され、最初は山アジサイの説明から始まった。
その後、教材である山アジサイと下草のアサギリ草から古い土を1/3くらい取り除き、鉢の中に置いてみてレイアウトを決め、鉢底を設えてから用土(赤玉土と鹿沼土)を盛り、お箸を刺して根と馴染ませ、砂苔を貼り付け、ヘラで整え、などをして、あっと言う間に完成。特に剪定はせず、そのままの姿を楽しむ感じのものであった(剪定は開花後すぐにしてもいいが、このアジサイは必ずしもしなくていいとのこと)。

砂苔がかわいい。下草のアサギリ草の触感もいい。山アジサイも、このクレナイという種類は咲き始めは白で、その後、ピンク→赤と色が変化していくらしい。楽しみだ。

水遣りや日当たり、肥料や植え替えなどの注意をいただき、1時間半ほどで終了。授業料はすべて込みで7000円前後。鉢なども込みだからまぁ安いと思う。短い時間だったけど面白かった。グリーンショップで鉢植えを買うことはよくあるが、こうして自分で丹精すると向き合い方が違ってくるな。写真はボクの初作品。高さは30cmくらい。かわいい(笑)。よしよししたくなる。

盆栽って小さめの鉢にして根の成長を抑えるのがポイントなんだな(背が伸びない)。そんなこと考えたこともなかったけど言われてみればそうだ。他にもいろいろやってみたくなる。豆盆なんかも面白いかも。次回の授業のテーマは「苔玉」だとか。これも楽しみ。作ったら母親にプレゼントしよう。

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元気ロケッツ

2010年05月25日(火) 9:29:23

元気ロケッツのライブを見てきた。@六本木ヒルズ・アリーナ

ライブと言ってもたった30分だし、3D映像を見るだけなのでリアルではない。
というか、「元気ロケッツ」自体がリアルな存在ではなく(WikipediaYouTube)、架空の人物である「Lumi」がボーカルとしてフロントに立つ音楽プロジェクトであるだけに、ライブと称していいのかどうかもわからない。知らない人が見たら3Dプロモーション・ビデオ発表会と思うかも。

ただ、3DフルCGの新曲PVは世界初だそうだし、映像はソニーの最先端3D技術を使った3D対応280インチ巨大LED。そこに話題の元気ロケッツの渾身の新曲PVが流れると言われると、なかなかそそられる。最先端を知っとく意味でもこりゃ見とかんと!

会場は入場無料。ソニーの「dot park」というイベント会場だ。入り口で3Dメガネが配布され、ライブ開始5分前くらいにスクリーン前に立った。全部で200人弱くらいが立っていただろうか。音に反応して色が変わるサウンドボールも配布されていたが、最後の方で入ったせいかボクの分はなかった。まぁでもサウンドボールを手に踊るほど若くはないからまぁいいか(笑)

結果から先に言うと、見て良かったな。
楽しい。キレイ。音楽もいいし映像もいい。PVだからストーリー的制約もなくやりたい放題。かなりの力作。逆に言うと3Dってこのくらい力入れて作らないと見ていてつまらないんだろう。映画「アバター」がそうだったように、優秀なクリエーターが全力で向き合ってようやく見るに足るレベルになる感じ。もうボクたち現代人はたいていのことでは驚かなくなっちゃっているので、単なる「飛び出す映像」というだけでは何にも感じない。それを超える何かが必要。そういう意味では、アーチストが手を抜かずに楽しんで作った映像で、3Dという手法を超えた何かがあったと思う。手法に魂入れるのはやっぱりクリエイティブの力。

細かい話になるが、文字の使い方が面白かった。歌詞をなぞって英語が3Dで浮かび上がるのだが、その使い方が意外と効いている。映像を無理に3Dにしなくても、文字だけで何かするのもありなのかもとちょっと思った。現場でリアルタイムにツイートした言葉がそのまま3D化されて次々浮かび上がるとか、ニコ動的な使い方するとか、意外と面白いかも。

いま現在の最先端3Dをちゃんと体験できるという意味で、見て損しない映像だったと思う。元気ロケッツの新曲もかなりいい。もっと見たい。現場の感じはこの動画この動画で少し味わえる(別の場所でのライブだし3Dではないけど)。宇宙服DJが出てきて映像とコラボする感じとか。

つか、5日間しかやらないイベントのようで、今夜が最終だとか。今日は18時20分から。最終日で混むかもだから、見るならちょっと早めに行って並んだ方がいいかもね。

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映画「第9地区」

2010年05月24日(月) 9:03:07

先週、ピーター・ジャクソン製作の映画「第9地区」を観てきた(監督は弱冠30才のニール・ブロムカンプ)。

かなりの前評判だったし、劇場で観た予告編も良かったので早く観たかったのだけど、「息もできない」やら「川の底からこんにちは」やら「オーケストラ!」やらを(上映時間のタイミングなんかもあって)先に観てしまった。まぁどの映画も良かったのだけど。でもこの映画は特にずっと気になっていた。そんな感じで「第9地区」への期待はずんずん高まっていったわけである。

で、ようやく観られたわけだが、これが、高まりきった期待を軽く超える激おもしろ映画だったのだ。

笑いや感動があるわけではないが、なんというか、観客の引きずり回し方が尋常ではない。観客の「こうなるだろうな」という予想を次から次へと裏切っていく。「未知との遭遇」や「遊星からの物体X」みたいな印象で始まって、途中ではパンデミックものかと思わせておきながら、どんどん予期しない方向に流れていき、「ダイハード」風味や「アイアンマン」風味にすらなっていく。そして最初はまったく思い入れできなかったイヤミな主人公や醜い異星人も、最後にはわりと好きになっていたりする。異星人の子供にいつの間にか萌えている自分がいたりする(笑)。うーむ、うまい…。

まぁなんでこうなるんだ的シーン満載ではあるのだけど、そんなのどうでもよくなる力技。少しベタッとしたドキュメンタリー風の映像もうまく合っているし、このドキュメンタリー手法自体がこの映画を成功させている。ピーター・ジャクソンが監督をした「ロード・オブ・ザ・リング」を彷彿とさせる映像リアリティと相まって、初めてリアリティを持って宇宙人との共存を考えさせられた映画ではないか。わずか3000万ドルの製作費とはとても思えないなぁ。

食欲をなくす部分もあるし、グロい殺人シーンが多い映画でもあるので広くオススメはできないが、そういうの大丈夫な方は「すぐ行け!」である。というか、ボク自体が観に行くのが遅すぎたのだけど。

ちなみに、最後の最後まで疑問に残ったのは、二次感染問題かな。主人公はいろんな人に接触したし、それをドキドキさせつつ描いたのに。まぁ深く考える映画でもないのだけど。

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悪いのはみんな萩本欽一である

2010年05月23日(日) 18:36:04

自分の企画書と他人の企画書をガッチャンしてひとつにまとめているんだけど(プレゼンテイターはボク)、内容的には組み上がっているのに、どうにも違和感があって気持ちが悪い。うう。デザインは全部ボクのに合わせたんだけど、細部のテイストが合わせても合わせても合わない感じ。やっぱこういうのは最初から全部作らないとダメなんだなぁと溜息ついてしまうボクは完全主義者(笑)。今から一から作り直すか…。

ということで、今日も今日とて丸一日かけて企画書つくったり書き物したり新しいプロジェクトを構想したり、ずっとMac前でシコシコやっていた。やってもやっても終わらない。作業山積。まぁ自分で作業を増やしているんだけど。

話は変わるが。
先週見た動画で一番印象に残っているのは、『悪いのはみんな萩本欽一である』というテレビ番組の動画であった。

YouTubeで全編見たのだけど(あえてリンクしません。お探し下さい)、実はこれを見てはじめて「日本のお笑い」が理解できた。「お笑い」というか「日本のバラエティ」かな。あー、そうかー、こういう流れになっていたのかー、だから今こうなっているのかー、なるほどー。 いろんなところで目から鱗がポロポロと落ちた。そして、(当時の)圧倒的なテレビの影響力により、バラエティはどこか日本人の心性までも変えてしまったんだなぁみたいな実感も。

この番組で語られたことは、「お笑い」や「バラエティ」のファンやウォッチャーや研究者の間では常識的なことなのかもしれないけど、初めて全体を俯瞰できたというか、頭をクリアに整理できた。雑然となっていた自分の脳味噌の中のノートがきれいに清書できた感じ。自分の中では、ことは「バラエティ」に終わらず、「お笑いCM」の流れとも重ね合わせていろんなことが氷解した。パタパタパタとドミノ倒しみたいに頭の中の疑問点が解かれていく。あぁ気持ちよい。

そして、すべてのクラッシュの根っこに萩本欽一がいる。
この「テレビのバラエティが顰蹙を買い続けている原因を作った犯人は、萩本欽一である」という視点と断罪がこの番組のスゴイところ。BPO(放送倫理・番組向上機構)の発表を受けた、一見真面目なつくりの番組なのだが、ちゃんとバラエティに昇華されているのも舌を巻いた。出演者の三宅恵介さんと土屋敏男さんと太田省一さんの分析も鋭かったし、是枝裕和監督の構成・演出も淡々としていて良かった。

こんな番組をさりげなく作っちゃうあたりが、テレビの凄み。こういう大人の鑑賞に堪えるバラエティをもっと作って欲しいなぁ。でも、萩本欽一が壊しちゃったんだよね(笑)

それにしても…、コント55号、もう一度ちゃんと見たい…。全盛期のビデオはほとんどテープに残されてないらしいが、ちょっと残ってるのを見るだけで異様におかしい。小学生時代に見たいろんなコントがよみがえる。あぁ見てえ。

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映画「オーケストラ!」

2010年05月21日(金) 12:29:12

前から観よう観ようと思っていたフランス映画。ようやく観られた。@シネスイッチ銀座

ボリショイ劇場の清掃員をしている元天才指揮者が、ボリショイ交響楽団と偽って昔の仲間と偽のオーケストラを結成し、嘘をつき通してパリ公演を行うという企てをする。そして彼が演目のソリストに指名したのは…。そしてその本当の目的とは…。

まだ公開中なのであまりストーリーを明かせないが、まぁこんな感じのストーリー。
でも、なんというか、ちょっと思っていたのと違ったかなぁ。あり得ないシーン満載で、わりと日本人にはウケないタイプの、センスが古いコメディだったのだ。

でもね、そんなことは実はどうでもよくて、「ラストで怒濤の泣かせが来る」というのがこの映画のすべて。そうらしい、とは事前に聞いていて、予期して身構えていたんだけど、これは実に暴力的。やられた。見事に泣かされたw

まぁ曲がチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」だし、現役から長く離れた「がんばれベアーズ」みたいなへなちょこロシア人たちが、ソリストの見事な演奏に引っ張られ、ソ連時代の哀しい想い出とともにグア〜と前のめりで弾き出して、ハーモニーがどんどん合ってきて、曲が最大限に盛り上がって、伏線がすべてそこでつながって……とかなるんだから、グッと来ない方がおかしい。これは反則に近い泣かせ(笑)

ただ、その盛り上げの最中にも、ちょこちょこ蛇足的な笑いを取りに来る。こういうセンスが全体に古いなぁ。いや、古いというか、日本人的にはウケにくい笑い。もうそういうのはいいから心ゆくまで泣かせてくれよ、とか雑念が入ったのが惜しい。その辺「のだめ」的演出の方が日本人ぽいんだな、と再確認した。

個人的には古いボリショイ劇場での様子が懐かしかった(いま改築中)。B級だけど、音楽好き、そして泣きたいヒトにオススメ。

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0655 と 2355 が秀逸だ

2010年05月19日(水) 7:16:36

この4月から始まった「0655」と「2355」が秀逸だ。

教育テレビで朝6時55分から5分間やるのが「0655」。夜23時55分から5分間やるのが「2355」。どちらも月曜から木曜までの変則放映。

何はともあれ、見ていただくのが早いだろう。YouTubeから。「0655」の初回(リンク1)。そして「2355」の4月下旬のある日(リンク2)。

「2355」は見逃すことがほとんどなのだが、「0655」は最近ではわりと習慣。6時45分ころにはニュースを見るのを一休みして教育テレビにチャンネルをかえ、「リトル・チャロ2」を見ながら55分になるのを待つワタクシ(笑)

「0655」は「忘れもの撲滅委員会」が秀逸だ。頭にこびりついている。4月は1番(リンク1参照)。5月は2番である(リンク3)。6月に3番が来るか。それとも曲が変わっちゃうか。ドキドキだ。再現ビデオじゃないパターンの演出の方が好き(たとえばリンク4)。というか、忘れられがちな芸人が歌ってるところがミソw

あ、「朝が来た〜」の歌もかなり好き。ボブ・マーリーの「Soul Captives」の替え歌。動きがかわいい。お、それから「おれ、ねこ」(リンク1参照)や「わが輩は、犬」(リンク3参照)もよい。ちなみに「あたし、ねこ」というパターンもある(リンク4参照)。未だ見てないけど、きっと犬のメス版もあるのだろう。「今日のワンコ」なんかと決定的に違うのは「かわいさ」だけにフォーカスしてるのではなく、人間との関係性を歌った歌であること。じんわり温かい気持ちになる。

「2355」はやはり「1 minute gallery」が素晴らしい。たった一分で気持ちが異化され、深い思考の世界へと連れて行ってくれる。壁に貼り付いた紙の回など秀逸だったな(リンク5)。
ウェブカメラ的な手法で思わず引き込まれるトビーの動きもいい(たとえばリンク5参照)。そして「おやすみソング」。4月下旬の「三日月ストレッチ」(リンク2参照)が一番好きだが、「factory of dream」もなんとなく見入ってしまう(リンク5参照)。「うちへ帰ろう」もいい(リンク6)。というか、小泉今日子の歌声で1日を終えるって気持ちええ!

それにしても、佐藤雅彦ワールド満載で楽しいなぁ。
見てすぐに「あ、この人の作品だ」とわかるクリエイターが、いま、日本に何人いるだろうか。すばらしい。

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あぁ、あの曲なんだっけ !?

2010年05月11日(火) 8:40:16

朝、なにげなく外を見たら、雨だった。
「あ〜雨かぁ」と思った瞬間、なぜかこんな歌が頭の中で再生された。

♪あめがふってきた〜 うたをうたおう〜

人間の記憶って面白いなぁ。突然なんでこんな数十年思い出しもしなかった歌が再生されるんだろう。でも、あれ? なんだっけこの曲…。たしか「みんなのうた」か「おかあさんといっしょ」で流れていた歌だよなぁ。んーなんて曲だっけ? あれ? ホントになんだっけ?

家族に訊ねてみてもわからない。踊りながら歌って見せてもわからない。グーグル先生に訊ねてみてもわからない。検索リテラシーを駆使してみたけど出てこない。iPhoneアプリの「Shazam」と「midomi」(両方とも鼻唄などで曲名を教えてくれるアプリ)に訊ねてみてもわからない。歌い方を子供っぽく変えてみても認識してくれない。でも知りたい。あー知りたい!

で、ツイッターの登場である。
こういうときは人力検索でみんなの記憶に頼るのが一番だ(それなりの数のフォロワーが必要だが)。まぁ頻繁にやるとみんなの迷惑になるけど、早朝のすいてる時間だ、ちょっと訊いてみよう。

雨がふってきた〜 うたをうたおう〜♪ という唄が朝から頭を離れないのですが、どなたか題名を知りませんか? 「みんなのうた」で流れていたような…
ら、何人かが「あーなんだっけー?」「わたしも知りたい!」とか反応してくれた後、こういうお答えが!
こちらではないでしょうか「たのしい雨」 http://bit.ly/csOoEx @satonao310: 雨がふってきた〜 うたをうたおう〜♪ という唄が朝から頭を離れないのですが、どなたか題名を知りませんか?

うっわ! これだこれ!

リンク先のYouTubeに感涙した。あー、@funayanagiさん、ありがとう! そうそう、「たのしい雨」だ! つか、記憶が違った。「♪あめがふってきた〜 うたをうたって〜」だった。あーそれにしてもスッキリした! ホント、ありがとう!

ついでに「♪くちぶえ吹いて〜 空き地へ行った〜」も聴きたくなった。
これはグーグル先生で一発だ。「みんななかよし」。あぁ懐かしい。道徳の授業だったよなぁ。ついでのついでに「あめふりくまのこ」も聴いてみたり。←家人が通りすがりに「朝からキモッ」と言い捨てていった。

まぁ、でも、今日はいい日だ(笑)
雨もまた楽し。そろそろ紫陽花の季節だし(紫陽花大好き)

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CDとかDVDでは絶対に再現できない矢野顕子との旅

2010年05月09日(日) 18:28:15

矢野顕子の弾き語りツアー「ここが音楽堂!」最終日に行ってきた。@神奈川県立音楽堂

最近では去年のブルーノートのライブの印象が鮮烈だった矢野顕子。ふたたび新潟の医師夫婦にお誘いを受け、いそいそと。

これは2月に発売された彼女のアルバム「音楽堂」のツアーで、このアルバム自体がここ神奈川県立音楽堂で一発録音スタイルでレコーディングされているもの(経緯などは「ほぼ日」のこのページにくわしい)。
つまり出発点にふたたび帰って来たことになる上に、録音時と同じ環境で聴ける、しかもツアー最終日、アッコちゃんも気合いが入っている(はず)、と、いろいろな好条件が重なっていたのである。もう聴く側としてはメロメロになること請け合いの夜だったわけ。

というか、個人的には、県立音楽堂に着いた時点でメロメロ(笑)

というのも、ここ、同じ敷地内のすぐ隣が県立図書館なのだけど、ボクはこの図書館に、高2と高3の夏休み(1978年〜79年)、毎日通って自習室で勉強してたんだよねー。
当時保土ヶ谷の祖父母宅に居候してたんだけど、そこから毎日通ってきていた。クーラー効いてて気持ちよかったし、周りが勉強してるからやる気も出るし…。嗚呼あの頃が蘇るなぁ。同じく自習室に毎日通ってくる可愛い子がいたなぁ。紅葉坂でばったり会ったりするだけで赤面していた男子校のワタクシ(笑)。この図書館の裏が公園になっていて、勉強に煮詰まるとよく散歩してたっけなぁ…。暑い夏だったよなぁ…。とか。まぁこのことを書くだけで数万字書けそうなくらい思い出深い場所なわけ。

その場所に、30年振りに来たわけです。
30年…。ちょっとした年月だ。そのうえ建物がまったく変わってない。県立図書館も県立音楽堂もあの時のまま。うわぁ。なんだこれ。タイムスリップかよ……。

という感じで、ライブが始まる前にすでに心が痛くなっていて(笑)

一曲目が始まって、矢野顕子の素晴らしい歌に触発されながらも、なんだかあの暑い夏のイメージが離れず、ふと気がつくと来し方行く末を考えている始末。また天才アッコちゃんの歌が実に映像的で、あのころの光景を鮮烈に蘇らせてくれる。自分の中でいろんなトリップが始まる。なぜか途中から村上春樹の「午後の最後の芝生」の情景が重なってきて、なんだかとっても哀しくなった。

と、哀しくなっているところに、「今日のゲストは忌野清志郎」とMCが入って、清志郎の新発売CD「Baby #1」から「恩赦」と「きよしちゃん」を歌うアッコちゃん。ぐああああ。やめてくれ…。

でも、ここでアッコちゃんに「どうしたんだヘヘイベイベー♪」と歌われて我に返り、その後の「右手」「さあ冒険だ」「ひとつだけ」は逆にすごく集中して曲の中に入って行けた(「ひとつだけ」はやっぱりサイコー。清志郎との共演もある)。

県立音楽堂とアッコちゃんの声に手を引かれて自分の中を旅したあと、あらためてアッコちゃんの世界に耽溺できるなんて、個人的には超ゼイタクだった。二度とない一期一会のライブとはこういうこと。CDとかDVDでは絶対に再現できない。

アンコールはなんと「中央線」
これ、好きなんだよなぁ。

 ♪キミの家のほうに流れ星が落ちた
  ボクはハミガキやめて電車に飛び乗る
  今頃キミは流れ星くだいて
  湯船に浮かべてボクを待ってる
  走り出せ中央線 夜を越えボクを乗せて

そして超絶アッコちゃんワールドな「いい日旅立ち」で〆だった。

あぁなんといういい夜…。

終了後、ロビーにセットリスト(やった曲)が貼り出されていた。こういうサービスいいよなぁ。落語ではよくあるけど(やった演目が終了後に貼り出される)、意外とライブではないこと。ここに書き写しておく。

 グッドモーニング
 へびの泣く夜
 My Love
 きょうのわたくし
 変わるし
 In Her Family
 Say It Ain't So
 嘆きの淵にある時も
 恩赦
 きよしちゃん
 右手
 さあ冒険だ
 ひとつだけ
(アンコール)
 中央線
 いい日旅立ち

ちなみに、レコーディング場所に選ぶだけあって、音はさすがによく、アッコちゃんも「いい音だなぁ。あ、いま、観客意識せず、自分の快感のためだけに弾いています。ごめんなさいね。でも、あぁ、いい音!」とか悶絶してた(会場爆笑)。矢野顕子自身も実にノッてたライブだったと思う。

終了後、一緒に行った新潟の女医さんが「アッコちゃんを聴くと元気になりますよね!」って言ったけど、今回に関しては素直に頷けなかったなぁ。元気になるというか、暑くて懐かしくて哀しくて、そして笑顔になれた、個人的にはそんなライブだった。元気になる、というだけでは説明できない、いろんな感情が渦巻いた(笑)


で、後日談というか、後ライブ談というか。

終了後、新潟の医師夫婦と中目黒まで行って「イカロ」に行ったんですね。ボクがいろいろ書いているのを読んで「是非行きたい!」と。

で、相変わらず実にうまかったのだけど、隣の席に座った方々が、矢野顕子のライブ会場でもらったお土産(「綾鷹」のペットボトル)の紙袋を持っていたので、もしかしてと思って話しかけたら、彼女らも矢野顕子のあとだったわけ。おお奇遇! アッコちゃんがいかに素晴らしかったかの話でしばし盛り上がった。

で、そのことをツイートしたら、翌日、その方々のひとり(@peaceful0920)が「矢野顕子コンサートの後に行った中目黒イカロ。いつものようにおいしくてしあわせだったのにプラスして、隣の方々もあっこちゃん帰り!更には国際フォーラムの同日にいらしていた方も!! 偶然にしてはできすぎ。呼ばれてたのかなあ。こういうの大好き。」とツイートしていて、それを読んだ別の方から「それは@satonao310さんでは? 昨日同じつぶやき見ました。」とツイートが入り、お互いにほぼ同時に気づき、一晩を経て、めでたく昨日の方とツイッター上で再会することに!

おもしろいなぁ。こういうのもアッコちゃんの神の手なんだろうなぁ。とか。

なんだかいろいろ「つながった」昨日から今日にかけて、だったのでした。

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奥田民生「ひとりカンタビレ」を観てきた

2010年05月08日(土) 13:25:41

奥田民生によるレコーディング・ライブ「ひとりカンタビレ」を観てきた。@SHIBUYA-AX

レコーディング・ライブとは何かというと、要するに、ステージ上で1曲のレコーディングを仕上げる様子をライブで見せる、ということ。
ってわかりにくいな。つまり、奥田民生がドラム、ベース、ギター、と、各楽器を弾いて録音していき、最後に歌とコーラスも自分で入れて、ミックスしてバランスとって完パケにするまでを延々とステージでやっていくわけ。だから3時間〜4時間いて1曲しか聴けない(笑)。でも、制作過程といろいろな工夫、そして曲が誕生する瞬間に立ち会えるユニークなライブである。

会場は1階だけで500人ほど入っていただろうか。
ワンコインで焼きそばなどが買えて、食事もおしゃべりも自由。つか、奥田民生も普通にさりげなくステージに出てきて挨拶もそこそこMac前に座り、DAW(Digital Audio Workstation)をいじり出す。もうぐだぐだのゆるゆる。というか、いわゆる「宅録」をそのまま再現して、そこにたまたま観客がいる感じ。Ust的に言うと「レコーディング状況ダダ漏れ」的なぐだぐだ感だ。

DAWのソフトは「ProTools」な模様で、大画面にMac上のその画面が映し出され、民生が「ここにこうやって録音してってですね」とか説明し、そのままさりげなく「ひとりカンタビレ」が始まった(写真はこちらから拝借。他にもいろいろ写真あり)。

ステージ上のマイクが拾っちゃうほどの大声や笑いや拍手じゃなければ、観客はしゃべっても音出しても何しても自由。というか、ビールサーバーを背負った売り子さんも会場内を歩いている。長丁場だし「各自適当に楽しんでよ」って雰囲気なのだ。

どんな曲を録るのかの説明はなく、まずはドラムの録音から。 だんだんと曲の全貌がわかっていく趣向だ。
「この曲はあまり響かない音でドラムを録りたいんだけど、SHIBUYA-AXって音が響いちゃうんですよね」と民生からの説明があって、いきなりステージ上にテントを運び込みドラムを囲んでその中に奥田民生入っちゃった(笑)。響かない音にするためにテント。会場にはドラムの音しかしないし、民生見えないし(笑)

でも、ドラムのリズムからミドルテンポの曲とわかる。
で、テントから出てきてまたすぐMac前に座る民生。どうやらDAWのオペレーションも奥田民生が全部やるらしい。完全に宅録だ。

次はベース。
一回目を弾き終わって「ちょっと固いな」と録り直し。二回目は確かによくなったが、最後の最後でミスをしてガックシ。会場大笑い。部分直ししてベース終了。

エレキ・ギターはバッキングとリードを別々に。
アンプについて丁寧に説明してくれたり(というか、奥田民生ってMCうまいよなぁ)。少しずつ曲が見えていく。メロディアスな曲っぽい。ユニコーンの「雪が降る町」によく似てるな。名曲の予感♪

次はアコギ。
無難にキレイに弾き終わってMac前。で、「できました!」と叫んでアコギパート終了。会場は拍手。その途端「あ!!」と民生が叫ぶ。「コマンドZしちゃったよー!」(笑) って、Macなヒトしかわからないと思うけど、コマンド+Zキーって「UNDO」なんですね。つまり入力取り消しちゃったわけ。でもまぁすぐ復帰させてなんとか無事に終了。

アコギ二本目。小さいアコギ。「この弾き方、三連っていってレノンがオールマイラビングでやったやつね」とか解説がいろいろ入る。次はタンバリンと鈴。真面目に鈴振る民生に会場から笑い。「笑うと(音が)入っちゃうから。でもまぁ笑うよな。わはは」とか。

休憩を挟んで、ギターソロ。テイクワンでOK。なんかいい曲っぽいぞ。

で、いよいよ歌である!
「なんとこの曲、雨という言葉からはじまるんですねえ。まさか今日、雨が降るとはスゴイねぇ」とかいろいろしゃべり。歌はダブル録音。ようやく曲の全貌が見えた。ふーん、こういう曲かぁ。サビがなかなか格好いい。Bメロのコピペ技みせたり、コーラス録ったりなど、地味な作業を続け、ようやく完成!

「じゃ、いまからミックスとか、余計な音とか取る作業するから、トイレ休憩!」と民生が言って、みんなわさわさとトイレ行ったり携帯で電話したり。その間も民生は普通にステージにいる。あ、バーボンっぽいロック飲んでたな。銘柄は確認できなかったけど。

で、最後、会場からの質問に少し答えて、その後ようやく曲名発表!
なんとこの夜に創り上げた曲は、このツアーのテーマ曲でもある「ひとりカンタビレのテーマ」という曲だった。なかなかいい曲。というか、延々と3時間半、この曲しか聴いてないので、もうほとんど脳味噌に貼り付いてしまった(笑)

終わったのは22時すぎ。18時半から3時間半ちょい。「おっかしいなぁ。今日は段取りよかったはずなんだけどなぁ」とボヤく民生。でも1曲作るのに3時間半は、普通のスタジオ録音だったら早いほうである。

「じゃ、今夜の配信に向けて(ここで出来たてホヤホヤを配信するらしい)、まだ作業してるけど、とりあえずみなさんは解散!」という言葉をうけ、ステージ上に奥田民生がいるのにみんなわらわら帰り出す。これも普通では見られない光景だなぁ。3時間半たっぷりと彼の素を見られて、たぶんみんなお腹一杯。満足感一杯なのだ。

ボクはその後また仕事があって、24時半くらいまでかかったのだけど、その間もずっと「ひとりカンタビレのテーマ」が頭の中にまわっていた。出来上がるまでのすべての工程を目撃したこの曲。奥田民生の中でも特別に愛おしい曲になりそうである。

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映画「川の底からこんにちは」

2010年05月07日(金) 17:39:41

はじめに昨日書いた「カゼイフィーチョ」の話。とりあえず口蹄疫緊急対策資金が創設され、そのPDFを読むと「水牛」も対象にはなっているようです。また詳しいことがわかり次第昨日のエントリーに追記します。

で、本題。
石井裕也監督の映画「川の底からこんにちは」を観てきた。@渋谷ユーロスペース

「オーケストラ」か「第9地区」かこの映画かのどれかを観ようと決めていたのだけど、時間的にうまく合ったのでこれを観た。

なんつうか、いろんな意味で不思議かつパワフルな映画だった。
見終わってその「全肯定な感じ」に気がつくのだが、全体的には不思議な空気が漂っている映画。

前半は、観客としてほとんど感情移入できない主人公(満島ひかり)の中途半端で煮え切らない妥協に満ちた「中の下」生活が淡々と描かれる。この、人生に不感症な諦観たっぷりの女の子が途中から豹変するのだが、その前後から映画はとても面白くなっていく。まったく器が小さかった人間が、最後は全部受け入れて開き直り、ドでかくなっているその感じが面白し。そしてまた出てくる人がみなどうしようもないのだけど、そのしょうがない人生をすべて肯定して、底の底で開き直る感じが実にパワフルだ。ロッキー・バルボアの覚醒を思い起こさせる。

幸福って「なる」ものではなく「気づく」ものだったりする部分がある一方で、「相対的なもの」でもある。誰かと比べて「自分は幸福かどうか」を計っている部分が人間どうしてもある。だから日本みたいに平均値が高く豊かな国に生きていると、幸福のハードルが異様に高くなっていくわけだが、この映画はその辺にケタグリかませてる感じが痛快だ。相対的には「中の下」だろうがそれの何が悪いんだ! と開き直った主人公の強さ。幼子にもそれを教え諭す感じもよかったな。

とはいえ、この映画は満島ひかりの魅力で持っている部分も大きい。いいなぁ。あまり観たことなかった女優だけど、これから注目してみたい。

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娘は将来「談志の高座を聴いたことがある」とヒトに話せる

2010年05月05日(水) 21:21:59

昨日はある方にお誘いをうけ、「立川志らく独演会」に家族で行ってきた。
ゲストはなんと立川談志家元。高一になる娘に談志を見せる大チャンス! 行けて良かったなぁ。この子は将来、歳をとってから「私は談志の高座を聴いたことがある」と胸を張ってヒトに話せる。それがどれだけ素晴らしいことか。娘の同年代ではたぶん相当レアな経験になるはずだ。

ボクは志ん生の高座を聴いていない。志ん朝も聴いていない。というか、10代20代にほとんど落語を聴かなかったので、聴いてない落語家がたくさんいる。でも談志には間に合った。シアワセだ。そして娘も間に合った。ラッキーなヤツである。

談志は去年の7月の独演会で「居酒屋」と「よかちょろ」を聴き、8月の立川談笑独演会のときのゲストで演った「疝気の虫」を聴いている。
8月のときは「まぁこれが最後だろうな」と覚悟した。そのときにも書いたが、それはもう落語になっていなかった(もちろん高座にいてくれるだけで客はみんな笑顔だし、ひと言ひと言に大笑いなのだが)。その数日後に入院が報じられたので、「あぁもしかしたらボクたちは談志の最後の高座を見たのではないか」と思ったものである。

それが、先月、見事に復帰。
復帰と言っても、声が出てないようで、高座も満足いく状態ではなかったようだが、でも、談志復活はうれしいニュースである。

そして昨日。
8月とは打って変わって、かなーり元気な談志の姿に触れられた。よかったなぁ。

幕があがったら、最初から高座に志らくが座っており、簡単な挨拶のあと、いきなり談志を呼んだ。ふたりの対談で独演会を始めるようである。

で、談志が舞台袖から出てきたのだが、8月のときはヨチヨチと、それこそ数センチずつ歩く感じだったのだが、今回はずっと元気。スタスタと歩いてきてさっさか高座に上がる(もちろん多少よろけてはいるが)。すごい。完全に良くなっている。復活だなぁ。

でも、対談内容はボヤキばかり(笑)

「何をしても面白くない」「何を食べても味がしない」「朝から何もすることがない。地獄だ」「困ったもんです」「そんな自分を違う自分がこの辺から見ているんだ」「落語の登場人物に感情を注入する体力がない。だからもう落語はしない」「ジョークを少し話すならできるけどね」「本当に談志のためを思うなら、こうして来てくれないほうが親切なんだ」「もう屍ですよ」「文楽が『勉強し直してまいります』といって高座を下りた気持ちがわかる」などなど。大笑いと大拍手を受けながら。

で、いったん談志が下がって、志らくの落語が始まった。演ったのは「寝床」。

やはり談志家元が見ているというのは気合いが入るものなのだろう。
いままでいくつもの「寝床」を聴いたが(だって有名演目だからね)、これはすごかった。なんだこのハイテンション。まぁもともとハイテンションな落語をする人ではあるが、それはもう絶好調。おもしろー。会場もドカンドカンと大笑いの連続だった。達者だ。すばらしい。

15分の休憩をはさんで、談志の登場。
落語はやらない、との言葉通り、ジョークをいろいろと。三十以上やったのではないか。売春婦ネタを特に多くやっていて、相当危うい下ネタも。高一の娘が隣に座っていたボクとしては冷や汗もの(笑)。途中で膝を崩して胡座にして(足が痛いらしい)、40分間、みっちり話してくれた。声はガラガラで聞き取りにくいが、頭は明晰。大笑いを取っていく。さすが。こうして笑いのパワーを受けてもっと元気になって欲しいと思う。

談志が引っ込んで、志らく。今後は「らくだ」である。お〜…。
「寝床」に比べるとちょっとテンションが落ちるが、さすがなうまさ。この人、うまいなぁ。しかし「寝床」と「らくだ」じゃ疲れたろう…。

終わってからロビーに出たら、なんと談志が立っていた。みんなに囲まれて握手とかに応えている(上の写真)。ボクも!と一瞬思ったが思いとどまった。声が聴けただけで充分です。どうもありがとうございました。

ちなみに娘には特に感慨はなかったようだが(「志の輔の師匠だよ」と言ったら「ガッテンの? へ〜」と言っていたが、その程度)、別に無理に感慨を強いることもない。いつか何かでこの夜のことを思い出してくれればそれで良い。

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伊藤若冲の妖気にやられた

2010年04月28日(水) 7:54:14

昨日は会社を休んで早朝から「こだま」に乗り込み、静岡に行ってきた。目的はこれである。「伊藤若冲アナザーワールド」@静岡県立美術館。有志3人での酔狂弾丸ツアー。

GW前に休むなよ、って感じだし、実はこの展覧会、静岡のあとは千葉に来る。GWに行ってもいいし千葉を待ってもいい。
でもね、GW中だと確実に混む。千葉も東京から至近なので確実に大混雑する。「静岡でGW前の平日の午前中に『ガラガラにすいた状態で観る』」ということに価値があるのである。つまり、いまや異様な人気の伊藤若冲を「ガラガラにすいた状態で観る」という贅沢に新幹線往復1万円を払ったということ。それだけの価値がある。だってさ、若冲の屏風絵とかを「人混みに邪魔されずに3m離れて観る」とか出来るんだよっ!

ってわけで静岡に行ってきた。
夕方に東京で打ち合わせがあったので、展覧会観て昼ご飯食べたらすぐ帰ってくるという弾丸ツアーになったわけ。

この展覧会は、「アナザーワールド」と題するだけあって、いま人気の伊藤若冲の違う面に迫るもの。つまり、あまり取り上げられない水墨画を中心とした展示である。サイトの説明を引くと、

伊藤若冲(1716-1800)は、近年一般の美術愛好家にも広くその名を知られる存在となりましたが、その作品については代表作《動植綵絵》をはじめとする華麗な着色画を中心に語られることが多く、遺作の大半を占める水墨画については必ずしも正当な評価を得ているとは言えません。しかし、晩年に至るまで生涯描き続けた水墨作品には若冲の独特の造形感覚が遺憾なく発揮されており、彼のもう一つの魅力をかたち作っていると言えるでしょう。
本展覧会は、若冲の水墨の作品を中心に、関連する着色の作品も含めて構成します。加えて、黄檗僧・鶴亭(1722-85)らの作品によってその水墨表現の前史を示し、若冲水墨画の世界に迫ります。

でね、これがね、凄かったのだ。
まずその「自由さ」。あぁなんて自由なんだ…と、途中で声に出してつぶやいてしまったくらい。着色画よりシンプルな墨絵ということもあるが、構図も筆致も実に奔放。枠に囚われず筆の勢いを活かしてキレイで図太い線を描いていく。そしてその「妖気」も凄い。若冲って誤解を恐れずに言うとダーク・パワーがある。「観て元気になる」というより「観て疲弊する」タイプ。どんどん精気が吸い取られていく。

もちろんそのクリエイティビティには感動するし刺激を受ける。一点一点集中して観ざるを得ない凄みがある。でもカラダの奥底から何かが失われる。展示半分くらいで「酸素が足りない!」とアクビが出だし、後半はイスを見つけては座って休み、フラフラになりながら観た。急激に体力がなくなっていった感じ。そのあとで観た常設のロダン展ではいつの間にか元気が戻っていたので、若冲の妖気にやられたとしか言い様がない。こいつ、魔的な何かと切り結んだな(笑)

最初期から晩年まで時系列で展示されていたので、晩年まで観てから初期に戻って線の違いを楽しんだり、お気に入りのものを何度も観に行ったり、樹花鳥獣図屏風や仙人掌群鶏図や蔬菜図押絵貼屏風なんかの大作を「人混みに邪魔されずに3m離れて観る」みたいなことを何度も繰り返したりして、約2時間、十二分に楽しめた。静岡に来て良かった〜。

ちなみに一番気に入ったのは、シンプルなラインで描かれた「馬図」(宝暦14年以前)。中期の作品だがなんとも好き。あとは有名だけど「白象群獣図」かな(上の写真)。


若冲展を鑑賞後、常設のロダン展へ。
これもよかった。静岡に行った価値があった。展示空間もよかったが、世界に7つしかないという巨大な「地獄の門」が(東京でも観られるけど)やはり圧巻。学芸員に聞いたら、これは石膏の型で作っているようで、全部で12個作れるそうである。つまりあと5つ「地獄の門」のブロンズ像が造れる。ちなみに7億円だそうだ。どうすか富豪な方(笑)

静岡県立美術館はユニークで、ロダン展の入り口横に「ロダン体操」と書いた部屋がある。
ロダン体操? そう、あの、様々な格好をしているロダンのブロンズ像のポーズをまねて体操にしてしまったという荒技。おもしろい〜。ビデオでおねえさんが指導してくれるので、思わず同行者たちと踊ってしまった。楽しい♪


ということで、静県美、楽しかった。
昼ご飯は、名物の静岡おでんか、旬の桜海老かき揚げか、迷った挙げ句ハシゴすることに(笑)
まずはツイッターでもオススメが多かった「大やきいも」という店。この店、焼き芋店なのだが、おでんも置いている。というか、静岡で「おでん」と言うと、食事というより駄菓子に近い感覚の食べ物らしい。いや〜この店、よかったなぁ。おいしいというより楽しい感じ。黒はんぺん(静岡名物!)や牛スジ、糸こんにゃく、昆布などの黒いおでんを食べつつ、焼き芋や大学芋を食べる。なによりもこの店の雰囲気が素晴らしい。昭和初期なのだ。テーマパークにいるような楽しさ。

その後、静岡駅ビルの「升亀」という居酒屋で(ここもツイッターでのオススメ)、桜海老かき揚げ(悪天候で生桜海老は無理だった)とか生シラスとか初カツオとか黒はんぺんのフライ(うまっ!)とか、いただいた。この店もとても良かった。

で、新幹線に飛び乗って、打ち合わせ開始の1分前に会社に着いたのであった。えらく楽しい半日だった。大人の遠足とはこういうものである(笑)。

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ユンディ・リのリサイタルを聴いてきた

2010年04月21日(水) 7:41:22

yundi.gif昨晩はユンディ・リ(李雲迪)のピアノ・リサイタルに行ってきた。@サントリーホール

この人、2000年のショパン国際ピアノコンクールで、史上最年少(出場時17歳でコンクール中に18歳になった)で優勝したピアニストである。
過去2回連続で1位がいなかった同コンクールの15年ぶりの優勝者であり、中国人初の受賞であった。過去の最年少(18歳)はポリーニとツィマーマンというからスゴイ。

写真を見ればわかるが、キムタクというかペ・ヨンジュンというか、まぁ超イケメンなわけですね(この写真はよく写りすぎていると思うけど)。なので、かつてのブーニン以上の人気を日本で集めてるそうである。まぁでも実物はキムタクという感じでもなく、陽気でヤンチャそうないい感じの若者であった。

実は彼の演奏はCDとかでも聴いたことがなく、昨日が初めて。先入観持たずにフラットに聴けて良かったと思う。
印象としては、なんというかとってもカラフルだった。特にピアニッシモの色彩鮮やかなことといったら…。陰影というよりは光彩。明快にして美しい。思わず聴き惚れた。逆にフォルテッシモは「ピアノって打楽器だ」と再認識させるような激しさ。この緩急は聴いていて飽きない。

そして、なんか次々と脳内に映像が浮かんでくる。
実に映像的なピアノ。特に風景が脳内に浮かび、ボクの中ではなぜかスイスっぽい風景だった。ただ、「夜想曲」や「葬送」なんかでも、脳内映像が夜ではなく「昼」になる。つまり基本が「明るい」。若く飛び跳ねる。そんな印象。ただ、その明るさは実に気持ちいいもの。「葬送」など、最後に雲を突き抜けて青空が見えた。これはこれで気持ちいい。もう「深さ」とか「陰影」なんて老ピアニストにさせときゃいいじゃん?と思わせる。若い人の若いピアノ。最大限楽しめた。

曲目は「オール・ショパン・プログラム」で、

・夜想曲 第1番、第2番、第5番、第8番、第13番
・アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
・4つのマズルカ
・ピアノ・ソナタ第2番「葬送」
・ポロネーズ第6番「英雄」

これにアンコールが「サンフラワー」(YouTube)。そして夜想曲第2番をふたたび。

夜想曲第1番は意外と硬質に始まったが、2番で軽やかさを出し、5番あたりからカラフルでヤンチャな味が出て、13番は異様な激しさで締めた。もうこれだけでお腹一杯だった。「葬送」も素晴らしかった。もちろん葬送行進曲はしめやかなのだが、まわりに希望が散りばめてある。おもしろい。死についてわかったふりをしてないところがイイ。「英雄」は逆に予想通りな感じ。ハマリすぎとも言える。
全体に知ってる曲ばっかりだったこともあって、彼の「表現」に集中できて楽しかった。


というかですね。演奏もうれしかったけど、もうひとつ「大光栄」なことが!

なんと、隣の隣の席に、音楽評論家の吉田秀和さんが座っていたのである!
今年97歳? もう同じ空間で同じ音を聴いているだけで光栄であった。あぁ、今、たった今、同じ音が彼の耳にも流れ込んでいるっ! …って、彼の本に憧れた青春時代を送った人でないとわからない感慨だと思うけど(笑)

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すばらしい映画「Herb & Dorothy」その後

2010年04月20日(火) 9:00:40

佐々木芽生(めぐみ)監督が私財を投じて撮った映画「Herb & Dorothy」。
世界各国の映画祭で合計5つの最優秀ドキュメンタリー作品賞と観客賞を受賞している名作だけど、まだ日本公開は決まっていない。

10日ほど前に日本初試写を観て、さなメモに感想を書いた(こちら)。それについて、もうホント、たくさんのツイートやメール、ありがとうございました。せっかくなので、その後の「公開に向けてのご報告」をここで少しずつして行こうと思う。

まず、監督&プロデューサーの佐々木芽生さんには、ツイッターやメールでいただいた「観たい!」「協力します!」などのたくさんの反応をすべて転送させていただいた。そして以下のことを是非ともお伝えくださいと言われている。

  • 私自身が、皆さんのメッセージを全て読んで、とても感動していること。日本での自主公開の手応えを確信したこと。
  • この後、皆さんのお力を借りながら今までにない手作りのアプローチで、丁寧にH&D日本公開を進めて行きたい。
  • 今体制づくりを進めているところなので、すぐには無理だけれど、5月以降テストスクリーニング、サポート・チームを組織していく予定なので、その都度お知らせをして行きたい。

日本中を飛び回っていて、ひとつひとつにお答えできる環境にいないことをとても残念がられていたので、それも付け加えておこう。佐々木さんは先週末にNYに帰って行き、あちらから「日本での映画公開の新しい歴史がつくられる、そんな予感がしています。私も死ぬ気で頑張ります!」というメールが送られてきた。みなさんの反応にものすごく勇気をもらい、やる気満々になっている模様(笑)

帰国前に渋谷のカフェ「アプレミディ」でお会いしてミーティングした。
大学時代の親友の桧垣康彦(今回のプロジェクトの中心)と3人で。

新しい上映のカタチをいろいろ考え、今まさにまとめている最中。すんなりと配給が決まらなかったのを逆手にとって全然違う方式でのアプローチを考えているところ。何の縁か乗りかかった舟なので、ボクもチームの一員として、この映画の「新しい上映のカタチ」を一緒に探り、サポートするつもり(プライベートな活動として)。

時期が来たらみなさんにもご協力を呼びかけますので、企画がしっかり固まるまでもう少々お待ちください。
いままでメールをいただいたりツイッターで@をくださった方には、活動開始と同時にご連絡します(漏れがないように気をつけますが…)。ぜひともご協力を! よろしくお願いします。

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映画「息もできない」

2010年04月17日(土) 16:17:46

映画「息もできない」を観た。@渋谷シネマライズ。

この邦題は英題「Breathless」の訳である。韓国原題は「糞バエ」だ。うんこ蠅みたいな人間たちのことを指している。そしてそう生きざるを得ない社会への痛烈な批判も隠されている気がする。「パルプフィクション」みたいな、三文芝居的ニュアンスもあるかもしれない。

もうほんと、観ている最中から、文字通り息もできない。そういう意味ではいい邦題だと思う。息が詰まる。圧倒される。呼吸しにくくなる。つらい。慟哭する。そして感動する。希有な映画であることは間違いがない。

製作・監督・脚本・編集・主演は、ヤン・イクチュン。
ひとりで全部やるリスク(自己満足になるリスク)を軽々と飛び越えて、ただひたすらリアルに観客の心に迫っていく。ここまでのリアリティはひとりで全部やらないと無理かもしれない。よくぞまとめきったと感心するし、随所にこの監督の力量が見えた。アングル、インサートカット、ひたすら寄りで撮る暴力シーンなど、本当に素晴らしい。俯瞰やハイスピードの挟み込み方も絶妙。時間軸の壊し方もぎりぎりのバランス。すごい。

この手の題材で「ひとりでやった」となると、金子正次の映画「竜二」が思い出されるが、あれは主人公が格好よく見えてしまったのが惜しい部分だった。でも「息も出来ない」にはそういう酔いしれがない。まぁ途中で空気が穏やかになり、多少ラストが見えてしまうあたりが多少どうかなと思ったが(ラストへの気配を消して欲しかった)、それ以外は文句のつけようがない。

俳優陣も文句のつけようがない。ヨニ役の女性はちょっと可愛すぎるが、その存在感、そして泣き方のうまさたるや。板東英二似のマンシクや、槇原敬之似のファンギュもよい。あえて言うとヨニの兄弟役(重要な役どころ)にもう少しだけ狂気が感じられると良かったか。

ちなみに、公式サイトで観られる予告編は、(日本向けに編集したのか)サンフンとヨニの心の触れあいに寄りすぎている。日本用のポスターも少々甘い。この映画はそんなものではない。だからここでは韓国版のポスターを貼り付けておく。ヤン・イクチュン。まさに糞バエ。でも実に愛おしい。この感じは実際に体験しないとわからないだろう。必見だ。

…シバラマー。
この言葉が脳にこびりつくなぁ。


終了後、ちょっと食欲もなくなったのだが、自分を奮い立たせて、韓国料理を食べに初台の「焼肉ウリ」に行った。
この店は宣伝会議でボクが話した講義に生徒として来てくれていた人が店主としてやっている店。なぜかボクの講義に感動してくれて、生き方まで変えようとしてくれた人。いつか店に行くねと約束していた。約束を果たしに行った。これからも行くよ。

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オーディオ熱再燃 !?

2010年04月16日(金) 12:34:58

ある縁があって、老舗ジャズ雑誌「SwingJournal」の編集部に行き、試聴室でステレオ試聴する機会を得た。先月に一回、そして数日前に一回の計2回。

ボクはもともとオーディオ・マニアである。
まぁどのくらいマニアかというと、1mで5万のケーブルを使っていたり、整電機を持っているくらいはマニア(笑)。独身時代にずいぶん給料をつぎこんだ。結婚後はとてもじゃないけど無理だけどね。結婚してからまったく買い換えていないし(笑)。

というか、阪神大震災を経験してからパッタリと「やめた」感じ(参照:「震度7でぶっとんだボクの愛機たち」
これはもう体験者にしかわからないかもだけど、なんか大地震というのは物事を中断させる力を持っている。テニスも、震災数日前までは週に2回とか普通にやっていたのに、震災以来「一回もやっていない」。なんか少し価値観変わるんだよね…。

ってまぁそれはどうでもいいんだけど、そんな風に「オーディオを次々買い換えるようなオーディオ病」からはずっと遠ざかっていたのだけど、まずパワーアンプの「クレル」が壊れたですね。そして超愛用(愛してる!)のアポジー(スピーカー)もそろそろ寿命に近くへたってきた…。そのタイミングで、ある方に試聴室に誘われたりして、また少し興味が戻りつつあるのである。でもなぁ、オーディオ病再発すると大変なことになるんだよなぁ…。うーむ。

雑誌「SwingJournal」は一時期ずいぶん読み込んだ(ジャズファンでもあるので)。
いまは読まなくなってしまったが、その試聴室に入れるのは実に光栄なこと。試聴したのはヴィエナ・アコースティックスのスピーカーである。ある方に強く勧められ、いまなら試聴室にあるから聴きに行けと半ば強引に。

でも行って良かった。
まだ自分的に「オーディオ耳は衰えてない」という実感をもったし、久しぶりに「いまの音」に触れてグググと来てしまった。またオーディオの快感に浸ってみるかな…。

というか、ここに来てのオーディオ趣味再燃はかなり危険な匂いがするのだが。いろんな意味で。

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まだまだアイデアの出しどころってたくさんある

2010年04月14日(水) 7:30:10

昨日ツイッター上で教えてもらったこの動画は、なんだか頭をいろいろ活性化してくれた。
「Sketch-a-Move」。まだコンセプト段階みたいだけど素晴らしい。なるほどこういう方向なら、と、いろいろアイデアが出てきて脳味噌がかゆくなる。世の中ってまだまだアイデアの出しどころってたくさんあるなぁ。

ついでにご紹介すると、この動画も面白かった。「Pixels」。完成度がすごい。合成の馴染み方とか。
合成の馴染み方という意味では、ニコ動なのでログインがいるけど、これなんかすごかった(数ヶ月前に話題になったもの)。「[実写合成]お祭りに行ってきた~広島ふれあい街歩き[3D]」。まさに才能の無駄遣い(笑)。でもすごい。もうここまで普通に出来るんだなぁ。

動画といえば、これもすごかった。
動画としてすごいというより、「幼児(2.5歳)がファーストコンタクトでここまで使えてしまうiPadのインターフェースのすばらしさ」の方だけど。直感でいじることができるインターフェース、というのはこういうことだ。「A 2.5 Year-Old Has A First Encounter with An iPad」。福田敏也さんのブログで紹介されていた。

おまけ。静止画だけどこれ。山崎直子さんが乗ったスペースシャトルの打ち上げ写真。美しい。

と、たまには短めに(笑)

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神奈川県立近代美術館「話の話」展に行ってきた

2010年04月11日(日) 8:08:54

先週もかなり忙しかったので(さなメモには書いてはいないが「大阪日帰り講演2つ弾丸ツアー」とかもあった)、昨日の土曜日はゆっくり長時間ダラダラ寝ようと思っていたのだが、こんな魅力的な展覧会のオープニング・レセプションのご案内をいただいたら行かざるを得ない。

ということで、うららかな陽射しにも誘われて、えっちらおっちら葉山まで、「話の話 ロシア・アニメーションの巨匠─ノルシュテイン&ヤールブソワ」展を見に行ってきた。@神奈川県立近代美術館〈葉山館〉。

ユーリ・ノルシュテインのアニメ作品はご存じの方も多いと思う。
彼の「話の話」(Tale of Tales)というアニメーション映画は、ボクのお気に入り中のお気に入りで、どのくらい好きかは「座右のシネマ」の中でも書いているのでそこに書いている感想をお読みいただきたいと思う。もう100回くらいは観ていると思う。完全に暗記している。「歴史上、世界最高のアニメーション」に選ばれたこともあるこの作品、創られた1979年から30年以上経つが、その感動はまったく色褪せない。アニメ技法としても素晴らしいが、見るたびにいろんな解釈を思いつかせる奥深さがまた素晴らしい。

この展覧会は、そのノルシュテインと、奥さんであり制作上のパートナーであるフランチェスカ・ヤールブソワ(美術監督)の創作の全貌を見せるもので、絵コンテやエスキース(スケッチ)、マケット(模型、ひな形)などが数多く展示されている(映像も上映している)。もうノルシュテイン好きには溜まらない空間。時間を忘れて見入ってしまった。特に「古い家の戸口に立つオオカミの子」のエスキースなんかは、見ているだけで涙が出た。この作品に対する想いや、自分の若い頃のこと(これを何度も繰り返し見ていたあの孤独な夜の頃のこと)などが妙に思い出されて。

他にも「霧の中のハリネズミ」「アオサギとツル」「外套」「冬の日」「キツネとウサギ」など、彼らの代表作のエスキースや創作ノート、下書きなどが展示されている。作品をまるで知らないと面白くないだろうが、少しでも知っている方は是非。

ちなみにYouTubeにもアップされている。「話の話」()、「霧の中のハリネズミ」。まぁこの2つをまずは見てください。多少難解に思うかもだけど、あまり難しいこと考えずに感覚で見てください(初めてなら「霧の…」の方がわかりやすいかもしれない)。「話の話」も何十回と見ていれば、ストーリーや断片の意味などいろいろわかるようになるけど、まぁ、まずは感覚で。

関東圏では葉山で6月27日までの開催。
今後、高知(7/18〜9/26)、福岡(10/16〜11/28)、栃木(12/11〜1/23)と巡回するようだ。各地域のお近くの方、お見逃しなく。

しかし、葉山って意外と遠いね。電車とバスを乗り継いで1時間半近くかけて出かけた。
せっかくこの辺まで来たのだから、と、見終わってから近くをひとりで散策。美術館前の葉山の海岸が特に良かった。昨日はうららかで暖かく、何十分もボォーーーッとしていた。この辺、住みたいかも…。

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「キズナのマーケティング」出版パーティ

2010年04月10日(土) 11:59:46

最初にお知らせ。
今日の22時30分より、テレビ東京系「ミューズの晩餐」にて、ボリショイバレエの第一ソリスト、というか、親友の岩田守弘くんが出演します。川井郁子さんのヴァイオリンで踊る岩田守弘くん。「ワルプルギスの夜~歌劇ファウストより」を踊るようですよ。この前のアナニアシヴィリとの「ロミオとジュリエット」公演を見逃した方も、是非。マジで、是非!

もうひとつお知らせ。
明日13時、青山ブックセンター本店にて、博報堂の須田和博さんとトークショーをします(くわしくはこちら)。といっても、なんか140席が申し込み受付即日満席なったようで、実はもう入れません。すいません。キャンセル待ちが数席は出るはずなので、一応お知らせします(関係者みんな告知しているのにボクだけさぼっていたので…)。なお、当日、ツイッターで質問を受け付けます(会場に来られない方からも)。ハッシュタグ #satosuda と書いてツイートしてください。なんでもどうぞ(一応、広告コミュニケーション関係で)。

それから、昨日の読売新聞朝刊にボクの連載コラム出ています。お知らせが遅くなりました。毎週水曜日掲載だったのが、4月から金曜日になったみたいです。昨日は、「明日の広告」で書いた「ネオ茶の間」という概念がツイッターの普及によって現実化した、ということを書いています。


って、すでに長めの「さなメモ」だけど(いや、いつも長いか…)、昨日の話を少しだけ。

キズナのマーケティング ソーシャルメディアが切り拓くマーケティング新時代 (アスキー新書 147)昨晩は「キズナのマーケティング」を出版した池田紀行さんの出版記念パーティに参加してきた。

「今晩参加してくださった24人の中の一人が欠けても出版は出来なかった」ということで、彼と濃いキズナを持つ方々だけを招いての小規模パーティ。仕切りはスケダチの高広伯彦くんだった。アットホームないい会だった(幹事役お疲れ様)。

とはいえ、ボクと池田紀行(イケダノリユキ)さんのキズナはそんなに濃くはない。
「拙著『明日の広告』を発売し、それが10刷のヒットになったことでアスキー新書に『広告新書シリーズ』みたいなものの道ができ、そのおかげで出版できた」ということを過大に評価&感謝してくれてのお招きだった。その文脈で、アスキー新書から広告本を出した5人の著者は全員招かれた。1冊目のボク(「明日の広告」)、2冊目の本田哲也さん(「戦略PR」)、3冊目の山本直人さん(「「買う気」の法則」)、4冊目の須田和博さん(「使ってもらえる広告」)。ここに池田さんも加わって5人でそれぞれの本を手に持っての記念撮影なども(笑)

マジな話をすると、「広告本」というのはそんなに売れるものではない。もともと「買ってくれる人(広告業界の人)の絶対数がそんなに多くない」のである。数万人。だからボクの10刷は「めちゃ振りしたらたまたま当たって場外ホームラン」みたいな偶然のたまものだし、5冊もシリーズっぽく続いたのも奇跡的。6冊目があるかどうかは池田さんのこの本にかかっている(笑)

というか、「キズナのマーケティング」、分厚いです(笑)。336ページ。
逆に言うと、超お得だと言える。ソーシャルメディアにおけるエンゲージメントのすべてを過剰に詰め込んだ感じ。ボクなんか、アスキー新書の本多いずみさんに「絶対240ページ内におさめてください!(ただでさえも広告本なんて売れないんだから!)」と言われ、泣く泣くバサバサと内容を切って短くしていったものである(あの本、あの倍はイイタイコトがあったのだ)。そのボクからするとなんとも釈然としない分厚さ(笑)。ま、いいんだけど。

ということで、ソーシャルメディアで生活者とエンゲージメント(キズナ)を切り結びたい方、どうぞ読んでみてください。あえて厳しめに言うと長くて冗長で繰り返しも多いけど、そこが彼の熱くてイイトコロでもあるし、確かに「すべてが書いてある」。840円はお得だと思う。

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すばらしい映画「Herb & Dorothy」

2010年04月08日(木) 7:19:08

すばらしい映画を観た。

「Herb & Dorothy」というドキュメンタリー映画で、まだ日本未公開だし、日本で公開できるかどうかも決まっていない。
でも世界ではかなり評判で、世界各国の映画祭で合計5つの最優秀ドキュメンタリー作品賞と観客賞を受賞している。ニューヨークでは17週間という、ドキュメンタリー映画としては稀なロングランを記録した。

この映画、日本人の佐々木芽生(めぐみ)さんが監督&プロデューサー。私財を投じてハーブとドロシーの人生に密着した。その情熱も素晴らしいが、映画の出来がまた素晴らしい。初監督作品とは思えない完成度。撮影も編集も音楽もとても良い。なにより、観終わってほんのりと暖かい気持ちになれる。自分の人生を見つめ直せる。そしてアートにたくさん触れたくなる。

彼女がこの映画をひっさげて来日し、友人を囲んで7〜8人の試写会をした。
昨日はそこに呼んでもらったのである。日本初公開試写(簡易字幕付き)。いまの映画界の現状だとこういうドキュメンタリーは配給に乗りにくいので、「だったら違う方法をみんなで考えよう」と集まった人たちだ。

物語を簡単に書くと、「NYに住む公務員のハーバート&ドロシー・ボーゲル夫妻が、慎ましい生活の合間にこつこつとアート作品を買い集め、最後は世界屈指の現代アートコレクターになっていく」という実話である。

彼らは純粋にアートが好きで、少ない給料の中からこつこつと買いためていく。夫が郵便局の仕分け係で、妻は図書館の司書。妻の給料で生活し、夫の給料はすべてアート作品に費やされたという。そして「決して転売しない」。だから狭いアパート(1LDK)はアート作品で溢れ(約2000点の現代アート)、トイレからベッド下、台所まで埋め尽くされた。のちに美術館に寄贈(寄贈!)したとき、超大型トラック5台分のアート作品が "奇跡的に" アパート内に収まっていたのが判明したくらい。

そんなに買い込んだって全部は見られないじゃないか、と思うだろうけど、それに対してドロシーは「本だって全部を毎日読んでないけど、本棚にしまっておくでしょ。いつも全部を見る必要はないわ。持っていること、そこにあっていつでも見られることが大切なの」みたいなことを言う。たしかにそうだ。そして映画を観ていくうちに彼らのアートにかける並々ならぬ愛情に圧倒されていく。

彼らが作品を買う基準はふたつ。「自分たちの収入内で買える作品であること」「NYの小さなアパートに収まるサイズであること」。ふたりはその審美眼で売れる前のアーチストを発掘し、密着し、買い込んでいく。彼らが目をつけたアーチスト達は軒並み成功し、彼らはほんの数点売れば大富豪になれるレベルになっているのだが、結局最後まで一点も売らず、すべてのコレクションをナショナル・ギャラリーにタダで寄贈した。そしていまも新婚当時から住んでいる小さなアパートで質素な年金生活をしている。

というか、この夫婦が本当に魅力的。
150センチくらいの小さな夫婦なのだけど、ふたりで手をつないでよちよちといろんな展覧会やアーチストのスタジオに出かけていく。スタイリッシュな人々の中では異様なくらい素朴な格好で。そして細かい批評などしない。ただ「美しい」とひと言言うくらい。この感じが本当に魅力的だ。

現在80代後半になった夫妻の日常を追いながら、多くのアーチストのインタビューも取り混ぜ(生前のジャン=クロードが出てくる!)、彼らの人生に迫っていくこの作品。人生の成功=リッチになる、という図式に毒された今の日本人にはかなりグッとくる映画であるし、「生きる」とは何なのか、シンプルに教えてくれる。映画館での公開が難しいと言われるのなら、なんとか知恵と工夫で広めてやろう、と友人たちの間では盛り上がっている。うん、個人でサポーターになる。いろいろ知恵を出して協力しよう!

ということで、「Herb & Dorothy」という題名、ぜひ覚えておいてください。ここでトレイラー(予告編)も観られます。

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柳家小三治 独演会

2010年04月02日(金) 8:41:51

おととい、柳家小三治の独演会に行ってきた。@赤坂区民ホール

いま一番面白いと言われる落語家のひとり。というか、古典落語の最高峰とすら言われている人。『ま・く・ら』 『もひとつ ま・く・ら』 『バ・イ・ク』 という「彼のまくら(ネタに入る前の小咄)のみを集めた速記集」のベストセラーを持つくらい、いわゆる「まくら」(ネタに入る前の小咄)が上手なヒトで、たまに「まくら」のみを演って本編を演らないことすらあるという。ボクはこの3冊はずいぶん前に読んだし、彼の落語の素晴らしさはずっと噂に聞いていたが、実際に高座を見たのはおとといが初めてだった。

実際、彼の高座は超プラチナチケットだ。友人が譲ってくれたのだが、本当にうれしかった(ありがとう!)。赤坂区民ホールというのは初めて行ったが、こぢんまりして高低差もあり、とても見やすいホール。

まず前座で柳亭燕路が「たらちね」をやった。
このヒトも初めて聴いたが、とっても達者。顔もいいけど声もいい。面白かった。調べたら柳亭燕路(えんじ)とは落語の名跡だというし、もちろん真打ち。やっぱり小三治クラスの前座ともなると真打ちが前座をやるんだなぁ。

で、小三治。
演ったのは「猫の皿」と「品川心中」の二席。

期待の「まくら」は、刀の話から嵐寛寿郎が好きだという話(アラカン。鞍馬天狗で有名)、鞍馬天狗から自分の紋(天狗の葉扇)を決めたという話、紋付きを古着屋で買ったエピソード、ご贔屓さんに高い紋付きを買ってもらった話、そのご贔屓さんの店がつぶれてしまいその紋付きを自腹で引き取らないといけない羽目になった話、それを値切る話、そこから道具屋の値付けがいかにいい加減かと話を引っ張っていき、道具屋が主人公の「猫の皿」という噺へ自然に入っていった。

いや、さすがにうまい。本編より面白いくらいだというのは本当だった(本編も実に笑えたけど)。
ただ、やっぱり「まくら」を長くやりすぎて(笑)、二席目の「品川心中」は身投げして助かったところでバッサリ切って時間切れオシマイとなった。区民ホールは20時55分までに終わらないといけないお役所仕事、と、これも「まくら」で笑いにしていた。終わりの時間を気にしたのか、二席目は多少キレが悪かったかな。

彼の芸風は、面白くもなさそうに面白いことを言うことだそうだ。確かに素っ気ないし、つまんなそうに素朴に演る。ほんの少ししか表情を動かさないので、客はその細かい表情の動きを追って「わっ」と笑う。そんな感じ。いや、さすがだ。面白い。彼の弟子の柳家三三は何度か聴いてとても好きだが(これとかこれとか)、三三も同じような芸風だよね。派手派手しい立川流を見ることが多いが、こういう素っ気ない芸風もかなり好きかもしれない。

あー楽しかった。今年は落語をもっと聴きたい。

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花形歌舞伎「染模様恩愛御書」を観てきた

2010年03月25日(木) 9:24:47

三月花形歌舞伎 通し狂言「染模様恩愛御書 -細川の血達磨-」に行ってきた。@日生劇場

ぜーんぜん期待せず行ったのだけど、大がかりな舞台と大衆演劇的演出、達者な役者などが相まって意外に面白かった。大衆芸能としての歌舞伎の良さがとてもよくわかる、敷居の低い楽しい舞台だったと思う。

笑いもたくさん取ったし、殺陣も派手だったし、エッチな場面もあったし(これもギャグに近いのだが)、ど派手なセット(炎上場面)&物凄い階段落ちもあったし、泣かしの場面もしっかり泣かせたし、とにかく盛り沢山なエンターテイメントだった。満腹。

花形歌舞伎とは、いわゆる若手の人気役者たちによる舞台らしい。60代以降で全盛期になる歌舞伎の世界では、若手が主役を張る機会はめったにない。そんな彼らが主役を張れるのが花形歌舞伎。この演目は、市川染五郎、片岡愛之助のふたりが主役だった。染五郎の美しさと熱演、そして階段落ち。愛之助の美しさと殺陣のうまさ、表情の良さ。どちらも一歩も譲らず。まぁ見得とかは軽いのだけど、それも若手っぽくて良い。

それにしてもむずかしい題名だな。「そめもよう ちゅうぎのごしゅいん」と読ませるらしい。
燃えさかる宝蔵に飛び込んで、お家の重宝を切腹した腹中に入れて守ったと言われる細川家家臣友右衛門の伝説を元にした歌舞伎。御朱印を腹の中に入れて守ったから「染模様」なのかな(血で染まる)。忠義と書くところを恩愛としたのは、この演目が男同士の愛をテーマのひとつにしているからか。

そう、衆道(男色)もテーマのひとつであった。いわゆるBL(Boys Love)。染五郎と愛之助が契りを交わす。
染五郎とか「あ〜〜〜れ〜〜〜〜」と回りながら帯解かれるし(笑)。ふたりともシルエットながら半裸になって抱き合うし(笑)。まぁ美しいふたりの衆道の世界は女性にはたまらないのかもしれない(ボクには少しキモイ)。

まぁそういうのはともかく、全体にホント楽しませてもらった。
あえていえば、演出が大衆演劇すぎて歌舞伎としてどうなのかとはちょっと思った。ラストなんか野太い男声の歌なんかいらないんじゃないかな。梅沢富美男かと(笑)。第二幕はセットも豪華だったし(燃え上がる宝蔵、落ちてくる梁や壁、吹き上がる煙、そして大階段と染五郎の見事な階段落ち)、愛之助の泣かせもよく(場内すすり泣き多し)、終わり方もとても良かったのに、あの野太い歌声のBGM…。不要だなぁ。静かに余韻を持たせて終わっても良かったと思う。

終演後、中目黒の「イカロ」へ。
ツイッターでウナギの仕入れの話を書いていて、それに返信してたら「食べに来て下さい」とツイートされたので、夜22時なら入れるだろうと行ってみた(満席でギリギリ入れた。人気だなぁ)。「ウナギのマリネ」。勧めるだけあってうまいうまい。「グリーンピースのリゾット うさぎのラグー」。これも実によい。乳飲み仔羊も美味だったな。満足の夜。

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ちりとてちん再放送!

2010年03月24日(水) 8:37:44

ちりとてちん 完全版 DVD-BOX I 苦あれば落語あり(4枚組)もうご存じの方も多いとは思うけど、あの大傑作ドラマ「ちりとてちん」が4月4日からBSハイビジョンで再放送される。日曜深夜25時10分から26時40分まで。6本ずつ(一週間分)まとめての放送だそうだ(復活サイトはこちら

あれはもう2年半も前か。なんだかずいぶん前に感じる。
2007年の秋にNHKの朝ドラ枠で半年流されたこのドラマのことがボクは本当に大好きで、当時さなメモにもたくさん書いた(抜粋すると、これとかこれとかこれとかこれとかこれとかこれとかこれとか)。どのくらい好きかというと、DVDボックスを全3巻を買いそろえたくらいは好きである(初回限定グッズ付)。テレビドラマのDVDを買い揃えたのはこれが初めて。初めてにしてラストになる予感がするくらいである。個人的にはNHK朝ドラ史上最強ドラマ。「おしん」って何だっけ?

そう、つまり、DVDで全巻持っているのでいつでも見られる。再放送されても特に意味はない(ド深夜だし)。でもとてもうれしい。あのドラマがリアルに流れて、どこかの誰かがご新規さんとして見てくれているのが本当にうれしい(笑)

うれしさ余って、昨晩、思わず第1巻を見始めてしまった。
第1週目は「笑う門には福井来る」。うわっ。たった1週間でここまで展開したっけか !? 引越・転校から小浜編登場人物総ざらえから親子の確執から糸子さんのギャグ炸裂からA子B子関係の始まりから正太郎ちゃんの死から、あの、梅丈岳頂上での号泣のかわらけ投げシーンまで、すべて「たった1週間」でこなしてたっけ!

そのまま止まらなくなって、第2週へも突入。週題は「身から出た鯖」。
いまやブレイクしきった貫地谷ちゃんが本格的に登場してきて、号泣ふたたびのカラオケ大会「ふるさと」シーンまで。あぁ泣けた泣けた。なんなんだこのドラマ。ボクの号泣ツボに指突っ込んでガッタガタにしやがる。泣かせるだけでなく笑かしてもくれる。登場人物の演技、すべて奇跡的にいいし、欠点がみつからない(贔屓目すぎ!)

それにしても和久井映見、神演技だなぁ。江波杏子も松重豊も宮嶋麻衣もたまらん。なんて素晴らしい。とはいえまだ小浜編。大阪編が始まるとまたこれが…。

夢中で2週分見ちゃったのだが、ふと気がつくと25時半だ。うわわ。
一本15分と思うから、なんとなく「短い」気がしてるけど、1週分6本まとめて見ると1時間半である。2週分だと3時間見続けたことになる。でもなんだろうこの満足感。

ということで、しばらくは夜中にひとり、ティッシュ握りしめて号泣する生活です。酒よりずっとカラダにいいストレス解消だ。翌朝目が腫れてても見て見ぬ振りしてください →オフィスの同僚の方々

ついでだから、雰囲気を思い出してもらうためにこのYouTubeにリンクしておこう。「ちりとてちん メモリアル」。見た方ならこれだけで涙涙なはず。

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昨晩のNHK「激震マスメディア」を見ながらボンヤリ考えてたこと

2010年03月23日(火) 9:26:13

最近、「自分の老い方をどうするか」をよく考える。
どうやって60代70代を迎えるか、ということである。来年50歳になると実感してから急に気になるようになった。そろそろ準備をしないといけない。

もちろん「自分の人生的には60代70代はまだまだ上り坂。楽しい盛り」である。人生のピークを80歳と考えているので、それまではずっと上り坂(笑)。でもそれは「個人の人生」の場合。「社会での老い方」はまた別だと最近考えるようになってきた。

変化が激しいこの時代、今は変化についていけているが(変化を引っ張っているほうだとも思うが)、そのうち自分で気がつかぬうちに変化に遅れ始める(と思う)。そして少しずつ社会の障害になる。壮年時代にがんばって成功事例を作れば作るほどその可能性が高い。


昨晩22時からのNHK放送記念日特集「激震 マスメディア~テレビ・新聞の未来~」を見ていてもそう思った。

この番組、放送業界・新聞業界の代表と、IT系代表、評論家、学者などの対談で進められたのだが、代表者たち(社会的に偉い方々)の「変化に対して身を守ろうとする姿」「時代の変化を受け入れない態度」などが露わになってしまった。もちろん業界代表としてのポジション・トークもある。でもそれだけではない。映像は怖い。すべてが映ってしまう。いかに取り繕っても、裏側が透けて見えてしまう。

あそこまで上り詰めた方々が優秀でないわけがない。
若いとき、壮年時代、熟年時代と、業界で注目されるくらいはバリバリに働き、成功体験を積み重ねてきたはずだ。それには敬意を払う。ただ、現在の激烈な変化に対応するには成功しすぎた。既得権益を持ちすぎた。

嗚呼、がんばって成功体験を積み重ねれば積み重ねるほど、過去の成功にがんじがらめになって時代に遅れていくのだなぁ。変化に対応できなくなるのだなぁ。成功体験をどんどん捨てて、次々転身(転進)していくことが必要なのだなぁ。そうでないと知らず知らずに老害的になっていくのだなぁ。とか、テレビを見ながらしみじみ考えてしまった。

まぁ、いま上の方にいる60代70代と、変化の真っ直中で動き回っている20代30代を、しっかりつなぐ40代50代が逆に重要になってくる場合もある。そのために働くのも一手。でも、それをした挙げ句、結局「老害」になってしまったらイヤだ。いつの間にか自分がそうなるのが怖い。

そんなこんな。
思考がまとまってはいないけど、感覚的・本能的に「イヤだ」と思ってしまった昨晩であった。


ちなみにこの番組、内容的には目新しいことはなかったのだけど、NHKがこの問題に真っ正面から取り組み真面目な特集を組んだ、ということは素晴らしいと思う。テレビと新聞が「老人」になったことも(期せずしてなのか狙いなのか)浮き彫りになってしまった。それを狙ったのなら番組制作陣の勝利。そういう検証をやる若手・壮年が中にいるのなら(そしてそれを通す上がいるのなら)、NHKはまだまだ大丈夫だと思わせる。

そうそう、番組を見ながら、ボクはこんなことをツイートした。

佐々木さんも遠藤さんもよくキレないで忍耐強く語っている。ボクだったらキレそうだw おじいちゃん、何言ってるんだ?
多少酔ってますね(笑)
で、それに対して、あの「ハンバーグオリンピック」の迷言&見事な対応を残したNHK_PR(NHK広報局オフィシャルアカウント)さんからツイートが!
@satonao310 そこを、どうにかご辛抱して頂けると幸いです…
NHKにオフィシャルに慰められちゃったよ(笑)。

ちなみのちなみに、同じ時間にUstream で「この番組を見ながらツッコミを入れる放送」をやっていて、津田大介、山本一郎、上杉隆、小飼弾、堀江貴文の(空恐ろしい)5人がその番組を見ながらツッコミを入れ、ツイッターTL(タイムライン)でもみんなが話すということが行われていた。わりとグダグダなツッコミだったけど、とっても「イマ」っぽかったので、同時に見ていた。番組終了後もわりと長々と。

というか、「時間がないので今日はこの辺で」と終わってしまうテレビ番組って、もう「古い」よね。編集権が送り手側にあること自体が、たぶんデジタルネイティブには理解不能なことだと思う。これはテレビだけでなく新聞にも言えることだけど。

つまり、「限られた時間(紙面)」なので「ある視点で要約して(一部分だけ取り上げて)報道する」ということ自体、感覚的に古くなると思うな。それもあと数年〜十年くらいで。

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アートスポーツで買ってきたぞ

2010年03月22日(月) 18:56:31

去年の10月くらい、週に一二回、ジョギングしてたですね。

まぁジョギングと言っても、歩くのとそんなに変わらないスピードだったけど。息切れもほとんどしないくらいなゆっくりさ。それはもう、走り終わった瞬間に「むなしいーーーだーーーけーーこなーーーーゆきーーーー!」ってレミオロメンが歌えそうなレベルで息が切れない(例えが中途半端に古い)。

上のリンク先でも書いたけど、マラソンとかジョギングとか大嫌いだったんです。でもちょっと走り始めたら意外と楽しい。自転車通勤は会社から禁止されちゃったし、プールは五十肩でクロールできなくなっちゃったし、ちょっと運動不足だったからちょうどいいや、って、まぁマイペースでわりと走ってたです。まだ本格的に始めるかどうかわからなかったこともあって、そこらへんに転がってたスニーカーで。

で、快調に走り続けていたんだけど、1ヶ月後、足裏に来たんですね。
それは「これが噂の痛風?」ってくらいな痛み(そのあたりのことはこの日に書いた)。結果的には痛風じゃなくて「足底炎」。要は80キロの体重がかかる足裏が、馴れないジョグで壊れてしまったわけです。で、ジョギングの先輩たちから「シューズだよ、シューズ。シューズは、どんなにオーバーに言っても言い足りないくらい大事。ランばかりはカタチから入ること!」と、メールやツイッターで怒られまくったですね。

ハイハイわかりました次に走り始めるときはそうしますー、と素直に聞いていたんだけど、完全に痛みがなくなるまでの長かったこと! ほんと、5ヶ月かかった。まぁ走らないまでも毎日歩き回るわけで、患部は毎日痛めつけられるわけで、そりゃ治りも遅くなるわけです。

前置きが長くなったけど、つまり、ようやく「こりゃ完治したんじゃないか」と思えるレベルになったんですね。
で、ツイッターとかで「シューズは何処で?」と質問したら、「アートスポーツ」という店を勧められた。シューフィッティングの専門スタッフがいて、最適なシューズを選んでくれるらしい。もう足底炎は二度とイヤだ。だから、今日、その日比谷店に行ってきたわけ。

B1Fのシューズ売り場に行き、カウンターのお兄さんに「シューズが買いたいので計って欲しい」と伝えると、まずは裸足になれと言う。おぉ、人生初フィッティングだ。
靴下を脱いだ足に数カ所丸いシールを貼り(撮影計測時の基点にするようだ)、ガラス張りの撮影マシンの上に足を乗せ、ほんの数分ほどで両足ともに計測終了。なんでも「3D足型計測 ~asics/ioシステム~」というらしい。結果は写真のとおり(クリックすると大きくなります)。

写真の上部の図の赤い線が日本人の平均らしい。
足長が極端に長いな。下の寸法を見ると足長は276.6ミリ。いつも28.5か29のクツを履いているけど、これは正しいみたい。だいたいプラス1センチくらいのクツがいいと言う。甲の高さは薄い方。かかと幅も薄い方。というか、下の絵を見ると、左足と右足が6ミリも長さが違うよ母さん。

「サイズがサイズなんで、そんなに種類がないんですが…」と、持ってきてくれたのはアシックスの「ゲルカヤノ」。28.5センチ。
足底炎のことも伝えたので、クッションが多めに入っているものを持ってきてくれた。アシックスかぁ。人生初アシックスだなぁ。

というか、他のメーカーも含めて、ランニング・シューズのデザインってなんとかならんか? もっと大人っぽいものはないものか? とか思いつつ、もう専門スタッフの言葉を信じるしかない。試着したらずいぶんと履き心地がいい。とりあえずこの子と一緒に走ることにしよう、と、連れ帰ってきた。

さて、試しジョグ。
夜メシ前に今から行ってこようと思う。どんなんかな〜w いい具合だといいな〜w

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はっぴいうぃーくえんど

2010年03月21日(日) 21:41:00

早朝の大嵐がおさまるのを待って、朝9時くらいから犬散歩に出かけたら、ホーホケキョと爽やかな声が空を渡ったんです。いや、正確に言うと全然爽やかではなくて、まだ歌い始めの下手くそソングで、ちょいと西川のりお的ホーホケキョだったんだけど。でもとりあえず初ウグイス。春ですね。春です。

 それで ぼくも
 風をあつめて 風をあつめて
 蒼空を 翔けたいんです  
 蒼空を

てな感じで、今日は「はっぴいえんど」風に。「はっぴいえんど」ってなんでこんなに古びないのだろう。


この連休、ずっとデスクに向かって仕事してるけど、それと並行して iTunes の整理もしている。
ボクの iTunes には1万2300もの曲が入っているが(222GB)、これでもボクの持っているCDの半分ちょい。これらをすべて入れちゃって、アートワーク(ジャケット)もすべて入れちゃって、ジャンルなんかもすべてキレイに整理しちゃって、とにかくスッキリしたい! そんな欲望に急に駆られ、昨日からシコシコとリッピング(もちろんApple ロスレス・エンコーダで)しながら仕事してるわけ。

でも、iTunes は年々便利になってきているね。
超マイナーなCDとかは、以前は曲名が登録されてなかったことが多かったけど、今では100%に近いくらい登録されていて助かる。アメリカで買い込んだ超マイナーCDの曲名とかが、CD入れただけで一発で出るとうれしいものだ。まぁジャケット写真までは載ってないないことが多いので、それをいちいち各国のアマゾンへ探しに行く(or 自分でスキャニングする)のが実に面倒なのだけど。

てなことで、家にあるCDを整理しているうちに、カルメンマキやレイニーウッドやレベッカや須藤薫や浜田省吾やティナ・ルイスやアビー・レインやアン・マーグレットなんかに捕まって、心が70年代80年代から帰ってこない。まぁそれもそれでいいか、と、先ほどからは「はっぴいえんど」。まぁいい休日といえば、とてもいい休日。はっぴいうぃーくえんど。

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芸術選奨 贈呈式に出席してきた

2010年03月20日(土) 19:06:02

2009年度芸術選奨の文部科学大臣賞を贈られた岩田守弘さんの同伴者として、贈呈式に一緒に出席してきた。@文化庁

普通なら家族とかご両親とかが出席するところだが、家族はモスクワだし、ご両親もご欠席とのことで、僭越ながら「私設マネージャー」として出席してきた。どうせならここ7年くらいのボランティア・マネージャー活動も少しは賞のうちである、くらい厚かましく思おうと開き直って行ってきた(まぁ芸術選奨は「芸術」の賞なので、私設マネージャーごときのチカラなどこれっぽっちも影響しないのだが、ま、一応「そのくらいの気持ちで関与してきた」という思い込みをポケットに詰め込んで)。

2009年度の活動で選ばれたのは30人。
文化庁サイトのこのページに載っている。一般に有名なところでは、坂本龍一(欠席)、林家染丸、西部邁、藤幡正樹、西川美和、川上未映子、寺井尚子、そして細田守、かな。細田さんとは一度飲んだので、ツイッターであらかじめ「贈呈式で会いましょう」と連絡しあっていた。岩田守弘さんと細田守さんがつながるのも楽しみだった(田守つながり?)。川上未映子や西川美和を見られるのもちょっと楽しみ。

まずは贈呈式。
30人ひとりひとりに文部科学副大臣が丁寧に手渡す(文部科学大臣は遅れて参加)。写真はもちろん岩田さん。

そうそう、岩田さんも珍しいスーツ姿だが(この式のために買ったらしい)、ボクも、迷った挙げ句スーツで。首相官邸に行くときもジーンズなボクだが、なんというか主役の岩田さんの迷惑になるのはいけないと思ってスーツで。でも手入れを怠っていた革靴の底が途中でパックリ割れた(笑)。やっぱたまには手入れしないとなぁ(というか寿命か)。

受賞のスピーチは嵐圭史さんと川上未映子さん。
どちらのスピーチも立派だったが、特に川上未映子のはユニークでとても良かった。彼女は会場でもとても目立っていた。キョロキョロと落ち着かないのだが、感じが悪いのではなく、とにかくいろんなものに好奇心を持ってつぶさに見ていっている印象。ピンヒールにミニのワンピースも可愛らしく、いい感じ。スピーチもとっちらかってはいたが、「相対ではなく絶対を目指したい。絶対を信じている」という趣旨の言葉たちはそれはそれは輝いていてサスガだった。相対ではなく絶対。これは今のボクにとても刺さった。

なんだろう、ボクはとても「相対」な世界に棲んでいる。
広告コミュニケーションにしても、ソリューションにしてもイノベーションにしても、結局「相対」から逃れられない。で、ボクはそれがとてもイヤになっているんだ、と、ふとわかってしまった感じ。相対すべてがイヤなのではなくて、相対を仕事としている限り一生相対につきまとわられる、みたいなこと。そしてそこに何も価値などない、と、ふと。


祝賀会は同じ建物内の違う会場で。
一般的な立食形式。演劇だの映画だの舞踊だの評論だの文学だのいろんな分野の人が集っているので、会場の部分部分で空気が違う。おもしろし。ボクは岩田さんの近くに集まってきたバレエ関係者などと話をしつつ、途中で細田守監督を見つけ、岩田さんと引きあわせたたりした。なにかいいケミストリーが生まれるといいな。

それぞれの受賞者がひと言ずつスピーチしたりして、すべてのスケジュールが終了したのは8時前くらいだったろうか。
岩田さんは翌日(つまり今日)ロシアに帰ってしまう。すごい賞をもらった夜だから、ご両親のところに早く帰してあげないと、と思いつつ、なんとも別れがたく、「一杯だけ飲みますか!」と誘ってしまった。誘ったら絶対来てくれるのを知りつつ……申し訳ない。

で、どうせなら鶴見の岩田さんの実家への帰り道にある大森「テンダリー」で宮崎優子さんの美しいシェイク姿を見せてみたいと思い、ジャパンアーツのマネージの人も一緒にそこへ。必ずや岩田さんも気に入ってくれると確信があったので。

宮崎さんはNHK「プロフェショナル」も見てくれていたので、岩田さんに会えたのを異様に喜んでくれた。岩田さんも彼女のシェイクに「美しい…」と絶句しながら感激してくれた。これもいい出会いなのかも。ちなみに岩田さんは彼女の師匠にあたる上田さんが世界チャンピオンになったときのカクテル「シティ・コーラル」を飲んだ。これまた感動していた。ちゃんと感動して喜んでくれるところが彼のイイトコロ。

一杯だけ飲んでお別れ。
お互いちょっと涙目になりながらハグ。でも岩田さん、6月7月とまた来日するんだよね。それまで。元気で。丈夫で。

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ロックの学園2010

2010年03月19日(金) 9:28:38

明日からの三連休、廃校になった三崎高校で「ロックの学園2010」が行われる。

スラムダンク一億冊感謝キャンペーンを同じ場所でやった関係もあり、第一回目からNHKエンタープライズさんにはご案内をいただいていた。でも行けたのは去年だけ。スガシカオのライブを観た。今年は校了が延びた単行本の作業をこの三連休に終わらせないといけないので、いまのところ行けそうにない感じなのだけど…。

とてもいいイベントだし面白いので、もしお時間ある方は是非。

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ヤマザキマリさん、おめでとう!

2010年03月18日(木) 6:50:33

あれはもう3年も前になるのか…。
家族でポルトガル極楽旅行をしたのだが(本当にすばらしい旅行だった。第一日目から辿るならこちらから)、リスボンでマンガ家のヤマザキマリさんと初対面した。会った瞬間から違和感なし。すぐにとても親しくなった。

札幌にYOSAKOIソーラン祭りの審査員として行ったとき、「ポルトガルに行くならヤマザキマリさんに会わなくちゃ!」と数人から勧められ、紹介していただいたのがキッカケである(彼女は札幌出身でテレビのリポーターとかもしていた)。「モーレツ!イタリア家族」というヒットも持っているマンガ家さんだが、イタリア人のベッピと結婚した後、彼(大学の研究者)の転勤に伴い、リスボンに住んでいたのである。

で、その後、彼女&息子さんの来日時に遊んだりした挙げ句、イタリアにある彼女の旦那の実家に泊まりに行くまでに至った。そう、モーレツ家族の元に泊まりに行ったのである(これもすばらしい旅行だった。その様子はこちらから)。たった数年のつきあいとはいえ、こうしてわりと濃いつきあいになったのである。ちなみに彼女のマンガ「それではさっそくBuonappetito!」にボクもちらっと出演していたりする。

そのヤマザキマリさんの新作「テルマエ・ロマエ」が、なんと「マンガ大賞」を受賞した!

マンガ大賞:「テルマエ・ロマエ」が大賞 古代ローマと現代日本の風呂がつながる

 「マンガの直木賞」を目指し、マンガに詳しい書店員や記者らがその年一番のマンガを選ぶ「マンガ大賞2010」(同賞実行委員会主催)が17日発表され、ポルトガル在住のマンガ家、ヤマザキマリさんが「月刊コミックビーム」(エンターブレイン)で連載している「テルマエ・ロマエ」が大賞を獲得した。授賞式で、ポルトガル・リスボン在住のヤマザキさんはインターネット電話を通じて、「受賞は直前まで信じられなかった。インターネットで会場の状況を見て初めて実感した。我が家には(日本式の)お風呂がないので、お風呂に対する渇望があった。この憤りをそのままマンガにしたのがこの作品」と喜びを語った。

 09年1月1日~12月31日に単行本が出版され、通巻8巻以内のマンガが対象(過去の大賞作は除く)。書店員や記者、タレント、アナウンサーら89人の選考員の投票をまとめ、上位10作をノミネートした。2次審査ではノミネート10作を対象に投票し、1位を3ポイント、2位を2ポイント、3位を1ポイントで計算。「テルマエ・ロマエ」が94ポイント、小山宙哉さんの「宇宙兄弟」(講談社)が89ポイントだった。

 「テルマエ・ロマエ」は、古代ローマ時代の風呂限定の設計技師・ルシウスが、なぜか現代の日本の銭湯や温泉、浴槽にタイムスリップするようになり、風呂上がりのフルーツ牛乳やシャワー、あかすりタオル、シャンプーハットなどを知り、ローマで再現して名声を得ていく……というストーリー。09年11月に1巻が発売され、30万部を発行している。

 同作品は、ヤマザキさんが同人誌用に描いたものを、マンガ家の三宅乱丈さんが「コミックビーム」の編集部に紹介し、連載が始まったという。ヤマザキさんは「イタリア人の夫が、とてもまじめで内面はルシウスそのもの。彼にはこのマンガが理解できないみたい」と語り、女性読者が多いと聞き、「信じられない。男性ですら読者を選ぶ作品だと思っているのにどうして? こっちが聞きたいくらいです」と驚いていた。(引用元;毎日新聞デジタル


テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)いや、ホント、おめでとう!

彼女のブログはいつも読んでいるが、ちょうど3年弱前にテレビシリーズの「ローマ」にはまっている様子が描かれていた。はまった挙げ句、ローマを舞台に日本と結びつけて描いたのがこの作品。最初はほとんどシャレとして描き始めたのだったと思う。本人はたぶん、そのちょっと前から描いていた「ルミとマヤとその周辺」の方が力入っていたのだと思うが、こういう風に「思いも寄らぬものが賞を獲る」というのはよくあること(ボクが関わったスラムダンク一億冊感謝キャンペーンもそうだった)。

ローマ人のルシウスが現代の日本で出会ういろんなものに驚く部分が実に面白いこの作品。実は「日本の良さ再発見の書」にもなっている。遠きポルトガルで日本欠乏症に苦しんでいるマリさんならではのこの作品。まだの方は、ぜひ。

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感動! グルジア国立バレエ最終日「ロミオとジュリエット」

2010年03月15日(月) 8:24:14

感動的なステージだった。
ここんとこ連続で6本バレエを観ているが(笑)、その中でもベストな出来。実に素晴らしかった。

ニーナ・アナニアシヴィリや岩田さんが出ることもあって、東京公演の5回を皆勤賞してしまったグルジア国立バレエ。昨日はその最終日。よかったなぁ。演目は「ロミオとジュリエット」だった。

この、ラブロフスキー振付の「ロミジュリ」について、岩田さんはブログでこう書いている。

ラブロフスキーの「ロミオとジュリエット」はクラシックバレエ最高の名作の一つでしょう。現在色々な「ロミオとジュリエット」がありますが、これはその中でも最も古い作品で、他の大半の作品はこのラブロフスキーのバレエをもとにしてあります。
要するにバレエ「ロミオとジュリエット」の原型ですね。
時代背景、役の設定、音楽の使い方など、素晴らしいの一言です。
この、めったにやらないラブロフスキー版、それだけでうれしいところ、昨日は最終日ということもあってか、出演者全員ものすごい熱演だった。「開演前に全員で決起集会開いてました」(関係者談)というように、ものすごく気合いが入っていた。触れば火傷するような熱い舞台。どうやらNHKで放映されるらしいけど、生で見ないとわからない熱さかも。

実は、「ブログを読んで、バレエ初めて行きます」という方も多く来ていたし、友人たちもずいぶん見に来ていたので、勧めた手前「イマイチの出来だったらどうしよう…」と責任を感じてたんだけど(チケット安くないし)、それも杞憂に終わった。一般的ライブパフォーマンスとしても最高レベルだったと思う。多忙中時間を作って見に来た松井官房副長官(コンサートに通っている数は半端じゃない)は「ライブパフォーマンスとしてはクライバーの『椿姫』と並んで生涯ふたつに入る」とさえ。うれしいな。

もちろん、グルジア国立バレエ自体は一流とは言えない。ニーナはもちろん、ウヴァーロフ、岩田さんといったゲストの力がかなりの部分を占める。でも、昨日はみんなの心がひとつになっていて、奇跡的な舞台になっていたと思う。

白眉はやはりニーナとウヴァーロフ。第一幕の中庭場面のパ・ド・ドゥの美しさは魂抜かれた。そして結婚式の場面。アラベスクで長く静止するんだけど、一瞬世界が止まった。ラストの場面は、あまりバレエに馴れない15歳の娘(昨日は家族で観劇)も「泣けた」とひと言。いや、ほんと、昨日はロミオやジュリエットやマキューシオの心がよく伝わってきたいい舞台だったな。踊りの技術よりも心が伝わってくるこういう舞台がたまにあるからバレエはやめられない。

実はニーナは本当に調子が悪かったらしい(岩田さん談)。
来日初日ですでに足を引きずっていたという。10日の「ジゼル」でも右足が相当悪かったようで、とても公演が出来る状況ではなく、代役まで考えたとか。でも整体でなんとか治し、ギリギリの状態で出演していたらしい。13日のさなメモでボクは、

ただ、昨晩は、ニーナの調子がイマイチだったかも。いや、安定度は素晴らしかった。でも躍動感があまりなく、まとまりの良さばかりが感じられた。第三幕が始まるのが妙に遅れたので「まさかニーナの足が悪化した?」とか心配したくらい。
と勝手に想像して書いたが、これは本当にそうだったらしい。第三幕前に「急遽代役を」と騒ぎになっていたくらい足の調子が悪かったんだって(結婚式のアラベスクで静止する場面でまた痛めたらしい)。

昨日の公演も出演が相当危ぶまれたらしいが、整体がうまく行き、足も引きずらず会場入りしたとか。
いままでの不調を取り戻すかのようなラスト・ジュリエット。もう本当にこの役やらないの?ってもったいなく思うほど。第一幕の天真爛漫さ、第二幕の清楚さ、第三幕の悲嘆、どれをとってもジュリエットの心が直接伝わってくる。至福だった。

ウヴァーロフも渾身の演技。まったく隙なし。溜息の出るようなジャンプとリフト。190センチ以上あるのに鈍重さが全くない。リフトの安定感は一昨日のマチュー・ガニオと比較できたから特に感嘆した。これってさりげなくやってるけど実は超絶だ…。

そして岩田さん! 「途中で一回こけそうになりましたー」と後で笑っていた第一幕のバリエーション。そんなこと気づきもしなかったくらいキレもよくいいダンス。で、第二幕のマキューシオが死ぬ場面。刺されてからが実に長い演技なのだけど、3回の東京公演で一番いい「死に方」だった。

公演前、岩田さんと飲みに行ったとき、「佐藤さん、死に方がよくわからないんですよ。死ぬときってどうなるんでしょうねぇ」と質問をされたんだけど、答えようもなく(笑)。でも、「『傷だらけの天使』のとき、ショーケンが『撃たれたとき、映画みたいに格好よく死ぬわけない。イタタタタと奇声を上げて格好悪く死ぬのが本当だ』みたいなことを言ってたよ」とだけは伝えた。それを少し活かしてくれたのか、本当に痛そうに、ちょっと格好悪めに死んだ。迫真の演技。

全体的にダメダメだった東京ニューシティ管弦楽団の演奏も、昨日はなかなか。
金管とかは相変わらずちょっと…だったけど、かなり迫力ある演奏だった。岩田さんも「初日からどんどん熱い演奏になっていった」と褒めていた。きっと成長している過程なんだろうな。昨日は指揮者(ダヴィド・ムケリア)も燃えていたようで、「テンポがどんどん速くなり、踊りが追いつかないくらいだった(岩田さん)」とか。でもその分、熱は伝わってきた。

と、こんな感じで、すべてがうまく回って、奇跡的なステージに。
お客さんたちもかなり熱い反応だったので、ステージ上もどんどん熱くなる。このインタラクティブさがたまらない。やっぱり舞台は「生」だなぁ。

カーテンコールはニーナの娘さんであるエレーナも出てきたり、大きな音を立てて紙テープが発射されたり、ニーナがグルジア国旗を羽織って挨拶したり、とても楽しいものになった。もちろんお客さんもスタンディングオベーション。
ニーナはもともとカーテンコールが楽しい人で、いろいろサービスしてくれる(踊ったりもしてくれる)。今回は意外とサービスがなかったので「やっぱり調子が悪いのかなぁ」と心配してたけど、昨日は最終日でホッとしたのか、サービス多めだった(笑)。決して一流とは言えないグルジア国立を芸術監督として率いた責任感からも解放されたしね。足の調子悪さを押して無事に全公演を踊り終えた安堵感もあったのだろうと思う。
ちなみに、ABT最終日のカーテンコールが観られるのでご参考までに。これなんか、サービスの極致すぎるけど。

終演後、岩田さんに会いに楽屋に行ったら、ホールみたいなスペースにビールが用意してあって、ニーナやウヴァーロフも加わってみんなで乾杯となった。ちゃっかり参加してしまった。ニーナは相当ハシャギ気味。旦那さん(元グルジア外務大臣)のスピーチや即興のテノール披露もあったりして楽しい打ち上げ。

その後、岩田さんと、家族と友人夫妻(新潟から来ていた)、そして岩田さんのマネージャーさんとで恵比寿の「焼肉チャンピオン」へ。ここには書けない裏話なども聞けて楽しい一夜。岩田さん、本当にお疲れ様。あと11年。50歳まで是非踊ってください。

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パリ・オペラ座バレエ日本公演「シンデレラ」

2010年03月14日(日) 12:45:04

もうグルジア国立バレエ4連チャンでお腹一杯だったのだけど(今日で5連チャン目)、友人からパリ・オペラ座バレエ東京公演のチケットを譲ってもらったので、昨晩行ってきた。@東京文化会館。そうか、オペラ座が来日したからグルジアが五反田に追いやられたのね(笑)

演目はヌレエフ版「シンデレラ」。
ヌレエフ版は1986年初演で、昨日で95回目の上演だとか。

原作を1930年代のハリウッドに置き換え、カボチャの馬車はリムジン、お城はハリウッドの映画スタジオ、王子様は映画スター、というシンデレラである。かなり評判が良く、人気の舞台らしい。アメリカ映画嫌いのフランス人がなぜハリウッド? と最初は思ったが、煌びやかで美しい舞台に、そんな理屈も忘れて見入ってしまった。

いやー面白かった。
コミカルで華やかで上品。センスもよくエスプリも利いている。ちょっとだけ斜に構えている感じもいい。ストーリーも楽しいが、ヌレエフの振付も素晴らしい。こういうのを観るとロシア系(ボリショイやマリインスキー)の野暮ったさが際立ってしまう。まぁその野暮ったさ(荒削りで雄大で過剰にロマンチック)が結局好きで、観るならロシア系と個人的には思ってしまうのだけど。

グルジア国立バレエで男性陣の層の薄さを4回連続で感じていたせいか、パリ・オペラ座バレエの男性陣の層が厚さとうまさに溜息が出た。下っ端でもいいからあのうち3人ほどグルジアに借りたいくらい。

シンデレラ役のデルフィーヌ・ムッサンは知らなかった人だが、安定感抜群で端正なシンデレラを演じた。もっと喜怒哀楽を強く出して欲しいと思うのはロシアバレエの見過ぎ?(笑)。映画スター役(王子)はマチュー・ガニオ。一昨年の「エトワール・ガラ2008」で観ている。リフトがちょっと下手(?)なこと以外は文句のつけようがない演技。ジャンプも着地も美しい。回転のキレがすごい。全体に上品だし。

そして、特筆すべきは意地悪な義姉役のふたり、エミリー・コゼットとドロテ・ジルベール。うめぇ。コミカル&下手くそに踊らないといけない役なのだけど、軸がまったくぶれず細部に渡って技術がしっかりしているので、下手くそさがキレイに出る。第三幕のスペインの居酒屋や中国の酒場で別役でも踊っていたが、いずれも達者。こういう脇役がうまいとステージがキリリと締まって気持ちいい。
脇役で言ったら、継母のステファン・ファヴォランも素晴らしい。笑いを取りまくり。バレエで笑いを取るって超難しいのにサスガ。あと、ダンス教師のマチアス・エイマンもうまかったな。

くわしいストーリーと写真&動画はこちらに載っているので、興味ある方はどうぞ。チャップリンやらキングコングやらも出てきて、本当に楽しい良い舞台だったと思う。

さて、今日はグルジア国立バレエの最終日。今週はこれでバレエ4本目(笑)。何事も「固めて経験する」のがコツですな、と、自分に言い訳しつつ、アナニアシヴィリとウヴァーロフと岩田さんの競演を楽しんでくる。この3人で踊るのはもう二度とないだろう。

余談:パリのオペラ座(ガルニエ宮殿)は、6年前に岩田さんと一緒に隅から隅まで(舞台裏から奈落から稽古場まで全部)探検したことがある(そのときのさなメモ)。
そして特別に舞台袖(緞帳横)にパイプ椅子を置いて観劇させてもらった。ザハロワが荒い息で1m横からステージに飛び出していく世界。あんな体験ありえないなぁ…。6年前よりずいぶんバレエ・リテラシーが上がった今なら、きっともっともっと興奮しただろう。

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岩田さんに芸術選奨!

2010年03月13日(土) 10:19:09

岩田守弘さんが平成21年度「芸術選奨」を受賞した。
モリ、本当におめでとう。誇りに思う。

芸術選奨って他にどういう人がもらってるんだろー、と、文化庁のサイトを見てみたら、坂本龍一さんも同時に受賞。細田守さんは新人賞をもらってる。すごい人たちと並んでいるなぁ。岩田さんは中でもとても若い受賞者のひとりだ。

まぁ冷静に見るとその選び方がよくわからない部分もあるのだが(特に新人賞との違いとか。20年度は井上雄彦さんが新人賞だったりするし。なんで彼が新人賞なんだ?)、とはいえ平成21年度の30人の中に入ったのは素晴らしいと思う。ロシアというアウェイで孤独にがんばっている彼を認めてくれたのは友人としてとてもうれしい。

実は一週間前にはもう受賞はわかっていたのだが(正式発表が昨日)、岩田さんもあまりピンと来てなかったようだ。まぁ文化庁に認められるために踊ってきたわけじゃないし、メドベージェフ大統領から贈られた友好勲章の方がずっとうれしいのもわかる。でも授賞式に出れば実感湧くのかな。授賞式はラッキーなことにロシアに帰る前日の19日だ。

昨晩は、その岩田さんも出演しているグルジア国立バレエ「ロミオとジュリエット」。

ええ、すいません、ホント最近バレエ・ブログすね。
まぁでも時季的なもの。もう今週でオシマイなのでご勘弁を。今日パリ・オペラ座バレエに行って、明日グルジアの東京最終日に行ったら、しばらくバレエともお別れだ。

というか、ここ2年くらい、男性のバレエ観客が増えていてうれしい(少しは貢献できたかな)。3年前くらいは1割くらいしか男性観客がいなかったんだけど、今年なんか3割くらいに増えた感じがある。
「振付がわざとらしいしキモイ」「おとぎ話を見せられてもさ」「コスチュームが気恥ずかしい」「キレイゴトやってんじゃねぇ」…みたいなネガが男性からいろいろ言われるし、そういう部分も確かにあると思うけど、極限まで鍛え抜かれたダンサーたちが音楽を体現してくれる様は見慣れれば見慣れるほど快感に変わる。総合芸術としてとてもよく出来ているとボクは思う。女性に独占させておくのはもったいない。

ま、ボクも見始めた初期は「?」が多かった。同じようにネガを感じていた。
モスクワで集中的に観劇してからは「世界トップの凄さ」を知って大ファンに変わったが、それでも今考えると超絶技巧ばかり喜んでいたと思う。
でもね、いまでは、超絶技巧だけだったらビデオでアップで見てればいいと思っている。いまは「生でダンサーたちの躍動を感じたいし、彼らの『表現』が観たい」と思っている。生じゃないとそれが伝わってこないし、オーケストラも生じゃないと熱さは伝わってこない。稀に両者が至高なレベルで高まり合うステージがあって、そういうときの感動は計り知れない。そういう瞬間を求めて、毎回高いお金払って見に行っている感じ(その金額に見合う感動が稀にあるからやめられない)。

それはともかく、昨晩の「ロミジュリ」。

これで今回の東京公演を観るのも4回目なので、アラもいろいろ見えてくる。群舞もオケももっとがんばってほしい。でも、決してレベルが高くないグルジア国立を芸術監督のニーナ・アナニアシヴィリがしっかり締め、とてもまとまりのいいステージにしてくれていると思う。

ただ、昨晩は、ニーナの調子がイマイチだったかも。いや、安定度は素晴らしかった。でも躍動感があまりなく、まとまりの良さばかりが感じられた。第三幕が始まるのが妙に遅れたので「まさかニーナの足が悪化した?」とか心配したくらい。ただ、ウヴァーロフが相変わらずの熱演でそれも救われた。岩田さんもとても良かった。軽やかでコミカルで、マキューシオの陽気な一面をとてもよく表現していたと思う。東京公演初回より今回の方がボクは良かったと思うな。マキューシオの死に方については少し演技を変えていた。明日の最終日はどんな死に方を見せてくれるだろう。

アナニアシヴィリもウヴァーロフも、ほんと、いつ引退してもおかしくない。来日ももうそうはないだろう。岩田さん曰く、ウヴァーロフも引退をほのめかしているらしいし(まぁほのめかし出してからが長い人も多いけど…)。
あと1回。明日の公演も目を皿のようにして集中して観るつもり。このふたりのペアは1+1が3にも4にもなるところがある。明日がそうだといいな(ボクの知り合いもたくさん来るみたいだし、ツイッターやブログで知って初めてバレエに行くという人もたくさんいるようなので。いい舞台になるといい)。

余談:ニーナが今回持ってきているジュリエットの衣装だそうだ。8着持って来日しているらしいけど、実際には1回の公演で6着しか着ないので、公演毎にその日どれを着るか選ぶんだって。

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インビクタス。そしてモリ&オリザ

2010年03月12日(金) 8:46:51

以前から岩田守弘さんを平田オリザさんと繋げようと画策していたのだが(バレエと演劇ということもあるが、なによりも芸術立国論的な部分で話が合うと思ったし、この出会いが将来なにかの芽に育つ気がしてたから)、それがようやく昨晩かなった。

最初は19時から会うことにしていたのだが、今晩公演する「ロミオとジュリエット」で急遽代役が出たらしく「佐藤さん、急に通し稽古しなくちゃいけなくなったんですね」と岩田さんから連絡があり、オリザさんと調整した結果、22時からに変更することにした。

さて、どうしよう。時間が余った。
打ち合わせを19時前に銀座で終え、22時まで何もすることがない。長谷川等伯展は(昨日の木曜日は)17時までだしなぁ。会社に帰って仕事するか。それとも…。

そこでビビビと思い出した!(サンキュー、オレのシナプス!)
映画「インビクタス」が観たかったんだったったっ!

iPhone先生で調べると18:50から有楽町マリオンのピカデリー3でやっている。
いま飛び込めばまだ予告編だし大丈夫。

ということで、クリント・イーストウッド監督の新作「インビクタス/負けざる者たち」を観た。
もうすぐ公開終了なのでギリギリだった。間に合って良かった。

感想をくわしくは書かないが、いくらでもハリウッド的誇張を駆使できるこの題材(実話)を、端正に、ニュートラルに、淡々と撮ったイーストウッド監督の「きれいな知性」にまず感服。フェアで孤高で誇り高い。「この部分もっと盛り上げられる」「ここを伏線にすれば後半もっとグッとくるのに」とかいろいろ考えてしまうが、それをやらずに淡々と撮っていったところがいい。とはいえ、劇中何度も泣かされたけど。

心の揺れみたいなものの描き方(「ミリオンダラー・ベイビー」と似ている描き方)の最低限さとそのうまさ、「グラン・トリノ」と通じるような社会的メッセージ。モーガン・フリーマンとマット・デイモンの熱演。とてもよく出来た映画だと思う。

引用されていたウィリアム・アーネスト・ヘンリーの詩をネットで見つけたので全文載せておく。大切なことを思い出させてくれた感謝を込めて。


 インビクタス
 
  私を覆う漆黒の闇
  鉄格子にひそむ奈落の闇
  私は あらゆる神に感謝する
  我が魂が征服されぬことを

  無惨な状況においてさえ
  私は ひるみも叫びもしなかった
  運命に打ちのめされ 血を流しても
  決して屈服しない

  激しい怒りと涙の彼方に
  恐ろしい死が浮かび上がる
  だが 長きにわたる 脅しを受けてなお
  私は何ひとつ 恐れはしない

  門が いかに狭かろうと
  いかなる罰に苦しめられようと
  私が我が運命の支配者
  私が我が魂の指揮官


終了後、通し稽古を終えた岩田さんと五反田で待ち合わせ、駒場の「こまばアゴラ劇場」へ(アゴラはオリザさんが芸術監督をしている劇場)。
移動中、岩田さんに「インビクタス」のことを話したら「あ、観たんですか! ボク、2回観ました! 今日の昼も両親と観てきました!」とのこと。偶然だねぇ。ふたりでこの映画の凄さや征服されぬ魂について語り合う。

オリザさんとも無事に会えて、一緒に近くの居酒屋「英香」へ。
途中から松井官房副長官も飛び入り参加して、みんなで芸術や劇場の未来について話し合う。松井さんは落語やクラシックを中心に幅広く芸術に触れている人。話題は多岐に及んで楽しかった。


私は あらゆる神に感謝する
我が魂が征服されぬことを

私が我が運命の支配者
私が我が魂の指揮官

インビクタスの詩を何度も反芻しつつ、25時半すぎに帰宅。
ネルソン・マンデラの27年間に及ぶ投獄と、その後の信念、赦し、礼儀、誇りに、思いを馳せる。

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アナニアシヴィリ、日本最後(?)の「ジゼル」

2010年03月11日(木) 8:33:39

アナニアシヴィリの「ジゼル」や「ロミオとジュリエット」、空席がある、と、数日前に書いたらニューヨーク在住の方からこんなメール。

> 東京って、バレエ環境、恵まれてますよね。
> それに気づいているのか東京都民。空席? ああ勿体無い。

いや、本当にもったいないと思う。
昨日も1階席は9割の入りながら、2階席はガラガラ。あー、アナニアシヴィリ渾身の「ジゼル」が! なんか、もったいないというか、彼女に申し訳ない…。

ということで、昨日は「ジゼル」。東京では今回ラストの「ジゼル」である。
宣伝文句によると「アナニアシヴィリ、日本最後の『ジゼル』」だそうである。ホントかな。でもあり得るな。ちなみに、12日と14日に「ロミジュリ」があるが、ジュリエット役も「日本最後」とポスターに書いてあった。うーむ。来日自体が最後にならないことを祈るのみ。でも、まだ会場でチケット売っていたから、空席あるんだよなぁ…(もったいない…)。

会場は五反田ゆうぽうとホール。なんというか、ニーナが五反田に来ている、ということ自体が現実離れしている(笑)。ニーナ・アナニアシヴィリが五反田。ニーナ・アナニアシヴィリが五反田。何度書いても現実離れしている(笑)

開演前に、稽古に来ていた岩田さんと少し話した(彼は「ロミジュリ」しか出ないので)。
なんか体調が悪かったのだけど、彼と会うと途端に元気になるのでありがたい。よく「横綱の四股は魔を払う」とか言うけど、それにならうと「岩田さんとの握手&ハグは疲れを払う」である。ボクにとって。

で、「ジゼル」。
1回目は第一幕の狂気の場面に心底驚いたが、今回は第二幕のウィリのニーナの完璧なダンスに目を奪われた。なんだこの安定感。安定しすぎていて凄さがわからないほどさりげなく見える。流れるように滑らかな踊り。美しすぎる。
というか、どうしてトゥで立ってあんなに安定するのだろう。アラベスクの深いの(用語は知らない)も驚異的な安定。安定しているから「踊り」ではなく「演技」の方に気持ちが行く。だから泣ける。他にこういう経験はギエムくらいしかしたことがない。

この安定感が、逆にグルジア国立バレエのコール・ド(群舞)の不安定感を目立たせてしまったのが哀しいところ。ミルタ役のラリ・カンデラキも昨日はかなり不安定。相当不調だったと思う。どこか悪いのかと思わせるくらい。

余談になるが、「ジゼル」の第二幕を観るときによく思い出すのが、モスクワのボリショイ劇場(建て替え前)。
ザハロワのボリショイデビュー公演の「ジゼル」を観たのだが、第二幕でお墓の横にジゼルが現れる場面が、ボリショイ劇場の場合、下からのせり上がりになる。お墓のところにすぅっと下から浮かび上がるウィリ姿のザハロワ。ものすごくキレイな場面なのだが、せり上がりが手動で、それも油をちゃんと差してないらしく、「キコキコキコ」と手動で回している音が響く(笑) あれには笑った。

って、まぁそんなことはどうでもいいや。
ウヴァーロフも相変わらず良い。なんか一皮剥けた。全盛期のフィーリンやツィスカリ-ゼみたいな華はないが、プリマバレリーナを脇からさりげなく盛り上げる素晴らしいプリンシパルに成長したと思う。着地の柔らかさ、リフトの美しさなどすばらしい。演技も幸せの表現もいいが、怒りの場面が意外といいのに驚いた。ロミオ役のときはそこに注目して見てみたい。

もちろん、ニーナの第一幕の狂気の場面は今回も凄かった。今回は席が前の方だったので表情がよく見えたのも大きい。細かい表情まで完璧に演じている。気が狂って、髪をほどき、客席をゆっくり振り向いたときの恐ろしさ。ホラー映画というか……、ファンは怒るかもしれないけど、楳図かずおの描くホラー少女そっくり。マジこわい!
完璧に演じたといえば、第一幕で家から出てきた母親に見つからぬようウヴァーロフの背中に隠れた場面の演技が本当に「少女」だった。すごいなぁ…。

終了後、五反田の「江戸間」に行って軽くご飯を食べて帰った。
会社帰りにササッとアナニアシヴィリを観て、ちょこっと食べて帰るなんて、ほんと贅沢。こういった贅沢を味わわないと、過酷な東京に住んでいる意味はないと思う。グルジア国立バレエの東京公演もあと2回。ありがたいことだ。

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「チャート」よ、どこへ行った!

2010年03月10日(水) 9:22:00

去年の伊藤若冲も見逃したが、長谷川等伯展も見逃しそうだ。
いや、行く時間は1時間半くらいなら作れるのだけど、混雑とか行列が嫌いで、どうしても二の足を踏んでしまう。等伯も異様に混んでいるようだしなぁ。入館するのに30分とかかかってしまったら、あとはかなり駆け足でないと見られないし。うーん…。

日本の美術については、なんか複雑な思いがある。「得意分野だったのになぁ」「あのころの知識を思い出してから観たら数百倍おもしろいのだろうけどなぁ」「でももうすべて脳味噌から失われてしまったなぁ」みたいな。

って、何言ってるかわけわからないっすね(笑)
なんというか、受験時代に「日本美術史」が異様に得意だったんだけど、その知識がすでに脳味噌から失われていて、悔しいような哀しいような、でもまだ得意意識が残っている分ちょっと「まかせとけ感」もあって……みたいなビミョーな感覚があるわけ。

ボクは大学受験で日本史を選択したんだけど、美術史が苦手でなかなか覚えられなかったんです。
狩野探幽がどうの、俵屋宗達がどうの、応挙や呉春や若冲がどうの、みたいなこと。もう固有名詞と時代の変遷と○○派の系譜みたいなものがゴッチャになって何が何やら…。

で、浪人の夏だったか、一念発起して室町時代から江戸時代、近代にかけての美術史(特に絵画系)を系譜や系列別に時系列で並べてオリジナルな「チャート」を作ったですね。狩野派の系譜や枝分かれ、土佐派、琳派、浮世絵系など、代表作とともに時代ごとにきれいな図表にしたわけ。で、その表を丸ごと何度も書く、という作業を繰り返した。何度も書く過程でどんどん完成度が上がっていき、最後には「この図表は大傑作なのではないかっ!」「有料で売ってもいいのではないかっ!」と思い込むまでに至った(笑)

言うまでもなく、苦手だった美術史は異様な得意分野に変わったです。
つうても、日本史の試験でほんの1問くらいしか出ないマイナー分野なんだけど、そういう1問の差を競うのが受験。もう本番のときも「美術史出ろ出ろ!」という感じ。運良く出たら、問題用紙の隅っこにサササとその「チャート」を再現し、余裕で穴埋めとかしていった。難しい問題だとご機嫌。簡単な問題だと怒り心頭。もっと難しいの出せよ!ってなもんである。

あれから30年…。
あれほど得意だった日本美術史も、もう記憶の彼方である。「チャート」でそれぞれの結びつきを関連化して覚える、というのは、かなり長期記憶化できる覚え方なのだけど、やはりあれ以来一度もやり直さないと忘れてしまうわけで。

というか、あの「チャート」をもう一度やれば、きっとまたアタマに入ると思う。昔の記憶が蘇る自信がある。この年齢で「日本美術史にくわしい自分」というのはなかなかに魅力的。あー、そんな自分になりたいっ!

でも、どこをどう探しても、あの「チャート」が見つからない。
あー…。受験勉強で得られた知識って社会に出てから何も役に立たないとかよく言われるけど、あの「チャート」に限っては、いまこそ役立つものなのだけどなぁ。惜しい。惜しすぎる。「チャート」よ、どこへ行った!

まぁ、とはいえ、もう一度「チャート」をいちからシコシコ作ってまで知識を得たい気持ちもないんだけど…(ダメじゃん)

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久しぶりにマネージャー業務 @TBSラジオ

2010年03月07日(日) 18:56:47

昨日の3月6日は、娘の響子の誕生日(15歳)と結婚記念日がダブルで来た日。我が家にとってはめでたい日である。
とはいえ毎年この日はもろに「娘の学年末試験」に重なるので、特に当日のイベントはなし。ケーキを買ってお祝いしただけ(今年はペニンシュラ・のケーキにした。うまかった)。誕生日プレゼントはちょいと奮発した(何をあげたかはそのうちに)。とても喜んだ。

昼間は久しぶりにマネージャー業務(笑)。
最近では岩田守弘くんももう有名になってきたのでやらなくてもいいんだけど、8年くらい前から手弁当でずっと彼の「私設マネージャー」をやっているのである。

彼は、野球で言ったらイチローか松井くらい凄い人なのに、当時の日本ではまったく無名(ロシアではとても有名)。
なので義憤に駆られ、東京地区マネージャーを買って出て、彼が来日するたびにいろんなメディアの人や有名人に会わせて歩き、テレビ出演やラジオ出演や雑誌出演を頼んでまわってきたのである。

まったくのボランティアであるが、なんというか「この人を有名にしなくちゃ!」という強い思いがあったわけ。
まぁでもそんな地道な活動が少しずつ実ったのか、「NHKプロフェショナル出演」というド派手な花火があり(これにはボクは直接の関与はしてないけど)、ようやく岩田さんも有名になってきた。公演会場での拍手が違う。岩田さんがロビーにいたりするとサインを求められたりする。そういう岩田さんの姿を「巨人の星」の星明子みたいに柱の影から見て、ヨヨヨと涙ぐむワタクシである。

で、昨日はTBSラジオ「久米宏 ラジオなんですけど」「スポットライト !!」というコーナーに生出演が決まっていたので、久しぶりに「付き添い&立ち会い」というマネージャー業務をしたんですね。いや、平たく言えば「ついていっただけ」なんですけど。

TBSラジオの村沢青子ディレクター(キラキラ担当)には本当にお世話になり、いろんな番組に岩田さんを出演させていただいた。岩田応援団の貴重なひとりである。
今回も担当を越えて久米さんに打診していただき、出演が叶った。昨日のさなメモで「久米宏夫妻と少しだけお話をした」と書いたのは、たまたま公演会場で久米さんと席が隣だったので、「はじめまして」とご挨拶し、この出演のことを感謝申し上げた、ということである(マネージャーとして:笑)。

2時からの出演なので、1時半に赤坂TBSへ。
出演前に一瞬久米さんが挨拶に来られ、3分ほど岩田さんと話した。さすがなもので、3分でちゃんとゲストと打ち解けて「もう少し話したい」と思わせるようなところまで持って行き、本番に突入。

本番でも上手だったなぁ久米さん。これまでに岩田さんにいろんなラジオに出てもらったが、いままでそんなに話したことのない話題を岩田さんからちゃんと引き出していた。10年以上前に岩田さんがモスクワ・バレエ・コンクール(4年に一度の超有名なコンクール)で金賞を取ったときの外電までサプライズで自ら用意していたり。さすがだ。

岩田さんの話にいつもの調子で多弁につっこんだり、あるところではわざと合いの手も入れずにじぃっと黙って話をうながしたり、その強弱の付け方が豊富すぎる経験を感じさせる。時間もぴったり30分。岩田さんの人生を辿って、直近の勲章授与まで持って行き、見事に締めた。久米宏おそるべし。さすがな技術。

生出演後の岩田さんもとてもいい顔をしていた。
その日は他にもいくつか仕事があったようだけど、1年前からついに本当のマネージャーもついたので、彼女に任せてボクは帰宅。というか、50前のオッサン・マネージャーより女性の方が何かとよろしい。もうそろそろマネージャー業務も卒業かなぁ…。ホッとしたような、寂しいような。でも当初の目的である「この人を少しでも有名にしなくては!」というのはある程度達せられた気もするので、まぁメデタシメデタシではある。

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ウヴァーロフすげえ! @「ロミオとジュリエット」

2010年03月06日(土) 19:35:55

昨晩は待望の「ロミオとジュリエット」@東京文化会館
アナニアシヴィリとウヴァーロフと岩田守弘。この3人の競演は見逃せない。そして、この原作の舞台となったヴェローナにも一昨年行ったので妙に親近感もある。だからとっても楽しみにしていた。

ロミジュリは、バレエでは3回目かな(直近では大日本プロレスでも観ているが:笑)。
印象に残っているのはヴィシニョーワのジュリエット。可憐かつキュート。それを大御所アナニアシヴィリがどう表現するか…。わくわくする。舞台自体は、セット転換が頻繁で、ストーリー性の強いバレエだ。踊りの見せ場よりも演技の見せ場が多いのだが、プロコフィエフの音楽もよく、飽きが来ないいい演目である。

グルジア国立バレエは、前々日の「ジゼル」で感じたような層の薄さをあまり感じず、昨日のステージに関して言えばとても良かった。全体にハイレベルにまとまっていて、いい舞台だったと思う。

まず、なんと言っても岩田守弘(モリ)。
モリに対しては思い入れが強くなりすぎて、踊ってる最中もずっとドキドキしすぎるんだけど(心配で)、積み重ねてきた稽古の量が違うのでもちろん失敗なんかしない。昨日も物凄い安定感で、彼がステージに出てきただけでピシッと空気が締まる感じ。さすがだなぁ。やっぱりひとレベル違う。彼自身、終演後「今日はとてもいい出来だった」と言っていた。

ニーナ・アナニアシヴィリも実にすばらしかった。「ジゼル」ほどの印象は残らなかったが(あれがすごすぎ)、14歳のジュリエットが違和感まったくなし。ヴィシニョーワに負けないくらい可憐でかわいくて、悲しみの演技も完璧。あぁ眼福ったらない。特に悲しみに暮れる演技は一日の長ありである。

でも!
昨日の白眉は、この凄いふたりを差しおいて、ロミオ役のアンドレイ・ウヴァーロフ!

この人、来日回数が多い人で、日本ではお馴染みのダンサーではあるが、ここ2年くらいの伸びがすごく注目していた(以前は普通っぽいダンサーだった)。そして昨晩のウヴァーロフは本当にすごかった。絶好調。ジャンプも回転も言うことなし。演技も実にいい。そして何よりリフト(女性を持ち上げる)。ものすごく高くて安定している。葬儀の場面でニーナを寝た姿勢のまま高々とリフトしてそのまま階段を上っていくというウルトラCがあったが、もう信じられないようなリフト技術だった。

終演後、岩田さんとご飯に行ったのだけど、彼にそう伝えたら「第一幕で僕が彼にリフトされる場面があったでしょ。彼、190センチ以上あるから、それがものすごく高い。高すぎて怖い!」だって。ニーナもさぞかし怖かっただろうな。水平に寝た姿のまま、3メートルくらいの高さで腕二本で支えられている彼女…。怖っ。

そういえば岩田さんはこうも言っていた。
「ウヴァーロフの足はもうボロボロで、腱とかいっぱい切れていてあと少ししか残ってない。でもすごく努力している」。うーむ、全くそんなこと感じさせない軽やかなダンスだったなぁ。

てな感じで「ジゼル」に続いて大満足の舞台だった。あぁバレエはいいな。最近では男性客も増えてきて頼もしい。ちなみに昨日は隣の席が久米宏夫妻で、少しだけお話をした(これについては明日)。


終演後、楽屋へ。
ボクのサイトをハブとして知り合った人たちと8人で行ったのだが、ニーナを間近に見られてこれまた眼福。若い。30代にしか見えない。そして終始ニコヤカ。主演&芸術監督をこなした後だったので、かなり満足感が高かったらしい(関係者談)

そしてサイン攻めにあっていたモリを待って、みんなで一緒に食事へ。

写真はモリがメドベーチェフ大統領からもらったロシアの友好勲章。
貴重品なのにさりげなく見せてくれた。これの授賞式の模様はモリのブログにくわしい。とても面白いから読んでみて(前日その1その2その3

東京タワー下の「タワシタ」でシャンパンをあけつついろんな話をした。いい夜だった。23時に食べ始めて、終わったのは26時すぎだったかな。久しぶりの夜更かし。でもこういう夜更かしは気持ちがいいな。大満足の楽しい一日だった。

ちなみに、昨日のロミジュリ、空席が1割くらいあった(もったいない)。ダンス重視なら10日の「ジゼル」。ストーリー重視なら12日と14日の「ロミジュリ」。グルジアやロシアからはるばるやって来たダンサーたちのためにも満席にしてあげたいのでオススメしておこう(詳細はこちら

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アナニアシヴィリの至芸 @「ジゼル」

2010年03月04日(木) 7:42:35

昨晩はグルジア国立バレエの公演で「ジゼル」を観てきた。@東京文化会館

グルジア国立バレエは、今回、ボリショイバレエからウヴァーロフと岩田守弘くんをゲストに迎えての来日公演でふたつの演目をする。「ジゼル」と「ロミオとジュリエット」。岩田くんは「ロミオ」にマキューシオ役で出る。配役が決まった半年前から今回の来日を楽しみにしていた。

昨晩は「ジゼル」で、岩田くんの出番はないのだが、なんといっても現代最高のプリマバレリーナのひとり、ニーナ・アナニアシヴィリが主役である。見逃せない!

彼女はボクより3歳下の45歳(3月末で46歳)。もういつ引退してもおかしくない。というか、普通のダンサーだったらとっくに引退している。実際、ボリショイもABT(アメリカン・バレエ・シアター)も引退した。そうして世界の第一線を退き、いまは旦那さんがいるグルジアで、このバレエ団の芸術監督をしながら細々と踊っている状態。もうニーナが踊るのをこの目で見られるだけで至福。ありがたやありがたや、である。呼んでくれたジャパン・アーツさん、ありがとう。

ボクが彼女の舞台を初めて見たのはモスクワだった。
2003年にロシアをひとり旅したとき、バレエを8舞台観たのだが(8泊9日で8舞台:笑。バレエ超初心者から一気に中級者へ)、このとき、ボリショイで彼女の「白鳥の湖」を観たのである。

死ぬほどよかった。
もう全盛期は過ぎた、とも言われていて、確かに超絶技巧的にはもう下り坂だったかもしれないが、「人の心に伝わるダンス」という意味では図抜けていた。翌日、ザハロワのボリショイ・デビュー公演があったのだが(マリインスキーから移ってきた最初の公演。演目は「ジゼル」)、まぁザハロワも教科書的でうまいけど、「心に伝わる表現」という意味では比較にならなかった。

それ以来、彼女の舞台はなるべく欠かさず観ている(人気も高く、値段も高いのでなかなか行けないのだが)。

で、昨晩。

なんだろう。
ニーナだけ「踊っていない」というかなんというか…。いや、もちろんいい意味で。

もちろん、すばらしいダンスなのである。見惚れる。図抜けている。でも「踊り」というより「演技」に昇華されていた。もう踊りが無意識下に降りていて、「がんばっている」「超絶技巧を見せている」みたいな感じがまったくなく、それよりも、心が伝わってくる。まさに「演技」。立ち姿だけで何かが伝わってくる。ダンサーというよりアクトレス。

圧巻は狂気の場面(狂い死にの場面)。
いままで何度か「ジゼル」を観ているが、これほどの狂気を演じた人はいなかった。ダンスが少しずつ崩れていく。最後は観ているのも辛いほどの狂気。まさに迫真の「演技」。

周りに泣いている人が何人もいたなぁ。

幕間にホワイエで岩田くんに会った。「ロミオ」のための稽古に来ていたらしい。
第二幕は岩田さんと並んで観劇(隣の席が空いていたので)。岩田さんがボソリと「ニーナはカラダが万全ではない」と言う。年齢的にももうボロボロなのは自分を顧みてみればよくわかる。たった3歳下でこれだけ動けることだけで驚異だ。

第二幕のウィリの場面はもうひたすら美しい。
おおっ!と驚くダンスはなかったが、完璧な表現力で楽しませてくれた。あぁすばらしいな…。ウヴァーロフもさすがに良かった。ミルタ役のラリ・カンデラキにもうちょっと期待したが、それでも全体にいい舞台。

グルジアは政情不安の余波もあり、バレエダンサーが急激に減っているという。バレエでは喰えない状態だとか。今回も男性ダンサーの層の薄さを感じさせた。ヤバイほど薄い。でも、アナニアシヴィリが芸術監督として急速に立て直しているというから、今後に期待。

終演後、岩田くんが無邪気に言う。
「佐藤さん、僕、バレエ、久しぶりに観ましたよー。やっぱりバレエって美しいですねー」
まぁ踊る側の彼が舞台を観る機会があまりないのはよくわかる。どんな気持ちでバレエのどこを観たのかなー。いろいろ聞きたかったが「今晩は予定が」とのことで終演後すぐ帰ってしまった。まぁ来日中あと何回かは会えるからその時に聞こう。

というか、「ジゼル」も「ロミオとジュリエット」も、今回の東京公演にボクは全部行く予定(まだ空席あり)。岩田くんもニーナも一回も見逃せない。ほんと、いつまで踊ってくれるのか、という二人である。目を皿のようにして観るぞ。

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クレイジーケンバンド @八王子市民会館

2010年02月22日(月) 8:17:09

土日は必死に仕事した。
今週はわりと山なのである(昨日の件も含めていろいろと)。で、「やらないといけないこと」を書き出して、ひとつずつ消していく方式に。あぁ時間がない。間に合わない。なんとか土日分のノルマは終えたけど、今日も明日も明後日もわりと必死。

という嵐の最中ではあるが、クレイジーケンバンド(CKB)のライブに行ってきた。@八王子市民会館 (まぁ逆に言うと、この予定があったから必死さが増し、能率が高まったとも言える)

CKBは長者町の「FRIDAY」に続いて今年2回目。GIRLS! GIRLS! GIRLS! BACK TO 009 TOUR ファイナルである。まぁ初日が先週なのだが(笑)

八王子、遠かったし寒かった。あまりの寒さに「八王子、寒い…」とツイッターにつぶやいたら、八王子出身者や在住者から一気に「そうなんです、八王子って寒いんです」みたいな書き込みがあったくらいは寒い。寒いなぁ。

会場の八王子市民会館は古い古い会場。
ケンさん曰く「私にとってはここはなんといっても『8時だョ!全員集合』ですね。この辺にいかりやが立っていたわけですよ」と。なるほどー。そういえば確かに収録によく使われていた気がする。そうかー。この舞台にドリフが立っていたかー。キャンディーズも立っていたかー。
CKBはそれに敬意を表して「ズンドコ節」をやった(笑)。そしてズンドコのリズムに乗せて「タイガー&ドラゴン」もやった。「タイガー&ドラゴン ズンドコ・バージョン」(笑)
他には「無条件」をやった。これ、「FRIDAY」でやったときは背景を説明してからやってくれたのだが、今回は何の説明もなくやった。初めて聴いた人は新曲と思ったかも(笑) すべてがサビのようなK-POP。いい曲だ。つか、耳から離れない。

3時間みっちりのライブは相変わらず格好良く、実に楽しかった。格好いいなぁケンさん。惚れ惚れする。

写真は会館前にあった立て看板。昭和かよ。でも、この昭和感がCKBにまさにぴったりで、とてもいい会場だったと思う。
ライブ終了後は、同行した小石原はるかCKB師匠と初対面の石黒謙吾さんと荻窪の「鮨なんば」へ。ライター系の3人なので濃い話をいろいろと。というか「その校了スケジュール、ホントに間に合うの!」と、とても心配された(泣)

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ワルボロ

2010年02月20日(土) 21:25:58

ちょっと出口がない気分になっていた上に、体調不良まで来た。

これ、困ったなぁ…。
このまま長めのトンネルに入ってしまうのだろうか…。

ストックしてある「効く言葉」を読んだり、陽転思考したり、ジム行って体をいじめたり、音楽聴いたり、いろんな手を使ってみたが、なんだか上昇気流に乗れない。

んー困った…。

暗い気分のまま、深夜、ぼんやりと本棚を眺めていた。

そしたら一冊の本に目が止まった。なぜこの本なのかわからない。初読時の印象はとてもよかった。イメージの残像が残っているくらいは印象的だった。でもなんでこの本なんだろう…。

本を手に取る。ベッドに持ち込む。そして明け方まで、500ページあるこの本を一気読み。

抜けた。
出口を抜けた。
なぜだか知らないが、きれいに抜けた。

すごいな。本もすごいけど、ボクの潜在意識もたいしたもんだ。「いま心に必要な栄養」を数千冊の本の中から、しかも特に意識してなかった本の中から、ピンポイントで探し出した。

その本は「ワルボロ」(ゲッツ板谷著/幻冬舎)。
名作だ。すばらしい。でも、なんでこの本が出口を示してくれたのかはわからない。でも、抜けた。はは。

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「NECK」@青山円形劇場

2010年02月17日(水) 7:42:07

さて、おととい観た青山円形劇場の「NECK」の感想を書こうと思ったのだが、いざ「あそこを褒めたい」「あの部分を書きたい」と思って書き始めたものの、よく考えたらこの舞台、ネタばれは相当まずいタイプのストーリー。まだ絶賛上演中なのでほとんど書けないことに気がついた。

ホラー演劇なのだが、ストーリーの意外性にかなり依存しているのである。いろいろ伏線が張られているので、テーマにすら触れられない。とてもいいテーマなのだけど。

だからひとこと、いや〜怖いよ〜、と言うに留めておく(笑える場面もたくさんある)。
ホラーって大苦手だから、観てる途中でホラーとわかったときは戦慄した(笑)。何の予備知識もなく「モリが出るから」という理由のみでニコニコ観に行ったからなぁ…。

舞台美術についてくらいなら触れてもいいかな。なかなか素晴らしかった。
円形劇場なので、まわりをグルリと観客が囲む形式。舞台も丸いのだが、土俵のように盛り土になっていて(実際には土ではないが、森の中という設定なので土の設定)、その上で、主要俳優は、ほぼ2時間にわたり、首だけ地面上に出して演技する。そう、首=NECK、ですね。映像の使い方も格好よくお洒落(この辺は演出の妙)。あえて言えば照明にもっと凝ってほしかったかも。直射日光、木漏れ日、朝の光などなど、違いをちゃんと出したらもっとよくなった。

あー、このくらいしか書けないなぁ…。
終演後、出演者のひとりである森崎博之くん(モリ:TEAM NACS のリーダー)と飲んだのだが、彼曰く「動きがほとんどないので、台詞を間違えやすい」と言っていた。台詞ってカラダの動きと共に覚えた方が覚えやすいであろうことは素人でも想像がつくが、まったく動かないし、俳優同士、目も合わせにくいシチュエーションなので、たしかに台詞の順番とか間違えちゃいそうだ。

あと「カラダを動かさずに叫ぶせいか喉が痛む」とも言っていた。喉のクスリを多用して舞台に出ているらしい。同姿勢で叫び続けると喉にばっかり負担がかかるのだろう。それと「とにかく腰がいたい」とも言っていたっけ。座りっぱなしで首上だけの演技だからなぁ。たしかに腰に来そう。

この舞台では俳優は極限状態を演じるので、その気分を引きずって帰るらしく、夜もよく寝られないと言っていた。大変だ。でも今回のモリの演技は素晴らしいものだった。2/24の終演まであと1週間、がんばれ。

ちなみに、この「NECK」、原作は舞城王太郎で、同一モチーフのまったく別のストーリーでの映画化も考えられているらしい(くわしくはこちら)。ちょっと面白そう。両方楽しむためには舞台を観ておく必要があるので、ぜひ(まだ多少の当日券はあるらしい)。

キャストも書いておこう。

原作:舞城王太郎
劇作:竹内佑
演出:河原雅彦
出演:溝端淳平、森崎博之、鈴木浩介、加藤啓、市川しんぺー、河原雅彦

本当はもうひとり、重要人物が出るのだが、それは書けない(サイトのキャスト紹介でも書いてないし)。あと、河原雅彦の役は当初板尾創路が配役されていたのだが、体調不良のために降板とのことである。人気の溝端淳平はなかなか達者な演技でありました。

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すぎやまこういち、マジ天才

2010年02月13日(土) 21:10:55

ドラクエ6の隠しダンジョンに行ったら、中に街があって、そこであることをすると大好きなドラクエ5(天空の花嫁)の登場人物に会える。

ちょっと感動した(笑)

で、それをムスメに見せたら、ムスメも感動して、ニコ動に上がってる「ドラクエ5全曲集」みたいのを見せてくれた(というか、聴かせてくれた)。
いやー、ドラクエ5の音楽、やっぱりいいわ。ふたりで50分、歌いながらずっと聴いていた。すぎやまこういち、マジ天才。

それにしても今日は能率が上がらなかったな。やらないといけないこと満載なのに、自己嫌悪になるくらい出来なかった。こういう日もあるさではそろそろ済まない。いろんなことが間に合わない…。

そんな気分を引きずりながら、今はなぜかユーミンを聴いている。初期の荒井由実。
ツイッターに書き込みながら聴いていて、「山手のドルフィン、私も行きましたー」とか、いろんな人と話しながら。

「晩夏」が流れてきて、「初めて聴いたとき、♪夕焼けを吸って燃え立つ葉鶏頭(はげいとう)〜 の葉鶏頭をハゲ伊藤と脳に刷り込んでしまい、いまでもそれが離れない。なんとかしてくれ」とツイッターに書き込んだら、「いま刷り込まれちゃうからヤメテ!」と、とてもイヤがられた。まぁそう言わずに、一緒に刷り込まれちゃいましょうよ(笑)

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ドラクエ6終了

2010年02月12日(金) 7:15:03

この日に買ってしまったドラゴンクエスト6「幻の大地」。

仕事と出張の合間にチマチマとやってきた。いや、チマチマと、というより、チマー…チマー…、という感じ。普通、徹夜したりして一気に進めたりするのだが、数日おきに数時間やる、という間延び感。さすがに本業(広告)も副業(ライティング)も切羽詰まっているので、徹夜する無茶は避けた(したくてたまらなかったけど)。

で、昨日、ようやくエンディングを迎えた。
まだ、クリア後の隠しダンジョンが残っているが、とりあえず「The End」の文字を見た。買ってから15日。主人公のレベルは40。ラスボスとの闘いは長時間の苦しい闘いだったが、一度も全滅せず、一度も「世界樹の葉」を使わず(「時の砂」は一回使った)、なんとか「なかま」全員無事のままで勝ち残った。

というか、前半の「ムドー3回目」以外は、すべての中ボスが弱かったな。
DSに移植したときにずいぶんゲームバランスを変えた印象。まぁストーリーが複雑かつ哲学的で、とってもわかりにくいので(上の世界と下の世界の区別もつきにくいし、その真の意味もわかりにくい)、せめてバトルは優しくしたのかもしれない。それにしてもラスト・ダンジョンを何の不安もなくすらすら進めちゃうバランスってどうよ。ドキドキしたのは前半の「ストーンビースト2匹出現」くらい(これには一度全滅させられた。凶悪)。特に経験値稼ぎはしなかったが、なんでこんなに楽にしたのかな…。

ついでに言えば、移植で面白くなくなった部分は他にもいろいろあり、かなり不満が残る出来かもしれない。すれ違い通信とかカーリングとかスライム格闘場とかもつまらない。モンスターを(一部しか)仲間にできないのもやりこめない要素。経験値アップのうれしさもなく(熟練度の方が大切)、お金での苦労もほとんどなかった。なんだかなぁ…。ドラクエ5の傑作具合に比べてあまりにも…。

まぁでもこれで落ち着いて仕事と原稿に取り組める。
ドラクエとかFFとかって、いったん始めちゃうと「クリアしたい感」に苛まれて落ち着かないからね。まだ隠しダンジョンに行ったり、「はぐれのさとり」を手に入れて転職させてみたり、と、やることはあるけれど、とりあえずいったん終了だ。

ところでドラクエ3をやりたいんだけど(最初期三部作がやりたい)、DSにしてくれないかなぁ…。ただし移植は上手に。ね。

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マッキントッシュMC7270、ザオリク!

2010年02月11日(木) 19:30:39

パワーアンプのクレルKSA80Bの調子があまりに悪いので買い換えを画策しだしたと前に書いた

オーディオマニアの方々からメールをたくさんいただき、いくつか買い換え候補も決めたのだが、自由に使えるお金が減り続け、まだしばらく買えない感じである(そこそこの値段のを買おうと思っているので)。
そうなると音楽が聴けない。コンピューターの貧弱なスピーカーから聴くしかない。それではあまりに哀しいので、暫定的にセカンドシステムとして眠っていたMcIntosh(コンピューターじゃない、オーディオのマッキントッシュ)のMC7270を復活させることにした。ザオリク!

アポジーとマッキントッシュは非常に相性が悪いと言われている。
でもどうかなー、もしかしたら意外と良かったりしてー、と、ほのかな希望を持ちながら、つないでみた。ええとアポジーのインピーダンスは3オームだから、2オームのところにつなげばいいのかな…(そういうことももう忘れてしまった)。

わりと苦労して配線し、とりあえず鳴らしてみる。
いくつかボクの「オーディオ用のリファレンスCD」ってヤツがあり、それを聴くとシステムの良し悪しがわかる。インバルのマーラー4番、ジェニファー・ウォーンズの「Ain't No Cure For Love」、ユーミンの「ダイアモンドダストが消えぬ間に」、ジェイミー・カラム「縁は異なもの」、リンダ・ロンシュタット「星に願いを」、バーシアの一連などなど、昔から聴いてきたリファレンスたち。これらで定位や低音や歌手の口の大きさなどをチェックするのである。

んー……。
なんというか、古いラジオのような音がするじゃないか(もちろん標準レベル以上の音なんだけど)。昔のジャズなんかは気持ちいいが、ボーカルの口が大きくて緩い。そして上の方が詰まったような音。天井が低い部屋で聴いているような感じ。こりゃダメかなぁ。やっぱり相性悪いや。

まぁでも小さな音だとそれもごまかせる。しばらくはこれで聴こう。必然的に古いジャズが多くなるが、最近あまり聴いてなかったのでこれはこれで楽しい。いま聴いているのは「リトル・スージー」。レイ・ブライアントの左手がいい感じに響いている。こういうの、マッキントッシュは大得意である。

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クレイジーケンバンド @ィ横浜FRIDAY

2010年02月06日(土) 22:36:36

昨晩は、ィ横浜は伊勢佐木長者町のライブハウス「FRIDAY」にて、クレイジーケンバンド(CKB)のライブを観た。正確に言うと「クレイジーケンバンド Classics」かな。6人構成のCKB。

いや〜楽しかった〜!
CKBのライブは二回目だが(一回目はこの日)、こんな楽しいライブは他のバンドでは味わえないもの。イイね、イイね、イーーネッ! しかも場所が場所。ここ「FRIDAY」は100人ほどしか入らない小さくて古い、そして有名なライブハウスで、CKBの聖地&拠点と言われている場所なのである。

CKBは売れる前からここでライブをやっていて、いまでも毎月ここで定例ライブをやっているという。偉いなぁ。
そしてここでのCKBライブは超プラチナチケットらしい(そりゃそうだ)。コアなファンが争奪戦を繰り広げる世界。そんな世界、自分とは遠い世界だと思っていたが、今回は友人の友人が電話攻勢でゲットしてくれ、総勢7人で出かけることができたのである。長年のファンでも行ったことがない人が多い聖地。申し訳ない&めっちゃうれしい。電話かけまくってくれたハルナさん、本当にありがとう。

2部制(19時40分・22時50分)の2部だったので、まずは長者町の「華隆餐館」で腹ごしらえ。
ここ、うまいわぁ〜。四川料理の店なのだが、外観や内装から想像できる数倍は本格的でうまい。刀削麺も抜群。ここはリピートしたい店だなぁ。同行した小石原はるかセレクト。さすがである。総勢7人、この店で集合して「はじめましてー」などのご挨拶をして、いざライブへ(結構バラバラな7人で面白かった)。

21時40分に入店コールがあるとのことで、その時間に着いて並ぶ。
寒い中、階段に並び、ブロックごとに呼ばれて入店する段取り。ボクたちはCブロック。席はステージ右側(上手)のキーボード真横。ステージといっても段差がないので、まぁなんつうか、剣さんがキーボード弾きに来ると、ほんと2メートル前にいる、という感じ。すげー近いよオイ。

第2部のライブが始まったのは、夜22時50分から。
結局、終わったのが24時20分だったから、1時間半くらいやったかな。すごく小さな箱な上に、コアでディープなファンばかりなので盛り上がりがすごい。それを観ているだけで楽しい。バンドもノリノリ。いやー楽しいなぁ…。

曲は、レアな曲もやったのでわからないのも多いが、わかる曲だけ書き出すと、

「長者町ブルース」「夜のヴィブラート」「松並木ストラット」「黒いオートバイ」「発光!深夜族」「検便」「JBメドレー」「無条件」「そこまで云わせておいて」「あるレーサーの死」「アメ車と夜と本牧と」「ベレット1600GT」「聴力検査」「あなたの名前を呼びたくて」

という感じ。20曲くらいやったのではないか。

終わってからは関内駅に向かって伊勢佐木モール(ゆずの聖地)を疾走(終電に間に合わない!)。なんとか蒲田行きの最終電車に間に合って、蒲田からタクシーに乗って家に辿り着いた。そういう疾走を含めて実に楽しい夜だった。なんかね、ライブのあとにジタバタいじこくする感じがCKBっぽい。

あぁ楽しかった。
CKBはまた近々見に行ける予定。次は大きめの箱なので昨日の親密さはないだろうけど、サービス精神は一緒だろう。期待を絶対裏切らないのが彼ら(ボクもプロの端くれなのでこのすごさには頭が下がる)。

一度、有楽町の小さなカウンター・カレー屋で、はからずも剣さんと隣り合わせになったことがあるが(緊張して声をかけれなかった)、それ以来の接近遭遇だった。相変わらず惚れ惚れするくらい格好いい。前も書いたけど、シリアスだけどコミック、クレバーだけど頭悪い、イマだけど昭和、王道だけど場末。この感じ、すごすぎる。

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疲れをとらないといけないのに何すんねん

2010年01月29日(金) 9:16:59

なんだかものすごく疲れているんだけど、よくよく考えたら、去年の12月初旬くらいから休みらしい休みをとっていない。晦日も正月もずっと仕事していたし(しかも徹夜レベル)、普通の土日も執筆で明け暮れていた(これまた徹夜レベル)。新年になってからの仕事量は尋常じゃない。講演行脚の出張にかこつけて各地で食べたり遊んだりもしたが、休息にはなっていない。そりゃ疲れるわ。

ということで、金曜夜、土曜、日曜とすべての予定をキャンセルさせていただいて、じっくり休むことにした。急にキャンセルのお願いをした方々、本当に申し訳ない。でもこれ以上動いていると「発症」する予感。すいません。来週も三日間も出張あるし。

まぁじっくり休むと言っても、単行本の推敲や企画書書きなど多少やらないといけないことはあるのだが、極力短時間で終わらせて、のんびりと音楽聴いたり睡眠とったりアレやったりする。あぁジムくらいは行こうかな。スッキリするだろうな。あとはアレをやる。

というか、アレなんかまったく買うつもりはなかったのだ。でも、昨日、有楽町線からJRに乗り換えるときにビックカメラの中を通っちまったんだよなぁ。そして「本日発売!」の大きな文字を見ちまったんだよなぁ。嗚呼。イヤだ。困った。したくない。……DS「ドラクエVI」。疲れをとらないといけないのに何すんねん。


※ ボクも参加している「国民と政治の距離を近づけるための民間ワーキンググループ」の提案の一環として、ツイッターやブログに続き、首相官邸に毎回何組かの方を招いて行われるリアルなカフェが始まります。世界的にこういう対話型のカフェはたくさん開かれ、文化や芸術や政策が醸成される場になっていますが、日本ではまだまだ例が少ないですね。官邸で首相が開くのは画期的かと思います。第一回目は託児施設つきで「子育てカフェ」。応募の仕方など、くわしくはこちら。とりあえずリアルでも第一歩。少しずつ。着実に。

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映画「すべては海になる」

2010年01月25日(月) 7:49:53

subeumi-p.jpgおっと、ずいぶん前に「感想は後日」と書いたままになっていた映画「すべては海になる」の感想を書きそびれているうちに公開日過ぎてしまった。おとといの土曜日が初日であった。

完成試写会に行ったのは11月のこの日
原作・脚本・監督をすべてこなした山田あかねさん(映画初監督)からお知らせをいただき、観てきたのであった。まだお会いしたことはなく、メールで何度かやりとりしただけだが、前に読んだ「まじめなわたしの不まじめな愛情」は面白かったし、「もしも、この世に天使が。《青の章》 」も良かった。この映画の原作「すべては海になる」は映画を観た後すぐ買ったのだが、まだ読めてない。年末は仕事で大嵐だったので。

完成試写会だったので舞台挨拶があった。挨拶したのは主演の佐藤江梨子と柳楽優弥、そして山田あかね監督。
サトエリの抜群のスタイルに見とれ、柳楽くんの天然トークに笑い、山田監督の理知的コメントに頷き、なかなか楽しい舞台挨拶だった。しかし、マジで柳楽優弥ってそういう系なんだなぁ。まだ19歳かぁ。先日結婚したよね。どんどん人生が前倒しになっている人だ(14才でカンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞だし)。でも、彼はたぶん50才くらいになった方が味のある俳優になると思う。

で、本編。

リアルをリアルに描こうとした感じの映画で、特に盛り上がりもないのだけど、ハリウッド的「早わかり映画」がそんなに好きではないボクとしてはいろいろ考えさせられて良かったと思う。注意深く見つめないと本質が見えてこないような映画なので、思索型の人にはとてもいいと思う。「別にベストセラーにならなくても、どこかにいる誰かが感動してくれた方がいい」みたいなセリフが映画中にあったが、まさにそれを狙っているような映画である。誰か少数の胸に深く届くことを狙いつつ、人気主演俳優を使って大きく網を投げてみた、という感じだろうか。

書店に勤める「愛がわからない女」佐藤江梨子と、崩壊寸前の家庭をひとりで立て直そうとしている高校生、柳楽優弥。このふたりが近づいていく過程を丹念に拾いながら物語は進んでいく。
いろんなエピソードが重なるので、ストーリーは複雑なのだが、それをスッキリまとめて2時間飽きさせなかったのはなかなかの力技。テーマに近づいたと思ったら遠ざかり、遠ざかったと思ったらまた近づいて、というような波に翻弄されている感じも上手だった。

劇中劇「小島小鳥の冒険」が面白い。そしてこの映画の重要なテーマになっている。そして、この映画自体が反「小島小鳥」になっているのがイイ。あと、個人的には、フェイバリットな「ガープの世界」への言及がわかりやすかった。考えすぎかもしれないけど、「ガープ」の中の劇中劇とかぶさって、ボクの中では納得感があった。

賛否が分かれるのはラストシーンかなぁ。原作・脚本・監督をすべてひとりがやった「思い入れ」が画に出てしまっている印象。ラストで初めて表題とリンクしてくるのだけど、その辺も多少唐突。伏線がもうちょっと欲しかったかも。このあたり何度も前を読み返せる小説の方が向いているストーリーなのかもしれない。映画は時間軸として後戻りできないから。

なんというか、人生はどうしようもないということを前提に、それでも前を向いて生きていくしかない、というような、苦いような爽やかなような不思議な後味が残って面白かった。

お、そうそう、一瞬出てきた吉高由里子が実に良かった。この子、女優として大化けする気がする。

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36年前なのにまったく色あせない

2010年01月16日(土) 22:42:52

数日前、映画「アバター」を「絶対IMAX3Dで観ろ」とオススメしたが、それは友人から「キャメロン監督はIMAX3Dを念頭に置いて撮影した」と聞いたからである。そして、実際にIMAX3Dで観てその映像に衝撃を受けたこともあってオススメしたので別にウソは言っていないのだが、他の3D方式(全部で4つあるらしい)ではダメなのかは検証していない。

で、「なんでXpanD方式ではダメなの」とかの感想をツイッターで読んだりもして、少し気にしていたのであるが、素晴らしいレビューをしているブログを見つけた。題して「『アバター』3D全方式完全制覇レビュー」。4方式を全部、短期間で見比べてレビューしてあるのである。

これを読めばすべてわかる!
ええ、要するに「絶対IMAX3Dで観ろ」です!
あー、良かった(笑)

良かったと言えば、今日の夜21時からBS2でやった番組「荒井由実 "ひこうき雲" の秘密」は良かったなぁ。
荒井由実のデビューアルバムである「ひこうき雲」の当時のマスターテープを録音スタジオで聴きながら、ユーミンと松任谷正隆と細野晴臣とかが当時のエピソードを話しあったり、トラックごとに聴いたり、マニアックに語り合ったりした1時間。このアルバム、約1年かけてじっくり録音していったとか。そのディテールへの凝り方などが浮き彫りになっていく。ティンパンアレーすげえ。

それにしても、発売以来36年も経つこのアルバムだが、本当にまったく色あせない。いま聴いてもとても新しく感じる。これは細部の作り込みの尋常ではない凝り方のおかげだったんだな。当時として新しかったのに、とても普遍的。そしていまでも新しい。そういう音作りってあるんだなぁ。

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毎年恒例の「正しいお正月」

2010年01月14日(木) 6:58:35

maki10.gif昨晩は毎年恒例の新年のお祝い。
神楽坂の料亭「牧」にて芸者さんたちと。 2006年から毎年同じメンバー5人(男性3人女性2人)で続けている「和」の会である。今年で5年目か。

初めてのときにはそれはそれは緊張した。振る舞い方がなにもわからない。禁則事も客としての気配りも芸事への理解などもわからない。大人として「和の常識」をここまで知らないというのはどうなのか、と後悔しながら緊張して座っていたものだ。

そういう意味では今年も「わからない」。
でも、「こういうものはただ単にくつろいで楽しめばいいのだ」ということだけは5年の経験でわかってきた。そしてさすがに場馴れしてきた(夏も来ているし)。分厚い座布団に座り、金粉入りの日本酒を飲み、正月正装の芸者さんにお酒を注がれ、美しい踊りを見て、三味線入りの三三七拍子をやり、「おめでとうございます」と挨拶して締める。何も考えずにこの流れに乗ればいい。

そのせいか、今年はやけに楽しかった。まぁ疲れ切っていたせいもあるのだけどすぐ酔って、踊りも会話も超くつろいで楽しめた。芸者さんたちも毎年来るこのメンバーを覚えてくれていて、最初から空気が温かい。頭ではなく、こうやって少しずつ体で「空気」を覚えていくもんなんだな。

いつもの如く、1時間でさっと帰り、同じ神楽坂の「弥生」を覗いてみたら奇跡的に空いていたので5人でハシゴ。
ここの一人用すっぽん鍋が大好きだ。うまいなぁ。カキフライもうまかった。〆の鴨チャーハンも絶品。会話も大変盛り上がり、なんか久しぶりに腹かかえて笑った。腹筋いてえ。その瞬間、ストレスがすぅぅぅと抜けた。

あー楽しかった。「正しいお正月」をやるのってやっぱり大切。今年も一年楽しく生きよう、と、心があらたまった。この会がずっと続きますように。

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映画「アバター」@IMAX 3Dシアター

2010年01月13日(水) 8:04:53

昨年末から「おまえもクリエイターの端くれならすぐに見に行け」と言われ続けた映画「アバター」

執筆終了を待って、遅ればせながらようやく昨日観に行けた。川崎の109シネマズ「IMAX 3Dシアター」にて。

観てわかった。「アバターは映画を永遠に変えてしまった」と言われている意味が。

「スターウォーズ」初作の冒頭でどこまでも続く巨大宇宙船が現れたときに感じたものに近い。あぁこの映画が出来る前と後では何かが違っちゃうんだな、と思わせる何か。

クリエイターとか関係なく、映画好きなら「映画芸術のある転換点を体験するために」観に行くべきだろう(いまさら言うか)。

DVDになるのを待ってはいけない。去年「サマーウォーズ」を「夏の間に行け。大画面で観ろ」とオススメしたが、この映画は「大画面かつ3Dで観ろ。そして出来るならIMAX 3Dシアター(IMAXデジタルシアター)で観ろ」である。つまり公開中に。わざわざ「IMAX 3Dシアター」がある場所まで出かけていって。なにがなんでも。

3時間弱、3Dメガネをつけて観るのだが、ちょっと3D酔いはあったかな。
でも、余計な3D感(こっちに棒が伸びてくるとか)がなく、とても自然な映像で、怖さはない。遠近感によるリアリティと「その場にいる感」がすごいだけ。ストーリーも(ツッコミドコロはいろいろあるが)面白く、CGの完成度も強烈。

少し寂しくもなった。
あぁこれで過去の大好きな映画たちが「古い2D映画」とか言われて文字通り前世紀のものになっちゃうんだろうなぁ。まぁ数年はかかると思うけど、映画はたぶん3Dに向かう。映画は「アバター」によって観るものから体験するものになってしまった。2Dが物足りなく見えてくる未来がくるのかもしれない。

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志の輔らくご in パルコ

2010年01月10日(日) 19:03:52

すごいすごいとは聞いていたけど、ここまですごいとはなぁ…。

って、表題の「志の輔らくご in パルコ」のことである。
今年で5年目になるというこの高座、ボクは初めて行ってきた。

というか、立川志の輔の噺を聴くこと自体が初めて。その至芸はつとに有名だし、いま一番おもしろい落語だとは聞いていたが、なにしろチケットが取れないと聞く。そう聞いてビビってしまい、取る努力をしたことがないんだけど(笑)、とにかくプラチナチケットであることは本当らしい。

で、今回も初手から諦めて、まったく行く予定にしていなかったのだが、昨日、早朝からたらんこたらんこ執筆していたら、友人からメールが舞い込んだのである。「志の輔、1枚ありますよ。ごいっしょしません?」と。

うほっ!
これぞ天の恵み! 晦日から松の内まで休みなく酒も飲まず働いたご褒美!

もうその時点から「夜をあけるために必死に執筆!」状態となり、死ぬほど集中して書いた。おかげで予定の二日分を17時30分までにあげた。なんだよ、やれば出来んじゃんか。というか、目の色変わったもんな。約10時間、死ぬほどがんばった。

ということで、行ってきましたパルコ劇場。19時開演。

なんか、劇場の空気が独特だ。みんな「前のめりで笑いに来ている」。
落語ってマニアックな人が見に来る確率も高いので、批評的な空気がほんのり漂っているものなのだが、この「志の輔らくご」はどちらかというと演劇系やエンタメ系の客筋で、みんながみんなポジティブな気を発している。志の輔、いいお客さん掴んでるなぁ。

で、時間となり、さりげなく高座に上がってきた志の輔師匠。おお、ついに志の輔の落語! 楽しみだぁ!
と、気合いが入るこちらの気持ちを読んだかのように、かるーい枕ではぐらしながら始めたのだけど、もう数十秒後にはドッカンドッカン笑いを取った。うまいなぁ。おもろいなぁ。ちょっと仕事で心配事があったんだけど、そんなのも軽く忘れさせるほど面白い。うまいなぁ。ほんと、マジうまい。

で、枕からの絶妙の流れで一席目「身代りポン太」。
これはいわゆる「根多おろし」なのかな。創作落語である。もうすでに「あぁこれだけでもう満足」ってくらい面白かった。さすがだなぁ。世の中の空気感を敏感に取り入れて、「事業凍結」で噺を作ったあたりもさすが。みんなが自分ごとになるので、のめり込み方が違う。うまいなぁ。

で、いったん下がって、その間舞台上では小咄系の文字映像が流れ、そこでも笑いを取り(サービス精神旺盛)、二席目も創作落語「踊るファックス 2010」。
これはね、本当にすごかった。笑いのドッカン具合がなんか落語じゃない感じ。ちょっと呆然としつつ楽しんだ。いやー笑った笑った。

その噺のオチの流れで、バックの衝立が急にファクスになって紙がベーーーッって排出されてきたりする演出があって(サービス精神旺盛すぎ)、仲入り。15分休んで三席目である。黒紋付で現れた志の輔さん。これまた上手な枕から、流れるように自然に古典落語「中村仲蔵」の世界へ。

一転して真面目なお話なんだけど、これまたうんまいのである。
敢えて言えば声質がガラガラ声なので(志の輔さん、タバコ吸いすぎかと)、女役をするときにすこーし違和感あるかな程度。ぐぐぅっと引き込まれ、他の世界を忘れた。普通なら「ここの表現、うまいなぁ」とか、表面的なところに気が散るんだけど、そんなこと意識もせずストーリーに没入した。で、引き込まれていると突然演出でライトがついたりしてドキッ! これがまた効果的。

あー、すごかった。
おもしろいと言うより、すごい。

舞台も演奏も係員も、すべてポジな空気をまとっていて、楽しいのなんの。すごいエンタメを見させていただいた。ヤフオクで買ってもう一回見に行きたいくらい。

これだけの芸を持った上で、ソツなくガッテンの司会なんかもこなしちゃって。コラムも上手だし。天才なんだな志の輔師匠。
裏ではいっつも「死にそうなほど疲れている」らしいけど(知り合い談)、これだけ人に笑いを与えるって、生半可なエネルギーでは出来ないだろう。いや、すごい。自分の抱えている苦労が小さく小さく思えた。ありがとう志の輔らくご。ありがとう、友人様。

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サンタ氏

2009年12月23日(水) 20:52:28

例年ほとんどクリスマスを意識しないのだけど、今年は先々週の義父葬儀もあり、特にお祝い気分はない。
しかも義母のケアのために妻が神戸に行っていることもあって、数少ないクリスマスグッズ(テーブル上に置く小さなツリー)も出ていない(「出そうかぁ」とムスメに聞いたら「んー、まぁいいんじゃない?」と。クールだw)。まぁ週末にケーキくらいは買おうかな…。

というか、それどころではなく、仕事と執筆が重なって地獄の様相を見せているので、クリスマス気分なんかにならなくてもいいのだけど、でも、今日の早朝にツイッターで可愛い友人&後輩が撮った写真を見つけて、ムスメと一緒にほんわかとクリスマス気分になった。そしてツイッターでRTしたら数千人が見に行って喜んでくれた模様(いつの間にかフォロワーも9700人超になってるので)。

彼女がつけたタイトルは「朝焼けにサンタさん乗ってきた!!!」。
すごくイイ写真なので是非見てみてください。このカタチ自体も奇跡的だけど、それが12月23日に出るのもスゴイ。そしてそれを見つけて撮ったのもスゴイ(見つけたのは彼女のお母さんらしい)。

サンタ氏、ソリに乗ってどこに急いでるのか。と、ちょっとカマトトぶってみる。

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シルヴィ・ギエム & アクラム・カーン「聖なる怪物たち」

2009年12月21日(月) 7:30:23

昨日もちょっと書いたが、「シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン・カンパニー『聖なる怪物たち』」を観てきた。@東京文化会館

シルヴィ・ギエムを観るのは何回目かな。たぶん7回目くらい。もう観る度に口あんぐりなのだけど、今回はアクラム・カーンの舞踊とその演出も含めて、超口あんぐりだった。

15時から16時すぎまで、1時間とちょっとの舞台。
短いけど濃密。濃厚。隅々まで自由で新しい。ギエムとカーンの「相違」と「問い」と「共感」。そしてそれらからの「自由」。

この舞台、どう説明すればいいのかな。
お互いに違う出自のダンサーなんだけど(ギエムはバレエ出身。カーンはインド舞踊 "カタック" 出身)、それが自由自在に合わさって、まったく新しい舞台になっている。背景は抽象的でシンプル。そこにシンプルな練習着を着たふたり。そして5人の様々な人種の音楽奏者のみ。ただ、ダンスと音楽だけでなく、独白と会話も大きな要素。そしてそのどれにもまったく囚われず、結論もオチもつけず、ひたすら「自由」に表現する。とはいえストーリーはちゃんとあり、不条理劇でもハプニング劇でもない。なんというか「あくまで自由に『自由』をきちんと描いた」感じ。もっと説明的に言うと「お互いが自由になる過程」を「自由な方法論」で描いている感じ。

ダンスからも、悩みからも、小さいときの葛藤からも、髪のないクリシュナからも、言葉からも、肉体からも……、すべてから自由になる過程。それをダンスや音楽や独白などが唐突に「自由に」入る構成で、ものすごく自由に描いている。そしてギエムもカーンも、自分本来のダンスから自由になって踊りまくる。

だからだろう、この舞台には相対するものがたくさん出てくる。
ダンス(バレエとカタック)。宗教(キリスト教とイスラム教)。言葉(イタリア語のエピソード)。音楽(西洋と東洋)。性(男と女)。肌(白と黒と黄)。髪(長い・ハゲ)。背(高い・低い)。
独白でもダンスでもそれらが語られる。それらが正反対な姿を見せつつ、問い会うことで調和を見いだし、その挙げ句ぶつかりあい、またわかりあい、エマーヴェイユ(驚くこと)を共有し、歓喜し、また不調和を見せつつ終わる……。その過程と自由さが得難いものだった。

だいたいのストーリーはサイトのこのページの下の方の独白部分を読むとわかる(ダンス動画も少しある)。いやゴメン、読んでもわからないかも。そこに書いてあるような独白を実際に舞台上でカーンとギエムがアドリブをはさみながら語り、その間にダンスや音楽が仕込まれている。

「自由」になるために、このふたりが出会って一緒にステージを作り上げることはきっと必然だったんだな。
バレエやカタックに囚われていた精神が、ふっと自由に飛翔する過程と瞬間をしっかり見せてもらった感じ。伝わるなら何でもありなんだ、という「ダンス自体からの自由」も見せてもらった。

題名の「聖なる怪物たち」(Sacred Monsters)には違和感があり、いろいろ深読みしてしまったが、ボクの中では、怪物たちは合わさる前のそれぞれの要素たちのこと。囚われていた聖なる怪物たちが解き放たれて自由になる、みたいな解釈をしてしまったが、たぶん日本人にはわかりにくい別の意味合いが題名にはありそうな気がする。

会場を出ながら、国木田独歩の「驚きたいんです」という言葉を思い出していた。
ギエムが最後に語る「emerveille(エマーヴェイユ)」ってそういうことなんだろうと思う。驚き続けるためには開放された精神と肉体が必要なんだろうと思う。さて自分は開放されているか。自由になれているか。要はそういうこと。

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Superfly @武道館!

2009年12月15日(火) 6:52:29

なんか葬儀関係の疲れが出たのか身動きできず、昨日は休みをいただいて一日寝ていた。
でも、夜にはムスメが異様に(本当に異様に)楽しみにしていたライブが武道館であった。父娘ふたりで行く約束である。夕方くらいから楽曲を聴いて、少しずつテンション上げて、よし、行くぞっ!

ということで行ってきました「Superfly 2009 Dancing at Budokan!!」。

Superfly 初の武道館公演である。そしてムスメにとってもライブ初体験(クラシック・コンサートを除く)。人生初のロック・ライブが Superfly で武道館というのもなかなかいいのではないかな(ついでに with 父 というのも)。

中3のムスメは Superfly のいわば糟糠のファン。
まだ全然有名じゃない頃から「Superfly すごい、Superfly 好き!」と騒いでいた。女子校には同好の友人もおらず(年齢的にはジャニーズとかに走る人が多いから)、彼女ひとりで突き抜けて好きだったらしい。だから最近の大人気を少し複雑な想いで眺めていたみたい。「私が好きって言いだしたころはまだ誰もその価値を認めてなかったじゃない!」って感じで(笑)

彼女が家で毎日のように聴いていたので、ボクもわりとSuperflyの曲をいろいろ知っている。というかファン化している。
つうか、Superfly ってなにしろサイケでフラワーチルドレンでウッドストックでジョップリンな人なので、聴いていてボクもまるで違和感がない(今年ウッドストックに招かれてジョップリンを歌った模様を撮った「情熱大陸」ももちろんチェックした)。そして歌唱力は抜群だし楽曲もすばらしい。小さなカラダからほとばしるエネルギーとオーラもただものではない。

会場は超満席(立ち見多数)。年齢層はちびっ子から年寄りまで。男女比も五分五分くらいか。
ライブは15分遅れで始まったが(始まる前のBGMがジム・クローチとかチープトリックとか古いストーンズとかで趣味の良さを感じさせた)、1曲目は「Hi-Five」。ボクはこれが1曲目じゃないかとムスメと賭けていたので勝った!

この1曲目の照明と演出がとても良かったので期待していたら、その後のステージ演出(特に照明)も異様によく、わりと口をあんぐりあけて見惚れていた感じ。照明ディレクター誰だろう。本当に素晴らしい。もうこの人が照明をするステージをずっと追っていきたいくらいモダンで派手で芸が細かくてツボを心得ていて、そして何より美しかった。
特に前半数曲の蜘蛛の巣のようなレーザー光線の使い方の美しさ。雲上みたいなレーザーもキレイだった。中盤の「My Best Of My Life」の巨大ミラーボール+レーザーの幻想的なこと。良かったなぁ。素晴らしい。この照明を楽しむならアリーナの前の方ではダメ。1階席や2階席の方が楽しめる(ボクは2階席中央だったので堪能できた)。

一夜限りの特別ライブ、ということで、古い曲からもいろいろやったのだが、印象的だったのは「孤独なハイエナ」「嘘とロマンス」「愛をこめて花束を」「ハロー・ハロー」「How Do I Survive」。弾き語った「Last Love Song」。あとはもちろん「Alright!!」に「Dancing On The Fire」。そしてアンコールでやった3曲「マニフェスト」に、ジョップリンの「Piece Of My Heart」、「I Remember」。あとは……って良いのばっかりだな。持ち歌いい曲多いからねぇ。そのうえ聴き惚れるような歌唱力。キーボードは弾くしギターも弾くしハモニカ吹くし。

ロック系ライブは初体験だったムスメは、まずはその大音量にびっくりしていた。
でも2時間半、大好きなSuperflyと同じ空気を吸って歌を楽しめ、本当に満足した模様。もう明日学校に行きたくない、余韻に浸っていたい、とかつぶやいていた。わかるなぁ。
ボクのロック系初ライブは誰だっただろう。中3のときのKISSだったかRod Stewartだったか。その頃の興奮と「同じ場所にいて同じ空気を吸っているなんて信じられない!」という思いは本当によくわかる。

結局、ムスメのファンさ加減に引きずられて行ったくせに、自分でも異様に楽しんでしまった Superfly。
この志帆(Superfly)って子、相当すごいと思う。こういう子が音楽シーンにさりげなく出てくると、日本もアーチストの層が厚くなってきたんだなぁって実感する。音楽業界、不況だけどね。でも、目も耳も肥えた日本の客をしっかり楽しませるこういう子がまだまだ次々出てきているのは頼もしい限りだ。あー楽しかった。

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朝日俊彦先生の講演音声ファイル

2009年12月13日(日) 16:44:54

ツイッターで紹介されたこの講演の音声ファイルが実に良かった。お時間がある方は聴いてみてください。朝日俊彦さんという泌尿器科の医師による講演の模様。この先生の本も読んでみよう。

この先生、この後で末期癌になられたらしいのだけど、そのことはこちらにくわしい(下の方に別のラジオ番組音声ファイルもある。これも必聴)。

今回、義父の死をめぐってボンヤリと「癌って、本人も家族も親族も覚悟と準備ができる、ある意味シアワセな病気」と思ったのだけど(痛みがあまり激しくない場合に限るが)、それに近いお話もあった。要は考え方だなぁ。人生の終え方をどう考えておくか、ということに尽きる。

というか、なんか、明日にでも「死」が来るような、妙な感覚。身近だ。「死」が身近だからこそ、寸秒惜しんでちゃんと生きようと思う。そして「どう死ぬか」をもうちょっと "具体的に" 考えようと思った。先延ばしにしすぎてきた。


義父・山谷陽久の趣味は俳句で、亡くなる寸前まで投句していた。
句文集「富士」という本(自費出版・非売品)を遺していて、それをパラパラめくっていたら、癌告知そして手術前後に読んだであろう句が載っていた。

癌告知受けて出づれば時雨れたり
病院の聖樹に治癒の願ひ込め
手術日の決まりし夜半の虎落笛
術経過告げる医師笑み冬ぬくし
術後とはただ耐える時冬の菊
傷跡の痛みに手添へ冬日浴ぶ

あまり気持ちの裏側をヒトに見せない義父であったけど、告知前後の気持ちはいかばかりだったであろう。

ちなみに、NHK俳句や朝日俳壇で入選した句もご紹介しないと義父があの世で怒りそうなので二句つけておきます。

奥駈の岨道ゆけばほととぎす(NHK俳句)
郭公や己が名前に節つけて(朝日俳壇)

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マリインスキー・バレエ「イワンと仔馬」

2009年12月09日(水) 7:51:46

昨日の募金アプリについて、たくさんの応援やサジェスチョン、ありがとうございます。
こういういわゆる「いいこと」っぽいことって、書けば書くほど「いいことをしているオレ」みたいなアピールに見えてきてイヤなのだけど、もともとツイッター上でオープンに話が始まったこともあり、経過もある程度オープンにしていこうと思います。というか、なぜだかわからないけどとにかく走り始めちゃったので、どうなるかわからないなりに最後までは走ってみます。

まず、税金問題については光明が見え始めていますが、まだまとまってません。今日か明日にはまとめて、デザインも仮に上げて、とりあえず申請できるところまでは持って行きたいところ。いずれにしても年内リリースはアップルの都合で難しいけど、まだルートを探っている状況です。結果はもうちょっとお待ち下さい。

そんな中、昨晩はマリインスキー・バレエへ。
「白鳥の湖」をコンダウーロワヴィシニョーワで見て、昨日で3つ目にしてラストである。あぁロシアに帰っちゃうのね(まだガラがあるけど観に行けない)。

昨晩はワレリー・ゲルギエフがマリインスキー歌劇場管弦楽団を指揮した完全引越公演。ゲルギエフの異様な人気もあり、マイナーな演目なのに会場はほぼ満席。補助椅子が出ていたくらいであった。有名なところでは細川護煕元首相が観に来ていた。

演目は「イワンと仔馬」。ラトマンスキーが新演出したもの。
ラトマンスキーのものはボリショイ・バレエで「明るい小川」というコメディを1年前に観たが(岩田モリ熱演!)、あれよりももっとコミカルで、美術もかなり抽象的でシンプル。興味深かったけど、「白鳥の湖」みたいな「さすがマリインスキー!」って感動はなかったかな。美術と衣装の素晴らしさが活かされてきっていなかったし。というかボク自身、クラシックな舞台の方が好きということもあり。

原作は「せむしの仔馬」という民話で、ロシアでは幼児から大人まで誰でも知っている物語らしい。日本で言ったら「桃太郎」みたいなものか。
たとえば「桃太郎」だったら、犬や猿や雉との出会いや鬼との闘いを有名演出家がどう描くか、世界トップのダンサーたちがどう踊るか、を、日本人は楽しめるでしょ? この作品、たぶんロシア人にとってはそういうものなのだと思う。でもストーリーを全く知らない日本人から観ると、ストーリー的についていくのがやっとで(かなり荒唐無稽で展開も早い)、そのコミカルさも(前提をしらないから)どこか楽しめないのである。仕方がないから途中からはダンスそのものと、色濃いロシア色を楽しむことに徹することにした。サイトでストーリーを熟読していったボクでもそうだったから、ストーリーを知らずに観た人には相当チンプンカンプンだっただろうなぁ。

第一幕は、その独特のコミカルさについていくのがやっとで(ノリについていけないし笑えない)、ダンスも盛り上がる部分が少なく、個人的にはもうひとつ。
ただ、休憩後の第二幕は、姫役のソーモアのダンスが多くなり、火の鳥たちや海の女王たちのダンスなどもあり、イワンや仔馬のダンスの見せ場もあり、かなり楽しめた。ラストのころには「もっと観たい!」と思うくらい。逆に言うと、ラストでようやく盛り上がってきたので、もっと最初から見せ場をたくさんちょうだいよ、という感じ。

ラトマンスキーの振付は、姫のソロがどれもこれも素晴らしいものだった。
ただ、火の鳥たちの群舞はもっともっと盛り上げられるはず。海の女王たちのところも。そこがもっとグッと盛り上がると舞台全体の印象も変わったと思う。あと最後の「熱湯の入った大釜」場面。ちょっとマジックっぽい演出が欲しかったな(イワンが変身する部分。着替えてるのが丸見えなのってどうよ)。

キャストは、姫君役がアリーナ・ソーモワ(とても良かった。ヴィシニョーワっぽい)、イワン役がレオニード・サラファーノフ(これも良い。岩田モリがやったら当たり役になるような役だなぁ)、仔馬役がグリゴーリー・ポポフ(ジャンプが高く安定していて良い)。この三人が大きなダンスをしてくれ、舞台は相当締まったと思う。あと、雌馬と海の女王役に「白鳥の湖」でプリマをやったコンダウーロワが出ていた。海の女王よりも雌馬役の可愛さが目立ったかも。

全体にかわいらしい小品だったけど、民話知識としての共通の土台があったら3倍は楽しめただろうと思うとちょっと残念。皇帝や侍従たちの動きももっともっと楽しめただろうに。

ゲルギエフの指揮はメリハリがあって力強いもの。第二幕などガンガンに攻めていて気持ちよいくらい。彼のシンフォニーとか聴いてみたいな。まぁほとんどチケット取れないのだけど。

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国際理解のための落語会

2009年12月05日(土) 11:01:10

今朝の犬散歩のときに見た雲。これっていわゆる地震雲? ヒコーキ雲にしてはぶっとくて長い。

ぶっとくて長いといえば(汚い!)、数日前の「うちのわんこのウンチ問題」にメールやツイッターでたくさん反応をいただきました。ありがとうございました。
「うちのもそうです!」というのが半分。「そういう犬って初めて聞きました」が1/4。「病気とかも疑った方がいいですよ」が1/4。だいたいそんな感じ。まぁ急にウンチ回数が増えたり、急に壁になすりつけだしたりしたら病気を疑うけど、ずぅっと昔から散歩中は4〜5回ウンチで歩きウンチでなすりつけウンチなヤツなので、これはもう習性ですね(なすりつけはマーキングっぽい)。他にもそういう犬が結構いるみたいなのでホッとしました。というか、みなさん「うちのわんこですー」と写真を添付してくれて楽しかった(笑)

昨晩は、お茶の水女子大学グローバル教育センター主催の「国際理解のための落語会」で落語を聞いてきた。@お茶の水女子大学徽音堂

外国人学生に落語や小噺を利用して日本語を教える、という研究活動の一環としての落語会で(趣旨がすばらしいね!)、外国人学生が小噺を練習して発表したあとに、プロの落語家や紙切り師も来て芸を披露してくれる。

で、そのプロというのが、なんと柳家さん喬師匠(!)
さん喬師匠がハナとトリの二席をやって、柳亭左龍師匠がもう一席、鏡味仙花が太神楽をやり、紙切りを林家二楽がやるという豪華な寄席形式。ボクは仕事で遅れていったので、左龍の「棒鱈」と二楽の紙切り、そしてさん喬の「幾代餅」しか見られなかった。

左龍や二楽の話しぶりからすると、どうやらもう何回もこの落語会に参加している様子(さん喬師匠も)。それどころか提携しているっぽい米国バーモント州のミドルベリー大学夏期日本語学校にも何度か行って落語などをしている様子。こういう草の根の活動が我々の知らないところでちゃんと行われているんだなぁ。すばらしい。観客もそうは多くないからギャラ的にもほとんどボランティアに近いだろうに。

外国人学生が相手という意味では「紙切り」は格好の芸である。
ハサミを使って見事な切り絵を作り上げていくものだが、まぁ寄席ではちょっと地味めの芸。ただ、外国人にはホントに受ける。昨日も大受け。まぁああいう器用さは神業としか見えないだろうなぁ。おおおー!とか歓声が上がるとこちらまでうれしくなる。

柳家さん喬師匠は、実はボクは初めて聞いたのだが、いやぁ本当にホレボレする「幾代餅」だった。絶品すぎて呆然とした。うんまいなぁ…。もっともっとこの人の落語が聞きたいと思った。寄席に行こう。

終了後、NPOカタリバ代表理事の今村久美さん(アジア版「TIME」誌の表紙になってる!)も加わり、5人でご飯。松井さんの官房副長官就任のお祝いをずぅっとやってなかったので、親しい仲間で集まっての小宴だった。

なんだか最近「教育」に急に縁が出てきた。
演劇教育を推進する平田オリザさんや「よのなか科」の藤原和博さんとの出会いもそうだし、今村さんが代表をやっているNPOカタリバもすばらしい教育プログラムの実践で知られている。昨日の「国際理解のための落語会」も教育の一環だし、最近は広告学校系でのレクチャーも増えた。青学オープンカレッジのスタッフも友人にいていろいろ話を聞いているし、そういえば来年はある大学の非常勤講師も勤めることになった。

「思いも寄らない流れにはとりあえず乗ってみろ」というのはボクのモットーでもあるが、これも「思いも寄らない流れ」なのかもしれない。「教育」か。まぁ向き不向きから言ったらわりと向いているとは思うけど…。

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マリインスキー・バレエ「白鳥の湖」(ヴィシニョーワ)

2009年12月01日(火) 8:42:48

昨晩、サンクトペテルブルグのマリインスキー・バレエ団による「白鳥の湖」に行ってきた。@東京文化会館(上野)

今回はヴィシニョーワがプリマ(主役の白鳥/黒鳥役)。
ヴィシニョーワは「ロミオとジュリエット」を観たことがあるが、これが実に魅力的なジュリエットだったので白鳥にも大期待だった。先週行ったコンダウーロワの白鳥に比べてどうだろうか。

マリインスキーの「白鳥の湖」全体についての感想は先週書いたのでそちらを読んでいただきたいが、今回も感嘆のし通し。本当に世界最高峰だなぁ…。衣装から美術から群舞からすべて素晴らしい。今回は席が前の方だったこともあり、演技の詳細をきちんと見られたが、手先・足先まですべて気が行き届いていて本当に美しかった。

この、世界最高峰の「白鳥の湖」で、主演がこれまた世界最高峰のひとりであるヴィシニョーワなのに、なんと会場には空席が1割ほども! ありえないなぁ。ロシアからわざわざ来てくれているのに…。まぁでもバレエの現状ってこういうことなのかもしれない。ボクも本場ロシアで衝撃を受けるまでは「バレエ? ケッ」って感じだったし(笑)。まさかここまで好きになる未来が来るなんて10年前には思いもしなかったしな。そのうえチケット高いし。不況だし…。わかるけど。わかるけどモッタイナイ。こんなに楽しく美しい芸術なのに。

でも、メールをいただいただけで3人、ボクを信じてマリインスキーの「白鳥」を観に行ってくれたみたい。3人ともものすごく感激して長いメールをくれた。いやー、本当に今回のマリインスキーの「白鳥」はいい。特に初心者にうってつけだったのだけど。こんなに空席があるのは残念だ…。

それはともかく、ヴィシニョーワの「白鳥」。
マリインスキーで言うならば、以前観たロパートキナの白鳥、そして先週観たコンダウーロワの白鳥と比べてどうだろうとワクワク。ヴィシニョーワは「ロミジュリ」で大ファンになっているので超期待した。

で、第一幕の湖畔のシーンではもう期待を上回る出来で、マジで涙が流れた。
ボクも広告業界で四半世紀生きてきたので、いい加減スレているオッサンなのだが、そのオッサンが泣くくらいなんだから、その良さは想像していただけると思う。白鳥の恥じらいと驚きと歓喜。白鳥の想いが美しい音楽とともに心になだれ込んでくる。ヴィシニョーワは繊細に美しく完璧に表現しわけ、一寸の隙もない。コンダウーロワのは「美しいダンス」。教科書的に美しく隙がなかったが、ヴィシニョーワのはダンスを越えて「素晴らしい演技」だった。あぁバレエとは「言葉のない芝居」なんだと再確認。ダンスは主ではなくて従。演技が主。それを感じさせてくれる表現だった。最高。

それが第二幕では一変してしまったのだから、バレエとは難しい。
まず黒鳥が似合わない。可愛らしすぎて「魔性の女」的な部分が感じられない。しかも王子役のコールプが手を引っ張りすぎてヴィシニョーワが転ぶというハプニングがあり、そこからダンス自体も堅くなってしまった(というか、陶然としていた観客がそこから少しハラハラ観るようになり、その空気を受けてヴィシニョーワ自体も緊張した感じ)。有名なグラン・フェッテに至っては「ミスを取り返すのよ!」って感じの必死さが前面に出てしまい、確かに凄かったのだけどちょっと引いた。あぁいろいろとチグハグになってしまったなぁ。ものすごく残念。

第三幕は落ち着きを取り戻し、なかなか良かったかも。今公演ではハッピーエンドなのだが(この演目、バレエ団や演出によって様々なラストがある)、最後の「白鳥から人間に戻った驚きの表現」がとても上手だった。この可憐な感じはヴィシニョーワの真骨頂だなぁ。

ということで、全体ではコンダウーロワの回の方がまとまっていて満足度が高かったかも。第一幕に限って言えばヴィシニョーワの圧勝だったけど。

王子役のコールプは個人的に顔がダメだった(笑)。ダンスは安定していて良かったかな。でも無難な感じ。
その他のキャストは前回とほぼ一緒(前回のプリマであるコンダウーロワが群舞で参加していた!)。ロットバルト役のイワン・シートニコフは相変わらず素晴らしい。道化のラフェエル・ムーシンが物足りないのも同様。王子の友人たちのヤナ・セーリナとヴァレーリヤ・マルトゥイニュクが良かった。

あとは、8日にラトマンスキー振付の「イワンと仔馬」を観に行って(8日はゲルギエフが指揮する!)、今回のボクのマリインスキー観劇は終了。
人気演目「白鳥の湖」でこの入りだから、「イワンと仔馬」は壊滅的なのかも。まぁ「イワンと仔馬」が面白いかどうかは未知数なのだけど、時間とお財布に余裕があるかたは是非! 最高峰を体感するだけでも価値はあるはず。→公演スケジュール

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兵庫県立ピッコロ劇団「モスラを待って」

2009年11月28日(土) 19:33:36

全国初の県立劇団である 兵庫県立ピッコロ劇団の東京公演「モスラを待って」を観劇してきた。
平成19年度文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞受賞作品(ものものしいな)。今回の東京公演は明日まで。明日はまだ席が若干あるらしい。こういう地元に密着した劇団は応援したい。しかも昔住んでいた西宮の劇団だからね。

会場の「あうるすぽっと」は、移転した「東池袋 大勝軒」のちょうど真ん前のビルにある新しい劇場。
14時開演だったので約20年ぶりに「大勝軒」で食べてから行った。ラーメンはほとんど詳しくないんだけど、一時再開発で閉店してたんだよね? 今年の頭だったかに移転&復活したと聞く。有名な山岸さんも店頭の券売機横にニコニコ座っていた。巨大なパンダのぬいぐるみみたいで可愛い(失礼!)。大行列で有名な店だったが、今日はほとんど行列もなくすっと食べられた。つけ麺もいろんな店が出来たからなぁ…。

で、満腹になってピッコロ劇団。
この「モスラを待って」は、脚本家・鄭義信がピッコロ劇団に書き下ろした作品で、演出は「南河内万歳一座」の内藤浩敬である。
南河内万歳一座かぁ……なつかしいなぁ。大阪勤務時代に何回か観に行った。大阪は小劇団が盛んで、槍魔栗三助(やりまくりさんすけ:現在の生瀬勝久)がやっていた「そとばこまち」とか、まだ超無名だった「劇団新感線」(古田新太や羽野晶紀や高田聖子なんかが所属)とかよく観に行った。売れない役者さんたちにボクが作ったラジオCMに安く出てもらったりしてたっけ。古田新太さんとかとてもよく出てもらっていた(「第三舞台」の人たちにもよく出てもらっていた)。

とか、回想に浸っている間に公演が始まった。
映画(「帰って来たモスラ」)の撮影現場(しかも大晦日)のドタバタを軸に、様々な人間模様を詰め込んだコメディ。題名からして「ゴドーを待ちながら」的なのかなと予想していったが、そんな不条理劇ではなく、いろんな要素を詰め込みつつも、かなりわかりやすい人間模様となっていた。このわかりやすさはちょっと昭和ちっく。

ただ、全体に少し吉本新喜劇的なノリがあり、東京のお客さん的には空回りしていた部分はあったかも。
大阪勤務が長かったボクは「前のめりで笑いに行く」ことを知っているからまだしもだったが、演劇を「鑑賞」しちゃう東京のお客さんから「軽い笑い」を取るのは至難の業。その辺、少しかわいそうだったかもしれない。これ、観客のノリ次第でもっともっと面白くなるのにな。

素晴らしかったのは主演(客演)の剣幸。
いやー、この人、宝塚劇団トップスター時代(ウタコ時代)、わりと惚れて観に行っていたんだよなぁ。懐かしかった…。でもって、抜群の存在感と歌唱力でほとんど持って行ってしまった状態。実にうまかった。コミカルな演技も抜群。あぁもっとこの人の舞台が観たい!

出演は他に山田裕、平井久美子、橘義、森好文、木村保、吉村祐樹、杏華、今井佐知子など。みんな達者で安定していたが、やっぱりその大阪ノリが東京では空回り気味で、そこが惜しかったかも。笑いが来ないからみんな焦っちゃって、もっと空回りが進行した感じ。大阪か西宮で観たらまったく違う空気だっただろうなぁ。惜しい!

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クレルがついにダメっぽい

2009年11月25日(水) 8:02:54

アポジーのスピーカーをクレルのメインアンプで鳴らし、プリアンプはチェロ、CDプレイヤーはマッキントッシュ、というちょっとアンバランスなラインナップで音楽を聴いているが(阪神大震災で壊れて以来こうなった)、アンプのクレルがとうとうダメっぽくなり、メインアンプだけ買い換えることを検討しだした。

平面スピーカーのアポジー(カリパーシグネチャー)も相当へたっているが、これを替えるのはまだイヤ。理由は愛してるから(笑)。

となると、カリパーシグネチャーを充分鳴らせるくらい力が強くて、しかも相性がいいアンプを探さなければいけない。

もう最近では「Stereo Sound」なども読まなくなってしまったので、今のトレンドや今人気のアンプとか知らないのだけど、どなたかサジェスチョンいただけませんか?

って、オーディオに興味ない人には全くわからない話でスイマセン…。

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「ハイペリオン」再読

2009年11月24日(火) 9:17:56

THE ANSWER鈴木剛介の「THE ANSWER」は、世界中のすべての問いに答えようとする超野心的な哲学エンターテイメントであるが、その過程において「言葉」が重要なファクターとなっている。というか(乱暴にひと言で言っちゃえば)すべての始原を「言葉」と位置づけ、それ自体を答えとしている。それは正しい、と、心のどこかで膝を打ちつつ、心の別の部分では疑問が渦巻いた。

たとえば「共感」という「言葉を経由しない感情」はどうなのだろう。ボクにとって「共感」は「言葉」の母であり、共感から言語が生まれたのではないかと思っている(あまり深く "哲学" してはいないのだが)。そして「共感」こそ、人間を人間たらしめているものなのではないかと思っている。まぁ「THE ANSWER」はかなり緻密に書いてある本なので、中にそういう記述があったのかもしれないが(しばらく置いておいてから再読してみたい)、ざっくりとした読後印象はそんな感じ。←たぶん読みがまだ浅い。

で、唐突に「ハイペリオン」4部作を再読したくなった。
ダン・シモンズの傑作「ハイペリオン」4部作。SFではボクの中でJ.P.ホーガンのシリーズと双璧なくらい大切な作品で、もう3回ほど通読しており(1部あたり2段組500ページ超なので再読するにも体力と気力がいる)、今回やったら4度目の再読になる。

ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)なぜそんな気持ちになったかというと、この物語の中で、機械(コンピューター)の神と人間の神が争うのだが、人間の神の唯一の武器は「共感」なのである。ただ、「言葉」も重要なファクターであり、ジョン・キーツ(実在する偉大な詩人)とマーティン・サイリーナス(重要登場人物のひとり)の「詩想」に世界のすべてが収束していく。「共感」と「詩想(言葉)」。これをどう位置づけて物語が進行したか。ここにどう上下関係(前後関係)があったのか。この辺の視点からあの物語を読んだことがなかったので、もう一度読み直してみよう、となったわけ。

で、ここ2週間くらいか、再読している。
昨日、第2部「ハイペリオンの没落」を読み終えた。これから3部4部の「エンディミオン」に入っていくが、ここからはもっと「共感」に寄っていったはず。2部が終わった時点としてはですね、ええと、よくわからん(笑)。サイリーナスの言いまわしが思わせぶりすぎて、キーツのほのめかしがわかりにくすぎて、筋を理解するだけでボーッとなり、言葉と共感の関係性まで読み取れない(これだけ難しいのに、これだけ飽きさせない物語も珍しい)。

でも、やっぱり思うのは「言葉」はコンピューターも人間も使えるが、「共感」だけは人間特有のものであるということ(一部の動物も持っているが)。そこに大事な始点がある気がする。4部まで読み終わったら今度は「THE ANSWER」を再読してみよう。この本には考えるいいキッカケをもらった。考えること、つまり「哲学」すること。そういう意味では実に『哲学」な本である。


というか、余談になるけど、「ハイペリオン」シリーズには本当にそうなりそうな未来がいっぱい入っていることに、いまさらながらビックリするな。映画「マトリックス」的なものも、ホーガンの「内なる宇宙」的なものも含めて、1989年発刊時点で、つまりグーグル誕生のはるか以前な時点で、これだけの予想(予言)をしていることに本当に驚くな。まぁウィリアム・ギブスンみたいな先人もいるわけだけど、それにしても。

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マリインスキー・バレエ「白鳥の湖」(コンダウーロワ)

2009年11月23日(月) 21:48:18

来日中のマリインスキー・バレエに行ってきた。@神奈川県民ホール。

30日にもヴィシニョーワの「白鳥の湖」を観に行くのだが、今日のはまだ無名のコンダウーロワの「白鳥の湖」。若手がチャンスをもらうと一所懸命に踊るので意外と良かったりする。そして今日のはまさにそうだった。

ボクのバレエ経験は6年前のモスクワ旅行から始まっており(ボリショイ・バレエを6ステージ観劇)、岩田守弘くんが所属していることもあって圧倒的にボリショイ・バレエが好きなのだが、サンクトペテルブルグを本拠地とするマリインスキー・バレエも同じロシア・バレエなのでもちろん嫌いではない(この街にも行ったし)。
ただ、バレエ団の性格は多少違って、ボリショイが「情熱」ならマリインスキーは「冷静」。マリインスキーは、群舞の揃い方も、演出の精緻さも、踊りの端正さも、ボリショイより一歩上かなとは思う。迫ってくる熱さがあるボリショイの方が好きだけど、マリインスキーも観ていて惚れ惚れする。

今日の「白鳥」もまさにそうだった。
いやー、美しかった。まず、衣装、照明、そして舞台美術の美しいことよ。衣装はボリショイより数段上のセンスかも(ボリショイはいい意味でも悪い意味でも野暮ったいところがある)。美術も感嘆しどうしだったけど、第1幕第2場の湖水のシーンで、白鳥の模型が湖面に映って見える演出はとても新しかった(いままで見たことない!)。

舞台演出も上手。よく整理されていてわかりやすいし、とても写実的で観ていて楽しかった。ラストはハッピーエンドを選んだが、これも(マザコンの王子が急に強くなるのはどうかと思いつつ)まぁわかりやすいし、いいラスト。

そして、あまり期待しなかった白鳥役のエカテリーナ・コンダウーロワ!
この人、入団してから6年間も群舞(コールド)だったらしく、そこでの努力が認められて主役に抜擢されたとか。応援したくなってしまう(群舞からプリマドンナになるのは希有)。
1幕2場の白鳥シーンではちょっと老成していると思ったくらいな安定感があるダンスで、それが逆に「教科書的」に見えてしまい「どうかなー」と思ったのだが、2幕の黒鳥で印象が一気に覆った。妖艶かつ蠱惑的な黒鳥が見事に表現された。静と動を上手に演じ分けたなぁ。3幕のラストも良かった。どちらかというと哀しみの演技がもうひとつだが、これだけ安定感があればこれからどうにでもなる。今後に期待。ちょっとファン化。

あと、ロットバルト役のイワン・シートニコフが出色だった。王子役のダニーラ・コルスンツェフはまぁまぁというところ(ダンスは下手だけど存在感はあった)。道化役のラファエル・ムーシンは、どう贔屓目に見ても岩田さんにはテクニックで勝てず、かといってキャラも立っておらず少し残念だったかな。道化役って舞台を締める意味でとっても大事なのだと改めて確認。

とにかく、全体によくまとまった美しい舞台で、舞台演出的にはいままで見た「白鳥」の中でトップクラス。さすがマリインスキーという感じ。同じ演出でのヴィシニョーワの「白鳥」がいまから楽しみだ! うぅ、うれしいなヴィシニョーワのオデット。

ちなみに、マリインスキー・バレエの日本公演は12/11まで長々と続く(公演日程はこちら。東京・横浜以外では愛知・富山・滋賀・兵庫)。
今日のなんて空席もあったからね。モッタイナイ! 世界最高峰が向こうからわざわざ来てくれているのである。是非!

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娘と「ニュー・シネマ・パラダイス」

2009年11月22日(日) 23:16:30

一日中ずっと原稿を書いていて、粘りに粘ったのだが、どうにも前に進まない。芋虫が蜂に刺されてのたうつように数編仕上げたけど、読み返してもなんかノリが悪くクオリティが低い。んー、軽い旅エッセイ本なのになぁ。書けない時期なのかなぁ。でも〆切近いしそうも言っていられない。

とはいえ気分転換も必要だ。
今日は妻が実家に行っているので、中3の娘と二人きりの夕食。「なにかDVDでも観ようか」ということになり、前から観せたかった映画「ニュー・シネマ・パラダイス」をふたりで。完全オリジナル版の方なので3時間。ふたりで号泣しながら、ついさきほど観終えた。

……娘といっしょに「ニュー・シネマ・パラダイス」を観て、そのあとエンニオ・モリコーネの音楽をかけながら感想を語り合うのなんて、人生の至福のひとつではなかろうか。

いまはこの映画のテーマについてふたりで話してる。
昔書いたボクの映画評はこちら「座右のシネマ」コーナーの中では一番アクセスが多いかも(「パリ・テキサス」のも多い)。

今日はもう原稿は書かずに寝よう。いい夜だった。

※追記:結局25時30分くらいまでふたりで話してしまいました。

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煙が目にしみる

2009年11月16日(月) 8:45:38

ええと、金曜に宣言した背水の陣としては3章書かないといけなかったんですが、結局2章ちょいしか書けませんでした…(ダメじゃん)。でも! 読売新聞の連載コラムは書いたので、合わせ技で3章かと自分では思ってます(自己正当化)。まぁ実際のところ、全体構成とかも作ったから、わりといいところまでは行ったかな。とはいえ背水の陣違反なので、バツとして今日中にもう1章書くことにします。書けよ、オレ。

昨日書いたように、原稿書きのお供はずっとマイケル・ジャクソンだったのだけど(特に「トリビュート・ダンス」の感動的な映像)、夜になってまったく唐突に映画「Always」(三丁目の夕日ではなくて、リチャード・ドレイファスとホリー・ハンターが主演してスピルバーグが監督したヤツ。オードリー・ヘップバーンが出た最後の映画)の中で歌い手役の J.D.サウザーが歌った「煙が目にしみる」が聴きたくなって(プラターズではなくサウザーのが聴きたかった)、たしか iTunes に入れていた気がすると思って調べたけど入れておらず、昔のカセットテープとか探して聴くのも大変なので YouTube を探してみたら、あったよ、あった、これだこれ(映像は動かないけど)。ついでに懐かしい予告編なんかも見たりして、うっとりしてた。昔、リチャード・ドレイファスってすごく好きだったな。「コンペティション」とか「グッバイガール」とか、観たい・・・

煙が目にしみるといえば、土曜日の講義(広告系学校での授業)帰りにコーヒーはおいしいけど喫煙者が多い喫茶店(青山の「大坊喫茶店」)に寄ったんだけど、そこでカウンター隣の女性がまったくこちらに気をつかわず長く置きタバコしていて、その煙がちょうどボクの顔のあたりに来ていて、本当に煙が目にしみた。
おいしいコーヒーとタバコはゴールデンカップルらしいので気持ちはわかるけど、その煙、おいしいなら全部吸い込んでくれよ。そしてボクに吸わせないでくれ。そんな気持ちを込めてツイッターに「タバコ吸うなら煙をすべて肺に吸い込んでほしいと思う、美味しい珈琲屋のカウンターなう。」と書いた。そしたらツイッター返信やメールがたくさん。タバコの話題を書くと反応が激しいな。嫌煙派からも愛煙派からも中道派からも(以前「おしぼりで鼻をふさげ」とか「嫌煙はやめようよ」なんて書いたときはそれはもう…)。

もちろん喫煙オッケーの喫茶店だから文句を言う筋合いはないかもしれないし、タバコを真っ向から否定するわけでもない。でも、そこ、喫煙席ではなくて「自由席」なんだよね。禁煙派も近くにいる。だからせめて煙の行き場に注意するとかは最低限してほしい。

せっかくのおいしいコーヒーが楽しめなくなったのですぐ店を出て別のカフェへ。あぁオバマはもう帰っちゃうんだなぁと思いつつお茶を飲んだ。同じ年の彼のプレッシャーを思えば何でも出来るはずだよなぁ、と、ぼんやり思う(だけの)ワタクシ。精神的にちょっと端境期な感じ。

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Michael Jackson Dance Tribute

2009年11月15日(日) 12:43:26

ひーひー言いながら原稿書いてます。
いやウソ。わりと楽しんでる。読売新聞用のコラムはとりあえず書き終えたので、いま単行本に移っているところ。

ちょっと集中力が途切れたり気持ちが萎えたりすると、いまさらながらに「Michael Jackson Dance Tribute」を見て気持ちを奮い立たせている。

ええと、どれが最初なんだろう。このストックホルムのかな。「関連動画」から次々いろんな土地のが見られるので(オフィシャルだけでもたくさんある)、昨日から順々にゆっくり見ている感じ。「Beat It」だけでなくいろいろある。道路を占拠するブカレストのも好きだし、子供がやってるモントリオールのも好き。映画「This is it」の「Beat It」のシーンも思い出しつついろいろ見て、で、最後にマイケルの元素材を見て、またストックホルムに戻り、という感じ。

なんだか号泣できるし(笑)、なにより勇気が出る。
世界は捨てたもんじゃないし、きっともっと良いものになる。人間は愛すべきものだし、音楽は偉大だし、ネットは世界を根本的に変えつつある。そしてなによりマイケル・ジャクソンの遺したものの凄さに身震いする。

大勢でのインスタレーション(?)的なものとしては「Frozen Grand Central」が有名だったりするが、この「MJ Tribute」は、ちょっと「Free Hugs」にも似てるよね。傍観者ではなく当事者になりたいし、なれるツールをボクらは持っている。あとはアイデアとやる気だけ。文句や批判を言うヒマがあるなら動こうと思う。

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マイケル・ジャクソン「THIS IS IT」

2009年11月09日(月) 7:25:38

先週の頭だったか、マイケル・ジャクソンの映画「THIS IS IT」を観てきた。

ライブを撮った映画として、たとえばローリング・ストーンズの「シャイン・ア・ライト」がある。
マーティン・スコセッシ監督の名作だが(ボクは機内映画で観た)、これにはライブが始まる数分前までセットリスト(演奏曲順)も決めないストーンズの姿が描かれている。出たとこ勝負というか、ある種のライブ感はそこから生まれるのだとも思うし、彼らのシンプルなステージゆえのことでもあると思う。

マイケル・ジャクソンのステージ作りはその真逆。
まるで精密機械を組み立てるように、繊細に、計算づくで、細かく細かく考えられている。なのでリハーサルも超緻密。映像とも連動するので、秒単位でタイミングなどが決められていく。その緻密さゆえ、リハーサルが繰り返され、それをつなげたこの映画も2時間飽きさせず成立している(ほとんど本番に近いステージが再現されるため)。

映画の中で特に強く印象に残ったのはふたつ。
まずはマイケルの謙虚さ。暴君であっても全員ついてくるだろうに、あくまでも謙虚かつ優しく、細かい気遣いを欠かさない。ちょっと気の毒になるくらい周りの人間に気を遣っている。その姿がとても印象に残った。北風と太陽なら完全に太陽。こういう感じ、たぶん21世紀的。

もうひとつは「Beat It」のシーン。なぜか涙が出た。マイケルと同じステージで踊りたいがために集まったバックダンサーたち。彼らはものすごい倍率のオーディションをくぐり抜けただけあってみんな異様にうまいのだが、そんな彼らがマイケルのバックで「Beat It」のあの有名な振り付けをマイケルと一緒に踊るのである。
このシーンではバックダンサーたちの顔を追ったりはしてないのだけど、バックダンサーたちの気持ちを思うと泣けた。子供のころに見てマネして憧れたであろうあのダンスを、今、マイケルと一緒に踊っている自分。うれしかっただろうなぁ。それを思うとなんだかね。

2時間まったく飽きなかったが、最後をメッセージ的に締めくくったのは蛇足だったかも。マイケルのステージと映像を観ていれば自然と伝わることである。それだけが少し残念な他はとてもよく出来た映画だった。モノづくりに関わっている人は観たほうがいい映画。自分の姿勢が問われるという意味において。

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聖☆